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呉海軍工廠 - Wikipedia
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呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう

呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう（くれかいぐんこうしょう）は、広島ひろしま県けんの呉くれ市しにあった日本にっぽんの海軍かいぐん工廠こうしょう。戦艦せんかん大和やまとの建造けんぞうで有名ゆうめいだが、終戦しゅうせんにより工廠こうしょうは解散かいさん。現在げんざいはジャパン マリンユナイテッド呉ご工場こうじょうとして大型おおがた民間みんかん船舶せんぱくの建造けんぞうを行おこなっている。

呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう（1945年ねん10月がつ）
呉海軍工廠の位置（日本内）
呉海軍工廠
呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう

概要がいよう

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戦前せんぜん

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1889年ねん (明治めいじ22年ねん) 呉ご鎮守ちんじゅ府ふ設置せっちと同時どうじに「造船ぞうせん部ぶ」が設置せっちされる。当初とうしょ造船ぞうせんは神戸こうべにあった小野浜おのはま造船ぞうせん所しょに頼たよっていたが、徐々じょじょに呉くれでの設備せつびを拡充かくじゅう、小野浜おのはま造船ぞうせん所しょは後のちに閉鎖へいさされた。 1903年ねん (明治めいじ36年ねん)に日本にっぽん海軍かいぐんの組織そしき改編かいへんで呉ご海軍かいぐん工廠こうしょうが誕生たんじょう。その後ごは東洋とうよう一いちと呼よばれるほどにまで設備せつびを充実じゅうじつさせた。工員こういんの総数そうすうは他たの三さん工廠こうしょう、横須賀よこすか、佐世保させぼ、舞鶴まいづるの合計ごうけいを越こえる程ほどで、ドイツのクルップと比肩ひけんしうる世界せかいの二に大兵だいひょう器き工場こうじょうであった。戦艦せんかん「大和やまと」を建造けんぞうするなど多おおくの艦艇かんてい建造けんぞうを手てがけ、日本にっぽん海軍かいぐん艦艇かんてい建造けんぞうの中心ちゅうしん地ちとなった。

砲ほう熕部（砲塔ほうとう（砲身ほうしんを含ふくむ）の製造せいぞう、開発かいはつ）、製鋼せいこう部ぶ(装甲そうこう板ばんの製造せいぞう、開発かいはつ)が設置せっちされ戦艦せんかん建造けんぞうの主導しゅどう的てき役割やくわりを果はたしていた。三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう長崎造船所なかざきぞうせんじょで建造けんぞうされた戦艦せんかん武蔵むさしの主砲しゅほう塔とう、砲身ほうしんも呉くれで製造せいぞうされている。

1912年ねん3月29日にち、1万まん人にん参加さんかのストライキがうたれた。このストライキには、作家さっかの宮地みやじ嘉六かろくも参加さんかし、第だい九きゅう工場こうじょうの首謀しゅぼう者しゃとして検挙けんきょされた。さらに、1918年ねん8月がつの1918年ねん米まい騒動そうどうには多数たすうの工廠こうしょう労働ろうどう者しゃが参加さんかし、銃剣じゅうけんを持もった海軍かいぐん陸戦りくせん隊たいと対峙たいじし死傷ししょう者しゃが出でた。

戦中せんちゅう

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戦後せんご

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JMU呉くれ工場こうじょう(旧きゅう：呉ご工廠こうしょう)

土地とち、設備せつびは播磨はりま造船ぞうせん所しょと米べいナショナル・バルク・キャリア社しゃ（NBC）が引ひき継つぐ。呉ご造船ぞうせん所しょ、石川島播磨重工業いしかわじまはりまじゅうこうぎょう（現げんIHI）呉ご工場こうじょうを経へて現在げんざいはジャパン マリンユナイテッド呉くれ工場こうじょう。呉ご工場こうじょうでの自衛じえい艦艇かんていの建造けんぞうは無ないが、修理しゅうりは行おこなっている。なお「造船ぞうせん船渠せんきょ（大和やまとの建造けんぞう用ようドック）」は1993年ねんに埋うめ立たてられ、跡地あとちは工場こうじょうとして再さい利用りようされている。しかし、大和やまとの修理しゅうりを行おこなった「船渠せんきょ（ドック）」は現存げんそんしており、自衛じえい艦かんや米べい軍ぐん艦船かんせんなどが現在げんざいも使用しよう中ちゅうである。

呉ご海軍かいぐん工廠こうしょうが大和やまと建造けんぞう時じに採用さいようした船体せんたいを部分ぶぶんごとに造つくるブロック工法こうほう、部品ぶひん共通きょうつう化かなどの革新かくしん的てき管理かんりシステムは、後のちに世界せかいに広ひろまる効率こうりつ的てきな日本にっぽん型がた生産せいさん方式ほうしきの源流げんりゅうともいわれる[1]。

沿革えんかく

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1924年ねん呉くれ市し都市とし計画けいかく図ず
 
1945年ねん呉くれ市し戦災せんさい概況がいきょう図ず。
 
1945年ねんにアメリカ軍ぐんが作成さくせいした広こう地区ちく地図ちず。

戦前せんぜん

  • 1889年ねん（明治めいじ22年ねん）呉ご鎮守ちんじゅ府ふ設置せっち。同おなじくして「造船ぞうせん部ぶ」設置せっち、小野浜おのはま造船ぞうせん所しょを管轄かんかつする。
  • 1891年ねん（明治めいじ24年ねん）呉くれでの操業そうぎょう開始かいし。
  • 1895年ねん（明治めいじ28年ねん）「仮設かせつ呉ご兵器へいき製造せいぞう所しょ」設立せつりつ、小野浜おのはま造船ぞうせん所しょ閉鎖へいさ。
  • 1897年ねん（明治めいじ30年ねん）「仮設かせつ呉ご兵器へいき製造せいぞう所しょ」は「呉ご海軍かいぐん造兵ぞうへい廠しょう」に改称かいしょう、呉くれで初はつの軍艦ぐんかん宮古みやふる進水しんすい。
  • 1897年ねん（明治めいじ30年ねん）「造船ぞうせん部ぶ」は造機ぞうき部ぶと合併がっぺいして「造船ぞうせん廠しょう」となる。
  • 1903年ねん（明治めいじ36年ねん）「造兵ぞうへい廠しょう」と「造船ぞうせん廠しょう」が合併がっぺい、「呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう」となる。
  • 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）「造船ぞうせん船渠せんきょ」完成かんせい。後のちに戦艦せんかん大和やまとを建造けんぞうするドック。
  • 1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう広こう支ささえ廠しょう開ひらき庁ちょう式しき。
  • 1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）広こう支ささえ廠しょうを廃止はいしして、広こう海軍かいぐん工廠こうしょうを設置せっち。 　

戦後せんご

  • 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）10月がつ15日にち呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう廃止はいし。
  • 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）株式会社かぶしきがいしゃ播磨はりま造船ぞうせん所しょが呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう跡あとに呉ご船渠せんきょ開設かいせつ。
  • 1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）米べいナショナル・バルクキャリア (NBC)が呉ご海軍かいぐん工廠こうしょう跡あとに呉ご造船ぞうせん部ぶ開設かいせつ。
  • 1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）呉ご船渠せんきょは播磨はりま造船ぞうせん所しょから独立どくりつし、株式会社かぶしきがいしゃ呉くれ造船ぞうせん所しょを設立せつりつ。
  • 1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）NBCは呉ご造船ぞうせん部ぶを呉ご造船ぞうせん所しょへ譲渡じょうと。
  • 1968年ねん（昭和しょうわ42年ねん）石川島播磨重工業いしかわじまはりまじゅうこうぎょうが呉ご造船ぞうせん所しょを合併がっぺい。
合併がっぺい後ごについては「石川島播磨重工業いしかわじまはりまじゅうこうぎょう#沿革えんかく」を参照さんしょう

建造けんぞうされた主おもな艦艇かんてい

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歴代れきだい工廠こうしょう長ちょう

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  • 山内やまうち万寿まんす治ち 少将しょうしょう：1903年ねん11月がつ10日とおか - 1906年ねん2月がつ2日にち
  • 北きた古賀こが竹一郎たけいちろう 少将しょうしょう：1906年ねん2月がつ2日にち - 1908年ねん5月がつ15日にち
  • 伊地知いじち季き珍めずらし 少将しょうしょう：1908年ねん5月がつ15日にち - 1912年ねん12月1日にち
  • 村上むらかみ格かく一いち 中将ちゅうじょう：1912年ねん12月1日にち - 1914年ねん4月がつ17日にち
  • 野間口のまぐち兼雄かねお 少将しょうしょう：1914年ねん4月がつ17日にち - 1915年ねん12月13日にち
  • 伊藤いとう乙次郎おとじろう 中将ちゅうじょう：1915年ねん12月13日にち - 1917年ねん12月12日にち
  • 小栗おぐり孝三郎こうざぶろう 中将ちゅうじょう：1917年ねん12月12日にち - 1919年ねん11月8日にち
  • 中野なかの直枝なおえ 中将ちゅうじょう：1919年ねん11月8日にち - 1920年ねん10月がつ1日にち
  • 森山もりやま慶けい三郎さぶろう 中将ちゅうじょう：1920年ねん10月がつ1日にち - 1922年ねん12月1日にち
  • 金田かねだ秀太郎ひでたろう 少将しょうしょう：1922年ねん12月1日にち - 1923年ねん8月がつ13日にち
  • 吉川よしかわ安平あびら 少将しょうしょう：1923年ねん8月がつ13日にち - 1924年ねん6月がつ11日にち
  • 伍ご堂どう卓雄たくお 造兵ぞうへい少将しょうしょう：1924年ねん6月がつ11日にち - 1928年ねん12月がつ10日とおか
  • 杉すぎ政人まさと 機関きかん少将しょうしょう：1928年ねん12月がつ10日とおか - 1931年ねん12月1日にち
  • 長谷川はせがわ清きよし 少将しょうしょう：1931年ねん12月1日にち - 1932年ねん10月がつ10日とおか
  • 松下まつした薫かおる 少将しょうしょう：1932年ねん10月がつ10日とおか - 1936年ねん2月がつ15日にち
  • 豊田とよだ貞次郎ていじろう 中将ちゅうじょう：1936年ねん2月がつ15日にち - 1937年ねん12月1日にち
  • 吉成よしなり宗雄むねお 機関きかん中将ちゅうじょう：1937年ねん12月1日にち - 1939年ねん11月15日にち
  • 砂川すなかわ兼雄かねお 中将ちゅうじょう：1939年ねん11月15日にち - 1941年ねん11月20日にち
  • 渋谷しぶや隆太郎りゅうたろう 機関きかん中将ちゅうじょう：1941年ねん11月がつ20日はつか - 1943年ねん9月がつ15日にち
  • 三戸さんのへ由ゆかり彦 中将ちゅうじょう：1943年ねん9月がつ15日にち - 1945年ねん5月がつ1日にち
  • 妹尾せのお知之ともゆき 中将ちゅうじょう：1945年ねん5月がつ1日にち - 11月1日にち

その他た

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「呉ご工廠こうしょう排球はいきゅうチーム」も参照さんしょう

部ぶ活動かつどうは全国ぜんこく規模きぼで活躍かつやくした。排球はいきゅう（バレーボール）部ぶは1922年ねん創部そうぶ。全日本ぜんにほん総合そうごう選手権せんしゅけんでは1934年ねん優勝ゆうしょうし、1928年ねん・1931年ねん・1942年ねんと3度ど準じゅん優勝ゆうしょうしている。蹴球しゅうきゅう（サッカー）部ぶは創部そうぶ年ねん不明ふめいであるが、全国ぜんこく規模きぼの大会たいかいに出場しゅつじょうしていた。硬式こうしき野球やきゅう部ぶは第だい14回かい都市とし対抗たいこう野球やきゅう大会たいかいと第だい16回かい都市とし対抗たいこう野球やきゅう大会たいかいに出場しゅつじょう経験けいけんがある。

広島ひろしま専売せんばい男子だんし排球はいきゅう部ぶ（後ごのJTサンダーズ広島ひろしま）や東洋工業とうようこうぎょう蹴球しゅうきゅう部ぶ（後ごのサンフレッチェ広島さんふれっちぇひろしまF.C）は、県けん大会たいかいで常つねに呉ご工廠こうしょうの前まえに敗やぶれていたという記録きろくが残のこっている。また、広島ひろしま鉄道てつどう局きょく（後ごのJR西日本にしにほん硬式こうしき野球やきゅう部ぶ）と並ならぶ広島ひろしま県勢けんせいの強豪きょうごう球団きゅうだんとしても知しられていた。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 「昭和しょうわ時代じだい　プロローグ」　読売新聞よみうりしんぶん　2011年ねん4月がつ21日にち

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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