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古虫動物 - Wikipedia

むし動物どうぶつVetulicolian学名がくめいVetulicolia)とは絶滅ぜつめつした動物どうぶつぐんの1つである。西北せいほく大学だいがくの舒徳みきが、2001ねんあらたなもんとして提唱ていしょうした[1]が、のち脊索せきさく動物どうぶつであると判明はんめいし、その1もんとされるようになった[2]

むし動物どうぶつ
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物どうぶつさかい Animalia
かい : 真正しんしょう後生ごしょう動物どうぶつかい Eumetazoa
階級かいきゅうなし : 左右さゆう相称そうしょう動物どうぶつ Bilateria
うえもん : 新口にのくち動物どうぶつうえもん Deuterostomia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : むし動物どうぶつもん Vetulicolia
Shu, et al. 2001
つな
  • Vetulicolida
  • Banffozoa
  • Heteromorphida
  • ? Yunnanozoa
  • ? Yuyuanozoon

おも古生代こせいだいカンブリア澄江すみえ動物どうぶつぐん地層ちそうから化石かせき発見はっけんされており、バージェス動物どうぶつぐんからもバンフィアなどすうぞくられる。当時とうじうみなか生息せいそくしていた遊泳ゆうえいせい動物どうぶつである。

特徴とくちょう

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むし動物どうぶつオタマジャクシのようなかたちをしている。オタマジャクシらしい胴体どうたいにあたる部分ぶぶん脊索せきさく動物どうぶつ特徴とくちょうっており、先端せんたんくちがある。のような後半こうはんにあたる部分ぶぶんには、節足動物せっそくどうぶつからだぶしらしい構造こうぞうがある。脊索せきさく動物どうぶつ節足動物せっそくどうぶつ類縁るいえん関係かんけいとおく、むし動物どうぶつはその両方りょうほうらしい特徴とくちょうっており、外見がいけんじょう現在げんざい動物どうぶつにはられない特徴とくちょうっているが、後半こうはん内部ないぶ脊索せきさく動物どうぶつとしてもっと重要じゅうよう共有きょうゆう形質けいしつである脊索せきさくをもつ[2]発達はったつした尾鰭おびれ一部いちぶ種類しゅるいでは(そとからから発達はったつした)背鰭せびれっていたが、反面はんめんそれ以外いがいあし触角しょっかくさらにはなどのあらゆる種類しゅるい付属ふぞくぶついている。

分類ぶんるい進化しんか

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むし動物どうぶつ分類ぶんるいがくてき配置はいちについては、依然いぜんとして議論ぎろん余地よちがある。ある研究けんきゅうしゃは、むし動物どうぶつはおそらく後口あとくち動物どうぶつ初期しょきがわえだであり、このことは、あたまさく動物どうぶつ脊椎動物せきついどうぶつ分節ぶんせつが、前口まえぐち動物どうぶつ後口あとくち動物どうぶつ共通きょうつう祖先そせん由来ゆらいする可能かのうせい示唆しさしていると主張しゅちょうしている。しかし、ユタしゅう中部ちゅうぶカンブリアスケーメラ記載きさいした研究けんきゅうしゃは、ウェツリコラと親和しんわせいがあるとしながらも、節足動物せっそくどうぶつ特徴とくちょうっているとしており、むし動物どうぶつ後口あとくち動物どうぶつへのてを混乱こんらんさせていた。
DominguezとJefferiesは、形態けいたいがくてき分析ぶんせきもとづいて、ウェツリコラ(およびあんむし動物どうぶつふくむ)はさく動物どうぶつであり、おそらくステムグループ幼生ようせいであると主張しゅちょうしている。しかし、さく動物どうぶつ幼生ようせいとの関係かんけい疑問ぎもんするこえもある。というのも、さく動物どうぶつでは幼生ようせい成体せいたいわず、むし動物どうぶつ分節ぶんせつ匹敵ひってきする分節ぶんせつ証拠しょうこがないこと、さく動物どうぶつ肛門こうもんはオタマジャクシでいう胴体どうたい部分ぶぶん(幼生ようせいころ開口かいこうしない。成体せいたいになると嚢内にひらく)にあるが、むし動物どうぶつ肛門こうもん末端まったん位置いちすること、そしておそらくもっと重要じゅうようなことは、ウェツリコラには呼気こきサイフォンやそれにるいする構造こうぞうられないことである。 しかし、最近さいきん研究けんきゅうでは、むし動物どうぶつさく動物どうぶつちか位置いちにいることが確認かくにんされている
後口あとくち動物どうぶつたん系統けいとうつよ支持しじされていない。後口あとくち動物どうぶつはた系統けいとうであるとすれば、咽頭いんとうスリットはおそらく左右さゆう相称そうしょう動物どうぶつ共通きょうつう祖先そせん存在そんざいしていたとおもわれ、むし動物どうぶつ祖先そせん咽頭いんとうスリットを保持ほじしたステムグループの前口まえぐち生物せいぶつである可能かのうせいがある。もしそうだとすれば、咽頭いんとうスリットをたないようにえるバンフィアるいは、むし動物どうぶつよりもクラウングループ前口まえぐち動物どうぶつきんえんなのかもしれない。

生態せいたい生活せいかつ様式ようしき

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表面ひょうめんてきにオタマジャクシのようなかたちをしていること、かいのようなかたちっていること、様々さまざま流線型りゅうせんけいをしていることから、これまでに発見はっけんされたすべてのむし動物どうぶつは、すべてではないにしても、ほとんどの時間じかん水中すいちゅう生活せいかつする遊泳ゆうえい動物どうぶつであったと推測すいそくされている。ウェツリコラぞくのいくつかのグループは、オタマジャクシのようなディダズーンるいとうほかのグループよりも合理ごうり形態けいたいっていた(はらがわキールそなえている)グループもあった。
すべてのむし動物どうぶつんだりつかんだりすることのできないくちっていたため、捕食ほしょくしゃではないとかんがえられている。えらにスリットがられるため、おおくの研究けんきゅうしゃむし動物どうぶつ濾過ろか摂食せっしょくものとみなしている。かれらの化石かせきちょううち堆積たいせきぶつがあることから、堆積たいせきぶつべる動物どうぶつであると指摘してきするものもいるが、このせつには異論いろんがある。堆積たいせきぶつべる生物せいぶつ直線ちょくせんてきちょうっている傾向けいこうがあるのにたいし、むし動物どうぶつのちちょうはらせんじょうだったからである。研究けんきゅうしゃなかには、むし動物どうぶつは、海底かいていのある地域ちいきからべつ地域ちいきへと積極せっきょくてきおよぎながら、ろ摂食せっしょく栄養えいようおぎなう「選択せんたくてき堆積たいせき摂食せっしょくしゃ」だったというせつとなえるものもいる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Shu, D.G.; Conway Morris, S., Han, J., Chen, L., Zhang, X.-L., Zhang, Z.-F., Liu, H.-Q., Li, Y., and Liu, J.-N. (2001), "Primitive Deuterostomes from the Chengjiang Lagerstätte (Lower Cambrian, China)", Nature 414
  2. ^ a b García-Bellido, Diego C.; Lee, Michael S. Y.; Edgecombe, Gregory D.; Jago, James B.; Gehling, James G.; Paterson, John R. (2014-10-21). “A new vetulicolian from Australia and its bearing on the chordate affinities of an enigmatic Cambrian group”. BMC Evolutionary Biology 14 (1): 214. doi:10.1186/s12862-014-0214-z. ISSN 1471-2148. https://doi.org/10.1186/s12862-014-0214-z. 

関連かんれん項目こうもく

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