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伝記 - Wikipedia

伝記でんき

ある人物じんぶつ人生じんせいについての当人とうにん以外いがいによる記録きろく

伝記でんき(でんき、えい: biography)とは、個人こじん生涯しょうがい事績じせきをかきつづったものもの[1]広義こうぎにはしるされた記録きろく総称そうしょうだが、狭義きょうぎには個人こじん事績じせき記録きろくす。現代げんだいにおいては、狭義きょうぎ使つかわれることがおおい。以下いかにそれぞれについてしる[1]

語源ごげんである中国ちゅうごく中期ちゅうき漢語かんご)としての伝記でんきについてはつて儒教じゅきょうにおける伝記でんき)の記事きじ参照さんしょう

伝記でんき記録きろく文書ぶんしょ

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伝記でんき(でんき、しるしぶみ)とは、記録きろく文書ぶんしょのこと。または、古来こらいつたわる事柄ことがら記録きろく伝説でんせつ伝承でんしょうきしたもの。古伝こでんつてともい、『烏丸からすま鮮卑東夷あずまえびすでん』、『こころざし倭人わじんでん』のようにしるされる。

「しるしぶみ」と場合ばあい、「ぶん文学ぶんがく史学しがくのこと)」ともく。

伝記でんき個人こじん事績じせき記録きろく

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伝記でんきとは、前項ぜんこうのうち記録きろく対象たいしょう個人こじん限定げんていしたもので、記録きろくする行為こうい自体じたいす。ある特定とくてい人物じんぶつ生涯しょうがいを、時間じかん沿って記述きじゅつしながら、対象たいしょうとなる人間にんげん性格せいかく業績ぎょうせきなどをたどるもの。こちらもつてりゃくされることがあり、『○○(人物じんぶつめいつて』のようにしるされる。筆者ひっしゃ自身じしんについていたものは、とく自伝じでん自叙伝じじょでん)という。

歴史れきしまとには、時代じだいにより、そのパターンや表現ひょうげん方法ほうほうおおきなられる。

中世ちゅうせいヨーロッパにおける聖人せいじん物語ものがたりや、罪人ざいにん物語ものがたりなどもひろ伝記でんきのルーツとしてみとめられてはいるが、これらは道徳どうとくてき要素ようそつよく、現在げんざいてき意味いみ伝記でんきとはおもむきことなるものとしている。

中国ちゅうごくの『史記しき』のなかに「列伝れつでん」がもうけられて歴代れきだい紀伝きでんたい正史せいしがれ、中国ちゅうごく古代こだい日本にっぽんにおいて漢文かんぶんによる伝記でんきかれた。日本にっぽんにおけるものは、後世こうせい仮名かめいじりぶんによる伝記でんき区別くべつしてとく漢文かんぶんでんぶ。

伝記でんき性質せいしつ意義いぎは、時代じだいながれで変化へんかし、とく20世紀せいき心理しんりがく発展はってんは、伝記でんきのありかたおおきな影響えいきょうあたえた。

教育きょういくめんからの伝記でんきまな意義いぎ

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日本にっぽんでも、授業じゅぎょう一環いっかん国語こくご英語えいご日本にっぽんなどの科目かもくげている。

教科書きょうかしょ掲載けいさいする意義いぎは、まず児童じどう生徒せいとたちに伝記でんきげた人物じんぶつたちと「ともだちになってほしい」、やがて授業じゅぎょうすすめて「教育きょういくてき観点かんてんせっまなんでほしい」となる。たとえば、カトリック教会きょうかい学校がっこうでは、イエス・キリスト聖人せいじんたちの業績ぎょうせき足跡あしあとまなんでいる。

また、日本にっぽんにおける初等しょとう教育きょういくにおいては、修身しゅうしんだい世界せかい大戦たいせん敗戦はいせんまで)の授業じゅぎょう科目かもくがあり、おおくの偉人いじん伝記でんきまな機会きかいがあり、とくおも荷物にもつ背負せおった二宮にのみや金次郎きんじろう銅像どうぞうは、校庭こうていすみなどに設置せっちされていた。金次郎きんじろう銅像どうぞうにする児童じどうたちにひととなりを見習みならい、勤勉きんべん向上心こうじょうしんのある人物じんぶつになってほしいという意図いとがあったとされる。

学校がっこう教育きょういく以外いがい一般いっぱん図書としょでも小中学生しょうちゅうがくせいけに児童じどう伝記でんきシリーズ伝記でんきシリーズどもの伝記でんき全集ぜんしゅうなどが販売はんばいされた。

どもを対象たいしょうとした伝記でんきシリーズの出版しゅっぱんについて

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小学校しょうがっこう教諭きょうゆ矢野やのよん年生ねんせいは、1979ねん刊行かんこうの『学校がっこう図書館としょかん特集とくしゅう——伝記でんきとはなにか)』(全国ぜんこく学校がっこう図書館としょかん協議きょうぎかい機関きかん)への寄稿きこうのなかで、どもを対象たいしょうとした伝記でんきシリーズの出版しゅっぱんについて、『どもの本棚ほんだな』(日本にっぽんどものほん研究けんきゅうかいへん明治めいじ図書としょかん)を引用いんようして、つてしゃえらびの安易あんいさ、問題もんだい内容ないよう問題もんだいフィクションもちいることの問題もんだいなどを指摘してきしている[2]

関連かんれん語句ごく

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  • もとつたえ
おもとなる伝記でんき記録きろくつて)のこと。外伝がいでん存在そんざいする伝記でんきたいしてもちいる。
ほんでんたいしてしゅたる部分ぶぶん要点ようてんについては不足ふそくするが、その補助ほじょとなるような記録きろく注釈ちゅうしゃくのこと。てんじて、ほんつてにおいてしゅたる部分ぶぶんではない、いずれかの部分ぶぶん焦点しょうてんてた記録きろく文書ぶんしょす。
おも歴史れきしじょう偉人いじん伝記でんきで、児童じどう出版しゅっぱんおおい。
  • 立志伝りっしでん
将来しょうらい目標もくひょうかかこころざして、様々さまざま困難こんなん激動げきどう成功せいこうこうめいげた人間にんげん生涯しょうがい半生はんせいえがいた伝記でんき
  • 評伝ひょうでん
人物じんぶつひょうをまじえた伝記でんき知人ちじんによる回想かいそう追悼ついとう出版しゅっぱんもある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 伝記でんきhttps://kotobank.jp/word/%E4%BC%9D%E8%A8%98コトバンクより2024ねん5がつ11にち閲覧えつらん 
  2. ^ 矢野やの 1979, pp. 29–31.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 矢野やのよん年生ねんせい現代げんだいども伝記でんき出版しゅっぱん特徴とくちょう」『学校がっこう図書館としょかんだい341ごう全国ぜんこく学校がっこう図書館としょかん協議きょうぎかい、29-33ぺーじ、1979ねん3がつ10日とおかISSN 0435-0405NDLJP:3431731 (よう登録とうろく)

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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