博多港 貨物 船 防波堤 衝突 事故
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2021 | |
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事故 の発生 場所
船舶 の概要
船主 :RISING SUN LINE, S. A.船 名 :LADY ROSEMARY (レディー・ローズマリー)- IMO
番号 :9355044 船籍 :パナマ全長 :143メートル総トン数 :9,576トン種類 :貨物 船 (冷凍 運搬船 、積荷 はバナナ)乗組 員 :22人 (日本人 2人 とフィリピン人 20人 )
船舶 の写真 -
LADY ROSEMARY
事故 の原因
刑事 手続
事故 に伴 う油 の流出 と回収
港湾 施設 の被害
経緯
- 2021
年 (令 和 3年 )11月28日 :午後 11時半 過 ぎに、博多港 の船 の航行 を監視 する福岡 市 博多 ポートラジオ[注釈 6]から「衝突 した船 がある」と福岡 海上 保安 部 に連絡 があった[5]。福岡 海上 保安 部 によると、午後 11時 30分 頃 に、積 み荷 のバナナを載 せて博多港 の岸壁 (箱崎 ふ頭 4号 岸壁 )から神戸 港 に向 けて出航 したばかりのパナマ船籍 の貨物 船 「LADY ROSEMARY」が、午後 11時 45分 頃 に博多港 の西 防波堤 に衝突 し、そのまま乗 り上 げた。乗組 員 22人 にけがはないと報告 されている。海上 保安 部 は、午後 11時 51分 に事故 を認知 した後 、直 ちに巡視 艇 により現場 調査 に出動 、その場 でオイルフェンスが必要 と判断 し、翌日 午前 1時 頃 に準備 に入 り、6時 13分 に防波堤 の沖 側 への1重 目 のオイルフェンスの展 張 を完了 している[6]。また、この事故 で船首 に亀裂 が入 り少量 の油 が海 に流出 したとされているが、福岡 海上 保安 部 が防波堤 を挟 んだ沖 側 及 び陸 側 にオイルフェンスを張 り、翌 29日 の午前 中 の時点 では拡散 は食 い止 められていると確認 されている。[7][8]。
- 11月29
日 :福岡 市 は事故 発生 の約 1時 間 後 に発生 を把握 し情報 収集 を行 った。福岡 海上 保安 部 より油 防除 措置 の要請 が同市 に対 してあり、夜 が明 けてから同市 の港湾 空港 局 職員 が調査 測量 船 「ちどり」で現場 に向 かい、6時 50分 に事故 発生 場所 に到着 、現場 の調査 を行 うとともに、原因 者 に先立 ち、関係 者 の中 でもいち早 く油 の攪拌や油 吸着 マット油 を取 り除 く作業 を開始 した[6][9]。市 が現場 を確認 した時点 で、既 に海上 保安 部 が1重 のフェンスを設置 していたが、2017年 (平成 29年 )4月 24日 の事故 (「箱崎 ふ頭 貨物 船 火災 沈没 事故 」)の教訓 を踏 まえ、午前 7時 30分 にフェンスの2重 化 、3重 化 について福岡 市 が「福岡 市 港湾 建設 協会 」に要請 した[6]。午前 中 ごろまでには一旦 止 まったと思 われていた油 の流出 はまだ続 いており、福岡 市 漁業 協同 組合 の漁業 者 や同市 職員 が人員 等 を増強 して作業 に当 たった。また、福岡 海上 保安 部 が主催 する「関係 者 連絡 会議 」[注釈 7]の第 1回 が開催 された。福岡 海上 保安 部 は船 の引揚 げ作業 を行 う会社 とともに船 を防波堤 から引離 す方法 を検討 していて、29日 午後 以降 、作業 を始 める方針 としていた[7]。船体 の撤去 を請 け負 った事業 者 から、翌日 からしけが予想 されることから、当日 17時 に船体 を動 かすためオイルフェンスを外 してほしいという申 出 があり、オイルフェンスを外 すことで中 にある油 が多少 漏 れることはやむを得 ないが、後 で回収 するとのことであった。これに対 し、福岡 市 (港湾 空港 局 )は、油 を海上 に流出 させることは認 めず、船体 から油 を抜 き油 が出 ないようにして、オイルフェンス内 の油 も全 て回収 するまではフェンスの取 り外 しは認 めないと強 く反対 している。これにより、船体 を移動 させず、オイルフェンス内 の油 の回収 を優先 することをその場 の関係 者 に納得 させ、方針 を変 えさせた[6]。 - 11月30
日 :漂流 した油 の一部 が志賀島 漁港 内 に流入 しており、漁船 への付着 など被害 が拡大 する可能 性 があるため、福岡 市 漁業 協同 組合 志賀島 支所 は漁港 の入口 にオイルフェンスを設置 した。また、それに伴 い、福岡 市 は、志賀島 漁港 内 にある渡船場 に市営 渡船 が入港 できないため、志賀島 航路 は、11月30日 からオイルフェンス撤去 までの期間 、西戸崎 ~志賀島 間 を欠航 し、博多 ~西戸崎 間 のみを運航 することとした[注釈 8][10]。福岡 市 は沿岸 パトロール及 び岸壁 等 に付着 した油 の回収 作業 を開始 し、原因 者 は船舶 内 の破損 した燃料 タンクからの油 抜 き取 り作業 を開始 した。「関係 者 連絡 会議 」は第 2回 が開催 された。 - 12月1
日 :原因 者 が油 回収 装置 を投入 し、オイルフェンス内 の油 回収 作業 を開始 した。また、福岡 市 (消防局 )が消防 艇 による油 の撹拌 作業 を開始 した。 - 12月2
日 :福岡 市 が油 回収 装置 を投入 し、オイルフェンス内 等 の油 回収 作業 を開始 した。「関係 者 連絡 会議 」の第 3回 が開催 された。 - 12月3
日 :原因 者 が防波堤 にオイルフェンスを設置 (陸 側 の3重 化 ) した。「関係 者 連絡 会議 」の第 4回 が開催 された。 - 12月5
日 :原因 者 が船体 の破損 した燃料 タンクからの油 の抜取 りを終了 した[9][注釈 9]。また、防波堤 にオイルフェンスを設置 (陸 側 の4重 化 ) した。 - 12月6
日 :「関係 者 連絡 会議 」の第 5回 が開催 された。 - 12月7
日 :福岡 海上 保安 部 は船舶 の撤去 作業 を行 った。船首 から流出 した油 の回収 などに時間 がかかり、船 を動 かしたのは事故 発生 からようやく10日 目 であった。同 海保 によると、作業 は午前 11時 に始 まり、タグボート2隻 が貨物 船 を後方 からえい航 して防波堤 から引 き離 した。作業 の間 、周辺 の航路 は閉鎖 され、正午 過 ぎには博多港 の中央 ふ頭 に船舶 が着岸 した[11]。その後 、船舶 は、中央 ふ頭 で船体 検査 等 が行 われたのちに、香椎 パークポートへ移動 した[1]。 - 12月8
日 :福岡 市 は、志賀島 漁港 内 にある渡船場 に市営 渡船 が入港 できるようになったため、志賀島 航路 の西戸崎 ~志賀島 間 の運行 を開始 した。 - 12月9
日 :「関係 者 連絡 会議 」の第 6回 が開催 された。 - 12月10
日 :同日 午後 、福岡 市 漁業 協同 組合 が、博多湾 で底引 き網 の試験 操業 を実施 した。この調査 に、福岡 県 水産 海洋 技術 センター[注釈 10]も同行 し、漁獲 されたヒラメやエビ類 等 に油 の付着 や匂 いは無 く、流出 油 による水産物 への影響 がないことを確認 した[12]。事故 で操業 を中止 していた漁業 者 が12日 ぶりに漁 を再開 した[13]。
- 12月13
日 :福岡 海上 保安 部 より、西 防波堤 の一部 が倒壊 しているとの通報 が発表 された[14]。 - 12月14
日 :福岡 海上 保安 部 は、日本人 の男性 船長 が「灯台 を見 間違 えて防波堤 に衝突 した」と供述 していることを明 らかにした。また、船長 がレーダーによる見張 りを怠 り、目視 や自身 の経験 だけで漫然 と航行 していたため灯台 を見 間違 え、防波堤 に気 づかなかったとみている。船長 は「衝突 寸前 に気 づいたが回避 が間 に合 わなかった」と話 しているという[15]。また、福岡 市 (環境 局 )は博多湾 の環境 基準 点 で採 水 して油分 を検出 しなかったことを16日 に確認 した[9]。 - 12月16
日 :福岡 市 (港湾 空港 局 )が海岸 域 の水質 調査 を実施 し、流出 した油 が認 められないことを確認 した[9]。 - 12月18
日 :貨物 船 が同日 夜 、フィリピンの造船 所 へ出港 した。近 くの岸壁 で応急 修理 を終 え、自力 でフィリピンへ航行 して本格 的 に修理 に入 るという。事故 で流出 した油 の回収 はほぼ完了 しており、福岡 県 は12月10日 の試験 操業 で水産物 に影響 がないことを確認 し、漁業 者 たちは漁 を再開 している。事故 直後 から油 の除去 作業 に当 たった漁業 者 たちは、福岡 市 漁業 協同 組合 などが詳 しい影響 調査 を予定 している現場 付近 の海域 を除 いて既 に漁 を再開 し、福岡 市 中央 区 の伊崎 船 だまりでは18日 、毎週 土曜 の「伊崎 のおさかな夕 市 」が3週間 ぶりに開 かれた[16]。 - 12月20
日 :福岡 市 漁業 協同 組合 が、事故 現場 及 び周辺 海域 の状況 を確認 した。 - 12月21
日 :西 防波堤 の損壊 部 に設置 していたオイルフェンスは撤去 され、同 損壊 部 においては、ロープ及 び灯火 が設置 された[4]。また、福岡 海上 保安 部 及 び福岡 市 が、事故 現場 及 び周辺 海域 の状況 を確認 した。 - 12月22
日 :「関係 者 連絡 会議 」の第 7回 が開催 され、油 防除 作業 の終結 を関係 者 間 で合意 した。なお、福岡 市 漁業 協同 組合 から原因 者 (船主 等 )に対 して水産物 への影響 調査 の要請 がなされ、原因 者 は承諾 した。 - 12月23
日 :福岡 市 は市議会 の経済 振興 委員 会 で事故 の対応 を報告 した。貨物 船 の撤去 を請 け負 った業者 が海 が荒 れるのを懸念 して作業 を急 ぐよう主張 したが、市 が慎重 な取組 みを求 めたことで多 くの油 の流出 を防 いだとしている[17]。
油 流出 の影響
浮流 油 除去 作業
福岡 海上 保安 部 :「関係 者 連絡 会議 」の主催 、オイルフェンスの展 張 、巡視 艇 等 による浮流 油 の調査 、船舶 航 走 及 び放水 による油 の攪拌除去 等 福岡 市 漁業 協同 組合 :オイルフェンスの展 張 、油 吸着 マット等 による油 回収 (漁船 )等 福岡 市 港湾 建設 協会 国土 交通省 九州 地方 整備 局 福岡 県 :船舶 航 走 による油 の攪拌除去 等 福岡 県 警察 福岡 市 :「流出 油 防除 マニュアル 」[注釈 11]などに基 づく[1]、オイルフェンスの展 張 、油 吸着 マット等 による油 回収 (海上 、陸上 )、油 回収 装置 によるオイルフェンス内 の油 回収 、消防 艇 による調査 ・航 走 攪拌除去 等 [注釈 12]海上 災害 防止 センター:浮流 油 回収 、油 回収 装置 によるオイルフェンス内 の油 回収 等 - サルベージ
会社 (船舶 所有 者 の手配 ):船舶 損傷 部 の調査 ・補修 、燃料 タンクからの燃料 抜取 り等
損害 賠償金
脚注
注釈
- ^
福岡 市内 の港湾 関係 企業 で構成 される団体 - ^
位置 :北緯 33度 37分 01秒 東経 130度 22分 53秒 / 北緯 33.61694度 東経 130.38139度 、北 灯台 付近 - ^
博多港 西公園 下 防波堤 灯台 - ^
博多 港西 防波堤 北 灯台 - ^
福岡 海上保安庁 の発表 によると、(1)燃料 搭載 量 :約 460キロリットル、(2)油 の回収 量 :約 311キロリットル、(3)船内 残 燃料 量 :約 137キロリットルであり、福岡 市 の推測 では、(1)から(2)と(3)を単純 に差引 すると、油 流出 量 は約 12キロリットルとなると報告 されている。なお、福岡 海上 保安 部 が発表 した数量 は、単位 がトン表記 とキロリットル表記 で混在 していたため、福岡 市 によりキロリットルに換算 されている。 - ^
博多 ポートタワー内 にあるポートラジオ - ^
原因 者 、福岡 市 漁業 協同 組合 、九州 地方 整備 局 、福岡 県 、福岡 市 等 により構成 される会議 - ^
福岡 市 は、代替 策 として、西戸崎 旅客 待合 所 から志賀島 旅客 待合 所 間 は、タクシーによる代替 運行 を実施 することとした。 - ^
原因 者 が破損 した燃料 タンクから油 抜取 り作業 を開始 した11月30日 から完了 した12月5日 まで時間 がかかっているが、船首 側 にある2つの燃料 タンクが破損 して油 が漏 れたものであり、防波堤 に乗 り上 げた状態 であったため、潮 の満 ち引 きによって、燃料 タンクが海中 に入 ったり、海上 に上 がったりすることから、作業 が簡単 ではなく、結果 的 にそれだけの日数 がかかったとされている[6]。 - ^
公設 試験 研究 機関 の一 つ、所在地 :福岡 市 西 区 今津 1141-1 - ^ 2017
年 (平成 29年 )4月 24日 に起 きた箱崎 ふ頭 貨物 船 火災 沈没 事故 の経験 を踏 まえて2018年 平成 30年 3月 に改訂 したマニュアル - ^
現場 で作業 した福岡 市 港湾 空港 局 職員 は延 べ約 520人 に上 った[6][9]。
出典
- ^ a b c d e f g h “
経済 振興 委員 会 報告 資料 博多 港西 防波堤 への船舶 衝突 事故 に伴 う油 流出 事故 に関 する対応 等 について令 和 3年 12月 →上記 報告 資料 :「博多 港西 防波堤 への船舶 衝突 事故 に伴 う油 流出 事故 に関 する対応 等 について」、上記 参考 資料 :「流出 油 防除 マニュアル平成 30年 3月 福岡 市 港湾 空港 局 」”.福岡 市 港湾 空港 局 (2021年 12月23日 ). 2022年 1月 14日 閲覧 。 - ^ “
博多港 衝突 貨物 船長 書類 送検 福岡 海保 業 過 往来 危険 の疑 い”.西日本 新聞 . (2022年 1月 19日 ) - ^ “
博多港 の座礁 船 船長 を書類 送検 業 過 往来 危険 容疑 ”.朝日新聞 . (2022年 1月 19日 ) - ^ a b “【
海上 安全 情報 】九州 北岸 、博多港 、第 1区 及 び第 3区 :オイルフェンス撤去 等 について”.福岡 海上 保安 部 (2021年 12月21日 ). 2022年 1月 2日 閲覧 。 - ^ “
博多港 で貨物 船 が防波堤 に衝突 油 が流出 ”.日 テレNEWS24 (2021年 11月29日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ a b c d e f g “
福岡 市議会 会議 録 2021-12-23:令 和 3年 経済 振興 委員 会 ”.福岡 市 (2021年 12月23日 ). 2022年 4月 10日 閲覧 。 - ^ a b “パナマ
船籍 貨物 船 博多港 の防波堤 に衝突 し乗 り上 げ けが人 なし”. NHK (2021年 11月29日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ “
博多港 でパナマ船籍 の貨物 船 が防波堤 に乗 り上 げる けが人 なし”.朝日新聞 (2021年 11月29日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ a b c d e “
博多港 の貨物 船 衝突 事故 「福岡 市 が油 流出 防 ぐ」業者 側 の主張 に異議 唱 え市議会 委 報告 ”.西日本 新聞 . (2021年 12月24日 ) - ^ “
福岡 市営 渡船 の志賀島 航路 (博多 ~西戸崎 ~志賀島 )の一部 運休 について”.福岡 市 港湾 空港 局 客船 事務所 及 び農林 水産 局 漁港 課 (2021年 11月30日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ “
衝突 貨物 船 を撤去 博多港 ふ頭 着岸 事故 から10日 目 ”.読売新聞 (2021年 12月7日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ “
福岡 市 漁協 が博多港 の貨物 船 事故 による油 流出 で、漁獲 物 への影響 がないことを確認 ”.福岡 県 農林 水産 部 水産 局 漁業 管理 課 (2021-12-). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ “
博多湾 の漁 再開 重油 流出 12日 ぶり”.読売新聞 . (2021年 12月11日 ) - ^ “【
海上 安全 情報 】九州 北岸 、博多港 、第 1区 及 び第 3区 :防波堤 について”.福岡 海上 保安 部 (2021年 12月13日 ). 2022年 1月 2日 閲覧 。 - ^ “
博多港 貨物 船 座礁 船長 「灯台 見 間違 え防波堤 に衝突 」書類 送検 へ”.毎日新聞 (2021年 12月14日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ “
博多港 衝突 の貨物 船 、フィリピンへ出港 漁業 再開 「影響 なく安心 」”.西日本 新聞 (2021年 12月19日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^ “
博多港 の貨物 船 衝突 、撤去 より油 流出 防止 優先 福岡 市 が事故 対応 報告 ”.西日本 新聞 (2021年 12月24日 ). 2022年 1月 1日 閲覧 。 - ^
海洋 汚染 等 及 び海上 災害 の防止 に関 する法律 第 39条 第 1項 - ^
海洋 汚染 等 及 び海上 災害 の防止 に関 する法律 第 39条 第 2項 - ^ “
海 の安全 に関 する情報 ”.福岡 海上 保安 部 (2021年 12月21日 ). 2022年 12月21日 閲覧 。