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塩基 - Wikipedia

塩基えんき

さんたいになってはたらく物質ぶっしつ
塩基えんきせいから転送てんそう

塩基えんき(えんき、えい: base)は、化学かがくにおいて、水素すいそイオンる、または電子でんしたいあたえる性質せいしつをもつ物質ぶっしつである。さんたいになってはたらく。

概要がいよう

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一般いっぱんに、プロトン(H+)をる、または電子でんしたいあたえる化学かがくしゅ[1]歴史れきしじょう概念がいねん拡大かくだいともないながら、いくつかの定義ていぎかんがえられた。

塩基えんきとしてはたらく性質せいしつ塩基えんきせい(えんきせい)といい、水溶液すいようえき塩基えんきせいアルカリ性あるかりせいともいう。

さん塩基えんき相対そうたいてき概念がいねんである。ある物質ぶっしつたいする塩基えんきが、物質ぶっしつたいしてさんであることがおおい。たとえば、みず塩化えんか水素すいそたいして塩基えんきである(H+うばう)が、アンモニアたいしてさんである(H+あたえる)。

 
 

ただし、日常にちじょうてきに「塩基えんき」といえば、みずたいする塩基えんき意味いみするため、その場合ばあいにてみずは「中性ちゅうせい物質ぶっしつ」といえる。

塩基えんきせいつよ塩基えんきつよ塩基えんきつよしアルカリ)、よわ塩基えんきじゃく塩基えんきじゃくアルカリ)とぶ。

塩基えんきは、文脈ぶんみゃくによって「もとめかくざい」「もとめかくせい」とも言及げんきゅうされる。また、生物せいぶつがくにおいて、核酸かくさん構成こうせいする核酸かくさん塩基えんきを、たん塩基えんきぶことがある。

アルカリ金属きんぞくアルカリるい金属きんぞくなどの水酸化物すいさんかぶつ、あるいはアンモニア、アミンなど水溶液すいようえきpHが7よりおおきく塩基えんきせいしめ物質ぶっしつ総称そうしょうしてアルカリ (えい: alkali)[2]。「アルカリ」の語源ごげんは、中世ちゅうせいのイスラームけんくすり洗剤せんざいとしてもちいられていた قلويばれるものに由来ゆらいするとされる[3][4]。また、アルカリ性あるかりせい水溶液すいようえきやアルカリ金属きんぞく[よう出典しゅってん]を、たんにアルカリとぶことがある。アルカリ性あるかりせい化合かごうぶつ基本きほんてき苦味にがみていする[よう出典しゅってん]

塩基えんき定義ていぎ

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以下いかに、それぞれの定義ていぎ概略がいりゃくのみべる。

アレニウス塩基えんき (Arrhenius base)
アレニウス定義ていぎによる塩基えんきみずけると水酸化物すいさんかぶつイオン (OH) を物質ぶっしつしたしきにおいて、水酸化すいさんかナトリウム (NaOH) はアレニウス塩基えんきとしてはたらく。
 
ブレンステッド塩基えんき (Brønsted base)
ブレンステッド-ローリー定義ていぎによる塩基えんき。プロトンを物質ぶっしつ[5]したしき反応はんのうで「B」、あるいは「B」がブレンステッド塩基えんき
 
 
ルイス塩基えんき (Lewis base)
ルイス定義ていぎによる塩基えんき電子でんしたいあたえる物質ぶっしつ[6]したしき反応はんのうで「B」がルイス塩基えんき
 

英語えいご Base の語源ごげん

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錬金術れんきんじゅつ用語ようご "the matrix" の類義語るいぎごとして、1717ねんにフランスの化学かがくしゃ Louis Lémery が使用しようしたのが最初さいしょである[7]錬金術れんきんじゅつパラケルススは、普遍ふへんてきさん潜在せんざい原理げんり土壌どじょうの matrix もしくは wombに含侵することで天然てんねん存在そんざいするしお地中ちちゅうまれると主張しゅちょうした。その理論りろん近代きんだい化学かがく導入どうにゅうしたのが フランスの化学かがくしゃ Guillaume-François Rouelle で、中性ちゅうせいしおがアルカリ水溶液すいようえきとうさんわせること生成せいせいされることをあきらかにした。18世紀せいきにおける既知きちさんのほとんどが揮発きはつせい蒸留じょうりゅう可能かのうな"spirits"で、一方いっぽう塩基えんきさんを「結晶けっしょう状態じょうたいしお凝固ぎょうこした状態じょうたい」のかたちあたえ、定着ていちゃくさせられる"Base"とかんがえられた。

出典しゅってん

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  1. ^ base - IUPAC Gold Book
  2. ^ 理化学りかがく辞典じてんだいはん, 岩波書店いわなみしょてん
  3. ^ Ullmann, M. (1986). "AL-ḲILY". In Bosworth, C. E. [in 英語えいご]; van Donzel, E. [in 英語えいご]; Lewis, B.; Pellat, Ch. [in 英語えいご] (eds.). The Encyclopaedia of Islam, New Edition, Volume V: Khe–Mahi. Leiden: E. J. Brill. ISBN 90-04-07819-3
  4. ^ Définitions lexicographiques et étymologiques de « alcali » du Trésor de la langue française informatisé, sur le site du Centre national de ressources textuelles et lexicales
  5. ^ Brønsted base - IUPAC Gold Book
  6. ^ Lewis base - IUPAC Gold Book
  7. ^ Jensen, William B. (2006). “The origin of the term "base"”. The Journal of Chemical Education 83 (8): 1130. Bibcode2006JChEd..83.1130J. doi:10.1021/ed083p1130. オリジナルの4 March 2016時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304023719/http://www.che.uc.edu/Jensen/W.%20B.%20Jensen/Reprints/129.%20Base.pdf. 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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