(Translated by https://www.hiragana.jp/)
国立情報学研究所 - Wikipedia

国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ

情報じょうほう関連かんれん分野ぶんや対象たいしょうとする日本にっぽん学術がくじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ大学だいがく共同きょうどう利用りよう機関きかん

国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ(こくりつじょうほうがくけんきゅうじょ、英語えいご: National Institute of InformaticsNII)は、東京とうきょう千代田ちよだ一ツ橋ひとつばし学術がくじゅつ総合そうごうセンタービルにある日本にっぽん大学だいがく共同きょうどう利用りよう機関きかん情報じょうほう・システム研究けんきゅう機構きこう構成こうせいする。

国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ
国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ入居にゅうきょする東京とうきょう千代田ちよだ一ツ橋ひとつばし学術がくじゅつ総合そうごうセンタービル。ビルの12かいから22かいまでが国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ。1・2かい、4~9かい一橋大学ひとつばしだいがく、10・11かい大学だいがく改革かいかく支援しえん学位がくい授与じゅよ機構きこうになっている。
正式せいしき名称めいしょう 国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ
英語えいご名称めいしょう National Institute of Informatics
略称りゃくしょう NII
組織そしき形態けいたい 大学だいがく共同きょうどう利用りよう機関きかん法人ほうじん
所在地しょざいち 日本の旗 日本にっぽん
101-8430
東京とうきょう千代田ちよだ一ツ橋ひとつばし2-1-2(一橋大学ひとつばしだいがく千代田ちよだキャンパス)
北緯ほくい3541ふん32.86びょう 東経とうけい13945ふん29.17びょう / 北緯ほくい35.6924611 東経とうけい139.7581028 / 35.6924611; 139.7581028
予算よさん 年間ねんかん予算よさん129おくえん(2021年度ねんど
人数にんずう 307(客員きゃくいん教授きょうじゅ有期ゆうき雇用こよう職員しょくいん大学院生だいがくいんせいなどをふくむ。2021ねん5がつ時点じてん
所長しょちょう くろはし禎夫さだお
活動かつどう領域りょういき 学術がくじゅつ分野ぶんや情報じょうほうインフラ整備せいび
設立せつりつ年月日ねんがっぴ 2000ねん4がつ
前身ぜんしん 学術情報がくじゅつじょうほうセンター(NACSIS)
上位じょうい組織そしき 情報じょうほう・システム研究けんきゅう機構きこう
所管しょかん 文部もんぶ科学かがくしょう
提供ていきょうサービス CiNiiWebcat PlusNetCommonseduroamSINETそう - IMAGINE Book SearchNAREGI
ウェブサイト https://www.nii.ac.jp/
テンプレートを表示ひょうじ

学術情報がくじゅつじょうほうセンター(National Center for Science Information Systems[1]略称りゃくしょうNACSIS(ナクシス))を前身ぜんしんとする組織そしきで、2000ねん設置せっちされた。2012ねん4がつ時点じてんで、職員しょくいん127めい客員きゃくいん教授きょうじゅとうが107めいとくにん教授きょうじゅとうが22めい特定とくてい有期ゆうき雇用こよう職員しょくいん214めい大学院生だいがくいんせい126めい在籍ざいせきしている[2]年間ねんかん予算よさんは107おくえん(2012年度ねんど[2]

設立せつりつ背景はいけい 編集へんしゅう

1997ねん5がつ日本にっぽん学術がくじゅつ会議かいぎが「計算けいさん科学かがく研究けんきゅう推進すいしんについて」で日本にっぽんでの計算けいさん科学かがく研究けんきゅう中核ちゅうかくとなる研究所けんきゅうじょ設立せつりつ提案ていあん[3][4]、1998ねん1がつ文部省もんぶしょう学術がくじゅつ審議しんぎかいが「情報じょうほうがく研究けんきゅう推進すいしん方策ほうさくについて」の建議けんぎ情報じょうほう研究けんきゅう研究所けんきゅうじょ大学だいがく共同きょうどう利用りよう機関きかんとして設立せつりつすることを提案ていあんした[5][4]。これをけて文部省もんぶしょう準備じゅんび組織そしきとして「情報じょうほう分野ぶんやにおける中核ちゅうかくてき学術がくじゅつ研究けんきゅう機関きかんかたかんする調査ちょうさ協力きょうりょくしゃ会議かいぎ」を発足ほっそくさせた。どう会議かいぎ学術情報がくじゅつじょうほうセンターかくとした改組かいそによりしん研究所けんきゅうじょ設立せつりつすることを提言ていげんした[4]

活動かつどう事業じぎょう 編集へんしゅう

学術がくじゅつ研究けんきゅう研究所けんきゅうじょとしての側面そくめん最近さいきん名前なまえとお情報じょうほうがく分野ぶんや中心ちゅうしん)と、学術がくじゅつ情報じょうほうサービスプロバイダ(GeNiiなど)と学術がくじゅつネットワーク(SINET/SUPER SINET)の運営うんえいしゃとしての側面そくめんと、2つの側面そくめんがある。また総合研究大学院大学そうごうけんきゅうだいがくいんだいがく参加さんかして、ふくあい科学かがく研究けんきゅう情報じょうほうがく専攻せんこうとして博士はかせ課程かてい学生がくせい教育きょういく指導しどうおこなっている。

文献ぶんけん情報じょうほう分野ぶんやにおける標準ひょうじゅん学術がくじゅつ情報じょうほう分野ぶんやにおける標準ひょうじゅんなどを推進すいしんしてきた。国内こくない発信はっしんされる文献ぶんけん情報じょうほうは、すで年間ねんかんすうじゅうまんけんはるかにえ、インターネットじょうでの文献ぶんけん書類しょるい情報じょうほうすうおくけんたっしつつある。図書としょ文献ぶんけん情報じょうほうは、日本にっぽんじゅうしん分類ぶんるいほう(NDC)やISSNなどの分類ぶんるい情報じょうほう文献ぶんけん分類ぶんるいおこなうことが出来できるが、インターネットじょう特許とっきょ文献ぶんけんなどの文献ぶんけん分類ぶんるいは、標準ひょうじゅんがなされていなかったため、一部いちぶにおいて困難こんなんであった。それを解決かいけつするために、日本にっぽん弁理べんりかい特許庁とっきょちょう外郭がいかく団体だんたいとも連携れんけいし、また、インターネットプロバイダーとも協力きょうりょくすることで、情報じょうほう検索けんさく分野ぶんやにおける標準ひょうじゅん国立こくりつ機関きかんとして、活動かつどう推進すいしんしてきた。

情報じょうほう検索けんさく分野ぶんや活動かつどう 編集へんしゅう

情報じょうほうがく分野ぶんやでの標準ひょうじゅん研究けんきゅうとして、とく情報じょうほう検索けんさく分野ぶんやでの研究けんきゅう活動かつどう活発かっぱつおこなわれている。NIST(アメリカ産業さんぎょう標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ)とのあいだで、NTCIRを企画きかく現在げんざいおこなっている。これは、検索けんさく技術ぎじゅつ高度こうど目指めざした研究けんきゅう開発かいはつのコンペであり、分野ぶんやとしては、一般いっぱん情報じょうほう検索けんさく自動じどう要約ようやく特許とっきょ検索けんさく、Q&A検索けんさくからなる。

NTCIRは、有人ゆうじん検索けんさくではなく、あくまでも自動じどう検索けんさくによるコンペ(性能せいのう評価ひょうか)であり、そこに投入とうにゅうされるアルゴリズムかんしては、古典こてんろんもとづく検索けんさく方法ほうほうであってもいし、新規しんき開発かいはつされたものであってもい。タグを付与ふよされた情報じょうほう(XMLなどのフォーマットによる)にもとづき、特定とくてい検索けんさく課題かだいたいして、検索けんさく結果けっか評価ひょうかするという方法ほうほうによっておこなわれるものである。また、日立製作所ひたちせいさくしょ基礎きそ研究所けんきゅうじょとうのチームが開発かいはつした、オープンソースがた高度こうど検索けんさくシステム GETA[6]応用おうようした、Webcat Plus、GeNiiを実用じつようおこなう。

国立こくりつ情報じょうほう機関きかんであるため、情報じょうほう検索けんさく分野ぶんやにおける標準ひょうじゅん課題かだいにもんでおり、タグの付与ふよ方法ほうほう自動じどう要約ようやくなどの課題かだいにもんでいる。自動じどう要約ようやくかんしては、あくまでも機械きかい補助ほじょをする仕組しくみであり、人間にんげん最終さいしゅうてき較正こうせいなどをおこなうシステムとしてあるべきであり、これはだい世代せだいコンピュータプロジェクトの反省はんせいによる。

さらに、文献ぶんけん情報じょうほう検索けんさく近代きんだい目指めざして、検索けんさく課題かだいなどについてもんでおり、これはNTCIR検索けんさく課題かだいとして、利用りよう目的もくてき研究けんきゅう開発かいはつかぎ場合ばあいにおいて公開こうかいしている。今後こんごとしては、ユビキタスシステムにおける、情報じょうほう検索けんさくについても研究けんきゅう開発かいはつすすめる予定よていであり、これから情報じょうほう検索けんさく分野ぶんやなどにおいて、バリアフリーの環境かんきょう構築こうちくするための課題かだいにもんでいく予定よていである。

目的もくてき 編集へんしゅう

図書館としょかん情報じょうほうがく国立こくりつ研究所けんきゅうじょとして、かく専門せんもん学会がっかいとの共同きょうどう事業じぎょうとして論文ろんぶん書誌しょし情報じょうほうデータベースシステムをふるくから運用うんようしてきた。現在げんざいは、書誌しょし情報じょうほう論文ろんぶん発行はっこうから3かげつ程度ていどで、全文ぜんぶんかく学術がくじゅつ専門せんもん団体だんたいとの契約けいやくとうにより多少たしょうひらきはあるが、最長さいちょう2ねん目処めどにして公開こうかいおこなっている。

また、NIIない設置せっちしたサーバないに、かく学術がくじゅつ専門せんもん学会がっかいのWEBサーバを収納しゅうのうしており、加盟かめいしゃすうちいさい団体だんたいでも利用りよう可能かのうであった。学術がくじゅつ論文ろんぶん学術がくじゅつ団体だんたい専門せんもんあつかうため、匿名とくめいサーバは設置せっちしていなかった。このサービスは2010ねん4がつ以降いこう新規しんき受付うけつけ停止ていしし、2012ねん3がつ31にちにサービスを停止ていしした[7]図書館としょかん情報じょうほうシステムに関連かんれんする研究けんきゅう中心ちゅうしんっており、図書館としょかん運営うんえいしゃ図書館としょかん情報じょうほうサービスをおこな団体だんたいとのあいだでは共同きょうどう研究けんきゅう事業じぎょうさかんにおこなわれている。

沿革えんかく 編集へんしゅう

  • 1976ねん 東京大学とうきょうだいがく情報じょうほう図書館としょかんがく研究けんきゅうセンター発足ほっそく[7]
  • 1983ねん 東京大学とうきょうだいがく文献ぶんけん情報じょうほうセンター設置せっち[7]
  • 1984ねん 東京大学とうきょうだいがく文献ぶんけん情報じょうほうセンターを全国ぜんこく共同きょうどう利用りよう施設しせつ改組かいそ
  • 1986ねん 東京大学とうきょうだいがく文献ぶんけん情報じょうほうセンターを改組かいそ学術情報がくじゅつじょうほうセンターを設置せっち[7]
  • 1997ねん 日本にっぽん学術がくじゅつ会議かいぎ計算けいさん科学かがく研究けんきゅう推進すいしんについて(勧告かんこく)」で日本にっぽんでの計算けいさん科学かがく研究けんきゅう中核ちゅうかくとなる研究所けんきゅうじょ設立せつりつ提案ていあん[3][4]
  • 1998ねん 文部省もんぶしょう学術がくじゅつ審議しんぎかいが「情報じょうほうがく研究けんきゅう推進すいしん方策ほうさくについて」の建議けんぎ情報じょうほう研究けんきゅう研究所けんきゅうじょ大学だいがく共同きょうどう利用りよう機関きかんとして設立せつりつすることを提案ていあん[5][4]
  • 1998ねん これをけて文部省もんぶしょう準備じゅんび組織そしきとして「情報じょうほう分野ぶんやにおける中核ちゅうかくてき学術がくじゅつ研究けんきゅう機関きかんかたかんする調査ちょうさ協力きょうりょくしゃ会議かいぎ」を発足ほっそくどう会議かいぎ学術情報がくじゅつじょうほうセンターかくとした改組かいそによりしん研究所けんきゅうじょ設立せつりつすることを提言ていげん[4]
  • 2000ねん 学術情報がくじゅつじょうほうセンターを廃止はいしし、国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ設置せっち[7]
  • 2004ねん 大学だいがく共同きょうどう利用りよう機関きかん法人ほうじんとして情報じょうほう・システム研究けんきゅう機構きこう一員いちいん改組かいそ[7]
  • 2006ねん 博士はかせ課程かていを3ねんせいから5ねん一貫いっかんせい改組かいそ
  • 2018ねん LINEとの人工じんこう知能ちのう(AI)研究けんきゅう協力きょうりょくなどの拠点きょてんとして「ロバストインテリジェンス・ソーシャルテクノロジー研究けんきゅうセンター」(CRIS)を設置せっち[8]

研究けんきゅう拠点きょてん 編集へんしゅう

事業じぎょう・サービス 編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ History - 国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ/National Institute of Informatics”. 2015ねん2がつ27にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 平成へいせい24年度ねんど要覧ようらん”. 国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ (2012ねん7がつ1にち). 2013ねん2がつ19にち閲覧えつらん
  3. ^ a b 計算けいさん科学かがく研究けんきゅう推進すいしんについて(勧告かんこく”. www.scj.go.jp. 2023ねん5がつ17にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f https://www.nii.ac.jp/publications/nii-nenpou/h18-nenpou.pdf
  5. ^ a b http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/06041015/002.htm
  6. ^ 汎用はんよう連想れんそう計算けいさんエンジン GETA ファミリー” (2009ねん7がつ21にち). 2012ねん3がつ30にち閲覧えつらん
  7. ^ a b c d e f 沿革えんかく - 国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ/National Institute of Informatics”. 2015ねん2がつ27にち閲覧えつらん
  8. ^ 国立こくりつ情報じょうほう学研がっけん、LINEと共同きょうどう研究けんきゅう拠点きょてん 社会しゃかい課題かだい解決かいけつAI開発かいはつ日刊にっかん工業こうぎょう新聞しんぶん』2018ねん4がつ4にち(2019ねん4がつ8にち閲覧えつらん)。
  9. ^ 国立こくりつ情報じょうほうがく研究所けんきゅうじょ(NII)、学術がくじゅつ研究けんきゅうデータベース・リポジトリ(NII-DBR)のサービス終了しゅうりょう発表はっぴょう”. カレントアウェアネス・ポータル. 2021ねん5がつ13にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう