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位置 - Wikipedia

位置いち

物体ぶったい空間くうかんなかのどこにあるかをあらわりょう

位置いち(いち、英語えいご: position)とは、物体ぶったい空間くうかんなかのどこにあるかをあらわ物理ぶつりりょうである。

概要がいよう

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原点げんてんOから物体ぶったい位置いちPへのベクトル位置いちベクトル (position vector))であらわされる。

通常つうじょうx, r, sあらわされ、O から P までのかくじく沿った直線ちょくせん距離きょり対応たいおうする[1]

 

位置いちベクトル」という用語ようごは、おも微分びぶん幾何きかがく力学りきがくときにはベクトル解析かいせき分野ぶんや使用しようされる。

2次元じげんまたは3次元じげん空間くうかん使用しようされることがおおいが、任意にんい次元じげんかずユークリッド空間くうかん容易ようい一般いっぱんすることができる[2]

3次元じげん

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3次元じげん空間くうかん曲線きょくせん位置いちベクトル r はスカラーりょう t によってパラメータされる。r = a では、あかせん曲線きょくせん接線せっせんであり、あおめん曲線きょくせん法線ほうせんである。

3次元じげんでは、任意にんいの3次元じげん座標ざひょうとそれに対応たいおうする基底きていベクトルを使用しようして、空間くうかんないてん位置いち定義ていぎすることができる。位置いち座標ざひょうあらわかた座標ざひょうけいという。よく使つかわれるのは直交ちょっこう座標ざひょうけいであり、ほかに球面きゅうめん座標ざひょうけい円柱えんちゅう座標ざひょうけい使用しようされることもある。

 

ここで t媒介ばいかい変数へんすうである。

これらのことなる座標ざひょうおよび対応たいおうする基底きていベクトルは、おな位置いちベクトルをあらわす。より一般いっぱんした曲線きょくせん座標ざひょう英語えいごばんわりに使用しようすることができ、連続れんぞく体力たいりょくがく一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん使つかわれる(後者こうしゃ場合ばあい追加ついか時間じかん座標ざひょう必要ひつようとする)。

n 次元じげん

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線形せんけい代数だいすうでは、n 次元じげん位置いちベクトルの抽象ちゅうしょう可能かのうである。位置いちベクトルは、基底きていベクトルの線形せんけい結合けつごうとしてあらわすことができる[3][4]

 

すべての位置いちベクトルの集合しゅうごうは、位置いち空間くうかん要素ようそ位置いちベクトルであるベクトル空間くうかん)を形成けいせいする。空間くうかんないべつ位置いちベクトルをるために、位置いち加算かさん(ベクトル加算かさん)し、ながさを計測けいそくスカラー乗算じょうざん英語えいごばん)することができる。それぞれの xi (i = 1, 2, …, n) は任意にんいであり、集合しゅうごう空間くうかんないてん定義ていぎするので、「空間くうかん」の概念がいねん直感ちょっかんてきである。

位置いち空間くうかん次元じげんn である(dim(R) = n ともしめされる)。基底きていベクトル eiたいするベクトル r座標ざひょうxi である。座標ざひょうのベクトルは、座標ざひょうベクトルまたは n-タプル (x1, x2, …, xn)を形成けいせいする。

かく座標ざひょう xi は、媒介ばいかい変数へんすう tパラメータすることができる。1つのパラメータ xi(t) は湾曲わんきょく1次元じげん経路けいろ記述きじゅつし、2つのパラメータ xi(t1, t2) は湾曲わんきょく2次元じげん表面ひょうめんあらわし、3つのパラメータ xi(t1, t2, t3) は3次元じげん空間くうかんあらわす。

基底きてい集合しゅうごう B = {e1, e2, …, en} の線型せんけいつつみは、span(B) = Rあらわされる位置いち空間くうかん Rひとしい。

応用おうよう

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微分びぶん幾何きかがく

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位置いちベクトルフィールドは、連続れんぞくした微分びぶん可能かのう空間くうかん曲線きょくせん記述きじゅつするために使用しようされる。この場合ばあい独立どくりつパラメータは時間じかんでなくても、曲線きょくせん円弧えんこちょうなどでもかまわない。

力学りきがく

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位置いちベクトル r(t) は、ある時間じかん t におけるてん粒子りゅうし位置いちあらわす。

位置いち派生はせい

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古典こてん粒子りゅうし運動うんどうかんするりょう: 質量しつりょう m位置いち r速度そくど v加速度かそくど a

時間じかん t関数かんすうである位置いちベクトル rたいして、時間じかん微分びぶんtかんして計算けいさんすることができる。これらの派生はせいは、運動うんどうがく制御せいぎょ理論りろん工学こうがくおよび科学かがく研究けんきゅうにおいて共通きょうつう有用ゆうようせいゆうする。

速度そくど
 

ここで、 dr変位へんい微分びぶんしょうである。

加速度かそくど
 
おどたび
 

位置いちの1かい微分びぶん、2かい微分びぶん、3かい微分びぶんたいするこれらの名前なまえは、基本きほんてき運動うんどうがく一般いっぱんてき使用しようされる[5]拡張かくちょうによって、高次こうじしるべ関数かんすう同様どうよう方法ほうほう計算けいさんすることができる。これらの高次こうじしるべ関数かんすう研究けんきゅうは、もと変位へんい関数かんすう近似きんじ改善かいぜんすることができる。 このようなより高次こうじこうは、変位へんい関数かんすう無限むげん数列すうれつとして正確せいかく表現ひょうげんするために必要ひつようであり、工学こうがくおよび物理ぶつりがくにおけるいくつかの解析かいせき技術ぎじゅつ可能かのうにする。

変位へんいベクトルとの関係かんけい

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変位へんいベクトルは、あたえられた距離きょりにわたって所与しょよ方向ほうこう空間くうかんてん一様いちよう平行へいこう移動いどうさせる「動作どうさ」として定義ていぎすることができる。したがって、変位へんいベクトルの加算かさんは、これらの変位へんい動作どうさ構成こうせいおよびスカラー乗算じょうざんを、距離きょり尺度しゃくどとして表現ひょうげんする。これを念頭ねんとういて、空間くうかんないてん位置いちベクトルを、あるてんをそのてん写像しゃぞうする変位へんいベクトルとして定義ていぎすることができる。したがって、位置いちベクトルは空間くうかん原点げんてん選択せんたく依存いぞんし、変位へんいベクトルは初期しょきてん選択せんたく依存いぞんすることに留意りゅういされたい。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ H.D. Young, R.A. Freedman (2008). University Physics (12th ed.). Addison-Wesley (Pearson International). ISBN 0-321-50130-6 
  2. ^ Keller, F. J, Gettys, W. E. et al. (1993), p 28–29
  3. ^ Riley, K.F.; Hobson, M.P.; Bence, S.J. (2010). Mathematical methods for physics and engineering. Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-86153-3 
  4. ^ Lipschutz, S.; Lipson, M. (2009). Linear Algebra. McGraw Hill. ISBN 978-0-07-154352-1 
  5. ^ Stewart, James (2001). “§2.8 - The Derivative As A Function”. Calculus (2nd ed.). Brooks/Cole. ISBN 0-534-37718-1 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Keller, F. J, Gettys, W. E. et al. (1993). "Physics: Classical and modern" 2nd ed. McGraw Hill Publishing

関連かんれん項目こうもく

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