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月の大小 - Wikipedia

つき大小だいしょう(つきのだいしょう)は、つきもちいるこよみにおける、日数にっすうおおつきだいつき)とすくないつきしょうつき)の区別くべつである。

太陽暦たいようれき場合ばあい

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太陽暦たいようれきではつきながさは天体てんたいつきとは関係かんけいなく恣意しいてきめられるが、それでもつき大小だいしょうはあることがおおい。

グレゴリオれきでは、1がつ3がつ5月7がつ8がつ10月12月だいつきで31にちあり、2がつ4がつ6がつ9月11月しょうつきで30にち(2がつのみ28にちまたは29にち)ある。

このつき大小だいしょうは、グレゴリオれき由来ゆらいするユリウスれきおなじである。これはさらに、太陰暦たいいんれきだったローマれき大小だいしょう由来ゆらいするが、完全かんぜんおなじではない。

1がつ 2がつ 3がつ 4がつ 5月 6がつ 7がつ 8がつ 9月 10月 11月 12月
ローマれき 29にち 28にち 31にち 29にち 31にち 29にち 31にち 29にち 29にち 31にち 29にち 29にち
ユリウスれき 31にち 28にち
29にち
31にち 30にち 31にち 30にち 31にち 31にち 30にち 31にち 30にち 31にち

サクロボスコによると、ローマれきおよび、カエサル導入どうにゅうした当初とうしょのユリウスれきでは、すうがつだいつき偶数ぐうすうがつしょうつきだった。しかし、アウグストゥス自分じぶん誕生たんじょうがつの8がつしょうつきであることをきらい、現在げんざいかたちにしたという。しかしこのせつ現在げんざいでは否定ひていされている(詳細しょうさいユリウスれき#各月かくつきなが参照さんしょう)。

サクロボスコせつあやまり)
  1がつ 2がつ 3がつ 4がつ 5月 6がつ 7がつ 8がつ 9月 10月 11月 12月
ローマれき 30にち 29にち 30にち 29にち 30にち 29にち 30にち 29にち 30にち 29にち 30にち 29にち
ユリウスれき きゅう 31にち 29にち
30にち
31にち 30にち 31にち 30にち 31にち 30にち 31にち 30にち 31にち 30にち
しん 28にち
29にち
31にち 30にち 31にち 30にち 31にち

つき大小だいしょうおぼかた

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ゆび関節かんせつ利用りようしたつき大小だいしょう

英語えいごではつき大小だいしょうおぼえるためにさんじゅうにちきゅうがつ(Thirty days hath September)というがある。

日本にっぽんではしょうつきおぼとして「西にし(にしむくさむらい。にしむく=2・4・6・9、=十一といち=11)」がある。これは江戸えど時代じだい大小だいしょうれき使つかわれていたおぼ流用りゅうようしたものである。

また、のようにゆび関節かんせつ利用りようして大小だいしょう方法ほうほうもある。

同様どうよう方法ほうほうとして、ピアノなどの鍵盤けんばん楽器がっきで、ヘ(F)のおとを1がつとみなせば、しろかぎだいつきくろかぎしょうつきになる。

太陰暦たいいんれき太陰たいいん太陽暦たいようれき場合ばあい

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太陰暦たいいんれき太陰たいいん太陽暦たいようれきでは、つきながさは天体てんたいつきけにほぼ一致いっちするようにめられる。つきながさの平均へいきんけの周期しゅうきである29.530589にち一致いっちする。そのため、だいつきは30にちしょうつきは29にちで、その比率ひりつはほぼ半々はんはん正確せいかくには53たい47である。

ローマれき

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古代こだいローマで使用しようされていた暦法れきほうであり、紀元前きげんぜん8世紀せいきごろから使つかわれていた。なん改暦かいれきおこなわれ、ロムルスれき・ヌマれきなどとばれるこよみ存在そんざいする。ロムルスれきでは31にちと30にちの10ヶ月かげつと、つきかれないやく60にち期間きかんによって構成こうせいされ、ヌマれきからはやく30にちの12月とメルケディヌスばれる閏月じゅんげつから構成こうせいされた。うるう適切てきせつ挿入そうにゅうされなかったため、末期まっきではこよみうえ日付ひづけぶしがまったく合致がっちしなくなり、1月があき異常いじょう事態じたいとなった。

ヒジュラれき

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ヒジュラれきでは、すうがつだいつき偶数ぐうすうがつしょうつきと、交互こうごあらわれるようになっている。ただしこれではつき平均へいきん日数にっすうが29.5にちとなりすこりないので、必要ひつようおうじて偶数ぐうすうがつでもだいつきにして調整ちょうせいする。

中国ちゅうごくれき

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中国ちゅうごく日本にっぽん太陰たいいん太陽暦たいようれきでは、基本きほんてきに、つねついたちが1にちになるようめられる。

もしかりに、さく望月もちづきつねに29.530589にちなら、だいつきしょうつきはほぼ交互こうごあらわれ、16.346かげつに1だいつきが2かげつ連続れんぞくすることになる。古代こだいおこなわれていたたいらさくは、このようについたち望月もちづき一定いってい仮定かていしていた(想定そうていされたさく望月もちづき観測かんそく精度せいどによりさまざまである)。

しかし実際じっさいは、29.530589にちというのは平均へいきんであり、さく望月もちづきには年間ねんかん変動へんどう不規則ふきそく変動へんどうがある。これを基準きじゅんとするていついたち大小だいしょうつき出現しゅつげんパターンはずっと複雑ふくざつになり、「だいよん小三しょうさん」、すなわち、だいつき最大さいだい4連続れんぞくしょうつき最大さいだい3連続れんぞくする。

麟徳れき日本にっぽんではおおとりれき)を作成さくせいしたあつしふう提案ていあんにより、だいつきが4かげつ連続れんぞくする「だいよん」は不祥ふしょうであるとして、その場合ばあいには大小だいしょうえるなどの改暦かいれき人為じんいてきつき配置はいちにゅうがえなど)をおこなって対処たいしょし、日本にっぽんでも室町むろまち時代ときよまではだいよんさいにはこうした措置そちおこなわれていたが、次第しだいこよみ正確せいかくさを維持いじしながら複雑ふくざつ操作そうさおこな手間てまけるためにこうした改暦かいれきおこなわれなくなった。

それでも宣明のぶあきれき採用さいようされた862ねんさだかん4ねん)から太陽暦たいようれき導入どうにゅうされた1873ねん明治めいじ6ねん)までの1011年間ねんかん平年へいねんでは130とおり、閏年うるうどし300とお以上いじょう大小だいしょう配列はいれつれい存在そんざいしたとされ、1がつから大小だいしょうつき交互こうごに12かげつ連続れんぞくならんだのは888ねん仁和にわ4ねん)のたった1かいであった。このために江戸えど時代じだい人々ひとびと今月こんげつ大小だいしょういずれのつきわすれないように商店しょうてんなどの店先みせさきつき大小だいしょうしめ大小だいしょうばんをつるしたり、大小だいしょうつきだけを表記ひょうきした大小だいしょうれきなどがつくられた。

大小だいしょうれき

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近世きんせいにはそのもの実用じつようせいえて大名だいみょう旗本はたもと富裕ふゆう商人しょうにんそう趣味しゅみとなり、身分みぶんえた交換こうかんかい開催かいさいされた。その工芸こうげいひんとしての美術びじゅつてき価値かちさい評価ひょうかされつつある。

関連かんれん項目こうもく

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  • 詰将棋つめしょうぎ - 大小だいしょう詰物つめものというジャンルがあり、作成さくせい年代ねんだいによってことなる太陰暦たいいんれき大小だいしょうつきを、盤面ばんめんこま表現ひょうげんしている[1]

脚注きゃくちゅう

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