発 勁
なお、「
解説
勁と力
勁と
- 勁の
速度 と外面 上 の拳 脚 の速度 は一致 しない。 - 勁の
大 きさと外面 上 の動作 の大 きさは一致 しない。 - 勁の
大 きさと発 する際 の主観 的 な力感 の大 きさは一致 しない。 - 勁を
発 する際 、勁が体内 を通過 する感覚 がある。 通過 するときに知覚 する速度 と実際 の勁の通過 速度 は一致 しない。- 勁を
蓄 えることは弓 を引 くかの如 し。勁を発 することは矢 を放 つかの如 し。
また
力 は出 ていかないが、勁は出 ていく力 みがあるとそこで勁が止 まる損失 無 く発 し切 れた場合 は何 ら力感 や手応 えを感 じない
というものがある。
楊式
力 は骨 に由 り、肩 背 に没 して発 することができない- 勁は
筋 に由 り、能 く発 して四肢 に達 することができる 力 は有形 であり、勁は無形 である力 は方 (四角 )であり、勁は円 である力 は滞 り、勁は暢 やかである力 は遅 く、勁は速 い力 は散 じ、勁は集 まる力 は浮 き、勁は沈 む力 は鈍 く、勁は鋭 い
という
勁の分類
勁の
翻 浪 勁(ほんろうけい、あるいは翻 滾 勁)丹田 の竪 回転 により生 じた勁が脊椎 を波浪 の如 く伝 わるもの。形 意 拳 の『鷹 捉』『劈拳』など、起 鑽落翻 の手法 による把 式 などに用 いられる。螺 旋勁(らせんけい、あるいは擰弾勁)丹田 の横 回転 により生 じた擰勁が四肢 末 端 へ伝 わるもの。八卦 掌 の『白蛇 吐信』などに用 いられる。纏 絲 勁(てんしけい)陳 式 太極拳 などで用 いられる。- 抽絲勁(ちゅうしけい)
- 楊式
太極拳 などで用 いられる。 轆轤 勁(ろくろけい)- 劈掛
拳 などで用 いられる。 - 沈墜勁(ちんついけい)
心意 六 合 拳 などで用 いられる。十字 勁(じゅうじけい)八 極 拳 などで用 いられる。- 掤勁(ほうけい)
太極拳 で常 に働 いているもの。整 勁と関連 が深 い。四 正 の掤ではない。整 勁(せいけい、あるいは動力 定型 )内外 六 合 などの要求 を満 たした把 式 に発生 するもので、中国 武術 の基本 である。- 『
整 』には「整 える」「整 った」の他 に「全身 の」という意味 がある。 内 勁(ないけい)外 勁と対 になる発 勁の分類 方法 の一 つ。翻 浪 勁、螺 旋勁、纏 絲 勁、抽絲勁他。寸 勁(すんけい)距離 による発 勁の分類 の一種 であり、門派 によっては発 勁の技法 の一 つとされ、いずれにしても至近 距離 から相手 に勁を作用 させる技術 である。身体 動作 を小 さくし、わずかな動作 で高 い威力 を出 す技法 全般 を指 す。日本 国内 で一般 に発 勁といった場合 、この寸 勁を意味 していることが多 い。距離 による分類 としては、他 に分 勁、零 勁がある。- その
方法 論 は各 門派 によって様々 であるが、呼吸 法 や重心 移動 、地球 の重力 、身体 内部 の操作 、意識 のコントロールなどを複 合 的 に用 い、最小 動作 で最大 の威力 を出 すことを目的 とする。 近似 のものに、八 極 拳 の暗 勁、蟷螂 拳 の分 勁(この場合 は密接 した状態 での発 勁、または発 勁動作 が分 かりにくい発 勁)などもある。アメリカではブルース・リーが行 ったものが知 られており、ワンインチパンチ (One-inch punch)と呼 ばれた。これは、リーが学 んだ詠 春 拳 や周 家 蟷螂 拳 の技術 の応用 である。名称 の由来 は1寸 と1インチの長 さが近 いことから。浸透 勁(しんとうけい)本来 、中国 武術 には浸透 勁という用語 は存在 しない。しかし、日本 においては様々 なメディアで用 いられて一般 化 してきているので、ある程度 の定義 付 けを行 える。浸透 勁とは、勁を作用 させるときに幾 つかの処理 を行 うことで効率 良 く作用 させることができる勁、あるいはその方法 である。- 『
浸透 』という言葉 から特殊 なものを想像 されがちだが、そもそも人体 に勁を作用 させると筋肉 の収縮 により、その威力 が軽減 される。例 えば、棒立 ちの相手 の腹部 に発 した場合 、小 さい勁であれば緊張 させた筋肉 の弾力 で弾 かれる、大 きい勁であれば作用 させた対象 を移動 させる結果 になる。この「弾 かれる」「移動 させる」という状態 を『浸透 していない状態 』とするならば、「弾 かれないように密着 /粘着 している」「筋肉 が弛緩 した瞬間 を作 り、その時 に作用 させることで移動 するエネルギーにならず、体内 を変形 させるエネルギーになっている」といったことが、『浸透 した』状態 である。もちろん、これは一 例 である。 - この『
浸透 した』状態 を作 るため、各 門派 には様々 な理論 /方法 がある。これらは秘伝 に属 するものと考 えられがちだが、実際 には初期 に「それと知 らずに」教 わるものである。というのも、形 意 拳 では最初 に学 ぶ拳 の握 り方 がそうであるし、八卦 掌 ではよく用 いる擦 り付 ける /粘 り付 くような打撃 法 がそうだからだ。
参考 文献
孫 禄 堂 著 『拳 意 述 眞 』五 州 出版 社 、BABジャパン、1999年 4月 。ISBN 978-4894223370鄭 曼青著 『鄭 子 太極拳 自修 新法 』内部 資料 (リプリント有 )- Man-Ching Cheng, Cheng Man-Ch'Ing, Mark Hennessy 『Master Cheng's New Method of T'ai Chi Self-Cultivation』Frog Ltd, 1999
年 6月 。ISBN 978-1883319922 陳 炎 林 著 、笠尾 恭二 訳 『太極拳 総合 教程 』福 昌 堂 、2002年 2月 。ISBN 978-4892247750- 邱太
鐘 著 、邱玲玟編著 『極 化 武道 -駿 身 鶴 法 』逸文 、2007年 5月 15日 。ISBN 9789867822949 佐藤 貴生 著 『実戦 内 家 拳 ファイル』BABジャパン、2007年 8月 。ISBN 978-4862202666