軌条 きじょう (きじょう)とは、鉄道 てつどう の線路 せんろ (軌道 きどう )を構成 こうせい する要素 ようそ の一 ひと つで、鉄道 てつどう 車両 しゃりょう を直接 ちょくせつ 支持 しじ し、車輪 しゃりん の転 てん 動 どう のガイドとなる役割 やくわり をもつ。一般 いっぱん 的 てき にはレール と呼 よ ばれる場合 ばあい が多 おお い[2] 。素材 そざい は、一般 いっぱん 的 てき には、断面 だんめん が逆 ぎゃく Tの字 じ 型 がた をした棒状 ぼうじょう の鋼 はがね 製品 せいひん が用 もち いられる。鉄鋼 てっこう 分野 ぶんや では、条鋼 じょうこう の一種 いっしゅ に分類 ぶんるい されている。
鉄道 てつどう 線路 せんろ 。枕木 まくらぎ を挟 はさ んで、左右 さゆう に見 み える棒状 ぼうじょう のものが軌条 きじょう (レール)である。
レール(50Nレール)
軌条 きじょう は、所定 しょてい の間隔 かんかく (軌間 きかん )で2本 ほん 平行 へいこう に並 なら べ、道床 どうしょう の上 うえ に並 なら べられた枕木 まくらぎ の上 うえ にレール締結 ていけつ 装置 そうち (犬釘 いぬくぎ など)を用 もち いて固定 こてい する。枕木 まくらぎ と軌条 きじょう は垂直 すいちょく である。この様 よう にして敷 し かれた線路 せんろ 上 じょう を走 はし る鉄道 てつどう を普通 ふつう 鉄道 てつどう という。普通 ふつう 鉄道 てつどう のほか、桁 けた 状 じょう の1本 ほん の案内 あんない 路 ろ を使 つか うモノレール や、特殊 とくしゅ な案内 あんない 路 ろ を用 もち いる案内 あんない 軌条 きじょう 式 しき 鉄道 てつどう もあり、これらの軌道 きどう の材質 ざいしつ は鋼 はがね に限 かぎ られずコンクリート なども用 もち いられる。
ここでは、普通 ふつう 鉄道 てつどう に使 つか われる、鋼 はがね 製 せい の断面 だんめん が逆 ぎゃく T字 じ 型 がた をした鉄道 てつどう レール を中心 ちゅうしん に記述 きじゅつ する。
レールの断面 だんめん 形状 けいじょう による分類 ぶんるい 1 橋 きょう 型 がた レール、2 双頭 そうとう レール、3 牛頭 ごず レール 4 平底 ひらぞこ レール、5 溝 みぞ 付 つ きレール
レールの断面 だんめん の形状 けいじょう として望 のぞ ましい条件 じょうけん としては次 つぎ のことが挙 あ げられる。
レール頭部 とうぶ の形状 けいじょう は車輪 しゃりん が脱線 だっせん し難 がた い
レールの磨耗 まもう 前 まえ と磨耗 まもう 後 ご の形状 けいじょう の差 さ が少 すく ない
垂直 すいちょく 荷重 におも に対 たい しては高 たか い方 ほう が望 のぞ ましい
上 うえ 首 くび ・下 しも 首 くび の半径 はんけい の小 ちい さいものは傷 きず が入 はい りやすいので避 さ ける
底部 ていぶ の形状 けいじょう は設置 せっち が安定 あんてい し易 やす いように幅 はば を広 ひろ くする
上下 じょうげ 中 ちゅう 間 あいだ の幅 はば は錆 さび や腐食 ふしょく にも考慮 こうりょ する
レールの断面 だんめん 形状 けいじょう には、橋 はし 型 がた レール、双頭 そうとう レール、牛頭 ごず レール、平底 ひらぞこ レール、溝 みぞ 付 つ きレールなどの種類 しゅるい がある。橋 はし 型 がた レールは、底部 ていぶ から頭部 とうぶ にかけて同 おな じ幅 はば で垂直 すいちょく に上 あ がっているのが特徴 とくちょう であり、最近 さいきん では使用 しよう されていない。双頭 そうとう レールは、「I」形 かたち 断面 だんめん で上下 じょうげ の両 りょう 頭部 とうぶ が同形 どうけい であり、転 うたて 頭 あたま して上下 じょうげ を変 か えれば再 さい 利用 りよう ができる。牛頭 ごず レールは、双頭 そうとう レールを改良 かいりょう したものである。両者 りょうしゃ はイギリス などで使用 しよう されていたのを、日本 にっぽん の鉄道 てつどう 開業 かいぎょう 時 とき にイギリスから購入 こうにゅう して採用 さいよう されていた。平底 ひらぞこ レールは、底部 ていぶ の形状 けいじょう が安定 あんてい しやすいように幅 はば を広 ひろ げた形状 けいじょう となっており、列車 れっしゃ 走行 そうこう の荷重 かじゅう に対 たい する曲 きょく げ強度 きょうど も高 たか く、磨耗 まもう にも強 つよ い、横 よこ 圧 あつ に対 たい しても安定 あんてい 性 せい があり、レールの基本形 きほんけい 状 じょう として国内外 こくないがい 共 ども に使用 しよう されている。溝 みぞ 付 つ きレールは路面 ろめん 電車 でんしゃ で使用 しよう されている。
日本 にっぽん の営業 えいぎょう 用 よう 鉄道 てつどう では、長 なが さ1 mあたりの重量 じゅうりょう が80kg,60 kg, 50 kg, 40 kg, 37 kg, 30 kgの規格 きかく が使 つか われており、普通 ふつう レール と呼 よ ばれる。重量 じゅうりょう の大 おお きいものほど、乗 の り心地 ごこち に優 すぐ れ線路 せんろ の狂 くる い が生 しょう じにくく、重量 じゅうりょう のある列車 れっしゃ が通 とお る路線 ろせん 、列車 れっしゃ が高速 こうそく で走行 そうこう する路線 ろせん 、運行 うんこう 頻度 ひんど の高 たか い路線 ろせん に適 てき している。また、その後 ご の改良 かいりょう 設計 せっけい により、従来 じゅうらい より高 たか さを高 たか くして、断面 だんめん 二 に 次 じ モーメント を大 おお きくしたN型 がた レール が在来 ざいらい 線 せん 用 よう として使用 しよう されている。
種類 しゅるい
断面 だんめん 寸法 すんぽう (mm)
標準 ひょうじゅん 長 ちょう さ (m)
摘要 てきよう
高 たか さ
底部 ていぶ 幅 はば
頭部 とうぶ 幅 はば
60kgレール
174
145
65
25 or 50
現在 げんざい の新幹線 しんかんせん 用 もちい 、一部 いちぶ は在来 ざいらい 線 せん にも使用 しよう
50Tレール
160
136
65
初期 しょき の東海道新幹線 とうかいどうしんかんせん 用 もちい (若返 わかがえ り工事 こうじ で交換 こうかん ) ロッキード式 しき モノレール 用 よう 1 mあたりの重量 じゅうりょう 53 kg
50kgNレール
153
127
65
25 or 50
在来 ざいらい 線 せん 用 よう (主 おも に幹線 かんせん )
50kgレール
144.46
127.00
67.87
25
= 50kgPSレール = 100ポンド PSレール
40kgNレール
140
122
64
25
在来 ざいらい 線 せん 用 よう (主 おも にロ ろ ーカル線 かるせん )
37kgレール
122.24
122.24
60.33
25
= 37kgASCEレール = 75ポンドASCEレール
30kgレール
107.95
107.95
60.33
10[7] or 20[8] [9]
= 30kgASCEレール = 60ポンドASCEレール
ASCE は米国 べいこく 土木 どぼく 学会 がっかい が定 さだ めた規格 きかく 。PS はペンシルバニア鉄道 てつどう 規格 きかく (Pennsylvania standard) の略 りゃく 。レールのポンド表示 ひょうじ は長 なが さ1ヤード あたりの重量 じゅうりょう ポンド 。なお国際 こくさい 規格 きかく では、35 kg/m以上 いじょう のレールを普通 ふつう レールとしている(ISO 5003)。
異 こと なる重量 じゅうりょう のレールの境界 きょうかい 部 ぶ には、中継 ちゅうけい レール や異形 いぎょう 継目 つぎめ 板 ばん を用 もち いる。
分岐 ぶんき 器 き 用 もちい 特殊 とくしゅ レール には、以下 いか の規格 きかく がある。
NE70Sレール
80Sレール
70Sレール
50Sレール
通常 つうじょう の鉄道 てつどう 用 よう の普通 ふつう レール以外 いがい に、工事 こうじ 用 よう や鉱山 こうざん 用 よう のトロッコ などで使 つか う細 ほそ いレールもあり、軽 けい レール と呼称 こしょう される。
種類 しゅるい
断面 だんめん 寸法 すんぽう (mm)
標準 ひょうじゅん 長 なが さ (m)
摘要 てきよう
高 たか さ
底部 ていぶ 幅 はば
頭部 とうぶ 幅 はば
22kgレール
93.66
93.66
50.80
10
1 mあたりの重量 じゅうりょう 22 kg(以下 いか 同 どう ) = 45ポンドASCEレール
15kgレール
79.37
79.37
42.86
10
12kgレール
69.85
69.85
38.10
10
10kgレール
66.67
66.67
34.13
5.5
9kgレール
63.50
63.50
32.10
5.5
6kgレール
50.80
50.80
25.40
5.5
普通 ふつう レールに磨耗 まもう の進行 しんこう を抑 おさ えるために、焼 や き入 い れと呼 よ ばれる熱処理 ねつしょり を施 ほどこ して、強度 きょうど ・硬 かた さ を増 ま した熱処理 ねつしょり レール と呼 よ ばれるレールがある。これには、HH340レールとHH370レールがある。頭部 とうぶ 全 ぜん 断面 だんめん 熱処理 ねつしょり レール は、曲線 きょくせん 部 ぶ の外側 そとがわ レールなどに用 もち いられる。端 はし 頭部 とうぶ 熱処理 ねつしょり レール は、レールに大 おお きな負荷 ふか がかかるがロングレールが使用 しよう できず、継 つ ぎ目 め を設 もう けねばならないような箇所 かしょ に用 もち いるとされる。
異形 いぎょう 継目 つぎめ 板 ばん (37kg-50Nレール)
中継 ちゅうけい レール(50T-50Nレール)
伸縮 しんしゅく 継目 つぎめ
ロングレールの溶接 ようせつ 作業 さぎょう (テルミット法 ほう )
斜 なな め接着 せっちゃく 絶縁 ぜつえん レールの継目 つぎめ 部分 ぶぶん
レールは端 はし 部 ぶ 同士 どうし を繋 つな いで用 もち いる。この接続 せつぞく 方法 ほうほう は左右 さゆう のレールを対 たい に接続 せつぞく する相対 そうたい 式 しき 継目 つぎめ 方式 ほうしき と、左右 さゆう のレールが対 たい ではなく、それぞれをほぼ交互 こうご に接続 せつぞく する相互 そうご 式 しき 継目 つぎめ 方式 ほうしき の2種類 しゅるい がある。前者 ぜんしゃ は、レールの下 した に設置 せっち された枕木 まくらぎ の補強 ほきょう や信号 しんごう 回路 かいろ の分断 ぶんだん がやり易 やす いが、継 つ ぎ目 め の沈下 ちんか が発生 はっせい し易 やす い。後者 こうしゃ は、継 つ ぎ目 め の沈下 ちんか や走行 そうこう 中 ちゅう の列車 れっしゃ の揺 ゆ れは減 へ るが、逆 ぎゃく に列車 れっしゃ のローリング が走行 そうこう 中 ちゅう に起 お こり易 やす くなる。このため、21世紀 せいき における世界 せかい 各国 かっこく の鉄道 てつどう では相互 そうご 式 しき 継目 つぎめ を採用 さいよう している事例 じれい は少 すく なくなっている。
継 つ ぎ目 め の観点 かんてん から、レールの長 なが さによる区分 くぶん を以下 いか に述 の べる。
レールの標準 ひょうじゅん の長 なが さは、日本 にっぽん の場合 ばあい 、1本 ほん 25 m[2] で、定 てい 尺 しゃく レール と呼 よ ぶ。線路 せんろ では、これを、継 つ ぎ目 め ではレール同士 どうし を突合 つきあわ せて突合 つきあわ せ継目 つぎめ とし継目 つぎめ 板 ばん で繋 つな いで連続 れんぞく させて用 もち いている。レールの継 つ ぎ目 め を繋 つな ぐ継目 つぎめ 板 ばん には、断面 だんめん 形状 けいじょう により短冊 たんざく 型 がた ・L型 がた ・I型 がた が用 もち いられており、I型 がた はN型 がた レールで使用 しよう されている。また、レールの継 つ ぎ目 め の間 あいだ では、適当 てきとう な隙間 すきま を継目 つぎめ 板 ばん の中間 ちゅうかん で設定 せってい している。これは、レールが気温 きおん や日射 にっしゃ の変化 へんか に応 おう じて伸縮 しんしゅく するためであり、レール自身 じしん の温度 おんど は、気温 きおん の他 ほか に直射 ちょくしゃ 日光 にっこう が当 あ たる所 ところ では相当 そうとう 高 たか くなり、その温度 おんど 差 さ は60 - 80 ℃となる。そのため、定 てい 尺 しゃく レールでは、40 ℃において1 mm、0 ℃において13 mm程度 ていど としている。車輪 しゃりん がレールの継 つ ぎ目 め を通過 つうか する際 さい に発生 はっせい するガタンゴトンという音 おと はジョイント音 おん と呼 よ ばれる。
継 つ ぎ目 め 構造 こうぞう の望 のぞ ましい条件 じょうけん としては次 つぎ のことが上 あ げられる。
垂直 すいちょく 及 およ び横 よこ の荷重 におも に対 たい してレールと同等 どうとう の強度 きょうど を有 ゆう する
温度 おんど 変化 へんか での伸縮 しんしゅく に対 たい して、最高 さいこう 温度 おんど でレールが座 ざ 屈 こごめ せず、最低 さいてい 温度 おんど において継目 つぎめ ボルト に過大 かだい な力 ちから がかからない
取 と り付 つ け取 と り外 はず しが容易 ようい である
継目 つぎめ 板 ばん とレールを締結 ていけつ しているボルト・ナット には、レールの温度 おんど による伸縮 しんしゅく に対 たい して支障 ししょう が起 お きない条件 じょうけん が要求 ようきゅう される緊締力 りょく で締結 ていけつ されており、ナットの緩 ゆる みを防止 ぼうし するため、ナットと継目 つぎめ 板 ばん の間 あいだ にロックナットワッシャー を挿入 そうにゅう している。また、レールは、電気 でんき 車 しゃ による電気 でんき 運転 うんてん において使用 しよう された動力 どうりょく 電流 でんりゅう を変電 へんでん 所 しょ に戻 もど す帰 き 線 せん や、軌道 きどう 回路 かいろ により使用 しよう される電流 でんりゅう を流 なが すための電流 でんりゅう 回路 かいろ としても利用 りよう されるため、継目 つぎめ 板 ばん とレールとの間 あいだ の接触 せっしょく 面 めん では錆 さび などで電気 でんき 抵抗 ていこう が大 おお きくなることを防 ふせ ぐため、レールの継 つ ぎ目 め の間 あいだ にレールボンドや信号 しんごう ボンドを繋 つな いでおり、ハンダ合金 ごうきん によりレールに溶着 ようちゃく されている。また軌道 きどう 回路 かいろ の境界 きょうかい などで絶縁 ぜつえん が必要 ひつよう な場合 ばあい には、継目 つぎめ 板 ばん とレールの間 あいだ に絶縁 ぜつえん プレート を挟 はさ み、かつ、ボルトと継目 つぎめ 板 ばん の間 あいだ に絶縁 ぜつえん チューブ を挿入 そうにゅう して軌道 きどう 回路 かいろ のための絶縁 ぜつえん を確保 かくほ している。これを絶縁 ぜつえん 継目 つぎめ という。
一方 いっぽう 、定 てい 尺 しゃく レール(工場 こうじょう 出荷 しゅっか 時 じ の標準 ひょうじゅん で25 m)を溶接 ようせつ して繋 つな いだレールもある。このうち、全長 ぜんちょう 200 m以上 いじょう のレールをロングレール という。継 つ ぎ目 め を減 へ らすことで保守 ほしゅ 作業 さぎょう の省力 しょうりょく 化 か や、騒音 そうおん ・振動 しんどう 対策 たいさく で乗 の り心地 ごこち の向上 こうじょう が目 め 指 さ せる。2014年 ねん (平成 へいせい 26年 ねん )には新日鐵 しんにってつ 住金 すみきん 八幡 やはた 製鉄 せいてつ 所 しょ が長 なが さ150 mのレールを出荷 しゅっか する体制 たいせい を整 ととの えており、溶接 ようせつ する労力 ろうりょく の低減 ていげん やロングレール化 か した際 さい の精度 せいど の向上 こうじょう を目指 めざ す動 うご きも見 み られる[11] 。
ロングレールの中央 ちゅうおう 部 ぶ (不動 ふどう 区間 くかん )は枕木 まくらぎ に固 かた く締結 ていけつ し、枕木 まくらぎ の周囲 しゅうい にバラスト を十分 じゅうぶん に敷 し き詰 つ めることで気温 きおん 変化 へんか によるレール方向 ほうこう の伸縮 しんしゅく は抑 おさ え込 こ まれており、常 つね にレール内部 ないぶ には応力 おうりょく (軸 じく 力 りょく )が発生 はっせい している。しかし、端 はし 部 ぶ (可動 かどう 区間 くかん )は、温度 おんど 変化 へんか により定 てい 尺 しゃく レールよりも大 おお きく伸縮 しんしゅく するため、通常 つうじょう の突合 つきあわ せ継目 つぎめ ではなく、伸縮 しんしゅく 継目 つぎめ が用 もち いられる。枕木 まくらぎ への締結 ていけつ 力 りょく や枕木 まくらぎ の周囲 しゅうい に敷 し き詰 つ められたバラストの量 りょう 、レール温度 おんど の管理 かんり などが十分 じゅうぶん でないと、猛暑 もうしょ 時 とき にレールが座 ざ 屈 こごめ する事故 じこ や、極寒 ごっかん 時 とき にレールが破断 はだん する事故 じこ が発生 はっせい することもある。これらは前述 ぜんじゅつ のロングレールの不動 ふどう 区間 くかん が温度 おんど 変化 へんか によりレール方向 ほうこう に伸縮 しんしゅく する軸 じく 力 りょく に耐 た えきれなくなった時 とき に発生 はっせい する。
ロングレール区間 くかん では、初期 しょき の頃 ころ は伸縮 しんしゅく 継手 つぎて を軌道 きどう 回路 かいろ の区分 くぶん 前後 ぜんこう に設置 せっち し、通常 つうじょう のレール間 あいだ を絶縁 ぜつえん 継目 つぎめ でつないで軌道 きどう 回路 かいろ を絶縁 ぜつえん 分割 ぶんかつ するが、1970年 ねん に強力 きょうりょく な接着 せっちゃく 剤 ざい をレールと継目 つぎめ 板 ばん の間 あいだ に接着 せっちゃく して、レールの軸 じく 力 りょく と列車 れっしゃ 衝撃 しょうげき 強度 きょうど に耐 た えるとともに、電気 でんき 絶縁 ぜつえん 性能 せいのう を十分 じゅうぶん に持 も たせた接着 せっちゃく 絶縁 ぜつえん レール を用 もち いて軌道 きどう 回路 かいろ を絶縁 ぜつえん 分割 ぶんかつ する方式 ほうしき が採用 さいよう されている。この方式 ほうしき には、最初 さいしょ の頃 ころ は湿式 しっしき 法 ほう が採用 さいよう されていたが、1年 ねん 未満 みまん で接着 せっちゃく 部 ぶ が剥離 はくり する損傷 そんしょう が発生 はっせい したため、1984年 ねん にエポキシ樹脂 じゅし をプレート状 じょう に予備 よび 成型 せいけい した固定 こてい 接着 せっちゃく 剤 ざい をレールと継目 つぎめ 板 ばん の間 あいだ に圧着 あっちゃく して加熱 かねつ する乾式 かんしき 法 ほう が現在 げんざい において採用 さいよう されている。最近 さいきん ではレールのボルト穴 あな の空隙 くうげき 部 ぶ に接着 せっちゃく 剤 ざい を充填 じゅうてん して、レールと継目 つぎめ 板 ばん の間 あいだ の接着 せっちゃく 層 そう 内 ない にテフロンシートを介在 かいざい させることで、継目 つぎめ 板 ばん からの接着 せっちゃく 剤 ざい の剥離 はくり と継目 つぎめ 板 ばん の腐食 ふしょく を防止 ぼうし するともに、電気 でんき 絶縁 ぜつえん 性能 せいのう を更 さら に上 あ げた改良 かいりょう 形 がた の乾式 かんしき 法 ほう が採用 さいよう されつつある[14] 。この方式 ほうしき では、レールのウィークポイントである絶縁 ぜつえん 継目 つぎめ が無 な くなりかつ、軌道 きどう 回路 かいろ ごとに絶縁 ぜつえん 付 つ き伸縮 しんしゅく 継手 つぎて を挿入 そうにゅう する必要 ひつよう がなくなるのが採用 さいよう するメリットである。
日本 にっぽん でのロングレールは東海道新幹線 とうかいどうしんかんせん で本格 ほんかく 的 てき に採用 さいよう され、その後 ご 、在来 ざいらい 線 せん や私鉄 してつ の幹線 かんせん にも導入 どうにゅう が進 すす んでいる。
なお、溶接 ようせつ 後 ご の処理 しょり が甘 あま いか、長期間 ちょうきかん の使用 しよう により、もともと継 つ ぎ目 め だった部分 ぶぶん からジョイント音 おん が聞 き こえてくる。また、ロングレールの長 なが さには限度 げんど があるため、継 つ ぎ目 め を全 まった くなくすことは出来 でき ない。またロングレールは万能 ばんのう ではなく急 きゅう カーブのあるところへの敷設 ふせつ はレールの偏 へん 摩耗 まもう の観点 かんてん から適当 てきとう ではなく、とくに半径 はんけい 300 m未満 みまん のカーブ区間 くかん ではレール自身 じしん の弾性 だんせい で反発 はんぱつ が強 つよ くなるため使用 しよう には適 てき さない。このことから急 きゅう カーブの区間 くかん は定 てい 尺 しゃく レールが使用 しよう される。
種類 しゅるい
摘要 てきよう
ロングレール
200m以上 いじょう
長 ちょう 尺 しゃく レール
25m以上 いじょう 200m未満 みまん
定 てい 尺 しゃく レール
25m(30kgレールは20m) (一部 いちぶ では、24mなどの寸詰 すんづ まりなレールも存在 そんざい する)
短尺 たんざく レール
5m - 25m(調整 ちょうせい 用 よう レールに使 つか われているほか、 ごく一部 いちぶ の地方 ちほう のロ ろ ーカル線 かるせん の古 ふる い規格 きかく のレールがそれである)
軽 けい レールの長 なが さは数 すう メートルのものが多 おお い。
レールの刻印 こくいん ロールマーク (ドイツ語 ご 版 ばん )
高温 こうおん で熱 ねっ した鋼 はがね 塊 かたまり (オレンジから黄 き くらいの色 いろ 温度 おんど )を、ローラーを組 く み合 あ わせて作 つく られた圧延 あつえん 機 き に通 とお して、圧延 あつえん (熱 ねつ 延 のべ )する。圧延 あつえん 機 き は段階 だんかい に合 あ わせて数 すう 台 だい あり、そこを複 ふく 数 すう 回 かい 往復 おうふく させる複雑 ふくざつ な行程 こうてい を経 へ て製造 せいぞう される。不純物 ふじゅんぶつ は両 りょう 端 はし にたまりやすいので、日本 にっぽん では長 なが く作 つく ってから両 りょう 端 はし を切断 せつだん する方法 ほうほう がとられている。また、製造 せいぞう 時 じ では、レールに対 たい して各種 かくしゅ 試験 しけん [注 ちゅう 1] を行 おこな い、レールの品質 ひんしつ の確保 かくほ を行 おこな っている。
製造 せいぞう されたレールの腹部 ふくぶ には断面 だんめん 形状 けいじょう ・質量 しつりょう ・製造 せいぞう 法 ほう ・製造 せいぞう 者 しゃ 名 めい ・製造 せいぞう 年月 としつき などが刻印 こくいん される[注 ちゅう 2] 。
材料 ざいりょう としては強度 きょうど ・耐 たい 磨耗 まもう 性 せい ・耐食性 たいしょくせい などから高 こう 炭素 たんそ 鋼 こう が用 もち いられる。この材質 ざいしつ は、刃物 はもの ほど硬 かた くはないが、相当 そうとう の靭 うつぼ 性 せい と耐 たい 接触 せっしょく 疲労 ひろう 性 せい があり、溶接 ようせつ が可能 かのう である条件 じょうけん を元 もと に成分 せいぶん が決 き められている[注 ちゅう 3] 。
レールの障害 しょうがい 、損傷 そんしょう と寿命 じゅみょう 、整備 せいび
編集 へんしゅう
レール塗 ぬり 油 あぶら 器 き 。カーブ周辺 しゅうへん に置 お かれ、潤滑油 じゅんかつゆ を散布 さんぷ して摩耗 まもう や騒音 そうおん を抑 おさ える。
レールの損傷 そんしょう は製造 せいぞう 時 じ の材質 ざいしつ 欠陥 けっかん などによる先天的 せんてんてき なものと、敷設 ふせつ 後 ご の車両 しゃりょう 荷重 におも などによる後天的 こうてんてき なものに大別 たいべつ される。
レールは輪 わ 重 じゅう を直径 ちょっけい 10 mm(ミリメートル )を楕円 だえん 形状 けいじょう した接触 せっしょく 面 めん で支 ささ えており、1GPa(ギガ パスカル )に及 およ ぶ応力 おうりょく が発生 はっせい してレール表面 ひょうめん が変形 へんけい する中 なか で車輪 しゃりん が通過 つうか することで、レールに様々 さまざま な損傷 そんしょう が発生 はっせい する。こうした転 ころ がり接触 せっしょく によるレールの損傷 そんしょう には「レールシェリング」「きしみ割 わ れ」「空転 くうてん 傷 きず 」「摩耗 まもう 」が発生 はっせい する。レールの劣化 れっか メカニズムを解明 かいめい するために有限 ゆうげん 要素 ようそ 法 ほう が有用 ゆうよう であり、スーパーコンピューター を用 もち いた大 だい 規模 きぼ な並列 へいれつ 計算 けいさん によってシミュレーション する技術 ぎじゅつ の開発 かいはつ が進 すす められている。
レールには寿命 じゅみょう があり、レールを取替 とりか えることでレールの性能 せいのう を維持 いじ させる。50 kgレールでの摩耗 まもう によるレールの取替 とりか えは、高 たか さで約 やく 15 mm、断 だん 面積 めんせき で約 やく 20 %を許容 きょよう 限度 げんど としている。普通 ふつう は10年 ねん - 25年 ねん を標準 ひょうじゅん として取替 とりか えているが、急 きゅう 曲線 きょくせん かつ輸送 ゆそう 密度 みつど の高 たか い区間 くかん では1年 ねん 足 た らずで取替 とりか える場合 ばあい がある。また、通過 つうか トン数 とんすう では、2 - 5億 おく トン位 い がレール交換 こうかん の目安 めやす とされている。
曲線 きょくせん で外 そと 軌のゲージコーナが車輪 しゃりん のフランジ と接触 せっしょく することによる摩耗 まもう を「側 がわ 摩耗 まもう 」と称 しょう し、レール交換 こうかん の主因 しゅいん となっている。また、レール表面 ひょうめん が一定 いってい の間隔 かんかく で摩耗 まもう または塑性 そせい 変形 へんけい して連続 れんぞく した凹凸 おうとつ が発生 はっせい する摩耗 まもう を「波状 はじょう 摩耗 まもう 」と称 しょう し、この摩耗 まもう は列車 れっしゃ 走行 そうこう 時 じ に振動 しんどう が発生 はっせい し、騒音 そうおん 公害 こうがい や保線 ほせん 上 じょう の問題 もんだい が生 しょう じやすくなる。
電位 でんい 差 さ が大 おお きい、排水 はいすい が十分 じゅうぶん にできない場合 ばあい は微弱 びじゃく 電流 でんりゅう による腐食 ふしょく (電 でん 食 しょく )が発生 はっせい する(「塩害 えんがい #構造 こうぞう 物 ぶつ に関 かか わる塩害 えんがい 」参照 さんしょう )。
海岸 かいがん に近 ちか い路線 ろせん では、レールの腐食 ふしょく が早 はや く進行 しんこう する。特 とく にトンネル の出入口 でいりぐち から200 m 付近 ふきん までのレールは塩分 えんぶん の飛来 ひらい が起 お こりやすいが、雨 あめ などで流 なが されることが無 な いため腐食 ふしょく が進 すす みやすいという調査 ちょうさ 結果 けっか がある。
前述 ぜんじゅつ のように、金属 きんぞく であるレールは猛暑 もうしょ により伸 の びて歪 いが むことがあり、軌間 きかん が広 ひろ がりすぎると列車 れっしゃ 脱線 だっせん 事故 じこ を起 お こすリスクがある[2] 。こうした障害 しょうがい が出 で る温度 おんど の目安 めやす は50℃ 前後 ぜんご とされ、鉄道 てつどう 事業 じぎょう 者 しゃ は徐行 じょこう 運転 うんてん や運転 うんてん 見合 みあ わせで対応 たいおう するが、間 ま に合 あ わず脱線 だっせん 事故 じこ が起 お きることもある[2] 。
平時 へいじ からの対策 たいさく として、レールの間 あいだ のつなぎ目 め を少 すこ し開 あ けるようにしており、一部 いちぶ ではつなぎ目 め が斜 なな めに加工 かこう されたレールが使 つか われているが、資金 しきん に余裕 よゆう がない地方 ちほう 鉄道 てつどう などでは導入 どうにゅう が遅 おく れている[2] 。
転 ころ がり接触 せっしょく 疲労 ひろう による損傷 そんしょう をシェリング(横 よこ 裂 きれ 、水平 すいへい 裂 きれ )と呼 よ ぶ。コーナー部分 ぶぶん にかかる疲労 ひろう 損傷 そんしょう をきしみ割 わ れと呼 よ ぶ。
車輪 しゃりん またはソリ が発明 はつめい されて、重量 じゅうりょう 物 ぶつ の輸送 ゆそう に使 つか われるようになると、地面 じめん が軟 やわ らかい場所 ばしょ では次第 しだい に深 ふか い轍 わだち (わだち)が刻 きざ み込 こ まれて、それに沿 そ って輸送 ゆそう されるようになった。轍 わだち は、雨 あめ が降 ふ って泥沼 どろぬま 化 か した場合 ばあい に輸送 ゆそう の障害 しょうがい となり、また轍 わだち と異 こと なる方向 ほうこう へ向 む きを変 か える時 とき にも大 おお きな障害 しょうがい となるため、これに対処 たいしょ するために地面 じめん 側 がわ での工夫 くふう を必要 ひつよう とした。路面 ろめん 全体 ぜんたい に石 いし を敷 し き詰 つ めて舗装 ほそう した場合 ばあい は道路 どうろ へと発展 はってん するが、車輪 しゃりん の間隔 かんかく が一定 いってい のものに統一 とういつ されている場合 ばあい には、車輪 しゃりん の下 した に当 あ たる部分 ぶぶん にだけ板 いた や石 いし を敷 し き詰 つ めるという対処 たいしょ も行 おこな われた。これは軌条 きじょう (レール)の原始 げんし 的 てき なものと見 み ることができる。
原始 げんし 的 てき なレール(軌条 きじょう )を使 つか って動物 どうぶつ や人 ひと に荷車 にぐるま をひかせる方法 ほうほう は紀元前 きげんぜん から行 おこな われていたとされ、ドイツ のフライブルク にあるフライブルク大 だい 聖堂 せいどう のステンドグラス (1350年 ねん 製作 せいさく )にもその光景 こうけい は残 のこ されている。16世紀 せいき のイギリスには無数 むすう の馬車 ばしゃ 軌道 きどう (ワゴンウェイ、Wagonway)があったとされている[24] 。
その後 ご レールは鉱山 こうざん 地帯 ちたい における輸送 ゆそう に広 ひろ く用 もち いられ、次第 しだい に改良 かいりょう が進 すす められていった。当初 とうしょ は鉄 てつ が貴重 きちょう 品 ひん であったため樫 かし の木 き が用 もち いられていたが、磨耗 まもう が激 はげ しく保守 ほしゅ 担当 たんとう 者 しゃ の悩 なや みの種 たね となっていた。1738年 ねん 、イギリスのカンバーランド において初 はじ めて鋳鉄 ちゅうてつ を利用 りよう したレールが登場 とうじょう したが、これは木材 もくざい の基盤 きばん の上 うえ に薄 うす い帯状 おびじょう の鉄 てつ を貼 は り付 づ けただけのもので[注 ちゅう 4] 、しかもカーブなど磨耗 まもう しやすい場所 ばしょ にだけ用 もち いられていた。1750年代 ねんだい 頃 ころ になると、カーブだけではなく全 すべ ての区間 くかん で鋳鉄 ちゅうてつ の板 いた を取 と り付 つ けることが一般 いっぱん 化 か した。しかし鋳鉄 ちゅうてつ は曲 ま げに弱 よわ く、脱線 だっせん 事故 じこ も多発 たはつ し続 つづ けた。
1767年 ねん 、同 おな じイギリスのコールブルックデールの製鉄 せいてつ 所 しょ 技師 ぎし リチャード・レイノルズ は、生産 せいさん 量 りょう が増加 ぞうか して余剰 よじょう 気味 ぎみ になってきた鋳鉄 ちゅうてつ の使 つか い道 みち として、トロッコ に使 つか う目的 もくてき のレールの生産 せいさん を開始 かいし し、この時 とき にレールにフランジ が取 と り付 つ けられた。レールの両側 りょうがわ につばが取 と り付 つ けられて、車輪 しゃりん の脱落 だつらく を防 ふせ ぐ仕組 しく みとなっていた。しかしレールと車輪 しゃりん がきしみあってうまく走 はし れず、また雨水 あまみず や落 お ち葉 ば などが溝 みぞ に溜 た まるという問題 もんだい があった。
1776年 ねん 、ベンジャミン・カー がこの欠点 けってん を解消 かいしょう するために片方 かたがた のつばを取 と り除 のぞ いた、L字形 じけい のレールを発明 はつめい した。これにより車両 しゃりょう の走行 そうこう は格段 かくだん に容易 ようい となった。
1789年 ねん 、土木 どぼく 技師 ぎし のウィリアム・ジェソップ は、車輪 しゃりん 側 がわ にフランジを取 と り付 つ けて、レールの上面 うわつら は平 たい らにする方式 ほうしき を発明 はつめい した。魚腹 ぎょふく 形 がた と呼 よ ばれる下 した 側 がわ が膨 ふく れたレールを使用 しよう している。これにより大幅 おおはば に脱線 だっせん の確 かく 率 りつ が減少 げんしょう し、安定 あんてい 的 てき に鉄道 てつどう 輸送 ゆそう を行 おこな うことが可能 かのう になった。このためジェソップは「鉄道 てつどう 軌道 きどう の父 ちち 」と呼 よ ばれている。
依然 いぜん として鋳鉄 ちゅうてつ によって製造 せいぞう されていたレールの折損 せっそん が問題 もんだい となっており、1803年 ねん にニクソンが錬鉄 れんてつ のレールを発明 はつめい したが、技術 ぎじゅつ 面 めん 、コスト面 めん の問題 もんだい から使用 しよう されなかった。
それまでは鉱山 こうざん における資材 しざい 輸送 ゆそう 用 よう のトロッコに用 もち いられていただけであったレールは、蒸気 じょうき 機関 きかん 車 しゃ が登場 とうじょう することによって近代 きんだい 的 てき な交通 こうつう 機関 きかん の一翼 いちよく を担 にな うことになった。初期 しょき には、平 たい らなレールの上 うえ を鉄製 てつせい の車輪 しゃりん を持 も った機関 きかん 車 しゃ で牽引 けんいん しようとすると車輪 しゃりん が空転 くうてん すると考 かんが えられており、1812年 ねん にジョン・ブレンキンソップ によってラックレール が考案 こうあん されたが、実験 じっけん の結果 けっか 、よほどの急 きゅう 勾配 こうばい でない限 かぎ りラックは不要 ふよう であることが判明 はんめい した。
初 はじ めての実用 じつよう 的 てき な蒸気 じょうき 機関 きかん 車 しゃ を利用 りよう した鉄道 てつどう であるリバプール・アンド・マンチェスター鉄道 てつどう は、1830年 ねん に鋳鉄 ちゅうてつ 製 せい のレールを使用 しよう して開業 かいぎょう した。このため磨耗 まもう によりレールは頻繁 ひんぱん に交換 こうかん する必要 ひつよう があった。
1831年 ねん 、アメリカのロバート・スティーブンス が平底 ひらぞこ の現在 げんざい 用 もち いられているのと同 おな じようなレールを発明 はつめい した。これは犬釘 いぬくぎ を用 もち いることで簡単 かんたん に枕木 まくらぎ に固定 こてい することができるという長所 ちょうしょ があり、世界中 せかいじゅう に普及 ふきゅう して現在 げんざい のレールの原形 げんけい となった。
1837年 ねん 、イギリスのジョセフ・ロック (英語 えいご 版 ばん ) が双頭 そうとう レールを発明 はつめい した。レールをチェア とくさび によって固定 こてい するもので、レールが上下 じょうげ が同 おな じ形 がた をしているためひっくり返 かえ すことでどちらも走行 そうこう 用 よう に使用 しよう することができるというものであった。しかし、チェアと底部 ていぶ の接触 せっしょく 箇所 かしょ で摩耗 まもう が生 しょう じ、ひっくり返 かえ しても円滑 えんかつ な走行 そうこう 面 めん が得 え られなかった。
1856年 ねん 、イギリスのヘンリー・ベッセマー が転 てん 炉 ろ に空気 くうき を吹 ふ き込 こ むことで鉄 てつ から炭素 たんそ 分 ぶん を除去 じょきょ して鋼鉄 こうてつ を生産 せいさん する方法 ほうほう を発明 はつめい した。同年 どうねん シーメンス兄弟 きょうだい が平炉 へいろ を発明 はつめい し、さらに1864年 ねん 、フランス のピエール・マルタン が改良 かいりょう して工業 こうぎょう 化 か に成功 せいこう し、シーメンス・マルタン法 ほう による鋼鉄 こうてつ の生産 せいさん が可能 かのう となった。1877年 ねん 、イギリスのシドニー・トーマス がベッセマー製鋼 せいこう 法 ほう を改良 かいりょう してリン を取 と り除 のぞ くことができるようになった。これらの鋼鉄 こうてつ の生産 せいさん に関 かん する技術 ぎじゅつ 進歩 しんぽ を受 う けて、鋼鉄 こうてつ 製 せい のレールが一般 いっぱん に普及 ふきゅう していった。
最初 さいしょ に鋼鉄 こうてつ 製 せい のレールが使用 しよう されたのは、イギリスのミッドランド鉄道 てつどう のダービー地区 ちく で、ベッセマー製鋼 せいこう 法 ほう が発明 はつめい されたすぐ翌年 よくねん の1857年 ねん のことであった。それまで3ヶ月 かげつ ごとに交換 こうかん を必要 ひつよう としていた区間 くかん で、16年間 ねんかん 交換 こうかん なしに使用 しよう することができたとの記録 きろく がある。
現在 げんざい のレールはスティーブンスの平底 ひらぞこ レールを鋼鉄 こうてつ を用 もち いて作 つく っているもので、材質 ざいしつ や重量 じゅうりょう の増大 ぞうだい などの点 てん での進歩 しんぽ はあるが、基本 きほん 的 てき には19世紀 せいき に完成 かんせい された技術 ぎじゅつ で成 な り立 た っている。
日本 にっぽん で使用 しよう するレール類 るい は日本 にっぽん 産業 さんぎょう 規格 きかく (JIS)により、規格 きかく が定 さだ められている。レール に関 かん する規格 きかく と継目 つぎめ 板 ばん に関 かん する規格 きかく は以下 いか の通 とお り。
番号 ばんごう
名称 めいしょう
JIS E 1001
鉄道 てつどう -線路 せんろ 用語 ようご
JIS E 1101
普通 ふつう レール及 およ び分岐 ぶんき 器用 きよう 特殊 とくしゅ レール
JIS E 1102
レール用 よう 継目 つぎめ 板 ばん
JIS E 1103
軽 けい レール
JIS E 1104
軽 けい レール用 よう 継目 つぎめ 板 ばん
JIS E 1105
路面 ろめん 電車 でんしゃ 用 よう HTレール(廃止 はいし )
JIS E 1105
路面 ろめん 電車 でんしゃ 用 よう HTレール継目 つぎめ 板 ばん (廃止 はいし )
JIS E 1116
レール用 よう 異形 いぎょう 継目 つぎめ 板 ばん
JIS E 1120
熱処理 ねつしょり レール
JIS E 1122
中継 ちゅうけい レール
JIS E 1123
端 はし 部 ぶ 熱処理 ねつしょり レール
JIS E 1124
スラッククエンチ式 しき 熱処理 ねつしょり レール(JIS E 1120 に統合 とうごう )
JIS E 1125
接着 せっちゃく 絶縁 ぜつえん レール
JIS E 1126
伸縮 しんしゅく 継目 つぎめ
日本 にっぽん での普通 ふつう レールの製造 せいぞう メーカー
日本 にっぽん での軽 けい レールの製造 せいぞう メーカー
ほか
^ 引 ひ っ張 ぱ り試験 しけん 、荷重 かじゅう 試験 しけん 、破断 はだん 面 めん 試験 しけん 、曲 ま げ試験 しけん 、硬度 こうど 試験 しけん 、磨耗 まもう 試験 しけん 、腐食 ふしょく 試験 しけん 、顕微鏡 けんびきょう 試験 しけん を行 おこな う。
^ 日本 にっぽん の普通 ふつう レールはJIS E 1101 により、レール腹 はら 面 めん に鋼 はがね 塊 かたまり 又 また は鋳 い 片 へん の頭部 とうぶ 方向 ほうこう 、レールの種類 しゅるい の記号 きごう 、製鋼 せいこう 炉 ろ の記号 きごう 、製造 せいぞう 業者 ぎょうしゃ 名 めい 又 また はその略号 りゃくごう 、製造 せいぞう 年月 としつき 又 また はその略号 りゃくごう について浮 う き出 だ し表示 ひょうじ を求 もと めている。また逆 ぎゃく の腹 はら 面 めん には、鋼 はがね 塊 かたまり 又 また は鋳 い 片 へん の順位 じゅんい 番号 ばんごう 、鋼 はがね 塊 かたまり 注入 ちゅうにゅう 順位 じゅんい 記号 きごう 、製鋼 せいこう 番号 ばんごう 、作業 さぎょう 組 ぐみ の記号 きごう 、炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう 、マンガン含有 がんゆう 量 りょう (60N、70S、80Sに限 かぎ る)、鋼 はがね の種類 しゅるい (種類 しゅるい AR は無 む 表示 ひょうじ )を刻印 こくいん することを求 もと めている。
^ 成分 せいぶん は、C 0.60-0.75%、Si 0.10-0.30% Mn 0.7-1.1% P≦0.035% S≦0.040% 引 ひ っ張 ぱ り強 つよ さ≧80Kgf/mm2 伸 の び≧8%である。
^ 日本 にっぽん においても茅沼 かやぬま 炭鉱 たんこう 軌道 きどう 、木 き 道 どう 社 しゃ 、藤枝 ふじえだ 焼津 やいづ 間 あいだ 軌道 きどう で木 き 道 どう が使用 しよう された。
西 にし 亀 ひさし 達夫 たつお ・神谷 かみや 牧夫 まきお 『新 しん 鉄道 てつどう 工学 こうがく 』森北 もりきた 出版 しゅっぱん 、1980年 ねん 12月20日 にち 。
天野 あまの 光三 みつぞう ・前田 まえだ 泰 やすし 敬 たかし ・三輪 みわ 利英 としひで 『鉄道 てつどう 工学 こうがく 』丸善 まるぜん 出版 しゅっぱん 、1984年 ねん 12月20日 にち 。
江崎 えざき 昭 あきら 『輸送 ゆそう の安全 あんぜん から見 み た鉄道 てつどう 史 し 』グランプリ出版 しゅっぱん 、1998年 ねん 。
久保田 くぼた 博 ひろし 『鉄道 てつどう 工学 こうがく ハンドブック』グランプリ出版 しゅっぱん 、1995年 ねん 。
高橋 たかはし 政 まさし 士 し 『詳解 しょうかい 鉄道 てつどう 用語 ようご 辞典 じてん 』山海 さんかい 堂 どう 、2006年 ねん 5月 がつ 30日 にち 。
西尾 にしお 一政 かずまさ ・山口 やまぐち 富子 とみこ ・桝本 ますもと 弘毅 こうき ・岡崎 おかざき 睦 あつし 「国産 こくさん レールの製造 せいぞう 設備 せつび 及 およ び技術 ぎじゅつ の革新 かくしん 過程 かてい 」『特定 とくてい 領域 りょういき 研究 けんきゅう 「日本 にっぽん の技術 ぎじゅつ 革新 かくしん -経験 けいけん 蓄積 ちくせき と知識 ちしき 基盤 きばん 化 か -」第 だい 3回 かい 国際 こくさい シンポジウム研究 けんきゅう 発表 はっぴょう 会 かい 論 ろん 文集 ぶんしゅう 』2007年 ねん 。
線路 せんろ のパーツについて(フランス語 ふらんすご )。
軌条 きじょう に関連 かんれん する項目 こうもく
ウィキメディア・コモンズには、
軌条 きじょう に
関連 かんれん するメディアがあります。