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専用軌道 - Wikipedia

専用せんよう軌道きどう(せんようきどう)は、軌道きどうほうもとづく軌道きどうにおける分類ぶんるいひとつ。以下いかの2つの用法ようほう存在そんざいする。

  • 運輸うんゆぎょう使用しようしない軌道きどうのこと。
  • 道路どうろ以外いがい敷地しきち敷設ふせつされた新設しんせつ軌道きどう(しんせつきどう)の通称つうしょう実際じっさいには法的ほうてき定義ていぎとは関係かんけいなく、たん専用せんよう敷地しきちない敷設ふせつされた軌道きどう鉄道てつどう線路せんろすことがおおい。

専用せんよう軌道きどう軌道きどうほうだいいちじょうだいこう

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法的ほうてきには軌道きどうほうだいいちじょうだいこうの「一般いっぱん交通こうつうもちいきょうセサル軌道きどう」を専用せんよう軌道きどうとしており、鉄道てつどう事業じぎょうほうだいじょうだいろくこう定義ていぎされている専用せんよう鉄道てつどう軌道きどうはんといえるものである。敷設ふせつ手続てつづきなど詳細しょうさい専用せんよう軌道きどう規則きそく大正たいしょう12ねん12月29にち内務省ないむしょうれいだい45ごう)でさだめられている。現在げんざい、この規則きそくもとづく専用せんよう軌道きどう存在そんざいしないとおもわれる。

新設しんせつ軌道きどう軌道きどうほうだいじょう

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併用へいよう軌道きどう(手前てまえ)、新設しんせつ軌道きどう(おく)

軌道きどうほうだいじょうでは「軌道きどう特別とくべつ事由じゆうアル場合ばあいじょクノがい道路どうろ施設しせつスヘシ」とさだめており、軌道きどうほうもとづく軌道きどう原則げんそくとして道路どうろ以外いがい場所ばしょ敷設ふせつすることはできない。

軌道きどう建設けんせつ規程きていでは「道路どうろじょうそのほか公衆こうしゅう通行つうこうする場所ばしょ敷設ふせつされる軌道きどう」を「併用へいよう軌道きどう」、その軌道きどうを「新設しんせつ軌道きどう」としてけている[1]

なお、軌道きどうほうもとづく軌道きどうのうち、道路どうろ中央ちゅうおう高架こうか軌道きどう敷設ふせつした都市としモノレールしん交通こうつうシステム、あるいは「路面ろめん電車でんしゃ高速こうそく」と位置いちづけて道路どうろ地下ちか)に敷設ふせつされた大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつなども、道路どうろ上方かみがた空間くうかんまたは下方かほう空間くうかん敷設ふせつされていることから、法的ほうてきには併用へいよう軌道きどう一種いっしゅである。

専用せんよう敷地しきちないもうけられた軌道きどう鉄道てつどう線路せんろ

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一般いっぱんてきには、路面ろめん電車でんしゃ走行そうこうする軌道きどう鉄道てつどう線路せんろのうち、専用せんよう敷地しきちない敷設ふせつされているものを「専用せんよう軌道きどう」とぶことがおおい。たとえば富山とやま地方ちほう鉄道てつどう富山港線とやまこうせん福井ふくい鉄道てつどう福武線ふくぶせんなどのように、道路どうろ路面ろめん走行そうこうする区間くかん軌道きどうほう専用せんよう敷地しきちない走行そうこうする区間くかん鉄道てつどう事業じぎょうほうがそれぞれ適用てきようされている場合ばあい、たとえ鉄道てつどう事業じぎょうほう適用てきようされている区間くかん鉄道てつどう線路せんろであっても「(軌道きどうほう新設しんせつ軌道きどう意味いみする)専用せんよう軌道きどう」とぶことがある。この場合ばあい法律ほうりつじょう定義ていぎとは関係かんけいなく、たん専用せんよう敷地しきちない設置せっちされているかいないかのちがいによって、併用へいよう軌道きどう専用せんよう軌道きどう言葉ことば使つかけていることになる。

以上いじょうのように、専用せんよう軌道きどうという言葉ことば前後ぜんご文脈ぶんみゃくなどによって意味いみわってくるため、使用しようさいしては注意ちゅうい必要ひつようである。

新設しんせつ軌道きどう構造こうぞう利点りてん

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軌道きどう構造こうぞうは、通常つうじょう鉄道てつどう線路せんろ同様どうようバラストめて、枕木まくらぎにレール(軌条きじょう)を固定こていした、たわみ構造こうぞうもちいられることがおおいが、併用へいよう軌道きどうではそのうえ舗装ほそうほどこされるのにたいし、新設しんせつ軌道きどうでは一般いっぱん通常つうじょう鉄道てつどう同様どうようとされる[2]

大都市だいとし路面ろめん電車でんしゃにおいては、高度こうど成長せいちょう以降いこう道路どうろじょうでの自動車じどうしゃとの併走へいそうにより、交通こうつう渋滞じゅうたいまれて運行うんこうダイヤまもれなくなるなどの支障ししょうて、廃止はいしされるれいおおかったが、ぜん走行そうこう区間くかんにおける新設しんせつ軌道きどう割合わりあいたかいためその使命しめいうしなわれず存続そんぞくされたれいもある。たとえば併用へいよう軌道きどう路線ろせんのほとんどが廃止はいしされた東京とうきょう都電とでんにおいても、荒川線あらかわせんだけは王子おうじ電気でんき軌道きどうという私鉄してつ路線ろせん買収ばいしゅうした区間くかんでもあって、専用せんよう新設しんせつ軌道きどう割合わりあいがきわめてたかかった[1][3]。そのため荒川線あらかわせんについては定時ていじせい確保かくほのため1972ねん昭和しょうわ47ねん)におおむね5年間ねんかん存続そんぞく決定けっていされ、1973ねん昭和しょうわ48ねん)の都議会とぎかい恒久こうきゅうてき存続そんぞく決定けっていされた[1]東急とうきゅう電鉄でんてつでも、きぬたせん鉄道てつどうせん)と玉川たまがわせん併用へいよう軌道きどう)の廃止はいしも、全線ぜんせん専用せんよう軌道きどうである世田谷線せたがやせん存続そんぞくしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c 今岡いまおか 和也かずや. “路面ろめん電車でんしゃ活性かっせいけて”. 都市とし交通こうつうだい34ごう. 2020ねん2がつ23にち閲覧えつらん
  2. ^ かず久田ひさた1999 22-25ぺーじ
  3. ^ かず久田ひさた1999 10ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

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  • かず久田ひさた康雄やすお路面ろめん電車でんしゃ成山なりやまどう書店しょてん、1999ねんISBN 4425761014 

関連かんれん項目こうもく

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