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官能小説 - Wikipedia

官能かんのう小説しょうせつ

交流こうりゅう性交せいこう主題しゅだいとした小説しょうせついちジャンル

官能かんのう小説しょうせつ(かんのうしょうせつ)とは、官能かんのううったえる、つまり男女だんじょあいだもしくは同性どうせいあいだでの交流こうりゅう性交せいこう主題しゅだいとした小説しょうせついちジャンル[1]ポルノ小説しょうせつとも。

サド侯爵こうしゃく美徳びとく不幸ふこう』(1787ねん

広義こうぎにはジュブナイルポルノボーイズラブ小説しょうせつティーンズラブ小説しょうせつなどもふくまれるが、このこうでは、日本にっぽんにおける、これらをのぞいた成人せいじん男性だんせいけにかれた官能かんのう小説しょうせつ狭義きょうぎ官能かんのう小説しょうせつ)についておもべる。

概説がいせつ

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近代きんだいてき小説しょうせつのジャンルとして、読者どくしゃ性欲せいよく刺激しげきすることを目的もくてきえ、性愛せいあいえがいた作品さくひん明治めいじ時代じだいから存在そんざいした。しかし、これらの作品さくひん当時とうじ官能かんのう小説しょうせつ」の名前なまえばれていたわけではなかった。官能かんのう小説しょうせつ評論ひょうろん永田ながた守弘もりひろによれば、だい世界せかい大戦たいせんには「エロ小説しょうせつ」ので、1960年代ねんだいはいると「ポルノ小説しょうせつ」と呼称こしょうされるのが一般いっぱんてきであった。そのうえで、永田ながたによれば、このジャンルが「官能かんのう小説しょうせつ」として定着ていちゃくしたのは、20世紀せいき後半こうはんになってからのことであるとしている[2]

せんもんのレーベルから出版しゅっぱんされることがおおいが、これは出版しゅっぱんしゃ世間体せけんていにしているためである。わざわざべつ会社かいしゃ設立せつりつして販売はんばいしているれいもある。

大半たいはんろしとして文庫ぶんこ新書しんしょかたち出版しゅっぱんされるが、人気にんき作家さっかになるとスポーツ新聞しんぶん男性だんせい週刊しゅうかん小説しょうせつなどに連載れんさいする場合ばあいおおい。もちろん一般いっぱん小説しょうせつ同様どうように、ウェブサイトに掲載けいさいしたり携帯けいたい電話でんわ配信はいしんしたりすることもある。

店頭てんとうでは人目ひとめにして内容ないよう吟味ぎんみしにくいためか、タイトルは「美少女びしょうじょ」「おんな教師きょうし」「じゅくおんな」「未亡人みぼうじん」「おあねさま」など「**もの」をストレートに表現ひょうげんしていることがおおい。これは多数たすう作家さっかが、出版しゅっぱんしゃやジャンルによって筆名ひつめい使つかけている(あるいは使つかけさせられている)ことにもあらわれている。

販売はんばい方法ほうほう

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販売はんばい場所ばしょとしては書店しょてんのほか、コンビニエンスストアおよびえき売店ばいてんなどがげられる。書店しょてん以外いがいでは文庫本ぶんこぼんおもで、かつひとつのテーマ、作家さっかなどによるたん編集へんしゅうおおられる傾向けいこうにある。

また、コンテンツの特殊とくしゅさゆえに消費しょうひしゃ対面たいめん販売はんばいでの購入こうにゅう抵抗ていこうかんことおおいため、おおくの専門せんもんレーベルでは直販ちょくはん積極せっきょくてき推進すいしんしている。単行本たんこうぼん通販つうはんよう注文ちゅうもん用紙ようしはさことはかなり以前いぜんからっており、近年きんねんではオンライン通販つうはん展開てんかいしている。とくに、ジャンルでは電子でんし出版しゅっぱんという言葉ことばすらなく、デジタル著作ちょさくけん管理かんり技術ぎじゅつ確立かくりつされる以前いぜん時代じだいからテキストデータでの販売はんばいすらおこなっていたのは特筆とくひつすべきことである。

しかし、電子でんし出版しゅっぱん黎明れいめいからっているためか、かみ媒体ばいたいよりたかめの価格かかく設定せってい(1.5ばい前後ぜんこう)がおおく、価格かかくめんでの心理しんりてき抵抗ていこうおおきい。

昨今さっこんではレーベルによってはまず携帯けいたい電話でんわとうへの配信はいしん徐々じょじょ値段ねだんがる傾向けいこうにあり、以前いぜんからのノウハウをかして「すぐにはいる」ためだけ、単純たんじゅん販路はんろやすだけの配信はいしん方法ほうほうから、より読者どくしゃ要望ようぼうにあわせた電子でんし出版しゅっぱんわっていくこと期待きたいされている。

マーケティング

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1980年代ねんだいから90年代ねんだいにかけては、実写じっしゃけいメディアミックス作品さくひんとして、アダルトビデオピンク映画えいが女優じょゆうをヒロインとしグラビアを挿絵さしえとした官能かんのう小説しょうせつがあった。また、(小説しょうせつ範疇はんちゅうからはずれるが)女優じょゆう官能かんのう小説しょうせつ朗読ろうどくするカセットしゅうとう存在そんざいした。ただし、これらはキワモノてき企画きかくであることがおおく、イメージのギャップや表現ひょうげん限界げんかいもあって現在げんざいいたるまで主流しゅりゅうとはなっていない。とはいえ現在げんざいでもインターネットじょうでこういったコンテンツを配信はいしんしている企業きぎょう存在そんざいする。

なお、官能かんのう小説しょうせつでは映像えいぞう漫画まんがかんしては成功せいこうしているものがすくない。これは官能かんのう小説しょうせつ読者どくしゃ想像そうぞうりょくゆだねられる部分ぶぶんおおく、映画えいが漫画まんがはその読者どくしゃ裁量さいりょう部分ぶぶんててしまうことおおいからとかんがえられる。また、これは規制きせいにもかることであるが、官能かんのう小説しょうせつにおける表現ひょうげん主観しゅかんてきことおおく(れい:ヒロインの心情しんじょう描写びょうしゃなど)、客観きゃっかんてきにならざるをえない映像えいぞう漫画まんがでは力不足ちからぶそくになってしまうことおおきい。ただ、近年きんねんではエロ漫画まんがいえによるイラストや雑誌ざっし掲載けいさいのイラストを同時どうじ収録しゅうろくしている作品さくひん販売はんばいされている。

表紙ひょうし装丁そうてい

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単行本たんこうぼん表紙ひょうしおおくはエアブラシなどをもちいた写実しゃじつてき女性じょせいである。芸術げいじゅつてきすぐれたおおく、画家がか西村にしむら春海しゅんかい村山むらやま潤一じゅんいち新井田あらいだたかしなど)にも少数しょうすうだがファンがいているほどである(画家がかたち表紙ひょうし作品さくひんだけをあつめてJPEGデータしたCD-ROMアルバムが販売はんばいされている)。

装丁そうていは、新書しんしょよりおおきなはん発売はつばいされるときには、ぎんかねなどの金属きんぞく光沢こうたくのある素材そざいによってかざられることもある。しかし、この独特どくとく装丁そうていではいにくいというこえや(アダルトビデオのパッケージとおなじである)、読者どくしゃ嗜好しこう変化へんかなどから、おも官能かんのう小説しょうせつせんもん以外いがいのレーベルにおいて、それよりもすこやわらかな画風がふうが、表紙ひょうしもちいられることがえている。

また、官能かんのう小説しょうせつせんもんのレーベルでも、一般いっぱん書店しょてんよう従来じゅうらいおな装丁そうていのものを発売はつばいする一方いっぽう煽動せんどうてき文言もんごんおびをのぞき、あかるめのいろ使つかったカバーにえたバージョンのほん作成さくせいし、コンビニエンスストアやえき売店ばいてんとう販売はんばいするなどということもおこなっている。

内容ないよう

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かくはなしごとせい描写びょうしゃれなければならないため、また、(出版しゅっぱんしゃがわ想定そうていしている)読者どくしゃ要求ようきゅうこたえるため、はなし展開てんかい設定せってい無理むりしょうじやすく、現実げんじつかんとぼしいことおおい。このため、官能かんのう小説しょうせつが「おとこのファンタジー」とばれたりすることがしばしばある。ただし、官能かんのう小説しょうせつ後述こうじゅつするようにリアリズムを追求ついきゅうするジャンルではないので、このこと評価ひょうかげるてんとはならない場合ばあいおおい。

また、オリジナリティよりもステレオタイプ表現ひょうげんたとえばヒロインのキャラクター設定せっていを「性的せいてき関心かんしん貞淑ていしゅく女性じょせい」としたり、「関心かんしんよそおっても心中しんちゅうの欲求よっきゅう不満ふまんな『淑女しゅくじょ』」としたり、「ツンデレ」としたりする、など)が優先ゆうせんされることおおい。いわゆる「都合主義つごうしゅぎ」やもんがた表現ひょうげんマンネリズムがあっても、文学ぶんがくジャンルとことなりひく評価ひょうかあたえられないのがおおきな特徴とくちょうである。とはいっても、オリジナリティがければ人気にんきるというものではなく、作家さっかにとってオリジナリティとステレオタイプの匙加減さじかげん重要じゅうようといえる。

狭義きょうぎ官能かんのう小説しょうせつでは現代げんだい社会しゃかい舞台ぶたいとすることがおおく、しゅとして江戸えど時代じだい舞台ぶたいにした時代じだい小説しょうせつかたちるものもかれている。また、週刊しゅうかん男性だんせい連載れんさいなどではサスペンスや経済けいざい小説しょうせつ形式けいしきことおおい。その一方いっぽうで、SFやファンタジー、ミステリーを採用さいようすることすくない。

これは読者どくしゃ前提ぜんてい知識ちしき要求ようきゅうするような要素ようそくわえると、内容ないよう散漫さんまんとなりばなし集中しゅうちゅう出来できなくなるおそれがあるからだとかんがえられる。ただし、過去かこには当局とうきょくまりをけるために「かく戦争せんそう日本にっぽん」といった荒唐無稽こうとうむけい未来みらい小説しょうせつ魔女まじょりの横行おうこうした中世ちゅうせいヨーロッパを舞台ぶたいにしたSM小説しょうせつなどの作品さくひんかれていた。

このような状況じょうきょうながら、なかにはあそびごころてきにちらりとSFやファンタジーのせる作家さっか存在そんざいする。過去かこには、一部いちぶ作家さっかには、有名ゆうめいアニメパロディおこない、トンデモほんあつかいされて日本にっぽんトンデモほん大賞たいしょう受賞じゅしょうした作品さくひんもあった。また、ごくまれ社会しゃかい問題もんだいげる作品さくひん存在そんざいする。ただし、ほとんどの場合ばあいものレベルにめるのがつねであり、官能かんのう小説しょうせつ範囲はんい逸脱いつだつすると読者どくしゃからてい評価ひょうかけることすくなくない。

近年きんねんのメジャーけい出版しゅっぱんしゃ刊行かんこうされる小説しょうせつサスペンス青春せいしゅん小説しょうせつ要素ようそつよものおお[いつ?]ぎゃくにある程度ていどマニア傾向けいこうにある出版しゅっぱんしゃ刊行かんこうされる作品さくひんはストーリーそのものは単純たんじゅん下記かきのようなジャンルをはっきりと作品さくひんおおい。

こうした官能かんのう小説しょうせつのうち数少かずすくない例外れいがいとして、三島みしま由紀夫ゆきお渋沢しぶさわ龍彦たつひこ賞賛しょうさんしたぬま正三しょうさん家畜かちくじんヤプー』がある(ただし、内容ないようから官能かんのう小説しょうせつではなくSF小説しょうせつ一種いっしゅとするきもある)。

おおくの官能かんのう小説しょうせつ三人称さんにんしょうえがかれるが、一部いちぶ作品さくひん下記かき告白こくはくほん実話じつわぶつでは一人称いちにんしょう使つかわれることがある。一人称いちにんしょう場合ばあい女性じょせいがわ視点してんのものもあれば男性だんせいがわ視点してんのものもあり、時間じかん場所ばしょおうじて視点してん時々ときどき男女だんじょわるものもある。まれ第三者だいさんしゃからの視点してん作品さくひんもある。

独特どくとく用語ようご

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官能かんのう小説しょうせつでは卑猥ひわいさを演出えんしゅつするため(また、かつてはまりを回避かいひするため)、独特どくとく用語ようご使つかわれている。

  • 陰茎いんけいにくじゅ
  • ちつみつつぼ
  • 小陰こかげくちびる花弁はなびら
  • 肛門こうもんきく ひとし
  • 生殖せいしょく排泄はいせつ器官きかんかんする医療いりょう用語ようご(いわゆる横文字よこもじ

2006ねんにはちくま文庫ぶんこから官能かんのう小説しょうせつ用語ようご表現ひょうげんあつめた辞典じてん刊行かんこうされている[3]

また、近年きんねん作品さくひんではオノマトペ多用たようされる傾向けいこうにある[いつ?]

性的せいてき主題しゅだいあつかったほかのジャンルと同様どうように、官能かんのう小説しょうせつにも検閲けんえつ規制きせい問題もんだいがあり、表現ひょうげん自由じゆうひとしをめぐって様々さまざま論争ろんそうがあった。なかでも

などは有名ゆうめいである(これらが官能かんのう小説しょうせつにあたるかどうかも異論いろんがある)。 しかし、その是非ぜひとはべつに、摘発てきはつ規制きせいがかえって官能かんのう小説しょうせつ独特どくとく比喩ひゆなどの表現ひょうげん方法ほうほう発展はってんさせたという事実じじつもある。近年きんねんではアダルトビデオ成人せいじん漫画まんがなど、より刺激しげきつよいメディアが登場とうじょうしたこともあり、小説しょうせつせい描写びょうしゃ問題もんだいになることはごくまれである。

ただし、スポーツ新聞しんぶん週刊しゅうかんなどでの掲載けいさいにおいては、せい描写びょうしゃ表現ひょうげん自主じしゅ規制きせい厳格げんかく管理かんりされている。

1950年代ねんだいから60年代ねんだいにかけて、雑誌ざっしたんクラブ』に連載れんさいされた、だんおにろくの『はなへび』が連載れんさいされる[6]

1970年代ねんだいはいると、たて淳一じゅんいちが『きょうじゅうやみつ』でデビュー。官能かんのう小説しょうせつがわでも、SMものを中心ちゅうしんに、下着したぎ女装じょそうといった多彩たさい分野ぶんやえがかれるようになる[7]最終さいしゅうてきにこのながれは出版しゅっぱんしゃがわにも変化へんかおよぼし、1985ねんにフランス書院しょいん文庫ぶんこやマドンナメイト文庫ぶんこ、グリーンドア文庫ぶんこ関連かんれん項目こうもく参照さんしょう)が発刊はっかんされるなど、官能かんのう小説しょうせつとマニア小説しょうせつ融合ゆうごうつづくこととなる。

また、70年代ねんだいわりには官能かんのう小説しょうせつ手掛てがける女流じょりゅう作家さっか登場とうじょうした。1978ねんにデビューした丸茂まるもジュンはじめとして、岡江おかえ多紀たき中村なかむら嘉子よしこ活躍かつやくはじめた[8]。このながれは80年代ねんだい以降いこうにもつづき、1989ねんにデビューした、ハードな描写びょうしゃ人気にんきはくした藍川あいかわきょう[9]、1992ねんには、やしけいともいわれる作品さくひん発表はっぴょうしている内藤ないとうみか登場とうじょうした[10]

一般いっぱん小説しょうせつ読者どくしゃ趣味しゅみ嗜好しこうわせた様々さまざまなジャンルに分化ぶんかしているが、官能かんのう小説しょうせつはさらに読者どくしゃ性的せいてき嗜好しこうにもわせた膨大ぼうだいなジャンルのバリエーションがある(詳細しょうさい性的せいてき嗜好しこう参照さんしょう)。ただし、実際じっさいには下記かきのジャンルのいくつかがふくあわして作品さくひんっているのが普通ふつうである。

ジャンル一覧いちらん

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また、傍流ぼうりゅうのものとして、

がある。これらは、タイトルのなかにそのままふくまれることがおおい。

また、最近さいきんではライトノベル同人どうじん隆盛りゅうせいともなって、女性じょせいけの官能かんのう小説しょうせつティーンズラブ小説しょうせつ)、少年しょうねんけの官能かんのう小説しょうせつジュブナイルポルノ)が出版しゅっぱんされることもえている。

告白こくはくほん実話じつわぶつ

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告白こくはくほん」「実話じつわぶつ」とばれる独特どくとくのジャンルが存在そんざいする。これは、読者どくしゃよりせられた告白こくはく体験たいけんをまとめたとしょうする書籍しょせきである。告白こくはくわれているが実際じっさいはほぼすべてがフィクションであり、事実じじつじょう作家さっか名前なまえさないたん編集へんしゅうである。

ほぼすべてがフィクションであるということは、読者どくしゃがわもある程度ていど暗黙あんもく了解りょうかいとして承知しょうちしている。なぜならば、なかには読者どくしゃからの投稿とうこうによりつくられているとかれているのに、読者どくしゃ実際じっさい投稿とうこうする宛先あてさきがかかれていなかったり、募集ぼしゅうしていてもあからさまに「フィクションであってもよい」「年齢ねんれい性別せいべつとう自称じしょうでよい」といったただきがあったりするからである。

ジュブナイルポルノ

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ジュブナイルポルノとは、1980年代ねんだい後半こうはん勃興ぼっこうした、ライトノベル近似きんじした様式ようしき制作せいさくされた若年じゃくねんそうけの官能かんのう小説しょうせつ分類ぶんるいしてしたもの。

ジュブナイルポルノでは、大半たいはんのレーベルでライトノベルと同様どうよう巻頭かんとうカラーイラストがあり、本文ほんぶんちゅうにも挿絵さしえがページ単位たんい挿入そうにゅうされているなど、従来じゅうらい官能かんのう小説しょうせつとはだいぶことなる体裁ていさいっているが、最大さいだい特徴とくちょう狭義きょうぎ官能かんのう小説しょうせつではタブーとされるSFやファンタジーの要素ようそ小説しょうせつ世界せかいかんとしてにふんだんに利用りようされていることにある。これは対象たいしょうとしている読者どくしゃそうがライトノベルの読者どくしゃちゅう成人せいじんそうやアダルトゲームのプレイヤーであり、そのような世界せかいかんについての予備よび知識ちしきをある程度ていどっていることを前提ぜんていとしているためである。また、ジャンルの歴史れきしというめんからても、最初さいしょのレーベルである富士見書房ふじみしょぼう富士見ふじみ文庫ぶんこ富士見ふじみ美少女びしょうじょ文庫ぶんこ)では、アダルトアニメくりいむレモン』シリーズのノベライズ作品さくひん主力しゅりょくラインナップとしていたことなど、1980年代ねんだい時点じてんすでのメディアとの連動れんどう意識いしきされており、SFやファンタジーの要素ようそがふんだんにふくまれた作品さくひん多数たすう出版しゅっぱんされていたことがげられる。この巻頭かんとうカラーイラストや本文ほんぶんちゅう挿入そうにゅうした挿絵さしえおおくの割合わりあいせい描写びょうしゃ富士見ふじみ美少女びしょうじょ文庫ぶんこのスタイルは1990年代ねんだいはいって次々つぎつぎ勃興ぼっこうした後続こうぞくレーベルの方向ほうこうせいにもおおきな影響えいきょうあたえ、アダルトゲーム普及ふきゅうともに、おおくのアダルトゲームが利用りようするファンタジー調ちょう世界せかいかん設定せっていをジュブナイルポルノの読者どくしゃそう受容じゅようさせるためのいしずえとなっていった。

業界ぎょうかい本格ほんかくてき発展はってんげた1990年代ねんだい以降いこう、ジュブナイルポルノ、アダルトゲーム、アダルトアニメのさん業界ぎょうかい本文ほんぶん・イラストの人材じんざいめんふくめて相互そうごたか関連かんれんせいつようになり、このさんしゃのいずれかが原作げんさくとなってのアニメ・ゲーム・ノベライズは相互そうご多数たすう制作せいさくされている。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 永田ながた守弘もりひろ官能かんのう小説しょうせつ用語ようご表現ひょうげん辞典じてんマガジンハウス、2002ねん1がつ1にちISBN 978-4838713592 
  • 永田ながた守弘もりひろ官能かんのう小説しょうせつ奥義おうぎ』(1はん集英社しゅうえいしゃ、2007ねん12月18にちISBN 978-4-08-720410-0 

関連かんれん項目こうもく

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