十じゅう銭ぜに紙幣しへい

十じゅう銭ぜに紙幣しへい（じっせんしへい）とは日本銀行にっぽんぎんこう券けんの1つ。十じゅう銭ぜに券けん、十じゅう銭ぜに札さつとも呼よばれる。

概要がいよう

い号ごう券けん、A号ごう券けんの2種類しゅるいが存在そんざいする。小額しょうがく通貨つうかの整理せいり及および支払しはらい金きんの端はし数すう計算けいさんに関かんする法律ほうりつ（額面がくめん一いち円えん未満みまんの日本銀行にっぽんぎんこう券けん･政府せいふ紙幣しへい･貨幣かへいおよび一いち円えん黄き銅貨どうかを廃止はいし）により1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）末まつをもってどちらも失効しっこうした。紙幣しへい券面けんめんの表記ひょうきは『拾じつ錢ぜに』。額面がくめんである10銭ぜには1円えんの10分ぶんの1に当あたる。

製造せいぞう中止ちゅうしされた十じゅう銭ぜに硬貨こうかの代替だいたいとして発行はっこうされたが硬貨こうかの需要じゅようも根強ねづよく、十じゅう銭ぜに紙幣しへいの発行はっこう期間きかん中ちゅうも常つねに額面がくめん金額きんがく10銭ぜにの通貨つうかの発行はっこう高だかのうち6割わり以上いじょうは硬貨こうかが占しめている状態じょうたいであり、実態じったいとしては硬貨こうかと並行へいこうして流通りゅうつうしていた。

「小額しょうがく政府せいふ紙幣しへい#小額しょうがく通貨つうかの紙幣しへい化か率りつ」も参照さんしょう

日本にっぽんの現在げんざい発行はっこうされていない旧きゅう紙幣しへいの中なかでは現存げんそん数すうが非常ひじょうに多おおく、しばしば未み使用しようの100枚まい帯封おびふう、稀まれには1000枚まい完封かんぷうが古銭こせん市場いちばやネットオークション等とうに現あらわれるほどであり、古銭こせん商しょうによる買取かいとりの場合ばあい、1枚まいでの買取かいとりはほとんど期待きたいできず、大量たいりょうにまとめての安やすい値段ねだんでの買取かいとりとなるのが一般いっぱんである。

い号ごう券けん

1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月がつ25日にちの大蔵省おおくらしょう告示こくじ第だい489号ごう「日本銀行にっぽんぎんこう券けんノ種類しゅるいニ拾じつ錢ぜに券けん及五錢ぜに券けん追加ついか發行はっこう」で紙幣しへいの様式ようしきが定さだめられている。主おもな仕様しようは下記かきの通とおり。

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 額面がくめん 拾ひろえ錢ぜに（10銭ぜに）
• 表面ひょうめん 八紘はっこう一宇いちう塔とう
• 裏面りめん 彩あや紋もん
• 印章いんしょう 〈表面ひょうめん〉総裁そうさい之の印しるし、発券はっけん局長きょくちょう　〈裏面りめん〉なし
• 銘板めいばん 大日本帝國だいにっぽんていこく印刷いんさつ局きょく製造せいぞう
• 記き番号ばんごう仕様しよう
  • 記き番号ばんごう色しょく 赤色あかいろ［通とおし番号ばんごうなし（組くみ番号ばんごうのみ）］
  • 記き番号ばんごう構成こうせい 〈記号きごう〉組ぐみ番号ばんごう：数字すうじ1 - 2桁けた　〈番号ばんごう〉通とおし番号ばんごうなし
• 寸法すんぽう 縦たて51mm、横よこ106mm
• 製造せいぞう実績じっせき
  • 印刷いんさつ局きょくから日本銀行にっぽんぎんこうへの納入のうにゅう期間きかん 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月がつ20日はつか - 1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）3月4日にち
  • 記号きごう（組くみ番号ばんごう）範囲はんい 1 - 20（1記号きごう当あたり50,000,000枚まい製造せいぞう）
  • 製造せいぞう枚数まいすう 994,530,000枚まい
• 発行はっこう開始かいし日び 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）11月1日にち
• 通用つうよう停止ていし日び 1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）12月31日にち
• 発行はっこう終了しゅうりょう
• 失効しっこう券けん

太平洋戦争たいへいようせんそうの戦況せんきょうの悪化あっかに伴ともない金属きんぞく材料ざいりょうが不足ふそくし、硬貨こうかを小型こがた化かしたり、硬貨こうかの素材そざいとしては不ふ適当てきとうな劣悪れつあくな材質ざいしつの硬貨こうかを製造せいぞうしたりしていたが、その後ご硬貨こうか用よう材料ざいりょうの枯渇こかつによりい五ご錢ぜに券けんとともに、小額しょうがくな額面がくめんの小型こがた紙幣しへいが発行はっこうされた。当初とうしょは五ご十じゅう銭ぜに紙幣しへいと同様どうように小額しょうがく政府せいふ紙幣しへいで代替だいたいする方針ほうしんであったが、政府せいふ紙幣しへいの新規しんき額面がくめんの発行はっこうには国会こっかいでの法ほう改正かいせいが必要ひつようであり、急きゅうを要ようすることから大蔵おおくら大臣だいじんの告示こくじのみで対応たいおう可能かのうな日本銀行にっぽんぎんこう券けんとして発行はっこうされた。

当時とうじの印刷いんさつ局きょくは急増きゅうぞうする日本銀行にっぽんぎんこう券けんの需要じゅように加くわえ、外地がいち・占領せんりょう地ち向むけ紙幣しへい、軍用ぐんよう手しゅ票ひょう、公債こうさいなどの証券しょうけん類るいなどの製造せいぞう業務ぎょうむに繁忙はんぼうを極きわめていたため、い十じゅう錢ぜに券けんの図案ずあん検討けんとうは印刷いんさつ局きょくで行おこなわれたものの、デザイン決定けってい後ごに行おこなわれる彫刻ちょうこく、製版せいはん、印刷いんさつ、検査けんさ、仕上しあげといった各かく工程こうていは民間みんかん企業きぎょうの凸版印刷とっぱんいんさつに全すべて委託いたくされた。そのため、銘板めいばんには「大日本帝國だいにっぽんていこく印刷いんさつ局きょく製造せいぞう」と表記ひょうきされているものの実際じっさいには印刷いんさつ局きょくにおいては印刷いんさつが行おこなわれていない。

表面ひょうめんには彫刻ちょうこく家かの日にち名子なご実三じつぞうにより設計せっけいされ、紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん奉祝ほうしゅく事業じぎょうの一環いっかんとして1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）に宮崎みやざき県けん宮崎みやざき市しに建たてられた八紘はっこう一宇いちう塔とう（正式せいしき名称めいしょうは八紘はっこう之の基もと柱ばしら、現げん・平和へいわの塔とう）が、瑞雲ずいうんの隙間すきまから光線こうせんが降ふり注そそぐ光景こうけいの地ち模様もようと共ともに描えがかれている。裏面りめんは左右さゆうに桜花おうか型かたの彩いろどり紋もんと組くみ紐ひも模様もよう、中央ちゅうおうは青海あおみ波なみがあしらわれており、外周がいしゅう部分ぶぶんは券面けんめんの端はしまで波線はせん模様もようで埋うめ尽つくされている。なおアラビア数字すうじによる額面がくめん表記ひょうきはあるが、英語えいご表記ひょうきはなされていない。このデザインは、当初とうしょ政府せいふ小額しょうがく紙幣しへいの二に十じゅう銭ぜに紙幣しへいとして準備じゅんびが進すすめられていたものを転用てんようしたものである。

透すかしはい五ご錢ぜに券けん等とうと共通きょうつうの白しろ透すかしによる桐きりのちらし透すかしであるが、紙質かみしつや製作せいさくが粗悪そあくなため透すかしの確認かくにんは困難こんなんである。発行はっこう当初とうしょの紙幣しへい用紙ようしは木材もくざいパルプ（亜硫酸ありゅうさんパルプ）に少量しょうりょうの三椏みつまたを混合こんごうして抄造しょうぞうしたものであったが、程ほど無なくして木材もくざいパルプのみの劣悪れつあくな品質ひんしつの用紙ようしに変更へんこうされた。なお用紙ようしの節約せつやくと取扱とりあつかい上じょうの利便りべん性せいを考慮こうりょした結果けっか、券面けんめんの寸法すんぽうは従来じゅうらいの他た券けん種しゅと比くらべて横よこ方向ほうこうに細長ほそながく、1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）の乙おつ百ひゃく圓えん券けん以来いらい維持いじされてきた縦たて1：対角線たいかくせん2の規格きかくから外はずれたものとなっている。

使用しよう色しょく数すうは、表面ひょうめん3色しょく（内訳うちわけは主しゅ模様もよう1色しょく、地ち模様もよう1色しょく、印章いんしょう・記き番号ばんごう1色しょく）、裏面りめん1色しょくとなっている。両面りょうめんとも簡易かんいな平版へいはん印刷いんさつによるものであり、裏面りめんの簡素かんそさや記き番号ばんごうの省略しょうりゃく（通とおし番号ばんごうはなく組くみ番号ばんごう（記号きごう）のみの表記ひょうき）など粗悪そあくな作つくりになっている。

A号ごう券けん

A券けんとも呼よばれる。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）9月がつ5日にちの大蔵省おおくらしょう告示こくじ第だい205号ごう「日本銀行にっぽんぎんこう券けん拾じつ銭ぜに券けんの樣式ようしき」で紙幣しへいの様式ようしきが定さだめられている。主おもな仕様しようは下記かきの通とおり。

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 額面がくめん 拾ひろえ錢ぜに（10銭ぜに）
• 表面ひょうめん 鳩ばと
• 裏面りめん 国会こっかい議事堂ぎじどう
• 印章いんしょう 〈表面ひょうめん〉総裁そうさい之の印しるし　〈裏面りめん〉なし
• 銘板めいばん 印刷いんさつ局きょく製造せいぞう
• 記き番号ばんごう仕様しよう
  • 記き番号ばんごう色しょく 赤色あかいろ［通とおし番号ばんごうなし（組くみ番号ばんごうのみ）］
  • 記き番号ばんごう構成こうせい 〈記号きごう〉「1」＋組ぐみ番号ばんごう：数字すうじ1 - 3桁けた＋製造せいぞう工場こうじょう：数字すうじ2桁けた　〈番号ばんごう〉通とおし番号ばんごうなし
• 寸法すんぽう 縦たて52mm、横よこ100mm
• 製造せいぞう実績じっせき
  • 印刷いんさつ局きょくから日本銀行にっぽんぎんこうへの納入のうにゅう期間きかん 1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）8月がつ13日にち - 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）12月12日にち
  • 記号きごう（組くみ番号ばんごう）範囲はんい 1 - 116（1記号きごう当あたり5,000,000枚まい製造せいぞう）
  • 製造せいぞう枚数まいすう 580,000,000枚まい
• 発行はっこう開始かいし日び 1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）9月5日にち
• 通用つうよう停止ていし日び 1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）12月31日にち
• 発行はっこう終了しゅうりょう
• 失効しっこう券けん

造幣局ぞうへいきょくは手持てもちの資材しざいを活用かつようして終戦しゅうせん直後ちょくごの1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）11月から十じゅう銭ぜにアルミニウム貨の製造せいぞうを始はじめた。これによりい拾ひろえ錢ぜに券けんは製造せいぞう・発行はっこうが中止ちゅうしされた。しかしGHQ（連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん総そう司令しれい部ぶ）の政策せいさくにより日本にっぽん国内こくないでアルミニウムの精錬せいれんが禁止きんしされたことによる貨幣かへい材料ざいりょうの入手にゅうしゅ困難こんなんに加くわえ、インフレーションの昂進こうしんにより材料ざいりょう価格かかくが高騰こうとうし1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）10月がつ以降いこうは十じゅう銭ぜに硬貨こうかの製造せいぞうが継続けいぞくできない状況じょうきょうに陥おちいったことから、小額しょうがく通貨つうかの不足ふそくが深刻しんこく化かしたため再度さいどの十じゅう銭ぜに紙幣しへいの発行はっこうが決定けっていされた。

なおA号ごう券けんの発行はっこう検討けんとう時じにも、十じゅう銭ぜに紙幣しへいを小額しょうがく政府せいふ紙幣しへいとして発行はっこうすることが選択肢せんたくしの1つとして検討けんとうされたものの、い号ごう券けんの発行はっこう時じと同様どうように法ほう改正かいせいが不要ふようであり大蔵おおくら大臣だいじんの告示こくじのみで対応たいおうできることから従来じゅうらい通どおり日本銀行にっぽんぎんこう券けんとして発行はっこうされた。

連合れんごう国軍こくぐん占領せんりょう下かの当時とうじは改あらため刷すりを行おこない新しん紙幣しへいを発行はっこうする場合ばあい、図案ずあんについてGHQの許可きょかが必要ひつようであった。加くわえて1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）にはGHQにより軍国ぐんこく主義しゅぎ的てきと見み做されたデザインの紙幣しへいと郵便ゆうびん切手きっての新規しんき発行はっこうが原則げんそく禁止きんしされたことを受うけ、再度さいどの十じゅう銭ぜに紙幣しへい発行はっこうに合あわせてそのデザインの改訂かいていを行おこなったものである。

デザインに鳩ばとや国会こっかい議事堂ぎじどうを使つかうなど戦時せんじ中ちゅうのい号ごう券けんと印象いんしょうが異ことなっている。表面ひょうめんの題材だいざいには平和へいわの象徴しょうちょうとされる鳩ばとが採用さいようされ、表面ひょうめん右側みぎがわに2羽わの鳩ばとが飛翔ひしょうする姿すがたが描えがかれているほか、裏面りめん左側ひだりがわには民主みんしゅ主義しゅぎの象徴しょうちょうとして国会こっかい議事堂ぎじどうが描えがかれている。菊花きっか紋章もんしょうが描えがかれた最後さいごの紙幣しへいであり、旧きゅう字体じたい・右みぎ横書よこがきで文言もんごんが記載きさいされている最後さいごの紙幣しへいでもある。券面けんめん寸法すんぽうが小ちいさいことから印章いんしょうは表面ひょうめんの「総裁そうさい之の印しるし」の1個いっこのみであり「発券はっけん局長きょくちょう」の印章いんしょうは省略しょうりゃくされている。

紙幣しへいの印刷いんさつは一部いちぶを除のぞき民間みんかん印刷いんさつ会社かいしゃへ委託いたくされていたが、印刷いんさつされた工場こうじょうに関かかわらず銘板めいばんは「印刷いんさつ局きょく製造せいぞう」である。

記き番号ばんごうについては通とおし番号ばんごうはなく記号きごうのみの表記ひょうきとなっている。記号きごうの下した2桁けたが製造せいぞう工場こうじょうを表あらわしており、下表かひょうの通とおり製造せいぞうされた7箇所かしょの印刷所いんさつしょ別べつに分類ぶんるいできる。

製造せいぞう工場こうじょう	記号きごう下か2桁けた
大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく滝野川たきのがわ工場こうじょう	12
大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく静岡しずおか工場こうじょう	32
凸版印刷とっぱんいんさつ板橋いたばし工場こうじょう	13
凸版印刷とっぱんいんさつ大阪おおさか工場こうじょう	33
共同印刷きょうどういんさつ小石川こいしかわ工場こうじょう	15
東京とうきょう証券しょうけん印刷いんさつ王子おうじ工場こうじょう	16
東京とうきょう証券しょうけん印刷いんさつ小田原おだわら工場こうじょう	26

同どう時期じきに発行はっこうされた十じゅう円えん券けん以下いかのA号ごう券けんと同様どうように透すかしは入はいっていない。

使用しよう色しょく数すうは、表面ひょうめん3色しょく（内訳うちわけは主しゅ模様もよう1色しょく、地ち模様もよう1色しょく、印章いんしょう・記き番号ばんごう1色しょく）、裏面りめん1色しょくとなっている。印刷いんさつ方式ほうしきは両面りょうめんとも平版へいはん印刷いんさつの簡易かんいな紙幣しへいである。

製造せいぞう期間きかんは1947年度ねんど（昭和しょうわ22年度ねんど）から1949年度ねんど（昭和しょうわ24年度ねんど）までであった。

変遷へんせん

戦況せんきょうの悪化あっかに伴ともなう硬貨こうか用よう材料ざいりょうの枯渇こかつにより、1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）8月がつまで製造せいぞうされていた十じゅう銭ぜに硬貨こうか（十じゅう銭ぜに錫すず貨）の代替だいたいとして発行はっこうされた。

なお、日本にっぽん銀行ぎんこう券けんの発行はっこう開始かいし以前いぜんには、額面がくめん金額きんがく10銭ぜにの紙幣しへいとして明治めいじ通宝つうほうの十じゅう銭ぜに券けん、および大正たいしょう小額しょうがく政府せいふ紙幣しへいの十じゅう銭ぜに券けんが発行はっこうされていた。明治めいじ通宝つうほうの十じゅう銭ぜに券けんは1887年ねん（明治めいじ20年ねん）6月30日にちまで通用つうようしていた。また、大正たいしょう小額しょうがく政府せいふ紙幣しへいの十じゅう銭ぜに券けんは1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）から1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）まで発行はっこうされており、1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）8月がつ31日にちまで法定ほうてい通貨つうかとして有効ゆうこうであった。

• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月25日にち：い拾ひろえ錢ぜに券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）11月1日にち：い拾ひろえ錢ぜに券けん発行はっこう開始かいし。図柄ずがらは八紘はっこう一宇いちう塔とう。
• 1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）9月5日にち：A拾ひろえ錢ぜに券けんの様式ようしきを制定せいてい、同日どうじつ発行はっこう開始かいし。図柄ずがらは鳩ばとと国会こっかい議事堂ぎじどう。
• 1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）12月31日にち：小額しょうがく通貨つうか整理せいり法ほうにより銭ぜに単位たんいの法定ほうてい通貨つうか廃止はいし。い拾ひろえ錢ぜに券けんおよびA拾ひろえ錢ぜに券けん失効しっこう。

終戦しゅうせん直後ちょくごの1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）11月13日にちからは新あらたな十じゅう銭ぜに硬貨こうか（十じゅう銭ぜにアルミニウム貨）が一旦いったん製造せいぞうされたが翌よく1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）10月がつ10日とおかには製造せいぞう終了しゅうりょうし、その後ごは再ふたたび十じゅう銭ぜに紙幣しへいのみの製造せいぞう発行はっこうとなっていた。最終さいしゅう的てきにはインフレーションの進行しんこうにより銭ぜに単位たんいの現金げんきん通貨つうかが意味いみを成なさないものとなり、硬貨こうかが復活ふっかつすることなく銭ぜに単位たんいの法定ほうてい通貨つうか（紙幣しへい・硬貨こうか）自体じたいが廃止はいしとなった。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 植村うえむら峻たかし『紙幣しへい肖像しょうぞうの近きん現代げんだい史し』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2015年ねん6月がつ。ISBN 978-4-64-203845-4。 
• 植村うえむら峻たかし『日本にっぽん紙幣しへいの肖像しょうぞうやデザインの謎なぞ』日本にっぽん貨幣かへい商しょう協同きょうどう組合くみあい、2019年ねん1月がつ。ISBN 978-4-93-081024-3。 
• 利光としみつ三津夫みつお、 植村うえむら峻たかし、田宮たみや健三けんぞう『カラー版ばん 日本にっぽん通貨つうか図鑑ずかん』日本にっぽん専門せんもん図書としょ出版しゅっぱん、2004年ねん6月がつ。ISBN 978-4-93-150707-4。 
• 大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく『日本にっぽんのお金かね 近代きんだい通貨つうかハンドブック』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1994年ねん6月がつ。ISBN 978-4-17-312160-1。 
• 大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく『日本銀行にっぽんぎんこう券けん製造せいぞう100年ねん・歴史れきしと技術ぎじゅつ』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1984年ねん11月。 
• 日本銀行にっぽんぎんこう調査ちょうさ局きょく『図録ずろく日本にっぽんの貨幣かへい 9 管理かんり通貨つうか制度せいど下かの通貨つうか』東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ、1975年ねん。 

関連かんれん項目こうもく

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 小額しょうがく政府せいふ紙幣しへい
• 十じゅう銭ぜに硬貨こうか