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軌条 - Wikipedia

軌条きじょう

鉄道てつどう線路せんろ軌道きどう)を構成こうせいする要素ようその1つ

軌条きじょう(きじょう)とは、鉄道てつどう線路せんろ軌道きどう)を構成こうせいする要素ようそひとつで、鉄道てつどう車両しゃりょう直接ちょくせつ支持しじし、車輪しゃりんてんどうのガイドとなる役割やくわりをもつ[1]一般いっぱんてきにはレールばれる場合ばあいおお[2]素材そざいは、一般いっぱんてきには、断面だんめんぎゃくTのがたをした棒状ぼうじょうはがね製品せいひんもちいられる。鉄鋼てっこう分野ぶんやでは、条鋼じょうこう一種いっしゅ分類ぶんるいされている[3]

鉄道てつどう線路せんろ枕木まくらぎはさんで、左右さゆうえる棒状ぼうじょうのものが軌条きじょう(レール)である。
レール(50Nレール)

軌条きじょうは、所定しょてい間隔かんかく軌間きかん)で2ほん平行へいこうならべ、道床どうしょううえならべられた枕木まくらぎうえレール締結ていけつ装置そうち犬釘いぬくぎなど)をもちいて固定こていする。枕木まくらぎ軌条きじょう垂直すいちょくである。このようにしてかれた線路せんろじょうはし鉄道てつどう普通ふつう鉄道てつどうという。普通ふつう鉄道てつどうのほか、けたじょうの1ほん案内あんない使つかモノレールや、特殊とくしゅ案内あんないもちいる案内あんない軌条きじょうしき鉄道てつどうもあり、これらの軌道きどう材質ざいしつはがねかぎられずコンクリートなどももちいられる。

ここでは、普通ふつう鉄道てつどう使つかわれる、はがねせい断面だんめんぎゃくTがたをした鉄道てつどうレール中心ちゅうしん記述きじゅつする。

概要がいよう

編集へんしゅう

レールは、車両しゃりょう重量じゅうりょう直接ちょくせつささ車輪しゃりんからの1てん荷重かじゅう枕木まくらぎ道床どうしょう分布ぶんぷさせるほか、車両しゃりょう安全あんぜんなめらかな走行そうこうめんあたえる役割やくわりつ。さらにレールは、車輪しゃりん脱線だっせんしないように車両しゃりょう案内あんないする役割やくわりっている[4]。そのためレールは、車輪しゃりんじくおもによる垂直すいちょく荷重かじゅうのほか、へび行動こうどう曲線きょくせんでのよこあつ荷重かじゅう水平すいへい荷重かじゅう曲線きょくせん走行そうこう車両しゃりょう遠心えんしんりょくから車輪しゃりんかいしてつたわる外力がいりょく十分じゅうぶんえられるものでなければならない[4]。また電気でんき鉄道てつどう区間くかんのレールは、動力どうりょくしゃ機関きかんしゃ電車でんしゃ)の電流でんりゅうかえり線路せんろとしての役割やくわりち、さらに自動じどう信号しんごう区間くかんのレールは軌道きどう回路かいろながれることで信号しんごう保安ほあん装置そうち一部いちぶ機能きのうとしての役割やくわりっている[5]

施行しこうせい良好りょうこうでかつ耐用たいよう年数ねんすうながいレールとしては4てんたい摩耗まもうせいたい接触せっしょく疲労ひろうせい溶接ようせつせいたいしょくせい)がとく重要じゅうよう項目こうもくとなってくる[6]

形状けいじょう

編集へんしゅう
 
レールの断面だんめん形状けいじょうによる分類ぶんるい
1 きょうがたレール、2 双頭そうとうレール、3 牛頭ごずレール
4 平底ひらぞこレール、5 みぞきレール

レールの断面だんめん形状けいじょうとしてのぞましい条件じょうけんとしてはつぎのことがげられる。

  • レール頭部とうぶ形状けいじょう車輪しゃりん脱線だっせんがた
  • レールの磨耗まもうまえ磨耗まもう形状けいじょうすくない
  • 垂直すいちょく荷重におもたいしてはたかほうのぞましい
  • うえくびしもくび半径はんけいちいさいものはきずはいりやすいのでける
  • 底部ていぶ形状けいじょう設置せっち安定あんていやすいようにはばひろくする
  • 上下じょうげちゅうあいだはばさび腐食ふしょくにも考慮こうりょする

レールの断面だんめん形状けいじょうには、はしがたレール、双頭そうとうレール、牛頭ごずレール、平底ひらぞこレール、みぞきレールなどの種類しゅるいがある。はしがたレールは、底部ていぶから頭部とうぶにかけておなはば垂直すいちょくがっているのが特徴とくちょうであり、最近さいきんでは使用しようされていない。双頭そうとうレールは、「I」かたち断面だんめん上下じょうげりょう頭部とうぶ同形どうけいであり、うたてあたまして上下じょうげえればさい利用りようができる。牛頭ごずレールは、双頭そうとうレールを改良かいりょうしたものである。両者りょうしゃイギリスなどで使用しようされていたのを、日本にっぽん鉄道てつどう開業かいぎょうときにイギリスから購入こうにゅうして採用さいようされていた。平底ひらぞこレールは、底部ていぶ形状けいじょう安定あんていしやすいようにはばひろげた形状けいじょうとなっており、列車れっしゃ走行そうこう荷重かじゅうたいするきょく強度きょうどたかく、磨耗まもうにもつよい、よこあつたいしても安定あんていせいがあり、レールの基本形きほんけいじょうとして国内外こくないがいども使用しようされている。みぞきレールは路面ろめん電車でんしゃ使用しようされている。

分類ぶんるい

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普通ふつうレール

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日本にっぽん営業えいぎょうよう鉄道てつどうでは、ながさ1 mあたりの重量じゅうりょうが80kg,60 kg, 50 kg, 40 kg, 37 kg, 30 kgの規格きかく使つかわれており、普通ふつうレールばれる。重量じゅうりょうおおきいものほど、心地ごこちすぐ線路せんろくるしょうじにくく、重量じゅうりょうのある列車れっしゃとお路線ろせん列車れっしゃ高速こうそく走行そうこうする路線ろせん運行うんこう頻度ひんどたか路線ろせんてきしている。また、その改良かいりょう設計せっけいにより、従来じゅうらいよりたかさをたかくして、断面だんめんモーメントおおきくしたNがたレール在来ざいらいせんようとして使用しようされている。

種類しゅるい 断面だんめん寸法すんぽう (mm) 標準ひょうじゅんちょう
(m)
摘要てきよう
たか 底部ていぶはば 頭部とうぶはば
60kgレール 174 145 65 25 or 50 現在げんざい新幹線しんかんせんもちい一部いちぶ在来ざいらいせんにも使用しよう
50Tレール 160 136 65 初期しょき東海道新幹線とうかいどうしんかんせんもちい若返わかがえ工事こうじ交換こうかん
ロッキードしきモノレールよう
1 mあたりの重量じゅうりょう53 kg
50kgNレール 153 127 65 25 or 50 在来ざいらいせんようおも幹線かんせん
50kgレール 144.46 127.00 67.87 25 = 50kgPSレール = 100ポンドPSレール
40kgNレール 140 122 64 25 在来ざいらいせんようおもカル線かるせん
37kgレール 122.24 122.24 60.33 25 = 37kgASCEレール = 75ポンドASCEレール
30kgレール 107.95 107.95 60.33 10[7] or 20[8][9] = 30kgASCEレール = 60ポンドASCEレール

ASCE米国べいこく土木どぼく学会がっかいさだめた規格きかくPSペンシルバニア鉄道てつどう規格きかく (Pennsylvania standard) のりゃく。レールのポンド表示ひょうじながさ1ヤードあたりの重量じゅうりょうポンド。なお国際こくさい規格きかくでは、35 kg/m以上いじょうのレールを普通ふつうレールとしている(ISO 5003)。

ことなる重量じゅうりょうのレールの境界きょうかいには、中継ちゅうけいレール異形いぎょう継目つぎめばんもちいる。

分岐ぶんき器用きよう特殊とくしゅレール

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分岐ぶんきもちい特殊とくしゅレールには、以下いか規格きかくがある。

  • NE70Sレール
  • 80Sレール
  • 70Sレール
  • 50Sレール

けいレール

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通常つうじょう鉄道てつどうよう普通ふつうレール以外いがいに、工事こうじよう鉱山こうざんようトロッコなどで使つかほそいレールもあり、けいレール呼称こしょうされる。

種類しゅるい 断面だんめん寸法すんぽう (mm) 標準ひょうじゅん
なが
(m)
摘要てきよう
たか 底部ていぶはば 頭部とうぶはば
22kgレール 93.66 93.66 50.80 10 1 mあたりの重量じゅうりょう22 kg(以下いかどう
= 45ポンドASCEレール
15kgレール 79.37 79.37 42.86 10
12kgレール 69.85 69.85 38.10 10
10kgレール 66.67 66.67 34.13 5.5
9kgレール 63.50 63.50 32.10 5.5
6kgレール 50.80 50.80 25.40 5.5

熱処理ねつしょりレール

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普通ふつうレールに磨耗まもう進行しんこうおさえるために、れとばれる熱処理ねつしょりほどこして、強度きょうどかたした熱処理ねつしょりレールばれるレールがある。これには、HH340レールとHH370レールがある。頭部とうぶぜん断面だんめん熱処理ねつしょりレールは、曲線きょくせん外側そとがわレールなどにもちいられる。はし頭部とうぶ熱処理ねつしょりレールは、レールにおおきな負荷ふかがかかるがロングレールが使用しようできず、もうけねばならないような箇所かしょもちいるとされる。

 
異形いぎょう継目つぎめばん(37kg-50Nレール)
 
中継ちゅうけいレール(50T-50Nレール)
 
伸縮しんしゅく継目つぎめ
 
ロングレールの溶接ようせつ作業さぎょうテルミットほう
 
なな接着せっちゃく絶縁ぜつえんレールの継目つぎめ部分ぶぶん

レールははし同士どうしつないでもちいる。この接続せつぞく方法ほうほう左右さゆうのレールをたい接続せつぞくする相対そうたいしき継目つぎめ方式ほうしきと、左右さゆうのレールがたいではなく、それぞれをほぼ交互こうご接続せつぞくする相互そうごしき継目つぎめ方式ほうしきの2種類しゅるいがある。前者ぜんしゃは、レールのした設置せっちされた枕木まくらぎ補強ほきょう信号しんごう回路かいろ分断ぶんだんがやりやすいが、沈下ちんか発生はっせいやすい。後者こうしゃは、沈下ちんか走行そうこうちゅう列車れっしゃれはるが、ぎゃく列車れっしゃローリング走行そうこうちゅうこりやすくなる。このため、21世紀せいきにおける世界せかい各国かっこく鉄道てつどうでは相互そうごしき継目つぎめ採用さいようしている事例じれいすくなくなっている。

観点かんてんから、レールのながさによる区分くぶん以下いかべる。

ていしゃくレール

編集へんしゅう

レールの標準ひょうじゅんながさは、日本にっぽん場合ばあい、1ほん25 m[2]で、ていしゃくレールぶ。線路せんろでは、これを、ではレール同士どうし突合つきあわせて突合つきあわ継目つぎめとし継目つぎめばんつないで連続れんぞくさせてもちいている。レールのつな継目つぎめばんには、断面だんめん形状けいじょうにより短冊たんざくがた・Lがた・Iがたもちいられており、IがたはNがたレールで使用しようされている。また、レールのあいだでは、適当てきとう隙間すきま継目つぎめばん中間ちゅうかん設定せっていしている。これは、レールが気温きおん日射にっしゃ変化へんかおうじて伸縮しんしゅくするためであり、レール自身じしん温度おんどは、気温きおんほか直射ちょくしゃ日光にっこうたるところでは相当そうとうたかくなり、その温度おんどは60 - 80 ℃となる。そのため、ていしゃくレールでは、40 ℃において1 mm、0 ℃において13 mm程度ていどとしている。車輪しゃりんがレールの通過つうかするさい発生はっせいするガタンゴトンというおとジョイントおんばれる。

構造こうぞうのぞましい条件じょうけんとしてはつぎのことがげられる。

  • 垂直すいちょくおよよこ荷重におもたいしてレールと同等どうとう強度きょうどゆうする
  • 温度おんど変化へんかでの伸縮しんしゅくたいして、最高さいこう温度おんどでレールがこごめせず、最低さいてい温度おんどにおいて継目つぎめボルト過大かだいちからがかからない
  • はずしが容易よういである

継目つぎめばんとレールを締結ていけつしているボルト・ナットには、レールの温度おんどによる伸縮しんしゅくたいして支障ししょうきない条件じょうけん要求ようきゅうされる緊締りょく締結ていけつされており、ナットのゆるみを防止ぼうしするため、ナットと継目つぎめばんあいだロックナットワッシャー挿入そうにゅうしている。また、レールは、電気でんきしゃによる電気でんき運転うんてんにおいて使用しようされた動力どうりょく電流でんりゅう変電へんでんしょもどせんや、軌道きどう回路かいろにより使用しようされる電流でんりゅうながすための電流でんりゅう回路かいろとしても利用りようされるため、継目つぎめばんとレールとのあいだ接触せっしょくめんではさびなどで電気でんき抵抗ていこうおおきくなることをふせぐため、レールのあいだにレールボンドや信号しんごうボンドをつないでおり、ハンダ合金ごうきんによりレールに溶着ようちゃくされている。また軌道きどう回路かいろ境界きょうかいなどで絶縁ぜつえん必要ひつよう場合ばあいには、継目つぎめばんとレールのあいだ絶縁ぜつえんプレートはさみ、かつ、ボルトと継目つぎめばんあいだ絶縁ぜつえんチューブ挿入そうにゅうして軌道きどう回路かいろのための絶縁ぜつえん確保かくほしている。これを絶縁ぜつえん継目つぎめという。

ロングレール

編集へんしゅう

一方いっぽうていしゃくレール(工場こうじょう出荷しゅっか標準ひょうじゅんで25 m)を溶接ようせつしてつないだレールもある。このうち、全長ぜんちょう200 m以上いじょうのレールをロングレールという。らすことで保守ほしゅ作業さぎょう省力しょうりょくや、騒音そうおん振動しんどう対策たいさく心地ごこち向上こうじょうせる[10]。2014ねん平成へいせい26ねん)には新日鐵しんにってつ住金すみきん八幡やはた製鉄せいてつしょながさ150 mのレールを出荷しゅっかする体制たいせいととのえており、溶接ようせつする労力ろうりょく低減ていげんやロングレールしたさい精度せいど向上こうじょう目指めざうごきもられる[11]

ロングレールの中央ちゅうおう不動ふどう区間くかん)は枕木まくらぎかた締結ていけつし、枕木まくらぎ周囲しゅういバラスト十分じゅうぶんめることで気温きおん変化へんかによるレール方向ほうこう伸縮しんしゅくおさまれており、つねにレール内部ないぶには応力おうりょくじくりょく)が発生はっせいしている[12]。しかし、はし可動かどう区間くかん)は、温度おんど変化へんかによりていしゃくレールよりもおおきく伸縮しんしゅくするため、通常つうじょう突合つきあわ継目つぎめではなく、伸縮しんしゅく継目つぎめもちいられる[13]枕木まくらぎへの締結ていけつりょく枕木まくらぎ周囲しゅういめられたバラストのりょう、レール温度おんど管理かんりなどが十分じゅうぶんでないと、猛暑もうしょときにレールがこごめする事故じこや、極寒ごっかんときにレールが破断はだんする事故じこ発生はっせいすることもある。これらは前述ぜんじゅつのロングレールの不動ふどう区間くかん温度おんど変化へんかによりレール方向ほうこう伸縮しんしゅくするじくりょくえきれなくなったとき発生はっせいする。

ロングレール区間くかんでは、初期しょきころ伸縮しんしゅく継手つぎて軌道きどう回路かいろ区分くぶん前後ぜんこう設置せっちし、通常つうじょうのレールあいだ絶縁ぜつえん継目つぎめでつないで軌道きどう回路かいろ絶縁ぜつえん分割ぶんかつするが、1970ねん強力きょうりょく接着せっちゃくざいをレールと継目つぎめばんあいだ接着せっちゃくして、レールのじくりょく列車れっしゃ衝撃しょうげき強度きょうどえるとともに、電気でんき絶縁ぜつえん性能せいのう十分じゅうぶんたせた接着せっちゃく絶縁ぜつえんレールもちいて軌道きどう回路かいろ絶縁ぜつえん分割ぶんかつする方式ほうしき採用さいようされている。この方式ほうしきには、最初さいしょころ湿式しっしきほう採用さいようされていたが、1ねん未満みまん接着せっちゃく剥離はくりする損傷そんしょう発生はっせいしたため、1984ねんエポキシ樹脂じゅしをプレートじょう予備よび成型せいけいした固定こてい接着せっちゃくざいをレールと継目つぎめばんあいだ圧着あっちゃくして加熱かねつする乾式かんしきほう現在げんざいにおいて採用さいようされている。最近さいきんではレールのボルトあな空隙くうげき接着せっちゃくざい充填じゅうてんして、レールと継目つぎめばんあいだ接着せっちゃくそうないにテフロンシートを介在かいざいさせることで、継目つぎめばんからの接着せっちゃくざい剥離はくり継目つぎめばん腐食ふしょく防止ぼうしするともに、電気でんき絶縁ぜつえん性能せいのうさらげた改良かいりょうがた乾式かんしきほう採用さいようされつつある[14]。この方式ほうしきでは、レールのウィークポイントである絶縁ぜつえん継目つぎめくなりかつ、軌道きどう回路かいろごとに絶縁ぜつえん伸縮しんしゅく継手つぎて挿入そうにゅうする必要ひつようがなくなるのが採用さいようするメリットである。

日本にっぽんでのロングレールは東海道新幹線とうかいどうしんかんせん本格ほんかくてき採用さいようされ、その在来ざいらいせん私鉄してつ幹線かんせんにも導入どうにゅうすすんでいる。

なお、溶接ようせつ処理しょりあまいか、長期間ちょうきかん使用しようにより、もともとだった部分ぶぶんからジョイントおんこえてくる。また、ロングレールのながさには限度げんどがあるため、まったくなくすことは出来できない。またロングレールは万能ばんのうではなくきゅうカーブのあるところへの敷設ふせつはレールのへん摩耗まもう観点かんてんから適当てきとうではなく、とくに半径はんけい300 m未満みまんのカーブ区間くかんではレール自身じしん弾性だんせい反発はんぱつつよくなるため使用しようにはてきさない。このことからきゅうカーブの区間くかんていしゃくレールが使用しようされる。

種類しゅるい 摘要てきよう
ロングレール 200m以上いじょう
ちょうしゃくレール 25m以上いじょう 200m未満みまん
ていしゃくレール 25m(30kgレールは20m)
一部いちぶでは、24mなどの寸詰すんづまりなレールも存在そんざいする)
短尺たんざくレール 5m - 25m(調整ちょうせいようレールに使つかわれているほか、
ごく一部いちぶ地方ちほうカル線かるせんふる規格きかくのレールがそれである)

けいレールのながさはすうメートルのものがおおい。

製造せいぞう

編集へんしゅう
 
レールの刻印こくいんロールマークドイツばん

製造せいぞう方法ほうほう

編集へんしゅう

高温こうおんねっしたはがねかたまり(オレンジからくらいのいろ温度おんど)を、ローラーをわせてつくられた圧延あつえんとおして、圧延あつえんねつのべ)する。圧延あつえん段階だんかいわせてすうだいあり、そこをふくすうかい往復おうふくさせる複雑ふくざつ行程こうてい製造せいぞうされる。不純物ふじゅんぶつりょうはしにたまりやすいので、日本にっぽんではながつくってからりょうはし切断せつだんする方法ほうほうがとられている。また、製造せいぞうでは、レールにたいして各種かくしゅ試験しけん[ちゅう 1]おこない、レールの品質ひんしつ確保かくほおこなっている。

製造せいぞうされたレールの腹部ふくぶには断面だんめん形状けいじょう質量しつりょう製造せいぞうほう製造せいぞうしゃめい製造せいぞう年月としつきなどが刻印こくいんされる[15][ちゅう 2]

材質ざいしつ性質せいしつ

編集へんしゅう

材料ざいりょうとしては強度きょうどたい磨耗まもうせい耐食性たいしょくせいなどからこう炭素たんそこうもちいられる[16]。この材質ざいしつは、刃物はものほどかたくはないが、相当そうとううつぼせいたい接触せっしょく疲労ひろうせいがあり、溶接ようせつ可能かのうである条件じょうけんもと成分せいぶんめられている[ちゅう 3]

レールの障害しょうがい損傷そんしょう寿命じゅみょう整備せいび

編集へんしゅう
 
レールぬりあぶら。カーブ周辺しゅうへんかれ、潤滑油じゅんかつゆ散布さんぷして摩耗まもう騒音そうおんおさえる。

レールの損傷そんしょう製造せいぞう材質ざいしつ欠陥けっかんなどによる先天的せんてんてきなものと、敷設ふせつ車両しゃりょう荷重におもなどによる後天的こうてんてきなものに大別たいべつされる[15]

レールはじゅう直径ちょっけい10 mm(ミリメートル)を楕円だえん形状けいじょうした接触せっしょくめんささえており、1GPa(ギガパスカル)におよ応力おうりょく発生はっせいしてレール表面ひょうめん変形へんけいするなか車輪しゃりん通過つうかすることで、レールに様々さまざま損傷そんしょう発生はっせいする[17]。こうしたころがり接触せっしょくによるレールの損傷そんしょうには「レールシェリング」「きしみれ」「空転くうてんきず」「摩耗まもう」が発生はっせいする[18]。レールの劣化れっかメカニズムを解明かいめいするために有限ゆうげん要素ようそほう有用ゆうようであり、スーパーコンピューターもちいただい規模きぼ並列へいれつ計算けいさんによってシミュレーションする技術ぎじゅつ開発かいはつすすめられている[19]

レールには寿命じゅみょうがあり、レールを取替とりかえることでレールの性能せいのう維持いじさせる。50 kgレールでの摩耗まもうによるレールの取替とりかえは、たかさでやく15 mm、だん面積めんせきやく20 %を許容きょよう限度げんどとしている。普通ふつうは10ねん - 25ねん標準ひょうじゅんとして取替とりかえているが、きゅう曲線きょくせんかつ輸送ゆそう密度みつどたか区間くかんでは1ねんらずで取替とりかえる場合ばあいがある。また、通過つうかトン数とんすうでは、2 - 5おくトンがレール交換こうかん目安めやすとされている。

曲線きょくせんそと軌のゲージコーナが車輪しゃりんフランジ接触せっしょくすることによる摩耗まもうを「がわ摩耗まもう」としょうし、レール交換こうかん主因しゅいんとなっている[20]。また、レール表面ひょうめん一定いってい間隔かんかく摩耗まもうまたは塑性そせい変形へんけいして連続れんぞくした凹凸おうとつ発生はっせいする摩耗まもうを「波状はじょう摩耗まもう」としょう[20]、この摩耗まもう列車れっしゃ走行そうこう振動しんどう発生はっせいし、騒音そうおん公害こうがい保線ほせんじょう問題もんだいしょうじやすくなる[21]

腐食ふしょく

編集へんしゅう

電位でんいおおきい、排水はいすい十分じゅうぶんにできない場合ばあい微弱びじゃく電流でんりゅうによる腐食ふしょくでんしょく)が発生はっせいする[21](「塩害えんがい#構造こうぞうぶつかかわる塩害えんがい参照さんしょう)。

海岸かいがんちか路線ろせんでは、レールの腐食ふしょくはや進行しんこうする[21]とくトンネル出入口でいりぐちから200 m 付近ふきんまでのレールは塩分えんぶん飛来ひらいこりやすいが、あめなどでながされることがいため腐食ふしょくすすみやすいという調査ちょうさ結果けっかがある[22]

猛暑もうしょによるレールの膨張ぼうちょう

編集へんしゅう

前述ぜんじゅつのように、金属きんぞくであるレールは猛暑もうしょによりびていがむことがあり、軌間きかんひろがりすぎると列車れっしゃ脱線だっせん事故じここすリスクがある[2]。こうした障害しょうがい温度おんど目安めやすは50前後ぜんごとされ、鉄道てつどう事業じぎょうしゃ徐行じょこう運転うんてん運転うんてん見合みあわせで対応たいおうするが、わず脱線だっせん事故じこきることもある[2]

平時へいじからの対策たいさくとして、レールのあいだのつなぎすこけるようにしており、一部いちぶではつなぎななめに加工かこうされたレールが使つかわれているが、資金しきん余裕よゆうがない地方ちほう鉄道てつどうなどでは導入どうにゅうおくれている[2]

ころがり接触せっしょく疲労ひろうによる損傷そんしょうをシェリング(よこきれ水平すいへいきれ)とぶ。コーナー部分ぶぶんにかかる疲労ひろう損傷そんしょうをきしみれとぶ。

車輪しゃりんまたはソリ発明はつめいされて、重量じゅうりょうぶつ輸送ゆそう使つかわれるようになると、地面じめんやわらかい場所ばしょでは次第しだいふかわだち(わだち)がきざまれて、それに沿って輸送ゆそうされるようになった。わだちは、あめって泥沼どろぬました場合ばあい輸送ゆそう障害しょうがいとなり、またわだちことなる方向ほうこうきをえるときにもおおきな障害しょうがいとなるため、これに対処たいしょするために地面じめんがわでの工夫くふう必要ひつようとした。路面ろめん全体ぜんたいいしめて舗装ほそうした場合ばあい道路どうろへと発展はってんするが、車輪しゃりん間隔かんかく一定いっていのものに統一とういつされている場合ばあいには、車輪しゃりんしたたる部分ぶぶんにだけいたいしめるという対処たいしょおこなわれた。これは軌条きじょう(レール)の原始げんしてきなものとることができる。

軌条きじょう登場とうじょう

編集へんしゅう

原始げんしてきなレール(軌条きじょう)を使つかって動物どうぶつひと荷車にぐるまをひかせる方法ほうほう紀元前きげんぜんからおこなわれていたとされ、ドイツフライブルクにあるフライブルクだい聖堂せいどうステンドグラス1350ねん製作せいさく)にもその光景こうけいのこされている。16世紀せいきのイギリスには無数むすう馬車ばしゃ軌道きどう(ワゴンウェイ、Wagonway)があったとされている[24]

そのレールは鉱山こうざん地帯ちたいにおける輸送ゆそうひろもちいられ、次第しだい改良かいりょうすすめられていった。当初とうしょてつ貴重きちょうひんであったためかしもちいられていたが、磨耗まもうはげしく保守ほしゅ担当たんとうしゃなやみのたねとなっていた。1738ねん、イギリスのカンバーランドにおいてはじめて鋳鉄ちゅうてつ利用りようしたレールが登場とうじょうしたが、これは木材もくざい基盤きばんうえうす帯状おびじょうてつけただけのもので[ちゅう 4]、しかもカーブなど磨耗まもうしやすい場所ばしょにだけもちいられていた。1750年代ねんだいころになると、カーブだけではなくすべての区間くかん鋳鉄ちゅうてついたけることが一般いっぱんした。しかし鋳鉄ちゅうてつげによわく、脱線だっせん事故じこ多発たはつつづけた。

1767ねんおなじイギリスのコールブルックデールの製鉄せいてつしょ技師ぎしリチャード・レイノルズは、生産せいさんりょう増加ぞうかして余剰よじょう気味ぎみになってきた鋳鉄ちゅうてつ使つかみちとして、トロッコ使つか目的もくてきのレールの生産せいさん開始かいしし、このときにレールにフランジけられた。レールの両側りょうがわにつばがけられて、車輪しゃりん脱落だつらくふせ仕組しくみとなっていた。しかしレールと車輪しゃりんがきしみあってうまくはしれず、また雨水あまみずなどがみぞまるという問題もんだいがあった。

1776ねんベンジャミン・カーがこの欠点けってん解消かいしょうするために片方かたがたのつばをのぞいた、L字形じけいのレールを発明はつめいした。これにより車両しゃりょう走行そうこう格段かくだん容易よういとなった。

フランジきの車輪しゃりん

編集へんしゅう

1789ねん土木どぼく技師ぎしウィリアム・ジェソップは、車輪しゃりんがわにフランジをけて、レールの上面うわつらたいらにする方式ほうしき発明はつめいした。魚腹ぎょふくがたばれるしたがわふくれたレールを使用しようしている。これにより大幅おおはば脱線だっせんかくりつ減少げんしょうし、安定あんていてき鉄道てつどう輸送ゆそうおこなうことが可能かのうになった。このためジェソップは「鉄道てつどう軌道きどうちち」とばれている。

依然いぜんとして鋳鉄ちゅうてつによって製造せいぞうされていたレールの折損せっそん問題もんだいとなっており、1803ねんにニクソンが錬鉄れんてつのレールを発明はつめいしたが、技術ぎじゅつめん、コストめん問題もんだいから使用しようされなかった。

蒸気じょうき機関きかんしゃ登場とうじょう

編集へんしゅう

それまでは鉱山こうざんにおける資材しざい輸送ゆそうようのトロッコにもちいられていただけであったレールは、蒸気じょうき機関きかんしゃ登場とうじょうすることによって近代きんだいてき交通こうつう機関きかん一翼いちよくになうことになった。初期しょきには、たいらなレールのうえ鉄製てつせい車輪しゃりんった機関きかんしゃ牽引けんいんしようとすると車輪しゃりん空転くうてんするとかんがえられており、1812ねんジョン・ブレンキンソップによってラックレール考案こうあんされたが、実験じっけん結果けっか、よほどのきゅう勾配こうばいでないかぎりラックは不要ふようであることが判明はんめいした。

はじめての実用じつようてき蒸気じょうき機関きかんしゃ利用りようした鉄道てつどうであるリバプール・アンド・マンチェスター鉄道てつどうは、1830ねん鋳鉄ちゅうてつせいのレールを使用しようして開業かいぎょうした。このため磨耗まもうによりレールは頻繁ひんぱん交換こうかんする必要ひつようがあった。

様々さまざまなレールの発明はつめい

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1831ねん、アメリカのロバート・スティーブンス平底ひらぞこ現在げんざいもちいられているのとおなじようなレールを発明はつめいした。これは犬釘いぬくぎもちいることで簡単かんたん枕木まくらぎ固定こていすることができるという長所ちょうしょがあり、世界中せかいじゅう普及ふきゅうして現在げんざいのレールの原形げんけいとなった。

1837ねん、イギリスのジョセフ・ロック英語えいごばん双頭そうとうレールを発明はつめいした[25]。レールをチェアくさびによって固定こていするもので、レールが上下じょうげおながたをしているためひっくりかえすことでどちらも走行そうこうよう使用しようすることができるというものであった[25]。しかし、チェアと底部ていぶ接触せっしょく箇所かしょ摩耗まもうしょうじ、ひっくりかえしても円滑えんかつ走行そうこうめんられなかった[25]

鋼鉄こうてつせいレール

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1856ねん、イギリスのヘンリー・ベッセマーてん空気くうきむことでてつから炭素たんそぶん除去じょきょして鋼鉄こうてつ生産せいさんする方法ほうほう発明はつめいした。同年どうねんシーメンス兄弟きょうだい平炉へいろ発明はつめいし、さらに1864ねんフランスピエール・マルタン改良かいりょうして工業こうぎょう成功せいこうし、シーメンス・マルタンほうによる鋼鉄こうてつ生産せいさん可能かのうとなった。1877ねん、イギリスのシドニー・トーマスベッセマー製鋼せいこうほう改良かいりょうしてリンのぞくことができるようになった。これらの鋼鉄こうてつ生産せいさんかんする技術ぎじゅつ進歩しんぽけて、鋼鉄こうてつせいのレールが一般いっぱん普及ふきゅうしていった。

最初さいしょ鋼鉄こうてつせいのレールが使用しようされたのは、イギリスのミッドランド鉄道てつどうダービー地区ちくで、ベッセマー製鋼せいこうほう発明はつめいされたすぐ翌年よくねんの1857ねんのことであった。それまで3ヶ月かげつごとに交換こうかん必要ひつようとしていた区間くかんで、16年間ねんかん交換こうかんなしに使用しようすることができたとの記録きろくがある。

現在げんざいのレールはスティーブンスの平底ひらぞこレールを鋼鉄こうてつもちいてつくっているもので、材質ざいしつ重量じゅうりょう増大ぞうだいなどのてんでの進歩しんぽはあるが、基本きほんてきには19世紀せいき完成かんせいされた技術ぎじゅつっている。

日本にっぽんでの歴史れきし

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輸入ゆにゅう

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双頭そうとうレール(上越じょうえつ五智ごち交通こうつう公園こうえん

日本にっぽんはつ営業えいぎょうよう鉄道てつどう開業かいぎょうは1872ねん明治めいじ5ねん)のことであるが、最初さいしょ使つかわれたのは、イギリス DARLINGTON IRON しゃの1870ねんせい双頭そうとうレールである。双頭そうとうレールとは、レール底部ていぶたいらな部分ぶぶんがなく、上下じょうげとも走行そうこうよう使用しよう可能かのうなI字形じけい形状けいじょうをしていた。

日本にっぽんでは1927ねん昭和しょうわ2ねんごろまで、イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくなどから輸入ゆにゅうしたレールを使用しようしていたが、国内こくない生産せいさんひんまかなえるようになったことから、レールの輸入ゆにゅう原則げんそくとして終焉しゅうえんむかえた。

ただし路面ろめん電車でんしゃよう特殊とくしゅ形状けいじょうのレール(みぞレールまもるみぞレールなど)は、わずかではあるが後年こうねんまで輸入ゆにゅうひん使用しようされた。近年きんねんになって、保守ほしゅ軽減けいげんせいからみぞレールるいさい輸入ゆにゅうされ、富山とやまライトレール土佐とさ電気でんき鉄道てつどう熊本くまもと交通こうつうきょく路面ろめん電車でんしゃなどで使用しようされている。

国産こくさん

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1901ねん明治めいじ34ねん)の官営かんえい八幡やはた製鐵せいてつしょ開所かいしょともない、日本にっぽん国内こくないでもレールの圧延あつえん開始かいしされた[26]。1901ねん生産せいさんはわずか1,086トンとされている[27]1926ねん大正たいしょう15/昭和しょうわ元年がんねんごろまでは生産せいさんかず輸入ゆにゅうひん併用へいようされたが、このころより生産せいさん体制たいせいととのい、レールの国産こくさん完了かんりょうした。八幡やはた製鐵せいてつしょでは、富士ふじ製鐵せいてつとの合併がっぺいによりしん日本にっぽん製鐵せいてつ新日鉄しんにってつ)となりさらに住友金属工業すみともきんぞくこうぎょう住金すみきん)との合併がっぺいにより新日鐵しんにってつ住金すみきんとなった現在げんざいでも、八幡やはた地区ちくでレールの生産せいさんおこなわれている。

1952ねん昭和しょうわ27ねん)からは、富士ふじ製鐵せいてつ釜石かまいし製鐵せいてつしょでもレールの生産せいさん開始かいしされた。1970ねん昭和しょうわ45ねん)の八幡やはた製鐵せいてつ富士ふじ製鐵せいてつ合併がっぺいさい日本にっぽん国内こくないのレール生産せいさん合併がっぺいしん日本にっぽん製鐵せいてつ1しゃのみとなり、独占どくせん禁止きんしほう抵触ていしょくする可能かのうせいたかくなったため、この釜石かまいし設備せつび日本鋼管にほんこうかん福山製鉄所ふくやませいてつじょ売却ばいきゃく移設いせつおこなった。日本にっぽん鋼管こうかんは2003ねん平成へいせい15ねん)に川崎製鉄かわさきせいてつ合併がっぺいし、JFEスチール名前なまええたが、現在げんざいもレールの生産せいさんおこなっている。

以後いご現在げんざいいたるまで、レールのほとんどが国産こくさんひんまかなわれている。また、日本にっぽん製造せいぞうされたレールは海外かいがいにも輸出ゆしゅつされ、たか評価ひょうかている。

さい利用りよう

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摂津せっつ富田とみたえきうえ屋根やね支持しじする双頭そうとうレール

使用しようのレールは、えきプラットホーム屋根やね跨線橋こせんきょうなどの骨組ほねぐみ、電化でんか線路せんろ架線かせんばしら線路せんろぎわしがらみなどの部材ぶざいとしてさい利用りようされることがある[28]現在げんざいは、建築けんちく基準きじゅんほうなどの改正かいせいや、レール自体じたいがよりレールとしての使用しようとくした素材そざい組成そせいへと変化へんかしているため、建築けんちく資材しざいには使つかわれなくなった。また、ふるいレールをさい利用りようしたホームの屋根やねなども、高架こうか地下ちかバリアフリー対応たいおうなどにともなえき改築かいちくで、徐々じょじょ姿すがたしつつあるが、もともとのレールのさい利用りようれいおおいことから各所かくしょることができる。

現状げんじょうは、鉄道てつどう関連かんれんイベントなどで、1 cm程度ていどうすくスライスしてメッキひとしほどこしたものが、文鎮ぶんちんなどの記念きねんひんとして販売はんばいされることがあるほかは、屑鉄くずてつとして回収かいしゅうされ、製鋼せいこう原料げんりょうとしてさい利用りようされている。屑鉄くずてつとしてはこう品位ひんいであるため、はいせんあとのこされたレールが盗難とうなん事件じけん発生はっせいしている。

日本にっぽん使用しようするレールるい日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく(JIS)により、規格きかくさだめられている。レールかんする規格きかく継目つぎめばんかんする規格きかく以下いかとおり。

番号ばんごう 名称めいしょう
JIS E 1001 鉄道てつどう-線路せんろ用語ようご
JIS E 1101 普通ふつうレールおよ分岐ぶんき器用きよう特殊とくしゅレール
JIS E 1102 レールよう継目つぎめばん
JIS E 1103 けいレール
JIS E 1104 けいレールよう継目つぎめばん
JIS E 1105 路面ろめん電車でんしゃようHTレール(廃止はいし
JIS E 1105 路面ろめん電車でんしゃようHTレール継目つぎめばん廃止はいし
JIS E 1116 レールよう異形いぎょう継目つぎめばん
JIS E 1120 熱処理ねつしょりレール
JIS E 1122 中継ちゅうけいレール
JIS E 1123 はし熱処理ねつしょりレール
JIS E 1124 スラッククエンチしき熱処理ねつしょりレール(JIS E 1120 に統合とうごう
JIS E 1125 接着せっちゃく絶縁ぜつえんレール
JIS E 1126 伸縮しんしゅく継目つぎめ

製造せいぞうメーカー

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日本にっぽんでの普通ふつうレールの製造せいぞうメーカー

日本にっぽんでのけいレールの製造せいぞうメーカー

ほか

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 試験しけん荷重かじゅう試験しけん破断はだんめん試験しけん試験しけん硬度こうど試験しけん磨耗まもう試験しけん腐食ふしょく試験しけん顕微鏡けんびきょう試験しけんおこなう。
  2. ^ 日本にっぽん普通ふつうレールはJIS E 1101 により、レールはらめんはがねかたまりまたへん頭部とうぶ方向ほうこう、レールの種類しゅるい記号きごう製鋼せいこう記号きごう製造せいぞう業者ぎょうしゃめいまたはその略号りゃくごう製造せいぞう年月としつきまたはその略号りゃくごう について表示ひょうじもとめている。またぎゃくはらめんには、はがねかたまりまたへん順位じゅんい番号ばんごうはがねかたまり注入ちゅうにゅう順位じゅんい記号きごう製鋼せいこう番号ばんごう作業さぎょうぐみ記号きごう炭素たんそ含有がんゆうりょう、マンガン含有がんゆうりょう(60N、70S、80Sにかぎる)、はがね種類しゅるい種類しゅるい AR は表示ひょうじ)を刻印こくいんすることをもとめている。
  3. ^ 成分せいぶんは、C 0.60-0.75%、Si 0.10-0.30% Mn 0.7-1.1% P≦0.035% S≦0.040% つよさ≧80Kgf/mm2 び≧8%である。
  4. ^ 日本にっぽんにおいても茅沼かやぬま炭鉱たんこう軌道きどうどうしゃ藤枝ふじえだ焼津やいづあいだ軌道きどうどう使用しようされた。

出典しゅってん

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  1. ^ 西にしかめら 1980, p. 121.
  2. ^ a b c d e ゆがむレール 猛暑もうしょ相次あいつぐ/過去かこには脱線だっせん事故じこ発生はっせい」『東京とうきょう新聞しんぶん朝刊ちょうかん2023ねん8がつ29にち20めん同日どうじつ閲覧えつらん
  3. ^ 高橋たかはし 2006, p. 519.
  4. ^ a b 天野あまのら 1984, p. 16.
  5. ^ 片岡かたおか 2007, p. 24.
  6. ^ 片岡かたおか 2007, p. 25.
  7. ^ JIS E 1101:2001 普通ふつうレールおよ分岐ぶんきるいよう特殊とくしゅレール. 日本にっぽん規格きかく協会きょうかい. (2001/6/30) 
  8. ^ レール | 鉄道てつどう用語ようご辞典じてん | 日本にっぽん民営みんえい鉄道てつどう協会きょうかい”. www.mintetsu.or.jp. 2020ねん1がつ10日とおか閲覧えつらん
  9. ^ 稲田いなだ たかし鐵道てつどう工学こうがく 上巻じょうかんまことぶんどう総合そうごう工学こうがく全集ぜんしゅう2・土木どぼく工学科こうがっか、13かんの7〉、1937ねん10がつ18にち、299ぺーじhttp://library.jsce.or.jp/Image_DB/s_book/jsce100/htm/061.htm 
  10. ^ 天野あまのら 1984, p. 22.
  11. ^ 世界せかい最長さいちょうとなる鉄道てつどうよう 150mレールの製造せいぞう出荷しゅっか体制たいせい整備せいび』(プレスリリース)新日鐵しんにってつ住金すみきん、2014ねん4がつ16にちhttp://www.nssmc.com/news/20140416_100.html 
  12. ^ 西にしかめら 1980, p. 147.
  13. ^ 西にしかめら 1980, p. 147,149.
  14. ^ 接着せっちゃく絶縁ぜつえんレールの継目つぎめ構造こうぞうとその製造せいぞう方法ほうほう」(pdf)『RRR』、鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ、2011ねん8がつ、38-39ぺーじ2023ねん12月14にち閲覧えつらん 
  15. ^ a b 天野あまのら 1984, p. 19.
  16. ^ 片岡かたおか 2007, p. 27.
  17. ^ 名村なむらら 2007, p. 6.
  18. ^ 名村なむらら 2007, pp. 6–7.
  19. ^ 高屋たかや 2015.
  20. ^ a b 名村なむらら 2007, p. 7.
  21. ^ a b c 天野あまのら 1984, p. 20.
  22. ^ 小代こしろら 2012, p. 986.
  23. ^ 相川あいかわあきらはやし雅江まさえ坂井さかいひろしたかし、Kaewunruen Sakdirat「くるま輪転りんてんどう不安定ふあんていとRail Squatsの発生はっせいメカニズムにかんするころがり接触せっしょく解析かいせき」『理論りろん応用おうよう力学りきがく講演こうえんかい 講演こうえんろん文集ぶんしゅうだい65かん、2019ねん、205ぺーじdoi:10.11345/japannctam.65.0_205 
  24. ^ クリスティアン・ウォルマーちょ安原やすはら和見かずみ須川すがわ綾子あやこやく世界せかい鉄道てつどう』(河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2012ねん)pp.28-29
  25. ^ a b c 片岡かたおか 2012, p. 28.
  26. ^ 佐伯さえきら 2013, p. 19-20.
  27. ^ 佐伯さえきら 2013, p. 20.
  28. ^ 西野にしのら 1982, p. 30.

参考さんこう文献ぶんけん

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書籍しょせき

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  • 西にしひさし達夫たつお神谷かみや牧夫まきおしん鉄道てつどう工学こうがく森北もりきた出版しゅっぱん、1980ねん12月20にち
  • 天野あまの光三みつぞう前田まえだやすしたかし三輪みわ利英としひで鉄道てつどう工学こうがく丸善まるぜん出版しゅっぱん、1984ねん12月20にち
  • 江崎えざきあきら輸送ゆそう安全あんぜんから鉄道てつどうグランプリ出版しゅっぱん、1998ねん
  • 久保田くぼたひろし鉄道てつどう工学こうがくハンドブック』グランプリ出版しゅっぱん、1995ねん
  • 高橋たかはしまさし詳解しょうかい鉄道てつどう用語ようご辞典じてん山海さんかいどう、2006ねん5がつ30にち

論文ろんぶん

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関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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線路せんろのパーツについて(フランス語ふらんすご)。

軌条きじょう関連かんれんする項目こうもく

軌条きじょうふく用語ようご

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外部がいぶリンク

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