加藤かとうみどり

加藤かとう みどり（かとう みどり、1939年ねん〈昭和しょうわ14年ねん〉11月15日にち - ）は、日本にっぽんの声優せいゆう、女優じょゆう、ナレーター。東京とうきょう府ふ（現げん：東京とうきょう都と）出身しゅっしん。

かとう みどり 加藤かとう みどり
プロフィール
本名ほんみょう	伊藤いとう みどり（旧姓きゅうせい：加藤かとう） （いとう みどり）
性別せいべつ	女性じょせい
出身しゅっしん地ち	日本にっぽん・東京とうきょう府ふ（現げん：東京とうきょう都と）
生年月日せいねんがっぴ	(1939-11-15) 1939年ねん11月15日にち（84歳さい）
血液けつえき型がた	O型がた
職業しょくぎょう	声優せいゆう 女優じょゆう ナレーター
事務所じむしょ	フリー
配偶はいぐう者しゃ	あり
公称こうしょうサイズ（時期じき不明ふめい）
身長しんちょう / 体重たいじゅう	155 cm / 50 kg
声優せいゆう活動かつどう
ジャンル	アニメ、吹ふき替かえ、ナレーション
女優じょゆう活動かつどう
活動かつどう期間きかん	1959年ねん -
ジャンル	テレビドラマ
デビュー作さく	『天使てんしの部屋へや』

テレビアニメ『サザエさん』の主人公しゅじんこう・サザエ役やくや、ドキュメンタリー・バラエティ番組ばんぐみ『大だい改造かいぞう!!劇的げきてきビフォーアフター』におけるナレーションなどの仕事しごとで知しられる。

経歴けいれき

生おい立たち

1939年ねん、東京とうきょう府ふ(現在げんざいの東京とうきょう都と)に生うまれる。

キャリア

東京とうきょう都立とりつ豊ゆたか多摩たま高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょう後ご、松竹しょうちく歌劇かげき団だん（SKD）の団員だんいん養成ようせい所しょ・松竹しょうちく音楽おんがく舞踊ぶよう学校がっこうに入学にゅうがく。本来ほんらいは水谷みずたに八重子やえこに憧あこがれ新派しんぱの女優じょゆうを志こころざしており、そのために必要ひつような芸事げいごとが「いっぺんに安やすく教きょうわれる」と見込みこんでのことだった。

1959年ねん、NHKのテレビタレント募集ぼしゅうに応おうじ、NHK俳優はいゆう養成ようせい所しょに移うつる。翌よく1960年ねん4月がつにはNHK『天使てんしの部屋へや』で放送ほうそうデビューを果はたす。なお、同年どうねんには同期生どうきせい達たちと劇団げきだん「三さん十じゅう人にん会かい」を結成けっせいしている。

NHKとの3年間ねんかんの優先ゆうせん出演しゅつえん契約けいやく満了まんりょう後ご、ラジオ番組ばんぐみ『お茶ちゃのひととき』で若山わかやま弦つる蔵ぞうと共ともにパーソナリティを担当たんとう。この時とき、加藤かとうに送おくられたファンレターの中なかに、視覚しかく障害しょうがい者しゃが「あなたの声こえは、明あかるくかわいらしくて素晴すばらしい」と書かいたものがあった。それを知しった若山わかやまは「目めの不自由ふじゆうな方ほうは聴力ちょうりょくに鋭敏えいびんで、そのような方ほうが（加藤かとうの声こえを）明あかるく良よい声こえと捉とらえるのは大変たいへんなことだ。心こころして仕事しごとをしなさい」と加藤かとうに伝つたえ、加藤かとうに声優せいゆう業ぎょうに関かんすることをはじめ様々さまざまなことを師事しじしたという。加藤かとうは若山わかやまについて後のちに「怖こわかったですが、仕事しごとをする人間にんげんとしての心構こころがまえをしっかり教おそわりました」と語かたり、人生じんせいの分岐ぶんき点てんでもあったと回想かいそうしている。

1965年ねん、NHK国際こくさい局きょくに勤務きんむしていた男性だんせいと結婚けっこん。これを機きに引退いんたいするも復帰ふっき。その後ごは河かわの会かい、東京とうきょう俳優はいゆう生活協同組合せいかつきょうどうくみあい、NPSテアトルを経へて、2000年ねん頃ごろまではシグマ・セブンに所属しょぞくした。

復帰ふっきした頃ころに東映動画とうえいどうが（現げん：東映とうえいアニメーション）の飯島いいじま敬たかしと出会であい、これを契機けいきとしてアニメ声優せいゆうの仕事しごとをはじめる。以後いご『おそ松まつくん』の主人公しゅじんこう・おそ松まつ、『魔法使まほうつかいサリー』の花村はなむらよし子こ、『ハクション大だい魔王まおう』のカンちゃんなど数々かずかずのキャラクターを演えんじた。また、この頃ころは天地あまち総子ふさこの代打だいだを務つとめたことがきっかけでコマーシャルソングも多おおく歌唱かしょうしている。

1969年ねん10月5日にちの初回しょかい放送ほうそう以降いこう、『サザエさん』では主人公しゅじんこうのフグ田たサザエを演えんじている。

1989年ねん以降いこう、独ひとり芝居しばいの舞台ぶたいを開始かいし。これは、自身じしんの中なかで“サザエ”の存在そんざいが大おおきくなりすぎ“加藤かとうみどり”が消きえたように感かんじたため「サザエさんから離はなれて何なにができるのか」と考かんがえ始はじめたものであった。

1996年ねん、NHKを退職たいしょくした夫おっとの協力きょうりょくによって、個人こじん事務所じむしょである伊藤いとう事務所じむしょを設立せつりつした。

2002年ねん、加藤かとうの独ひとり芝居しばいを見みた朝日放送あさひほうそうテレビプロデューサーの要請ようせいを受うけ、テレビ番組ばんぐみ『大だい改造かいぞう!!劇的げきてきビフォーアフター』のナレーションを担当たんとう。加藤かとうが発はっする「なんということでしょう!」などの台詞せりふは流行りゅうこう語ごとなり、翌年よくねん、そうした番組ばんぐみ用語ようごを総合そうごうして「ビフォーアフター」が新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょうのベストテンに選えらばれた際さいは、番組ばんぐみを代表だいひょうして加藤かとうに賞しょうが贈おくられた。その後ご、同どう番組ばんぐみのナレーションは2020年ねんまで約やく20年ねん担当たんとうした。

2009年ねん、実写じっしゃ版ばんスペシャルドラマ『サザエさん』に、サザエの父ちち・磯野いその波平なみひら役やくの声優せいゆう・永井ながい一郎いちろうと共ともにゲスト出演しゅつえん。加藤かとうの実写じっしゃドラマへの出演しゅつえんは45年ねんぶりと報ほうじられた。

2011年ねん、『サザエさん』での功績こうせきから、永井ながい一郎いちろう、麻生あそう美代子みよこ、貴家きか堂どう子こと共ともに第だい7回かい東京とうきょうアニメアワード功労賞こうろうしょうを受賞じゅしょう。

現在げんざいまで

2012年ねん、皇室こうしつ主催しゅさいの園遊会えんゆうかいに招待しょうたいされる。

2015年ねん、放送ほうそうウーマン賞しょうにて日本にっぽん女性じょせい放送ほうそう者しゃ懇談こんだん会かい45周年しゅうねん特別とくべつ賞しょうを受賞じゅしょう。

2019年ねん4月がつ、夫おっとの体調たいちょう悪化あっかを受うけ、個人こじん事務所じむしょである伊藤いとう事務所じむしょを解散かいさん。

2019年ねん11月、『サザエさん』での功績こうせきから「テレビアニメシリーズにおいて同おなじ役やくを演えんじた最長さいちょう期間きかん」としてギネス世界せかい記録きろくに認定にんていされた。

特色とくしょく・人物じんぶつ

声質せいしつはアルト。歌手かしゅとしてはメゾソプラノ。

講師こうしとしては日本にっぽん綜合そうごう経営けいえい協会きょうかいに所属しょぞくし、講演こうえん活動かつどうを行おこなうことがある。

人間にんげん関係かんけいを大事だいじにしており「関係かんけいが上手うまくいかない場合ばあい、原因げんいんの6割わりは自分じぶんにある。後ごの4割わりは典型てんけい的てきに合あわない人ひとなので割わり切きる」との持論じろんを持もつ。

近年きんねんは朗読ろうどく教室きょうしつ「B&P（ビーアンドピー）」を主宰しゅさいし、後進こうしんの指導しどうも行おこなっている。

健康けんこうを意識いしきしている。高齢こうれいになってから不調ふちょうを感かんじ病院びょういんへ行いったところ、医者いしゃに「ただの老化ろうか現象げんしょうだ」「その声こえは病人びょうにんの声こえじゃない」と笑わらいながら診断しんだんされたことがある。

仕事しごとに対たいする姿勢しせい

新人しんじん時代じだい、舞台ぶたい稽古けいこである演技えんぎが出来できずひたすらNGを出だし続つづけ、気きになった滝沢たきざわ修おさむが一言ひとことアドバイスすると一発いっぱつでOKとなったことがあった。この時とき「多おおくの先輩せんぱいに迷惑めいわくをかけてるのに、こんなに簡単かんたんなことがすぐにできなかった」という惨みじめな思おもいをしたことで「どんなことをしても稽古けいこは休やすんじゃいけない、仕事しごとを甘あまく見みてはいけない」「現場げんばで出来できないとは絶対ぜったいに言いってはいけない」と考かんがえるようになり、監督かんとくやスタッフの要求ようきゅうに直すぐ対応たいおうできる役者やくしゃでいることをモットーとしている。

発声はっせいには先輩せんぱいの教おしえから邦楽ほうがくを採用さいようし、学まなんだ小唄こうた、清元きよもと、長唄ながうた、義太夫ぎだゆうなどは趣味しゅみ・特技とくぎの一ひとつとなっている。また、自身じしんの声こえに関かんして「昔むかしより良よい声こえになっている。何なに時間じかんでも同おなじ事ごとをやれと言いわれたらやれるようなトレーニングをしている」と述のべている。

趣味しゅみに関かんして「遊あそびの中なかからは良よい仕事しごとは無ないが、良よい仕事しごとの中なかからは必かならず良よい遊あそびが出でてくる」と話はなしている。

「運うんがあるから努力どりょくが出来できる、努力どりょくするからいつの間まにか誰だれかが引ひっ張ぱってくれる」「結果けっかが出でない努力どりょくは努力どりょくじゃない。出でない時ときは方向ほうこうが違ちがう」と話はなしたことがある。

近年きんねんの若手わかて声優せいゆうに対たいしては、インタビューで「自分じぶんたちで頑張がんばりなさい」と話はなしている。一方いっぽうで、礼儀れいぎに関かんしては「事前じぜんに話はなしていても、（現場げんばで）ガラスの後うしろにいるスタッフの方々かたがたに対たいして、帰かえる時ときに『ありがとうございました』と頭あたまを下さげない人ひとがいる」「私わたしたちのところへは挨拶あいさつにくるが、それより、自分じぶんの声こえを録ろくってオンエアできるよう調整ちょうせいしてくれるスタッフに挨拶あいさつすべきなのに」と苦言くげんを呈ていし「逆ぎゃくにそういうことが出来できる子こはどんどん伸のびていく」「スタッフの方々かたがたのおかげで（私わたし達たちは）ここまで来きているので、そういう人達ひとたちへの感謝かんしゃは絶対ぜったい忘わすれてはいけないと思おもいます」と発言はつげんしている。

サザエさん

テレビアニメ『サザエさん』では、1969年ねん10月がつの開始かいしから一貫いっかんして主人公しゅじんこうのフグ田たサザエを演えんじる。

当初とうしょ、加藤かとうは1クール（3か月げつ程度ていど）で終了しゅうりょうすると考かんがえていたが、予想よそうに反はんして『サザエさん』は長寿ちょうじゅ番組ばんぐみとなり、自身じしんの代表だいひょう作さくとなる。

2023年ねん2月がつ5日にちにフグ田たタラオ役やくの貴家きか堂どう子こが死去しきょして以降いこうは、初回しょかいから出演しゅつえんする唯一ゆいいつのキャストとなった。

起用きよう

サザエ役やくは、オーディションで選えらばれた。既婚きこんで「別べつに仕事しごとがなくても生活せいかつに困こまるわけではなかった」という加藤かとうは、気楽きらくな気持きもちでオーディションを受うけたという。

当時とうじの加藤かとうは子供こどもや少年しょうねんの声こえを演えんじる機会きかいが多おおかったため、磯野いそのカツオ役やくを受うけるつもりで参加さんか。サザエ役やくのオーディションは一言ひとこと話はなすと終了しゅうりょうしたため「私わたしは誰だれかの当あて馬うまなのだ」と感かんじていた。そのため「本当ほんとうに（私わたしに）決きまるとは思おもいませんでした」と後のちに回想かいそうしている。

加藤かとうをサザエ役やくに推薦すいせんしたのは、録音ろくおん演出えんしゅつ（音響おんきょう監督かんとく）の岡本おかもと知ともであるとされる。加藤かとうを抜擢ばってきした初代しょだいプロデューサーの松本まつもと美樹みきは理由りゆうについて後年こうねん、加藤かとう自身じしんが持もつ“能のう天気てんきな明あかるさ”であったことを本人ほんにんに明あかし、返事へんじが良よく、素直すなおであっけらかんとしたその性格せいかくが「サザエさんにいちばん必要ひつようなのは明あかるさだ」との考かんがえに一致いっちしたことを話はなしたという。

エピソード

サザエ役やくを任まかされる際さい、加藤かとうは初代しょだいプロデューサーの松本まつもと美樹みきから「アニメは1本ほん作つくるのに半年はんとしかかる。現場げんばの人ひとがコツコツ一いち枚まいずつ丁寧ていねいに描えがいて作つくる。もし主人公しゅじんこうのあなたがあちこちでチャラチャラ仕事しごとしてたら、現場げんばの人ひとたちがあなたのために働はたらいてくれなくなる」と言いわれ、本ほん作さくに専念せんねんするように要請ようせいされたことから、以降いこうはサザエ以外いがいのアニメキャラクターを演えんじることはなくなった。この時とき、松本まつもとからは「この番組ばんぐみは十じゅう年ねんやります。あなたにとってどの百ひゃく本ほんにも勝まさる大切たいせつな一本いっぽんにしてあげますから、私わたしのいうことを聞ききなさい」と諭さとされたという。

第だい一いち回かい放送ほうそう後ご、朝日新聞あさひしんぶんの読者どくしゃ投書とうしょ欄らんに「声こえを聞きいて完全かんぜんにゲンメツ」「声優せいゆうはこれしかいないのか」など、「アニメは原作げんさくを冒涜ぼうとくしている」という趣旨しゅしの投書とうしょが掲載けいさいされた。これを見みた加藤かとうはショックを受うけ、松本まつもとに号泣ごうきゅうしながら降板こうばんを申もうし出でたところ、松本まつもとは「大丈夫だいじょうぶです。（原作げんさく者しゃの）長谷川はせがわ町子まちこ先生せんせいも『声こえはあれでいい』とおっしゃっている」と伝つたえ、加藤かとうを励はげました。この時ときに聞きいた「原作げんさく者しゃが認みとめている」ということは、以降いこう演えんじ続つづける中なかで大おおきな支ささえになったという。

松本まつもとは録音ろくおん演出えんしゅつの岡本おかもと知ともへ「彼女かのじょの才能さいのうは絶対ぜったいに潰つぶしてはいけない」と伝つたえており、加藤かとうには「風邪かぜをひくことを気きにするより、気分きぶんをマイナーにしてはいけない。スタジオには楽たのしい気分きぶんで来きてほしい」と伝つたえたという。

加藤かとうはサザエを演えんじるにあたり、岡本おかもとから「キャラクターや設定せっていはスタッフがしっかり考かんがえればいいことで、わからないなら『わかりません』と言いえばいい。その代かわり、オレの言いうことにはキチンと答こたえろ」と言いわれ、演出えんしゅつ側がわの要求ようきゅうには素直すなおに直すぐ答こたえるようにした。加藤かとうは後のちに「だからこそ、ここまでやってこれたのではないか」「ヘタに我わが強つよかったら、ここまで続つづかなかった」と語かたっている。

放送ほうそう開始かいしから10年ねんほどは、アドリブも交まじえるなど自由じゆうに演えんじていた。しかし、ある時とき「脚本きゃくほん家かの方かたたちは一語いちご一いち語ごちゃんと考かんがえて書かいているのに、その通とおりにできないなら声優せいゆうでも俳優はいゆうでもない」と自省じせいし、台本だいほん通どおりの芝居しばいをするようになった。これは二に代目だいめの磯野いそのカツオ役やくである高橋たかはし和枝かずえが、加藤かとうのアドリブを受うけつつ自身じしんの台詞せりふは一言ひとこと一いち句く影響えいきょうされず完璧かんぺきにこなすという、高たかい技術ぎじゅつとプロ意識いしきを見みせており、その影響えいきょうも大おおきかった。

長谷川はせがわ町子まちことは、アニメが放送ほうそう15周年しゅうねんを迎むかえたころに一いち度どだけ会話かいわを交かわしたことがある。当時とうじ、長谷川はせがわが声優せいゆうと会話かいわすることは稀まれであり、プロデューサーらを交まじえて会あった際さいも、長谷川はせがわと加藤かとうは『話はなしをしない』という条件じょうけんがあった。しかし、そのことを知しらなかった加藤かとうは「先生せんせい、私わたし、今年ことし、悪わるいことばかりなの」と、気安きやすく声こえをかけた。すると長谷川はせがわは「これからきっといいことがあるわよ」と優やさしく応おうじてくれたという。

2012年ねんの園遊会えんゆうかいでは天皇てんのう・皇后こうごう（当時とうじ、現在げんざいの上皇じょうこう・上うえ皇后こうごう）と言葉ことばを交かわす。このとき加藤かとうは「名札なふだだけでは分わからない」と自みずから「サザエでございます」と自己じこ紹介しょうかいし、天皇てんのう・皇后こうごうは笑顔えがおでこれに応おうじた。

サザエの声こえを維持いじするため、収録しゅうろくには長唄ながうたや義太夫ぎだゆうなどを一いち通とおりうなり、童謡どうようを30分ふん歌うたうなどの自主じしゅトレーニングを行おこなってから参加さんかしている。また、放送ほうそうはリアルタイムで必かならずチェックし“一人ひとり反省はんせい会かい”は欠かかさないという。

インタビューではよく「ここまで続つづいたのは、スタッフやスポンサーの方ほうがしっかり作品さくひんを守まもり作つくってくださるおかげ」と話はなしており、『サザエさん』が「最もっとも長ながく放映ほうえいされているテレビアニメ番組ばんぐみ」としてギネス世界せかい記録きろくに認定にんていされた際さいは「多分たぶんフジテレビの今いままでのプロデューサーとか、エイケンさんとかが、（今回こんかいの認定にんていを）とても喜よろこんでくれると思おもいます」と話はなしている。

2019年ねん、アニメが放送ほうそう開始かいし50周年しゅうねん記念きねんを迎むかえたことで会見かいけんに応おうじた。50年ねん続つづけられた秘訣ひけつを聞きかれると「それはフジテレビがなくならなかったからです！」と冗談じょうだん交まじりに答こたえ、「人生じんせい100年ねんですから、あと20年ねんしっかりありますので、あと20年ねんほど稼かせごうかな（笑）」と語かたった。

競馬けいば活動かつどう

若わかかった頃ころより競馬けいばファンであり、日本にっぽんにおける女性じょせい初はつの競馬けいばレポーターも務つとめた。関係かんけい者しゃへのインタビューをまとめた『競馬けいば狂きょう本ほん』（波なみ書房しょぼう。1977年ねん発売はつばい）という著書ちょしょもある。

夫おっとの誘さそいで観戦かんせんしたところ、「大勢おおぜいの人ひとが一いち頭とうの名馬めいばをつくり上あげていくプロセス」に惹ひかれ夢中むちゅうになったという、後日ごじつ、ある仕事しごとで大平おおひら透とおるから代役だいやくを頼たのまれた際さいに「指定してい席せき買かわなきゃいけない日ひだからダメ」と断ことわったところ「なら競馬けいばの仕事しごと紹介しょうかいするから、頼たのむよ」と言いわれ、実際じっさいに短波たんぱ放送ほうそうへ出演しゅつえんしたことがきっかけで競馬けいば関連かんれんの仕事しごとも始はじめるようになった。

加藤かとうは競馬けいば関係かんけいの仕事しごとについて「声優せいゆうの仕事しごとよりも楽たのしかったかもしれない（笑）」「私わたしが競馬けいばの世界せかいを見みて学まなんだのは、企業きぎょう努力どりょくの大切たいせつさ。私わたしが今いままで声優せいゆうとしてやってこれたのは、声優せいゆうとしてどう努力どりょくしなきゃいけないかを競馬けいばを通とおして教おそわったからだと思おもいます」と述のべている。

取材しゅざいなど競馬けいば関連かんれんの本格ほんかく的てきな活動かつどうは1971年ねん頃ごろより始はじめたが、当時とうじの日本にっぽんの競馬けいばサークルでは男性だんせい優位ゆういの風潮ふうちょうが強つよく、また当時とうじはハイセイコーの中央ちゅうおう競馬けいば移籍いせきを発端ほったんとした第だい一いち次じ競馬けいばブームも起おきておらず、女性じょせいの競馬けいばファン自体じたいが年齢ねんれい問とわず極きわめて少すくなかったこともあり、加藤かとうが競馬けいば界かい全体ぜんたいに顔かおを通とおすのだけで約やく20年ねんを要ようしたという。また、取材しゅざいの時ときに「必かならず自分じぶんで裏うらを取とっていらっしゃい」と言いわれたことで、騎手きしゅ、厩舎きゅうしゃ、調教ちょうきょう師し、牧場ぼくじょうなどから中央ちゅうおう競馬けいば界かいのシステムまでを把握はあくするため全すべて一ひとつ一ひとつ回まわり勉強べんきょうしたといい、これにも約やく20年ねんかかったという。

ラジオNIKKEIの前身ぜんしんでもある日本短波放送にほんたんぱほうそうのラジオ番組ばんぐみ『勝馬かつま大だい作戦さくせん』では解説かいせつを務つとめる元もと騎手きしゅ・渡辺わたなべ正人まさとと、落語らくごにおける「ご隠居いんきょさんと熊くまさん・八はっつぁん」さながらのやりとりを演えんじた。

上記じょうき以外いがいにも、前述ぜんじゅつの第だい一いち次じ競馬けいばブームが起おきて女性じょせいの競馬けいばファンがわずかながら増ふえ始はじめてきた1970年代ねんだい後半こうはんには、北海道テレビ放送ほっかいどうてれびほうそう(HTB)で放送ほうそうされていた『HTB土曜どよう競馬けいば中継ちゅうけい』や東京とうきょう12チャンネル（現げん・テレビ東京てれびとうきょう）で当時とうじ放送ほうそうの『私わたしと馬うま』のレギュラー陣じんとして出演しゅつえんしていたことがあり、また同どう時期じきには日刊にっかんスポーツで「みどりの単複たんぷく」を連載れんさいしていた。2020年ねん現在げんざいでもラジオNIKKEIの『中央ちゅうおう競馬けいば実況じっきょう中継ちゅうけい』に不定期ふていきでゲスト出演しゅつえんしている。なお、NHKの番組ばんぐみ制作せいさく者しゃであった加藤かとうの夫おっとは『世界せかいの競馬けいば』のプロデュースを行おこなっている。

出演しゅつえん

※太字ふとじはメインキャラクター。

テレビアニメ

1964年ねん

• 少年しょうねん忍者にんじゃ 風ふうのフジ丸まる（ミドリ、美香みか）
• 鉄腕てつわんアトム (アニメ第だい1作さく)

1966年ねん

• おそ松まつくん（1966年ねん - 1967年ねん、おそ松まつ）
• とびだせ!バッチリ（ベン公こう）
• 魔法使まほうつかいサリー（1966年ねん - 1968年ねん、よし子こ）

1967年ねん

• かみなり坊ぼうやピッカリ・ビー（1967年ねん - 1968年ねん、ポン太郎たろう）
• ピュンピュン丸まる（1967年ねん - 1970年ねん、チビ丸まる）
• レインボー戦隊せんたいロビン（ネリーマ）

1968年ねん

• ファイトだ!!ピュー太ふとし（ビルの管理人かんりにん 他た）
• 怪物かいぶつくん（モノクロ版ばん）（ゴーゴン）　
• ドカチン（パク）
• 夕ゆうやけ番長ばんちょう（1968年ねん - 1969年ねん、赤城あかぎ忠治ただはる）

1969年ねん

• もーれつア太郎たろう（1969年ねん - 1970年ねん、デコっ八はち）
• ハクション大だい魔王まおう（1969年ねん - 1970年ねん、カンちゃん
• サザエさん（1969年ねん - 、サザエ）

吹ふき替かえ

担当たんとう俳優はいゆう

ジュリー・ロンドン

• 赤あかい家いえ（ティビー）
• 機動きどう部隊ぶたい（バーバラ）

映画えいが

• 黒くろいオルフェ（ミラ）
• サーカス・ボーイ
• 底抜そこぬけ00の男おとこ（スーザン）
• 底抜そこぬけもててもてて（ホープ）
• 男性だんせいの好すきなスポーツ（アビゲール〈ポーラ・プレンティス〉）
• 小ちいさな恋こいのメロディ（ミセス・ラティマー）※LD版ばん（2015年ねん12月22日にち発売はつばいの新盤しんばんDVD/BD収録しゅうろく）
• 腰抜こしぬけ二に挺てい拳銃けんじゅう（カラミティ・ジェーン〈ジェーン・ラッセル〉）
• フレンジー（モニカ〈ジーン・マーシュ〉）※テレビ朝日てれびあさひ版ばん
• わんぱくデニス（アリス〈リー・トンプソン〉）

ドラマ

• アルフ（ワイン）
• 奥おくさまは魔女まじょ
• がんばれアーニー新米しんまい重役じゅうやく
• カレイジャス・キャット
• 原潜げんせんシービュー号ごう（ネルソン提督ていとく秘書ひしょアンジー）
• メグレ警部けいぶ（メグレ夫人ふじん）
• 0011ナポレオン・ソロ 第だい61話わ（キーラ）
• マニックス（ペギー・フェア）
• 名めい探偵たんていポワロ
  • 「エンドハウスの怪かい事件じけん」（フレディー・ライス）
  • 「戦勝せんしょう舞踏ぶとう会かい事件じけん」（ココ）
  • 「愛国あいこく殺人さつじん」（メイベル）
• ラバーン&シャーリー（ラバーン〈ペニー・マーシャル〉）
• ルート66「令嬢れいじょうと探偵たんてい」（〈パティ・マコーマック〉）

アニメ

• カレイジャス・キャット
• ディズニーぱれーど
• スヌーピーとチャーリーブラウン（サリー・ブラウン）

人形にんぎょう劇げき

• 不思議ふしぎなパック（NHK総合そうごう）
• こどもにんぎょう劇場げきじょう（NHK教育きょういく）
  • 「えんまさまとワンちゃん」（ワンちゃん）
  • 「王様おうさまの耳みみはロバの耳みみ」（ナレーション、大臣だいじん）
  • 「神かみさまになりそこねたサンダル」（サンダルの妻つま）

テレビドラマ

• どっちがどっち（1972年ねん、NHK総合そうごう「少年しょうねんドラマシリーズ」） - 高木たかぎツネ子つねこ（主人公しゅじんこうの母はは） 役やく
• がんばれ!!ロボコン（1974年ねん - 1976年ねん、NET） - 大山おおやま初江はつえ 役やく
• 非情ひじょうのライセンス 第だい2シリーズ 第だい67話わ「兇悪きょうあくのプライバシー」（1976年ねん、NET） - 花子はなこ 役やく
• 平岩ひらいわ弓枝ゆみえドラマシリーズ「春はるの翳かげ」（1981年ねん、フジテレビ）
• 少年しょうねんドラマシリーズ だから青春せいしゅん 泣なき虫むし甲子園こうしえん（1983年ねん、NHK総合そうごう）
• 気分きぶんは名めい探偵たんてい 第だい19話わ（1985年ねん2月がつ9日にち、日本にほんテレビ） ‐ 安西あんざい京子きょうこ
• わたしの可愛かわいいひと（1986年ねん、フジテレビ）
• 連続れんぞくテレビ小説しょうせつ つばさ（2009年ねん、NHK総合そうごう） - 鈴本すずもとの妻つま 役やく（声こえの出演しゅつえん）
• サザエさん（フジテレビ）
  • サザエさん（2009年ねん） - 波平なみひらの勤務きんむ先さきの女性じょせい社員しゃいん 役やく
  • サザエさん2（2010年ねん） - 湯水ゆみず夫人ふじん 役やく
  • サザエさん3（2011年ねん） - たばこ屋やのおばさん 役やく
  • サザエさん4（2013年ねん） - 足あしをくじいた老ろう婦人ふじん 役やく
• 長谷川はせがわ町子まちこ物語ものがたり〜サザエさんが生うまれた日ひ〜（2013年ねん、フジテレビ） - 友情ゆうじょう出演しゅつえん

映画えいが

• ロボコンの大だい冒険ぼうけん（1976年ねん） - 大山おおやま初江はつえ 役やく

ラジオ番組ばんぐみ

• お茶ちゃのひととき
• 聞きけば効きくほどやしきたかじん（朝日放送あさひほうそう）
• 中央ちゅうおう競馬けいば実況じっきょう中継ちゅうけい・第だい1放送ほうそう（日経にっけいラジオ社しゃ） - 月つき1回かい土曜日どようびに出演しゅつえん
• 勝馬かつま大だい作戦さくせん（日本短波放送にほんたんぱほうそう）
• サザエさんのオールナイトニッポンGOLD（ニッポン放送にっぽんほうそう、2013年ねん）※サザエさんとして出演しゅつえん

テレビ番組ばんぐみ

• ライオンのいただきます（フジテレビ） - コメンテーターとしてレギュラー出演しゅつえん
• 晴はれ時々ときどきたかじん（朝日放送あさひほうそう） - 水曜すいようレギュラー
• ワイドABCDE〜す（朝日放送あさひほうそう） - 火曜かよう隔週かくしゅうレギュラー（木田きだ美千代みちよと交代こうたい出演しゅつえん、 - 2000年ねん12月がつ）
• HTB土曜どよう競馬けいば中継ちゅうけい（北海道ほっかいどうテレビ）
• 土曜どよう競馬けいば中継ちゅうけい（テレビ東京てれびとうきょう）
• 中央ちゅうおう競馬けいばハイライト（CTC・TVK・TVS、1984年ねん4月がつ7日にち、第だい1回かいゲスト）

ナレーション

• 大だい改造かいぞう!!劇的げきてきビフォーアフター（ABCテレビ、2002年ねん4月がつ28日にち - 2020年ねん3月がつ29日にち）
• ダスキンスペシャル 仰天ぎょうてん!エドロジー〜MOTTAINAIは江戸えどの華はな〜（読売よみうりテレビ）
• たけしの誰だれでもピカソ（テレビ東京てれびとうきょう）
• 目指めざせ！ジョッキーベイビーズ（グリーンチャンネル）

CM

• よみうりランド 屋外おくがいアイススケート場じょう（1978年ねん、顔出かおだし出演しゅつえん）
• 不二家ふじや ザ・ギンザ（1982年ねん）

その他た

• エプロントーク（CGCグループ、不明ふめい - 2020年ねん5月がつ）- 同どうグループに加盟かめいするスーパーマーケットの店内てんない放送ほうそう

歌曲かきょく・CD

• 『マー坊ぼうのガールズ作戦さくせん』
  • 主題歌しゅだいか・挿入歌そうにゅうか
• 『とびだせ!バッチリ』
  • 主題歌しゅだいか（OP）、エンディングテーマ
• 『俺おれは透明とうめい人間にんげん!』
  • 主題歌しゅだいか（OP）
• 『もーれつア太郎たろう』（1969年版ねんばん）
  • エンディングテーマ「ア太郎たろう音頭おんど」
• 『サザエさん』
  • 挿入歌そうにゅうか「レッツゴー・サザエさん」
• 『ゲゲゲの鬼太郎おにたろう（第だい1作さく）、（第だい2作さく）』
  • エンディングテーマ「カランコロンの歌うた」
• 『夕ゆうやけ番長ばんちょう』
  • 主題歌しゅだいか(OP)

著書ちょしょ

• 競馬けいば狂きょう本ほん（波なみ書房しょぼう、1977年ねん）

脚注きゃくちゅう

外部がいぶリンク

• 加藤かとうみどり - 日本にっぽん綜合そうごう経営けいえい協会きょうかい
• 加藤かとうみどり - NHK人物じんぶつ録ろく
• 加藤かとうみどりのプロフィール・画像がぞう・写真しゃしん - WEBザテレビジョン
• 加藤かとうみどりの解説かいせつ - goo人名じんめい事典じてん - ウェイバックマシン（2022年ねん1月がつ11日にちアーカイブ分ぶん）
• 『加藤かとう みどり』 - コトバンク
• 加藤かとうみどり - KINENOTE
• 加藤かとうみどり - オリコン
• 加藤かとうみどり - MOVIE WALKER PRESS
• 加藤かとうみどり - 映画えいが.com
• 加藤かとうみどり - allcinema
• 加藤かとうみどり - 日本にっぽん映画えいがデータベース