蒸気 機関 車
歴史
1802
1814
蒸気 機関 車 の発明 ・開発 に関 わった主要 な人物
- リチャード・トレビシック
- 1804
年 にイギリスで蒸気 機関 車 を走行 させる。鉄道 史上 初 とされている。 - ジョージ・スチーブンソン
公共 鉄道 で走行 する最初 の蒸気 機関 車 「ロコモーション号 」を制作 。さらに「ロケット号 」で蒸気 機関 車 の基本 設計 を確立 した。- ロバート・スチーブンソン
- ジョージ・スチーブンソンの
息子 。父 とともに蒸気 機関 車 の実用 運転 に貢献 。 - マーク・イザムバード・ブルネル
- シールド
工法 でロンドンの地下鉄 を建設 した。 - イザムバード・キングダム・ブルネル
広軌 のグレートウエスタン鉄道 を建設 した。- マシュー・マレー
- 1812
年 、軌条 の側面 がラックレールの軌道 を走 る機関 車 サラマンカ号 を走 らせた。 - ナイジェル・グレズリー
- グレズリー
式 連動 弁 装置 を開発 。またA3形 や蒸気 機関 車 の速度 記録 を持 つマラード号 を設計 した。 - アンドレ・シャプロン
- キルシャップの
開発 やボイラの内的 流 線 化 等 の、蒸気 機関 車 の科学 的 改良 を初 めて行 った。のちにリビオ・ダンテ・ポルタら蒸気 機関 車 技術 者 に多大 な影響 を与 えた。
世界 各国 の歴史
日本 での歴史
蒸気 機関 車 の原理
ここでは
石炭 等 の燃料 を効率 よく燃 やして、高温 の燃焼 ガスを作 る火 室 。火 室 で発生 した燃焼 ガスの持 つ熱 エネルギーを利用 して水 を沸騰 させ、高温 高 圧 の蒸気 を作 るボイラー。- シリンダーに
送 る蒸気 の方向 や量 を制御 する各種 弁 装置 。 蒸気 のエネルギーを往復 運動 のエネルギーに変 えるシリンダー。- シリンダーの
往復 運動 を回転 運動 に変換 し駆動 力 を発生 させるロッドと動輪 。
火 室
なお、
自動 給 炭 機
その
1
ボイラー
まれに
ボイラーの
なお、
ボイラーの
-
A48の
煙管 と上部 にある蒸気 溜 めと加減 弁 -
過熱 式 蒸気 機関 車 の煙 室 、通常 の煙管 のほかに、上部 には煙管 の中 を通 る過熱 管 が入 り込 んだ大 煙管 がある、右 端 に見 えるのが煙突 下部 -
C61 20
号機 の安全弁 -
C61 20
号機 の給水 ポンプ -
青梅 鉄道 公園 に保存 されているD51 452号機 の運転 室 にある各 装置 類 (各部 の詳 しい説明 は画像 をクリックしてください)
煙 室
また、
-
煙 室 の構造 、シリンダーで使 われた蒸気 は下部 の白色 の吐出 管 から煙突 に吹 き上 げられる。煙突 入口 には火 の粉 よけのメッシュが装備 されている
弁 装置 ・シリンダー・コントロール装置
-
A48のシリンダー
部分 の切断 展示 、ピストンは前 端 位置 にある。 -
C61 20
号機 の上部 にある加減 弁 引 き棒 と加減 弁 につながる加減 弁 クランク。 -
青梅 鉄道 公園 に保存 されているD51 452号機 の運転 室 にある各 運転 機器 類 。(各部 の詳 しい説明 は画像 をクリックしてください)
動輪 ・先 輪 ・従 輪
補 機 類
-
C61 20
号機 のタービン発電 機 -
C61 20
号機 のコンプレッサー(空気 圧縮 機 )
特徴
長所
多 種類 の燃料 が使 える。高熱 量 のものが望 ましいが、石炭 に限 らずおよそ可燃 物 なら何 でも使用 可能 。石炭 以外 の例 として、石油 の豊富 なインドネシアなどでは重油 、東京 ディズニーランドのウエスタンリバー鉄道 などでは灯油 、軽便鉄道 などでは薪 、海外 では草 ・バガスなどの例 がある。第 二 次 大戦 中 、燃料 が高騰 する一方 で電力 は水力 発電 で確保 できていたスイスでは、蒸気 機関 車 を電気 加熱 できるよう改造 した例 もある。わが国 にも昭和 20年代 に重油 を混 燒 するものがあった。構造 が簡単 で修理 が容易 なために耐用 寿命 が長 い。通常 約 30年 程度 。それ以降 の運転 は大 規模 な修繕 や部品 交換 (オーバーホール)が必要 とされるが、電気 機関 車 やディーゼル機関 車 に比 べて、延命 が容易 。世界 遺産 でもあるインドのダージリン・ヒマラヤ鉄道 で使用 されるイギリス製 の蒸気 機関 車 は、最古 のもので110年 にわたり使用 されている。車 籍 を有 し営業 運転 することのできる機関 車 として、日本 のJR九州 が保有 する58654(8620形 )があり、これは1988年 (昭和 63年 )の復活 運転 以降 ボイラーや台 枠 など多 くの部品 が交換 されているものの、1922年 (大正 11年 )の製造 から約 90年 を経過 してなお運行 を続 けている。さらに正式 な鉄道 路線 ではないものの、博物館 明治 村 で動態 保存 され施設 内 で実際 に乗車 できる客車 を牽引 する旧 名古屋鉄道 12号 (元 国鉄 160形 蒸気 機関 車 165号 )に至 っては、ボイラーは1985年 (昭和 60年 )に新 製 されたものと交換 されているが、1874年 (明治 7年 )の製造 から130年 以上 が経過 している。一時 的 な過 負荷 では故障 しない。戦場 における軍用 鉄道 などではこの利点 がある。
短所
機構 が簡単 だが調整 が難 しく、雑 な調整 ではうまく走 れない。修理 作業 に熟練 を要 するが、工作 精度 の点 では内燃 機関 よりも低 くとも問題 ない[注釈 16][注釈 17]。電気 機関 車 やディーゼル機関 車 より燃費 効率 が悪 く、牽引 力 も弱 い。蒸気 機関 車 の熱 効率 は10%程度 といわれ、ディーゼル機関 車 の熱 効率 35%程度 に比 べてかなり劣 る高速 運転 できない。一般 的 な構造 を備 える蒸気 機関 車 の速度 は、動輪 の直径 とシリンダーの往復 速度 に比例 するため、シリンダーの往復 速度 を速 く、また動輪 径 を大 きくするほど高速 運転 が可能 となる。しかしシリンダーの往復 速度 の上限 は、シリンダーとそれを支 える台 枠 の剛性 や強度 、それにシリンダーやロッドなどの慣性 質量 に依存 することから、ホイールベースが長 く高速 走行 をする機関車 ほど振動 が激 しくなり[注釈 18]、通常 の構造 では一定 の速度 以上 への引 き上 げは難 しい[注釈 19]。また動輪 径 についても、動輪 の後方 で従 輪 で火 室 を支 えたり、ボイラー下 に火 室 や動輪 がこないガーラット式 などの構造 である程度 カバーはできるものの、大 径 化 に伴 いボイラーや火 室 の邪魔 になる他 、軌間 (レールの幅 )を大幅 に越 えると一般 に重心 が高 くなるため走行 が不安定 になり、危険 である。このため標準軌 でも実用 になったのは7 - 8フィート(2135 - 2440mm)付近 (20世紀 に入 ってからは7フィート以下 が普通 )であり[15]、これ以上 に大 径 の動輪 は実験 的 なものである。蒸気 機関 車 の最 高速度 は、狭軌 (1067mm) では1954年 に日本 のC62形 17号機 が129km/hを記録 し、標準軌 (1435mm) では1936年 にドイツの05形 が、1938年 にイギリスのLNER A4がそれぞれ時速 200kmをわずかに超 えた速度 を記録 している。しかしLNER A4はページにある通 り無理 に速度 を出 した場合 の数値 である。C62はまだまだ余力 を残 しており10‰勾配 と曲線 を超 え木曽川 橋梁 から岐阜 へ向 かえば140km/hは出 せていた[16]。C62の営業 列車 で120㎞/h以上 (速度 計 の数値 は120㎞/hまでしか書 かれていない)の速度 を出 す機関 士 もおり[17]、他 の機種 でも戦時 中 の若 い機関 士 を中心 に客車 を引 っ張 って129km/h以上 を出 すこともあった[18]。
営業 最高 速度 は日本 と同 じ1067mm軌間 ではインドネシア(1000形 =C53形 )やニュージーランド(Ka形 (en:NZR KA class)の時速 120km前後 が最高 (日本 は前述 のとおり130km/hほどの速度 を出 すこともあったが600メートル条項 の建前 上 時速 100km程度 )である[19]。なお インドネシア(1000形 =C53形 )は90kmほどで機関 車 が手 に負 えないほど振動 が激 しくなり、1931年 に試験 目的 で100kmを出 してみたところ更 に激 しく揺 れたため最高 速度 は90kmに制限 されており[20][21]、120kmの営業 運転 がされていたという記述 は信憑 性 が全 く無 い。インドネシアの最速 機関 車 は110㎞の記録 を出 したC28タンク機関 車 で短距離 高速 列車 を90kmから95kmの営業 最高 速度 で運転 していた[22][23]。さらにニュージーランドKa形 についても同国 のJA形 が120kmを超 えた逸話 [24]と混同 しており、蒸気 機関 車 時代 の営業 運転 速度 は120kmどころか50マイル(80.5 km/ h)である。またニュージーランド最速 記録 は英国 から輸入 したレールバスの125.5kmであり[25]、それに迫 る速度 で営業 運転 をしていたことになる。標準軌 でも、前述 の最 高速度 記録 を持 つイギリスのLNER A4は、通常 運行 では安全 面 から時速 90マイル(145km)ほどである(ドイツの05形 に至 っては車両 自体 が高速 性 特 化 で牽引 力 が低 いため4から5両 程度 の客車 しか引 けずに量産 されてない)[26]。一方 こういった問題 のない電気 運転 の場合 は、1903年 にすでに時速 200kmを突破 した記録 がある。(高速 鉄道 の最 高速度 記録 の歴史 も参照 )
低速 においても、鉱物 などの大量 輸送 で見 かけるような時速 20-40km程度 では、本来 の力 を発揮 できない[注釈 20]。これは構造 にもよるが、蒸気 機関 車 は通常 時速 50kmから100kmで最高 出力 となるためでなので、時速 15kmほどから強力 な牽引 力 が発揮 できるうえ、トルクの変動 (空転 の原因 になる)もなく、機関 車 重量 すべてを粘着 重量 にとれる電気 式 ディーゼルの方 が圧倒的 に有利 [27]。始動 に時間 がかかる。煙管 式 ボイラーが完全 に冷 え切 った状態 の場合 、火入 れ・蒸気 の発生 に数時間 前 から作業 開始 する必要 がある。また走行 終了 後 も石炭 ガラの廃棄 などの作業 が必要 。電気 機関 車 やディーゼル機関 車 の場合 1人 でも運転 可能 であるが、蒸気 機関 車 の運転 には、走行 操作 をする機関 士 とボイラーに水 や石炭 を送 る操作 をする機関 助士 の2人 が必要 となるため、2倍 の人員 を必要 とする。後年 自動 給 炭 が可能 なものも登場 したが、機関 助士 の乗務 を不要 とするには至 っていない。また、電気 機関 車 やディーゼル機関 車 は重 連 運転 の場合 先頭 車 にだけ運転 士 が乗 っていればよいが、蒸気 機関 車 の場合 は重 連 で四 人 、三重 連 だと六 人 の人員 が必要 になる[28]。なお、燃料 を石油 だけにすれば1人 でも運転 可能 ということにはなるが[注釈 21]、他 の欠点 を補 えるわけではないので、そのような時代 が来 る前 に電気 機関 車 ・ディーゼル機関 車 の時代 になった。高温 を発 するボイラーを稼動 させるために、運転 士 (機関 士 、機関 助士 )が過酷 な労働 を強 いられる[29]。とりわけ夏季 の高温 環境 における石炭 投入 などの重労働 、冬季 の寒気 や雪 の吹 きさらしによる肉体 的 負担 が挙 げられる。前方 視界 が悪 い。構造 上 大型 のボイラーを前方 に配置 せざるを得 ず、結果 線路 上 の障害 物 や軌道 の損傷 の発見 も遅 れて、大 事故 に結 びつきやすい。性能 が条件 により変化 し、一定 しない(燃料 の発熱 量 、タンク機関 車 の場合 は燃料 と水 の使用 に伴 う軸 重 の変化 も影響 する[注釈 22])。大量 の ()・ガスを煤煙 排出 するのでトンネルでは窓 を開 けられない(この関係 で山国 では早 くから電化 が進 んでいることが多 い)[30]。日本 国内 では急 勾配 と長大 なトンネルが多 く、統計 によると1931年 (昭和 6年 )から1941年 (昭和 16年 )までにトンネル内 での乗務 員 事故 36名 、犠牲 者 2名 を出 している。狩 勝 トンネルでは9600形 の乗務 で事故 や犠牲 者 が出 ており安全 衛生 の改善 を発端 に争議 が発生 した[31]。1928年 には、急 勾配 のため従来 から立 ち往生 や逆行 を起 こしていた[32]D50形 二 両 が牽引 する貨物 列車 がトンネルで空転 を起 こし、救援 に向 かった列車 も立 ち往生 してしまい全員 が窒息 による危篤 状態 に陥 り、3名 (5名 説 もあり)が死亡 、12名 が昏倒 する悲惨 な事故 が起 きている[33]。煙 の火 の粉 が線路 周囲 の森林 や草 ・家屋 などに燃 え移 ることにより、時 として山 火事 や火事 が起 きる[34][35]。藁葺 きや木 の屋根 が普通 であった時代 には火災 が多発 し、これによる鉄道 忌避 伝説 もある。保守 に手 がかかる[注釈 17]。摩耗 部分 が多 く、日本 の場合 約 39万 km走 るとオーバーホールしていた(同 時期 の電車 や電気 機関 車 は80万 kmほどでオーバーホール)[29]。- ボイラー
部 などの熱 ・高 圧 疲労 ・耐用 年数 による老朽 化 。 水垢 の蓄積 。
燃料 と水 を補給 する必要 があり、大型 機 では約 100kmごとに補給 が必要 。そのため、駅 や機関 区 などに水 ・石炭 などの補給 や、使用 済 みの石炭 ガラ処理 用 の大型 設備 が必要 となる。また、電気 機関 車 などのように1000km程度 の長距離 を乗務 員 の交代 のみで運転 することはできず、機関 車 の所要 数 が増 える。機関 車 そのもので蒸気 を発生 させて走 るため性能 の発揮 に熟練 が必要 。とりわけ特急 列車 のような「計算 上 の最大 出力 を出 さねばダイヤが維持 できない」列車 の場合 、石炭 や水 の使用 効率 のことも考 えると特 に技量 の高 い機関 士 ・機関 助士 を必要 とする[36]。設計 上 逆 向 き運転 が考慮 されておらず、転 車台 ・デルタ線 ・ループ線 など方向 転換 のための設備 を必要 とする。ただし、後年 にはC11形 やC56形 など逆 向 き運転 が容易 な形式 も出現 した。また、石油 だけを燃料 とするなら必 ずしも運転 席 をボイラーと炭水車 との間 に設 ける必要 はないので、理論 的 には逆 向 き運転 も容易 になる。
こうした
フランスではディーゼル
ドイツでも
イギリスは、
蒸気 機関 車 の分類
駆動 方式 による分類
- ピストン
式 蒸気 の圧力 をシリンダーに導 きピストンを作動 させることで往復 運動 に変換 し、その往復 運動 で動輪 を駆動 する方式 で、広 く普及 した。- タービン
式 蒸気 の圧力 を蒸気 タービンに導 き、回転 運動 に直接 変換 する方式 である。タービンで発生 した回転 運動 はギアやロッドにより間接 的 に動輪 に伝達 される。詳細 は蒸気 タービン機関 車 を参照 。発電 式 車 上 のボイラーで発生 させた蒸気 を、蒸気 タービンや多 気筒 式 蒸気 エンジンに導 き電力 を発生 させ、電気 モーターにより駆動 する方式 である。アメリカなどに存在 したが、試作 段階 にとどまった。一見 するとディーゼル機関 車 のようで、とうてい蒸気 機関 車 には見 えないものが存在 する。
動力 伝達 方式 での分類
- ロッド
式 - ピストンの
往復 運動 をロッドで直接的 に動輪 に伝達 する方式 。シリンダーとメインロッドと動輪 そのものがレシプロエンジンを構成 するが、通常 はレシプロという用語 を用 いない。ほとんどの蒸気 機関 車 がこの方式 を採用 している。 歯車 式 - ピストンの
往復 運動 を回転 運動 に変換 し、その回転 運動 を歯車 により間接 的 に動輪 に伝達 する方式 、もしくはピストンの往復 運動 をクランクシャフトで回転 運動 に変 え、シャフトとギアで動輪 に伝達 する方式 。蒸気 機関 車 の始祖 とでもいうべきトレビシックの機関 車 は前者 の方式 だったが、当時 の技術 ではギアの高速 回転 ができず、本人 自 ら4号機 の「Catch me who can」では歯車 を排 してしまっている。後者 はギアードロコとしてそこそこ使 われた方式 で詳 しくはギアードロコの項 を参照 。 - チェーン
式 - ピストンの
往復 運動 を回転 運動 に変換 し、その回転 運動 をチェーン[要 曖昧 さ回避 ]により間接 的 に動輪 に伝達 する方式 。自転車 と似 た原理 である。ロッドを動輪 に接続 する必要 がないため構造 が簡便 であるが、信頼 性 やチェーンの耐久 性 が低 く普及 しなかった。後述 するバヴァリア号 や、アメリカの森林 鉄道 でハンドメイドされた一部 の車両 がこの方式 を採用 している。 摩擦 式 動輪 を上下 2段 に付 け、上段 の動輪 をシリンダーで駆動 し、下段 の無 動力 の車輪 を摩擦 により間接 的 に駆動 する方式 。歯車 比 の理論 を当 てはめて考案 されたもので、速度 を上 げる場合 は上段 を大 きく、下段 を小 さくし、牽引 力 を上 げる場合 には上段 を小 さく、下段 を大 きくするという物 であるが、実際 には成果 を上 げず摩擦 機構 の問題 も多 かったため実用 化 しなかった。主 な形式 は1876年 ドイツのエルザス=ロートリンゲン鉄道 向 けに製造 されたものであり、D7形 451号 「ファゾルト」という形式 を与 えられ1906年 まで在籍 していた。上段 と下段 の車輪 径 の比率 は1:3で、牽引 力 を重視 したため最高 速度 はわずか時速 10kmだった。のちに似 た方式 をアメリカのホールマンとユージーン・フォンテインがそれぞれ考案 している。独立 駆動 式 - V
字 型 の蒸気 エンジン1基 を1つの動輪 に直結 させ、直接 動輪 を回転 させる方式 。各 動輪 間 は連結 されておらず、ロッド式 のような重 い可動 部 を持 たない。静粛 性 や高速 走行 に優 れる反面 、引 き出 し時 などに空転 が起 こりやすい欠点 があった。ヘンシェルが製造 したドイツ国鉄 19.10形 蒸気 機関 車 が代表 例 であるが、実用 化 された時期 が遅 く、ディーゼル機関 車 の台頭 期 と重 なったこともあって量産 されず、短期間 の運行 のみに終 わった。
エネルギー源 による分類
化学 燃料 (有機 燃料 )石炭 やコークス、重油 などの化石 燃料 、その他 薪 やガスなどの炭素 資源 を燃焼 させることにより熱 エネルギーを発生 させ、これによりボイラー内 の水 を沸騰 させて蒸気 を得 る方式 である。蒸気 機関 車 のほとんどがこの方式 で、燃料 には主 に石炭 、コークスが用 いられる。旧 国鉄 の制式 機 では蒸気 機関 車 時代 の後期 に補助 重油 タンクを装備 し、勾配 区間 などパワーが必要 な際 に重油 を投入 したほか、C59形 の127号機 が重油 のみを燃料 とする重油 専 燃 機 に改造 されたことで知 られている。日本 国外 ではドイツ連邦 鉄道 がこの方式 に積極 的 であったことが知 られ、世界 的 には重油 専 燃 機 がある程度 普及 した。タイなどの東南 アジア各国 では薪 が多 く使 われた。変 わった例 としては、東南 アジアの製糖 工場 で、砂糖 の原料 となるサトウキビの絞 りかす(バガス)を機関 車 の燃料 として用 いた例 が多 くある。圧力 の外部 供給 - ボイラーを
有 さず、外部 から熱 水 とともに高 圧 蒸気 を供給 し、それをタンク内 に蓄圧 してピストンを駆動 する方式 を無火 機関 車 (ファイアレス)と呼 ぶ。一般 的 に蓄圧 に2 - 3時間 以上 を要 するにもかかわらず、その走行 可能 距離 は著 しく短 いが、火 を使 わず煤煙 なども一切 出 さないため、火気 厳禁 の産業 施設 などで使用 された。また、高 圧 蒸気 と熱 水 の代 わりに圧搾 空気 を用 いた圧搾 空気 機関 車 や、走行 可能 な距離 が短 いという欠点 を改善 するために、アンモニアや苛性 ソーダなどの化学 薬品 を使用 する車両 も製作 された。日本 では無火 機関 車 が1963年 まで八幡 製鐵 構内 で数多 く使 われていたほか、浜川崎 駅 から分岐 するシェル石油 (現在 の昭和シェル石油 )の精油 所 引 き込 み線 で1960年代 まで使用 されていたことが知 られている。生 まれながらの無火 機関 車 ではないが、群馬 県 の「ホテルSL」(元 ・SLホテル)や栃木 県 の「SLキューロク館 」、鳥取 県 の若桜 駅 では静態 保存 されていた蒸気 機関 車 の動力 部 などを整備 し、圧搾 空気 を使 って短 い距離 を走行 させるというユニークな試 みを行 っている。日本 国外 でも観光 用 としての活動 が伝 えられており(ドイツのマンハイムの産業 博物館 など)、そのほか現在 も南米 などで商業 用 として稼動 している可能 性 がある。 電力 架線 から運転 台 天井 部 に取 り付 けたパンタグラフで集 電 し、その電気 エネルギーでボイラー内 の水 を沸騰 させて蒸気 を得 るという機関 車 がスイスに存在 した。これはSBB(スイス国鉄 )のE3/3形 と呼 ばれる軸 配置 0-6-0の入 れ替 え用 タンク機関 車 であり、第 二 次 世界 大戦 中 の石炭 の入手 難 に対応 すべく2両 が試作 されたものである。この形式 の場合 、電気 を動力 源 (熱源 )としているが、電動 機 や電磁石 など、電気 のみによって駆動 力 を得 ているわけではなく、電力 はあくまで熱源 としてボイラーの加熱 にのみ用 いられ、最終 的 には蒸気 で動輪 を駆動 するため、電気 機関 車 ではなく蒸気 機関 車 に分類 される。原子力 搭載 した原子 炉 で蒸気 を発生 させ、蒸気 タービンで発電 しモーターを駆動 する方式 で、発電 式 機関 車 の一種 である。主 に1950年代 と1970年代 に計画 されたが、重量 が極端 に大 きくなる、放射能 漏 れの危険 性 があるなどの問題 により、実現 した例 はなかった。- ハイブリッド
蒸気 機関 とディーゼル機関 を両方 搭載 した、ハイブリッド方式 の機関 車 が試作 された。1926年 にイギリスのキトソン社 がスティル社 のディーゼルエンジンを使用 してロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道 向 けに試作 機 が製造 され、1934年 まで試験 が行 われたが、ボイラーなどに問題 が多 く実用 化 しなかった。ソビエトでは戦前 から戦後 にかけていくつかの試作 機 が製造 されたがどれも成功 せずに終 わっている。
ボイラーによる分類
煙管 式 円筒 形 の水 缶 に、缶 を貫通 する多数 の細管 による伝 熱 部 を設 け、火 室 で発生 した燃焼 ガスをこの細管 に誘導 する。燃焼 ガスの熱 エネルギーによって水 缶 内 に湛 えられた水 を沸騰 させることで、高温 高 圧 の蒸気 を得 る。そのバレル部分 の構造 の複雑 さなどから高圧 化 が難 しく、また清掃 にも手間 がかかる。鉄道 車両 では一般 に10気圧 から20気圧 程度 の範囲 のボイラー圧力 で使用 される。以下 の二 種 に大別 される。飽和 式 - ボイラーで
発生 させた蒸気 (飽和 蒸気 )を直接 シリンダーへ導 く方式 。蒸気 の膨張 により温度 が下 がると水滴 が凝結 した。蒸気 の持 つエネルギーが少 なく、効率 もよくない。 過熱 式 - ボイラーで
発生 させた蒸気 を、過熱 管 寄 せを介 して細 いパイプ(過熱 管 )で煙管 内 に導 き再度 加熱 してできた過熱 蒸気 を使用 する方式 。飽和 式 に比 べ効率 がよく、蒸気 機関 車 の出力 向上 や水 ・石炭 の消費 量 の節約 に大 きく貢献 した。理論 上 での提案 はされていたが、高温 の蒸気 を使用 するため、シリンダー潤滑油 が改良 されるまで実用 化 できなかった。
水 管 式 火 室 に伝 熱 管 を設 け、火 室 で発生 した熱 エネルギーを直接 この管 に伝 え、その中 に通 された水 を沸騰 させることで高温 高 圧 の蒸気 を得 る。煙管 式 と比較 して熱 効率 や始動 性 に優 れ、高 圧 化 が容易 という特徴 があり、鉄道 車両 では100気圧 程度 のボイラー圧力 を実現 したものも存在 した。ただし煙管 式 と比較 して保持 する水量 が少 なく応答 が鋭敏 な分 、適切 な出力 を安定 的 に得 るには燃料 や水 の供給 、燃焼 の制御 を高 精度 に行 う必要 があり、また振動 に弱 く高 圧 がかかる水 管 や補 機 の保守 が難 しいという問題 を抱 えている。このため、大 きな振動 が発生 するレシプロ式 の駆動 系 を備 える蒸気 機関 車 では、一般 に普及 することはなかった[注釈 23]。
- フランコ・クロスティ
式 給水 加熱 器 を、使用 済 蒸気 と共 にボイラーからの燃焼 ガスも利用 するよう強化 し、給水 の温度 を高 めることで、熱 効率 の向上 を図 ったもの。
火 室 による分類
狭 火 室 火 室 の幅 が線路 の幅 より狭 く動輪 間 の台 枠 内 にそのまま収 めたもの。台 枠 設計 をシンプルにできるというメリットがある他 、動輪 の間 に置 かれるので安定 性 もよい。車輪 のバックゲージの問題 から台 枠 の幅 が狭 くなる狭軌 で、しかも使用 炭 の品質 も世界 的 な水準 から見 て良好 とは言 いがたかった日本 では、大型 機関 車 にこの方式 を採用 すると十分 な火 格子 面積 =火力 が確保 できず、高 出力 化 の障害 となった。それに対 し、標準軌 間 を採用 し、高 発熱 量 かつ灰分 の少 ない良質 炭 の入手 が容易 であったイギリス、特 に傑出 した品質 で知 られたカーディフ炭 を産出 するウェールズ地方 が沿線 にあったグレート・ウェスタン鉄道 などでは、狭 火 室 でも他 鉄道 における広 火 室 に匹敵 するかこれを凌駕 する性能 が得 られたことから、この方式 を蒸気 機関 車 時代 の最後 まで採用 しているほか、フランスでは火 床 前方 に急 に傾斜 させて石炭 が奥 の方 まで崩 れ落 ちるようにして、狭 火 室 だが前後 の長 さを取 ることで火 格子 面積 を確保 した240形 (フランス国鉄 240P型 蒸気 機関 車 )の例 がある[41]。広 火 室 火 室 の幅 を線路 の幅 より広 くした、近代 の大型 機 では一般 的 な方式 である。広 い火 格子 面積 を確保 できるため、特 に低 品質 炭 を常用 せざるを得 ない各国 ・各 鉄道 で蒸気 機関 車 の出力 向上 に大 きく貢献 した。なお、そのまま火 室 の幅 を広 げると動輪 が邪魔 になるので、通常 は以下 の4つの手法 を取 られる。
後方 2つの動輪 の間 をあけて火 室 を落 とし込 む方式 。動輪 の上 に火 室 をそのまま上乗 せで配置 する方式 。動輪 の後 ろで台 枠 を拡幅 してこれを支 える従 台車 を置 き、そこに火 室 を配置 する方式 。火 室 を動輪 の後 ろに突 き出 すが支 えないでオーバーハング状態 にする方式 。
日本 では5830形 が1番目 、8850形 が2番目 、8900形 が3番目 にそれぞれ該当 するが、1番目 は「動輪 のホイールベースが伸 びて曲線 通過 の悪影響 やサイドロッドの重量 がかさむ」、2番目 は「重心 が上 がり、特 に大 動輪 の機関 車 では安定 性 が悪 くなる。」、3番目 は「全長 が長 くなる。また、列車 牽 き出 し時 の後方 への重心 移動 により、本来 は動輪 にかかるべき荷重 が従 輪 にかかるようになるため、特 に列車 出発 時 に空転 が生 じやすくなる。」といった一長一短 な要素 を持 っている。なお4番目 のオーバーハングさせる方式 は速度 を上 げるとピッチングが激 しくなる[42]ため、日本 では採用 されてない[注釈 24]。燃焼 室 の設置 本来 は19世紀 の米国 で石炭 から出 るガスと空気 をよく混 ぜて燃 やそう[注釈 25]という発想 で設 けられた仕組 みなのでこの名前 だが、当時 の小 さく短 いボイラーでは伝 熱 面積 の減少 による悪影響 の方 が大 きく、火 の粉 が逆 に出 やすくなって一 度 は廃 れ、20世紀 になってボイラー大型 化 に伴 う通風 の悪化 の改善 のため復活 したものである[43]。蒸気 機関 車 の燃料 として最 も望 ましい瀝青炭 の燃焼 時 の炎 は長 く、火 室 内 では収 まりきらないので、火 室 前方 に副 室 を設 けこれを燃焼 室 と呼 んだ。燃焼 室 を設 けることにより高温 の炎 からの輻射熱 を十分 に吸収 でき、効率 が向上 した。また、燃焼 時間 が長 くなったことにより煤煙 の発生 が減少 し、煙管 の詰 まりも防 がれた。外見 から燃焼 室 の有無 を知 るには火 室 の前方 にも洗 口 栓 があるかどうかを調 べればよい。日本 の国鉄 では8200形 製造 時 に導入 のチャンスがあり、またメーカー側 も推奨 していたが、通常 の火 室 ですら修繕 に悩 まされている現状 で複雑 な腐食 箇所 が多 い火 室 となるのが欠点 とされた。[44]このため、鉄道 省 の中 にも島 秀雄 のように効果 を評価 [45]する者 がいたにもかかわらず、戦時 設計 で極限 性能 発揮 が求 められたD52形 まで採用 されなかった。だが、戦時 設計 の粗雑 な製造 という悪条件 も重 なり、燃焼 室 で破裂 事故 (D52 73昭和 19年 5月 14日 山陽 線 大久保 -土 山間 において破裂 、D52 83昭和 19年 6月 30日 山陽 線 万富 駅 にて破裂 、D52 209昭和 20年 10月 19日 東海道 線 醒ケ井 駅 にて破裂 )を起 こし[46]、D52に対 する悪評 の一因 ともなった。余談 だが同 じ戦時 型 でもS118やS160などは燃焼 室 を装備 せず極限 性能 ではなく製造 を優先 した設計 思想 も存在 する[47]。欧州 では1930年代 半 ばに燃焼 室 の効果 に疑問 を呈 されたことがあり[注釈 26]、1937年 パリ万国博覧会 で最高 の賞 を授与 したポーランドPm36には燃焼 室 が付 いておらず、英国 LMSコロネーション級 蒸気 機関 車 から燃焼 室 を取 り4-6-4とした四 気筒 機関 車 の計画 が進 められていたが世界 情勢 の悪化 により立 ち消 えとなっている[48]。フランスではSNCFが誕生 した際 に標準 型 機関 車 としてアンドレ・シャプロンが設計 に携 わったSNCF 141Pに燃焼 室 が付 けられなかった[49]。ソビエト連邦 で燃焼 室 はFD機関 車 に搭載 されたが波及 したとは言 いがたく、スターリン章 を授与 されたL型 機関 車 と最後 の量産 機 であるP36型 に設置 されずなかった。そのため、ソ連 技術 の影響 を受 けた中国 国鉄 前進 型 蒸気 機関 車 で燃焼 室 が搭載 されたのは1964年 の改良 型 からであった[50]。
特殊 な火 室 -
- ベルペヤ
火 室 - ベルギーの
鉄道 技術 者 、アルフレッド・ベルペヤが考案 した火 室 形状 で、内 火 室 と外 火 室 の形状 を相似 形 にしているため、内 火 室 を支 えるステイの形状 を単純 にでき、缶 水 の循環 が良 く水垢 の付着 が少 ないという利点 を持 つ。上部 が角張 った形状 が特徴 であるが、円筒 形 の煙管 部 との接合 工作 が難 しいという欠点 がある。 台形 火 室 上 から見 ると火 床 が台形 (前部 は狭 く動輪 の間 に収 まるが、後部 は広 火 室 。)。重 い火 室 を少 しでも前 に持 っていくことで走行 を安定 させ重量 牽引 時 の軸 重 移動 を抑 える。フランスで使用 されていた[51]。- ウーテン
火 室 広 火 室 の一種 で、外見 上 は下部 が大 きく広 がっているのが特徴 である。泥炭 など質 の悪 い石炭 を燃焼 させるためにアメリカで考案 されたもので、日本 では日本 鉄道 が質 の悪 い常磐 炭 を使用 するために、一部 の形式 で採用 した。
- ベルペヤ
弁 装置 による分類
- スチーブンソン
式 (基本形 、ハウ形 、アメリカ形 ):初期 の蒸気 機関 車 の標準 型 として広 く用 いられた。弁 室 は、基本形 ではシリンダの内側 に置 かれるが、アメリカ形 では上部 に置 かれる。 - アラン
式 (トリック式 ) - ジョイ
式 (基本形 、ウェッブ形 ) - ベーカー
式 (深川 形 ) 宇佐美 式 : C57形 で試用 。自動 可変 リード弁 の一種 。- マーシャル
式 (ヴィンターツール形 、コッペル形 ) - グレズリー
式 :3シリンダ式 機関 車 の中央 シリンダ用 に使用 される方式 で、左右 の弁 装置 の動 きをてこで合成 することで、中央 シリンダの弁 装置 を作動 させる。 - ワルシャート
式 (ヘルムホルツ形 、ホイジンガー形 ):近代 の大型 蒸気 機関 車 のほとんどがこの方式 で、動作 機構 が全 て動輪 の外側 にあるため、整備 性 が良 い。
気筒 数 による分類
- 1
気筒 (単 気筒 ) 蒸気 機関 車 の黎明 期 に存在 した。また、1857年 、ニールソンが1気筒 の小型 機 を製造 し、多 くがスコットランドの炭鉱 や製鉄 所 で使用 された。- 2
気筒 - ごく
一般 的 な方式 である。2組 の気筒 (シリンダ)があるため、より円滑 な動作 が可能 である。ロッドが死 点 に位置 して、起動 不能 となるのを防 ぐため、左右 の位相 は90°ずらされている。日本 の国有 鉄道 においては右側 先行 が原則 であったが、9600形 など左側 先行 の例外 も少数 ながら存在 した。 - ギアードロコではV
形 配置 のものも見 られる。 - 3
気筒 ・4気筒 国鉄 ではC52形 ・C53形 が3気筒 である。頻繁 な点検 や注油 などを要 する複雑 な弁 装置 を車輪 間 に設置 するのを回避 する目的 で、左右 の弁 装置 の作用 を合成 、あるいはロッカーアームなどで位相 変換 して車輪 間 のシリンダーへの蒸気 圧 供給 を制御 させる、特別 な弁 装置 を搭載 するケースが多 い。そのため動 軸 を複雑 かつ工作 精度 の維持 の難 しいクランク軸 とする必要 があるなど、概 して2気筒 機関 車 に比 べ構造 が複雑 で整備 性 が悪 く、特 に車輪 の間 のシリンダーに手 を入 れにくい(原則 、線路 間 にピットを設 けてこの中 に人 が入 って下 から修理 する[注釈 27])ため長距離 を走 るアメリカでは外部 から点検 困難 なことから嫌 われ、1920年代 に機関 車 の大型 化 で一時 アルコ社 が前方 から整備 ができるグレズリー連動 弁 装置 を使 った3気筒 を製造 したこともあったが、すぐにライマ社 の2気筒 シンプルで大型 の火 室 を使 う方式 が主流 になり廃 れている[52]。日本 の3気筒 もアメリカを手本 にしていたのだが本国 以上 に定着 せず、満 鉄 向 けのミカニと日本 国内 向 けのC52を20年代 半 ばにアルコ社 から輸入 後 、ミカニ(増 備分)とC53を30年代 初頭 まで製造 していたが、その後 は3気筒 後継 形式 は生 まれないまま終 わっている[53][注釈 28]。- その
一方 で、これらの方式 はメインロッドを3本 あるいは4本 とすることで各 シリンダーの位相 をそれぞれ120°あるいは90°ずつずらし、ハンマー・ブロー現象 を抑 えることができ、またシリンダーの排気 も1/3ないしは1/4周期 で順番 に行 われるため、ボイラー煙管 内 の強制 通風 が均等 かつ円滑 に行 われて燃焼 効率 が改善 される、といった利点 がある[注釈 29]。もっとも日本 のC53形 はこの機構 に対 する十分 な理解 のないままに設計 が行 われた結果 、発車 時 のロッドの位置 によっては発車 不能 になることがあり、問題 視 された。 - これに
対 し、標準軌 間 を採用 する各国 、特 にフランス・イギリスの2か国 では、燃費 の改善 や強力 化 の手段 [注釈 30]として3・4気筒 機 が積極 的 に導入 されている。 - ドイツは
帝国 統一 以前 はバイエルンなどの南部 で複式 3~4気筒 式 も使用 されていたが、統一 後 は過熱 器 の発明 もあって単式 2気筒 の方 が整備 性 に良 いと一時 はこれのみを製造 していた時期 もあったが、時速 160kmを超 えるような高速 になると振動 が大 きくなる(アメリカはこれをレシプロマスの軽量 化 とハンマーブローに耐 える頑丈 な軌条 を設 けることで防 いでいた。)ので単式 のまま3気筒 の1930年代 後半 に製造 しているが、二 次 大戦 と重 なったためそれほど多 くは製造 されてない(0110型 が55両 、0310型 が60両 。)[54]。 - 3
気筒 と4気筒 それぞれのメリットとデメリットは、4気筒 は外側 シリンダーと対 にできるので小型 のレバーを使 って外側 のバルブで内側 を駆動 でき[注釈 31]バルブギアを2気筒 と同 じ2つで済 ませられるが、機関 車 の出力 が上 がるとクランク車軸 がゆがみやすくなる(車軸 にクランクが2つあり強度 が落 ちる)というものがあり、大 馬力 高速 運転 には3気筒 の方 がクランクウェブの厚 みが取 れ(フランスのシャプロンの計算 では4気筒 が1000馬力 ×4付近 が上限 、3気筒 は2000馬力 ×3ぐらいまで可能 性 があるした。)、トルク変動 も2・4気筒 が1回転 に4回 なのに対 し3気筒 は6回 に分散 するためトルクのむらが少 なく有利 という違 いがある[55]。 変則 的 なパターンにアメリカのボークレーン社 が複式 による燃費 向上 と内側 シリンダーによる整備 性 悪化 を防 ぐことを両立 するため、シリンダーを全部 外側 につけた4気筒 式 (通常 のシリンダーの位置 に上下 に高 圧 と低圧 シリンダーを並 べる構造 )が存在 したが、こちらは動 きが2気筒 と同 じなので振動 減衰 に役立 たない[注釈 32]どころか、シリンダーやロッドの数 が増 えた分 駆動 系 の重量 が増加 して逆 に振動 を増加 させており、燃費 向上 のメリットを差 し引 いてもうまみが薄 くボークレーン社 も過熱 器 が導入 され始 めると製造 を打 ち切 っている[56]。気筒 数 がさらに多 い機関 車 では、フランスで低速 走行 時 の経済 性 を改良 するために1940年 に作 られた160.A.1.型 の「6気筒 」というものがある(第 一 動輪 と先 輪 の間 に低圧 シリンダーが横並 びに4つ、高 圧 シリンダーが第 3・第 4動輪 の内側 に2つ)が、1両 のみの試作 に終 わっている[57]。- 3
気筒 と4気筒 の大 きな問題 に運転 が煩雑 になること、内側 のシリンダーに過 負荷 がかかることや過熱 による部品 の熔解や潤滑 システムの故障 が発生 しやすい欠陥 があった。特 にグレズリー式 でこの問題 が顕著 に現 れていた[58]。設計 に技術 的 な欠陥 があるため故障 ばかりで[59]、2気筒 に比 べて製造 コストが高 いだけでなくメンテナンス不足 に陥 りやすいためLNERに無駄 なコストがかかったと考 えられている[60]。その反省 を受 けたアーサー・ペパコーン(Arthur Peppercorn)の設計 でも依然 として問題 は残 り[61]、結局 21世紀 の技術 で設計 製造 されたA1 60163トルネードすらこれらの欠陥 を解決 する至 っていない。[62]イギリスの交通 を研究 する歴史 協会 は実用 機関 車 としては通常 の2気筒 のほうがはるかに優 れていたと結論 を出 している。[63] 燃料 事情 から複式 4気筒 機 を積極 的 に導入 していたフランスも複式 4気筒 機 は運転 が難 しいため制約 が余 りにも多 いことが問題 となった。1日 の平均 走行 距離 は1945年 に約 75km[64]と終戦 直後 の日本 の鉄道 省 が走 らせていた約 150kmの半分 しか動 いていなかった[65]。戦前 から非 効率 な状況 を改善 しようとする大 規模 な試験 も行 われたが、陳腐 で新 しい体制 に適応 できない設計 によって造 られた機関 車 のため概 して失敗 に終 わっている[66]。戦後 に1918年 より製造 が開始 されたライトミカド型 を基 にした2気筒 機 の141R形 を導入 するとこれまでのフランス機 が持 ちえなかった人間 工学 を備 え運転 や整備 がしやすい卓越 した機関 車 と評 された。[67]凡庸 な人員 でも交代 で運行 が可能 になったことでSNCFに3気筒 ・4気筒 では不可能 であった革新 をもたらし[68][69]、歴史 的 遺産 として最多 の4両 が保存 されている。- ギアードロコでは、ボイラー
脇 にシリンダーを垂直 にむき出 しに並 べた、インライン(直列 )配置 が一般 的 で、整備 性 の問題 がないことからこのタイプの3気筒 は特例 的 にアメリカでも使用 され続 けた。
使用 済 み蒸気 による分類
単式 - ボイラーで
発生 させた蒸気 を一 度 だけ使用 するのが単式 で、ごく一般 的 な方式 である。 複式 (2段 膨張 式 )単式 に対 して、一度 使用 した蒸気 を、もう一度 別 のシリンダに送 り込 んで再 使用 するのが複式 である。一度 使用 した蒸気 は圧力 が下 がるので、1次 側 (高圧 )のシリンダより2次 側 (低圧 )のシリンダの方 が径 が大 きくなる。スイス人 のアナトール・マレーが1874年 に特許 を取得 し、1876年 に実用 化 に成功 した。複式 には種々 の方式 があり、左右 のシリンダをそれぞれ高 圧 ・低圧 とした2シリンダ式 、フレーム外部 と内部 に高 圧 と低圧 のシリンダー(どちらがどちらになるかは車両 による)3・4シリンダ式 、左右 のシリンダそれぞれに高 圧 ・低圧 のシリンダを装備 した4シリンダ式 、高 圧 ・低圧 の2組 の走 り装置 を有 するマレー式 (後述 )などがある。日本 においては、山陽 鉄道 が4シリンダ複式 (ボークレイン複式 )を積極 的 に導入 したほか、明治 時代 末期 に国有 鉄道 がマレー式 を一時 大量 輸入 した程度 で、他 にはほとんど普及 しなかったが、1893年 に官設 鉄道 神戸 工場 で製作 された国産 第 1号 機関 車 (860形 )が2シリンダ複式 (ワースデル複式 )であったのは特筆 される。復 水 式 - シリンダーで
使用 した蒸気 を回収 し、コンデンサー(凝縮 器 )で水 に戻 して再 利用 する方式 。水 の便 の悪 い地域 で用 いられる。
車軸 配置 による分類
車体 構成 による分類
- タンク
式 (タンク機関 車 ) 石炭 および水 を機関 車 本体 に搭載 する方式 、主 に小型 機 が多 いが、4100形 、4110形 、E10形 など急 勾配 線 専用 の大型 機 にも採用 例 がある。小回 りが利 くなど長所 があるが、長距離 運転 ができないなどの短所 がある。- テンダー
式 (テンダー機関 車 ) 石炭 や水 をテンダー(炭水車 )に積載 し、機関 車 本体 に牽引 させる方式 。通常 、機関 車 本体 と炭水車 を分離 して運用 することはないが、検査 時 は切 り離 しが可能 である。長距離 運転 ができるなど、長所 があるが、一部 の種類 を除 いてバック運転 や、小回 りが利 かないなどの短所 がある。- キャブ・フォワード
型 - テンダー
式 機関 車 のうち、機関 車 本体 の前後 を逆 にしたもの。キャブ(運転 室 )を最前 部 に設 けることにより機関 士 は煙害 から免 れることができ、また良好 な前方 視界 を得 た。ドイツや、アメリカのカリフォルニア州 の山岳 地帯 のトンネルが多 い線区 で使用 された。 - キャメルバック
型 (キャブ・ミドルワード型 ) - テンダー
式 機関 車 のうち、機関 車 の中央 に運転 台 が位置 しているもの。詳細 はキャメルバック式 蒸気 機関 車 の項 を参照 。
関節 式 機関 車
1
- マレー
式 - ボイラーの
下 に2組 の走 り装置 を設 けた方式 。後部 動力 台車 はボイラーに固定 されていて、高 圧 蒸気 の供給 を受 けてシリンダーを駆動 し、その排気 を左右 に首 を振 れる前部 動力 台車 に送 って径 の大 きな低圧 シリンダーを再度 駆動 する複式 機関 車 である。 - なお、
製作 者 のアナトール・マレーの関節 式 にした意図 は、これ以前 に作 った複式 機関 車 で起 きた出力 の違 うシリンダーで別々 の車輪 を駆動 することによって起 きた高速 での不安定 化 を防止 するためであり、出力 強化 や曲線 通過 の容易 化 は副次的 なものであった[70]。 単式 膨張 型 関節 式 (単式 マレー式 )日本 にはない形式 で、アメリカのsimple expansion articulated engine の訳語 。前述 のマレー式 では前部 が低圧 シリンダーのため関節 部 に蒸気 を送 るのが容易 な反面 、シリンダーが大型 になりすぎ車両 限界 に接触 したり重量 過大 を招 いたため、前部 ・後部 のシリンダーが同 径 で、同 じ圧力 の高 圧 蒸気 がボイラーから直接 同時 に供給 される単式 機関 車 として考案 された[71]。- ガーラット
式 - 2
組 の走 り装置 を別々 の台 枠 に設 け、その両 車 の間 に跨 ってボイラーを搭載 した主 台 枠 が首 振 り構造 で載 る方式 。 - (ダブル)フェアリー
式 - 2つのボイラーを
背中合 わせに繋 ぎ、その下 に2組 の独立 した走 り装置 を設 けた方式 。 - マレー
式 と同 じくボイラーの下 に2組 の走 り装置 を装備 するが、2組 の走 り装置 はどちらもボイラーに固定 されておらず、完全 に独立 した首 振 り構造 であり、シリンダーが中央 に寄 っている点 でもマレー式 と異 なる。 - シングルフェアリー
式 車体 前部 にボイラーから独立 した1組 の走 り装置 を備 え、運転 台 下部 には無 動力 のボギー台車 を備 える。- メイヤー
式 - 2
組 の独立 した走 り装置 を備 える。シリンダーは前後 とも中央 側 にある。 - マッファイ
式 - ドイツのJ.A.マッファイ
社 により、1851年 のゼメリング・コンテストのために考案 された方式 。 - ヴィーナー・ノイシュタット
式 - ドイツのヴィーナー・ノイシュタット
社 により、1851年 のゼメリング・コンテストのために考案 された方式 。 - コッケリル
式 - ベルギーのコッケリル
社 により、1851年 のゼメリング・コンテストのために考案 された方式 。 - デュ・ブスケ
式 (英語 版 ) - フランスの
鉄道 技術 者 ガストン・デュ・ブスケ(フランス語 版 )により開発 された方式 。 - ゴルウェ
式 (Golwé locomotive) - ベルギーで
製作 されフランスの西 アフリカ植民 地 で使 われた方式 。
双 合 式
- (ツヴィリングスロクス、Zwillingsloks)
- 2
両 の通常 型 タンク式 蒸気 機関 車 を背中合 わせに連結 した形式 。転 車台 の設置 が困難 で、軸 重 制限 が厳 しく、かつ一定 の牽引 力 が要求 される野戦 軽便鉄道 用 としてドイツで考案 された。ドイツ陸軍 の影響 下 にあった日本 陸軍 も導入 し、鉄道 連隊 にはA/B形 と呼 ばれる双 合 式 機関 車 が400両 あまり在籍 していた。
歯車 式 蒸気 機関 車
- シェイ
式 蒸気 機関 車 船舶 用 のエンジンを右側 面 に設置 した歯車 式 蒸気 機関 車 - クライマックス
式 蒸気 機関 車 側面 に斜 めに傾斜 したシリンダーから中央 の伝達 軸 を駆動 する。- ハイスラー
式 蒸気 機関 車 - V
型 に配置 された蒸気 機関 で前後 の車輪 を駆動 する - ウィラメット
式 蒸気 機関 車 - シェイと
類似 の形態 だが重油 を燃料 として使用 し、過熱 蒸気 式 、弁 装置 はワルシャート式 弁 装置
各国 における蒸気 機関 車
日本
重油 併燃装置
1898
稼動 している蒸気 機関 車
営業 運転
- ダージリン・ヒマラヤ
鉄道 、ニルギリ山岳 鉄道 (世界 遺産 「インドの山岳 鉄道 群 」を構成 している)、パッフィン・ビリー鉄道 - ドイツのハルツ
狭軌 鉄道 [80] - ドイツ・ツィッタウのザクセン・オーバーラウジッツ
鉄道 (Sächsisch-Oberlausitzer Eisenbahngesellschaft)
日本 国内 については動態 保存 中 の蒸気 機関 車 を参照 。
代表 的 な形式
日本
東武鉄道
南 満 洲 鉄道
南 満 洲 鉄道 パシナ型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 パシハ型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 ミカイ型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 ミカ二 型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 ミカシ型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 ミカク型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 マテイ型 蒸気 機関 車 南 満 洲 鉄道 プレニ型 蒸気 機関 車
アメリカ合衆国
- ユニオン・パシフィック
鉄道 3985号 蒸気 機関 車 (チャレンジャー) - ユニオン・パシフィック
鉄道 4000形 蒸気 機関 車 (ビッグボーイ) - ユニオン・パシフィック
鉄道 800形 蒸気 機関 車 (FEF) - チェサピーク&オハイオ
鉄道 H8形 蒸気 機関 車 (アレゲニー) - ノーフォーク&ウエスタン
鉄道 J形 蒸気 機関 車 - ニューヨーク・セントラル
鉄道 J形 蒸気 機関 車 (ハドソン) - ニューヨーク・セントラル
鉄道 S形 蒸気 機関 車 (ナイアガラ) - USRA 0-6-0
- USRA 0-8-0
- USRA ライト パシフィック
- USRA ヘビー パシフィック
- USRA ライト ミカド
- USRA ヘビー ミカド
- USRA ライト マウンテン
- USRA ヘビー マウンテン
- USRA ライト サンタフェ
- USRA ヘビー サンタフェ
- USRA 2-6-6-2
- USRA 2-8-8-2
- サザン・パシフィック
鉄道 GS-4形 蒸気 機関 車 - ペンシルバニア
鉄道 K4s形 蒸気 機関 車 - ペンシルバニア
鉄道 T1形 蒸気 機関 車 - アメリカ
陸軍 輸送 部隊 S160形 蒸気 機関 車 - ティムケン1111
イギリス
- グレート・ウェスタン
鉄道 1000形 蒸気 機関 車 (カウンティ級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 2900形 蒸気 機関 車 (セイント級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 3252形 蒸気 機関 車 (デューク級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 3300形 蒸気 機関 車 (ブルドッグ級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 3700形 蒸気 機関 車 (シティ級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 4000形 蒸気 機関 車 (スター級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 4073形 蒸気 機関 車 (キャッスル級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 4120形 蒸気 機関 車 (アタバラ級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 4300形 蒸気 機関 車 - グレート・ウェスタン
鉄道 4900形 蒸気 機関 車 (ホール級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 6000形 蒸気 機関 車 (キング級 ) - グレート・ウェスタン
鉄道 6959形 蒸気 機関 車 (改 ホール級 ) - LNER A1
形 ・A3形 蒸気 機関 車 - LNER P2
形 蒸気 機関 車 - LNER A4
形 蒸気 機関 車 - サザン
鉄道 V形 蒸気 機関 車 (スクールズ級 )
ドイツ (プロイセン王国 ・バイエルン王国 時代 を含 む)
- プロイセン
邦 有 鉄道 T3型 蒸気 機関 車 王立 バイエルン邦 有 鉄道 S2/6型 蒸気 機関 車 王立 バイエルン邦 有 鉄道 S3/6型 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 01形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 03形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 05形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 18形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 24形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 38形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 42形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 44形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 50形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 52形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 86形 蒸気 機関 車 - ドイツ
国鉄 89形 蒸気 機関 車
フランス
- フランス
国鉄 141R形 蒸気 機関 車 - フランス
国鉄 242A1型 蒸気 機関 車 - フランス
国鉄 160A1型 蒸気 機関 車 - フランス
国鉄 240P型 蒸気 機関 車 - フランス
国鉄 241P型 蒸気 機関 車 - フランス
国鉄 232U型 蒸気 機関 車
ロシア(ロシア帝国 ・ソビエト連邦 時代 を含 む)
アルゼンチン
5AT先進 技術 蒸気 機関 車
イギリスでは
関連 する人物 ・関連 施設
関連 施設
ギャラリー
-
車輪 の動作 機構 -
IRカメラの
映像 -
水 の補給
文化
- SLブーム
- UNIXのslコマンド - コンソール
画面 に蒸気 機関 のアスキーアートを表示 する。
脚注
注釈
- ^ なお
中国 語 では汽車 は「自動車 」を意味 する。日本語 で言 う「汽車 」は「火 車 」と表記 する。 - ^ ただし、
地域 や世代 によっては、電気 で動 く物 も含 めて全 ての列車 のことを「汽車 」と呼 んだり、国鉄 ・JRを「汽車 」、路面 電車 や私鉄 を「電車 」と呼 んで区別 したりする場合 がある(このような「汽車 」の用法 については「汽車 」を参照 のこと)。 - ^
旧 字体 :汽罐 車 - ^ たとえばen:Derby Canal Railwayなどは1792
年 から使 われていた - ^ en:Killingworth locomotivesも
参照 可 - ^ a b ポニー
台車 とは先 輪 (原文 は「前 従 輪 」)が1軸 の場合 (2軸 以上 の場合 は「ボギー台車 」)に使用 され、釣合 梁 (equalizer)を介 して先 輪 と第 1動輪 それぞれの板 ばねで支 えられるもの、製作 者 の名前 をとって「ビッセル台車 」とも呼 ばれる(日本 の鉄道 省 は「心 向 台車 」と呼称 )[1]。 - ^ D51
形 に先立 ち1925年 にアメリカから輸入 された単式 3シリンダー機 の8200形 (C52形 )では手 焚 きのままで火 格子 面積 を3.8m2としたが、これは当時 の日本人 の一般 的 な体格 ・体力 では投 炭 を担当 する機関 助士 に過大 な負担 を強 いたため、のちの改造 で火 格子 面積 を縮小 している。 - ^ キャブの
大 きさの都合 で機関 車 では船 のように二 人 同時 に投 炭 をやった国 はなく、二人 機関 助手 がいる場合 は投 炭 を交代 して休 んでいる方 がタブレットの受 け渡 しなどをやる。(齋藤 2007) p.256 - ^
例 として満 鉄 のデカイ型 では元 になったミカイ型 と同 じ牽引 力 で軌道 の弱 い区域 を走行 させるため、ミカイの従 輪 部分 にも動輪 をつけて5軸 にして動輪 上 軸 重 を分散 させて対処 した際 、本来 小 さな従 輪 で支 えていた広 火 室 を動輪 のうえにのせた影響 で火 床 面積 はさほど変 わらないのに火 室 がかなり浅 くなり、不完全 燃焼 が起 きやすくなったとされる。
『満 洲 鉄道 発達 史 』高木 宏之 著 、株式会社 潮 書房 光人 社 、2012年 、ISBN 978-4-7698-1524-2、P113。 - ^ 1925
年 にロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道 (LNER) との間 で同社 最新 のA1形 (軸 配置 2C1、過熱 式 単式 3気筒 、広 火 室 。火 格子 面積 3.83m2)とを交換 し、互 いの鉄道 線 において同 条件下 で実施 された比較 試験 では、キャッスル型 の方 がコンパクトでボイラーの火 格子 面積 もA1形 の約 70パーセント強 しかなかったにもかかわらず、使用 炭 の品質 が本来 想定 されるより低下 するLNER社線 上 においてさえ、出力 ・燃費 の双方 で勝利 を収 めている。これは弁 装置 設計 などでGWR側 に一 日 の長 があったことによる部分 が大 きいが、この例 が示 すように狭 火 室 と広 火 室 の違 いは必 ずしも性能 に決定的 な差 をもたらすとは限 らない。 - ^
例 えば、ドイツでは良質 な石炭 の入手 が容易 であったプロイセンをはじめとする北部 の各 邦国 が保有 する鉄道 は狭 火 室 を常用 し、良質 炭 の入手 が難 しかった南部 のバーデン大公 国 やバイエルン王国 などが保有 した各 鉄道 は広 火 室 を早 い時期 から導入 していた。また、アメリカで広 火 室 積極 導入 の端緒 の一 つとなったウーテン式 火 室 を備 えるキャメルバック式 蒸気 機関 車 は廉価 だが着火 しにくい無煙炭 を燃料 とすることを前提 に研究 開発 されており、通常 の石炭 以外 の異種 燃料 を燃 やす手段 として通常 より大 きめの火 室 を備 えた機関 車 を製作 するケースはアメリカ製 機関 車 を中心 に各国 で見 られた。 - ^ ただし、
日本 でも陸軍 の鉄道 大隊 ・鉄道 連隊 向 けに1901年 より製作 が開始 された双 合 機関 車 では軸 配置 Cの8t級 機関 車 を背中合 わせに組 み合 わせた小型 機関 車 であったが、既 に15.5kg/cm2を標準 採用 していた。 - ^ レギュレータとも
呼 ばれている。 - ^ スピード
記録 などのための無理 をして出 した記録 としては毎 分 500回転 近 くまで出 したものもあり、イギリスではロンドン&ミッドランド鉄道 ダッチェスクラス(4シリンダー)の480回転 (1937年 、(齋藤 2018) p.55)、ロンドン&ノースイースタン鉄道 A4クラス(3シリンダー)の530回転 (1938年 、(齋藤 2018) p.61。ただし中央 クランクが損傷 した)、アメリカのノーフォーク&ウェスタン鉄道 のJ型 (2シリンダー)の540回転 ((齋藤 2018) p.81)などがある。
フランスは最高 時速 120km制限 の関係 でここまで極端 なのはなくパリ・オルレアン鉄道 240.700形 (4シリンダー)の430回転 ((齋藤 2018) p.52。なおこれは試験 時 の特例 で151km/hの速度 限界 超過 の値 。)、ドイツは高速 回転 化 が進 まず0110型 の375回転 程度 ((齋藤 2018) p.71)でそれを習 った日本 も回転 数 増加 の流 れには至 ってない。なお回転 数 増加 は走行 装置 の摩耗 損傷 の増加 も招 く上 に(H.C.B. Rogers, Riddles and the 9Fs (Ian Allan, 1982))、内側 にシリンダーがある場合 は過熱 による不具合 まで起 こしてしまう。リビオ・ダンテ・ポルタと21世紀 の技術 で作 られたA1 60163トルネードも過熱 による呪縛 から逃 れられていない。 - ^
黎明 期 の機関 車 ではこれを危惧 して通常 の車輪 は車体 を支 えるのみで動輪 をギア状 にしたブレキンソップや、足 をつけて馬 のように動 かして走 らせようとしたブラントン(どちらもイギリス人 )といった例 がある。(萩原 1977) p.178-179 - ^
第 二 次 世界 大戦 中 、南方 戦線 で日本 軍 が蒸気 機関 車 を運用 していた際 に、鉄道 車両 に関 する知識 のない自動車 技師 出身 の整備 兵 が内燃 機関 と同 じ精度 で蒸気 機関 車 の各 部品 の整備 ・組 み立 てを行 ったところ全 く動作 せず、精度 を落 として(各 可動 部 に意図 的 に遊 びを設 けて)再 組 み立 てしてようやく動作 した、という逸話 が残 っている。 - ^ a b
電車 ・電気 機関 車 は制御 器 の接点 の調整 に熟練 を要 し、調整 が悪 いとノッチ進 段 時 の衝動 が大 きくなったり、高速度 遮断 器 が作動 して運転 不可能 になる事例 もあった。また気動車 ・ディーゼル機関 車 はディーゼルエンジンそのものが蒸気 機関 に比 べてはるかに複雑 で部品 点数 が多 く整備 には熟練 と専門 知識 を要 した。これらが劇的 に解消 されるのは、電気 車 ではVVVFインバータ制御 が一般 化 し、内燃 機関 車 では部品 の精度 が向上 したことと電子 制御 により大型 高速 ディーゼル機関 のメンテナンスフリー化 が進 んでからである。 - ^
極端 な例 だが、ソ連 のAA20形 は直径 1600mmの動輪 が7軸 もあり、非常 にホイールベースが長 かった結果 、時速 70kmで振動 が激 しくなったのでこれが最 高速度 とされた。(齋藤 2018) p.75 - ^ なお、この
振動 は前後 と上下 の2つの方向 があるのでウェイトをつけてもどちらか片方 しか修正 できず(ハンマーブロー参照 )、多気 筒 にすることである程度 抑 えられる。(齋藤 2018) 「第 4章 回転 数 アップ」P.48-65。)
もっとも電気 機関 車 や電気 式 ディーゼル機関 車 の場合 もモーター重量 を直接 動輪 軸 にかける形式 (吊 りかけ式 など)でモーターが重 い時代 の頃 は(ばね下 重量 が蒸気 機関 車 以上 に重 いので)結局 高速 走行 時 には堅固 な軌道 が求 められた(ウェストウッド2010) p.192
(注 :ウェストウッド著 『世界 の鉄道 の歴史 図鑑 』の原文 では「ディーゼル機関 車 」の項 でこの説明 があるが、電気 式 の足 回 りは電気 機関 車 と同 じな上 、直後 に「スイスの電気 機関 車 で車体 側 でモーターを支 えてこの問題 を解決 した話 」があるので電気 機関 車 も含 んでの話 と判断 した。) - ^
低速 で動 く出発 時 や加速 時 にこそ大 出力 が欲 しいのに、その時 蒸気 機関 車 は全力 の半分 ほどしか出 せない。参考 までにいうとアメリカのユニオンパシフィック鉄道 4000型 (ビッグボーイ)は時速 70マイル(112km)時 に1万 馬力 の出力 を出 せたが、時速 35マイル(56km)では6200馬力 、時速 20マイルでは5200馬力 しか出 せなかった。(ロス2007) p.193) - ^
王立 バイエルン邦 有 鉄道 PtL2/2型 蒸気 機関 車 は石炭 焚 きでの数少 ない1人 乗務 形 の形式 である。 - ^ ディーゼル
機関 車 も燃料 消費 で軽 くはなるが、水 を大量 に消費 する蒸気 機関車 ほどは大 きく変動 はしない。 - ^
振動 の問題 の少 ない船舶 では軍艦 を中心 に1910年代 以降 急速 に普及 した。そのため、船舶 用 として安定 した性能 を発揮 していた機種 を機関 車 用 として転用 することが再三 に渡 って試 みられた。日本 でも、帝国 海軍 の艦船 用 艦 本式 ボイラーの原型 となった宮原 式 水 管 缶 を機関 車 に搭載 する事例 が、1910年代 中盤 にいくつか存在 した。しかし、レシプロ駆動 系 を備 える鉄道 車 両用 動力 源 としての水 管 式 ボイラーは、コンパクト化 が強 く求 められ、また軽 負荷 でもあった蒸 気動車 用 を除 くと、この宮原 式 の事例 を含 むほぼ全 てが量産 ・実用 段階 に到達 せずに終 わっている。 - ^
外国 では入替 機関 車 (英語 : USRA 0-6-0など)などに使 われたことがある。 - ^ この
時代 は火 室 のレンガアーチもまだなく、炎 はそのまま煙管 に向 かって伸 びていた。 - ^ [1]リンク
先 も参照 。ナイジェル・グレズリーはこれに反論 しているが、持論 ではなくフランスの友人 がこうしているからと語 っただけであった。 - ^ インドネシア
国鉄 C53(4気筒 )のように先 輪 と動輪 の間 を離 して、ピットがなくてもこの間 に入 って内側 シリンダーを整備 できるようにしたものもある。(齋藤 2018) p.81-83 - ^ なお、このグレズリー
連動 弁 装置 は左右 のシリンダーからてこで中央 シリンダーの吸排気 を操作 するので下 にもぐらなくても前方 から整備 できたうえ、ロッド・クランク横 のバルブギアを省略 できる(普通 は個々 のシリンダーに1つずつつけるが、この方式 はレバーで左右 のバルブが中央 シリンダーを操作 する。)のでこまめな整備 をしていれば狭軌 でも理論 上 は使 いやすい物 だった((齋藤 2007) p.168-169・253)。実際 は理論 上 通 りにはいかず、アメリカのウォーバッシュ鉄道 クラスK5やニュージーランドのNZR 98などは使 いにくく不評 で短命 に終 わっている。日本 で3気筒 がはやらなかった理由 について「狭軌 だから」という文献 が多 いが、標準 機 で軌道 の強度 も大 きい満 鉄 でもクランク軸 の折損 事故 を起 こしていた(『満 洲 鉄道 発達 史 』高木 宏之 著 、株式会社 潮 書房 光人 社 、2012年 、ISBN 978-4-7698-1524-2、P139)他 、イギリスでもグレズリー弁 式 の3シリンダー機 では戦時 中 は整備 が行 き届 かずにレバーのボールベアリングが擦 り減 り、ガタが生 じた結果 中央 シリンダーが触 れすぎてクランク車軸 を痛 めることがあった。(齋藤 2007) p.258 - ^
特 に4気筒 の場合 は左右 の動輪 を挟 んだシリンダーを2基 ずつペアとした複式 として設計 することで、蒸気 を有効 に利用 できる。そのため、ドイツ国鉄 18.6形 のようにボイラー性能 さえ十分 ならば、自重 やサイズが1ランク上 の単式 2気筒 機 (01形 )に匹敵 するかこれを上回 る性能 を実現 することも不可能 ではない。 - ^
例 えば車両 限界 の制約 が大 きく単式 のまま左右 のシリンダーを大 直径 とすると各駅 のホームに抵触 する恐 れがあったイギリスでは単式 3・4気筒 機 の導入 例 が多 く、自国 の石炭 資源 産出 量 やその品質 などの問題 から特 に燃費 に神経質 であったフランスでは複雑 精緻 な複式 4気筒 機 が積極 的 に導入 されている。 - ^ 3
気筒 でもグレズリーバルブギアが外側 のバルブで内側 を駆動 するが、こちらはかなり神経質 な機構 だった。 - ^
前述 の振動 を抑 える3・4気筒 はどちらも内側 と外側 のシリンダーで動 きをずらしてロッドが逆 の位置 で動 くことで重心 移動 による振動 が小 さくなるだけで、気筒 を増 やしても一斉 に同 じ方向 に動 いているのでは重心 が動 き、振動 は減衰 しない。
出典
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世界 の鉄道 の歴史 図鑑 蒸気 機関 車 から超 高速 列車 までの200年 ビジュアル版 」、柊 風 舎 、2010年 9月 、ISBN 978-4-903530-39-0。 川辺 謙一 『鉄道 車両 メカニズム図鑑 』学研 、2012年 。ISBN 978-4-05-405338-0。齋藤 晃 「蒸気 機関 車 の技術 史 (改訂 増補 版 ) (交通 ブックス117)」、成山 堂 書店 、2018年 、ISBN 978-4425761623。- 『
蒸気 機関 車 EX Vol.4 ―蒸 機 を愛 するすべての人 へ』イカロス出版 、2011年 。ISBN 978 4 86320 428 7。 - てつどうシリーズ「きょうりゅうマシーン」いいお かずお edu comics press 2022
年
関連 項目
蒸気 機関 車 の形態 ・車両
国鉄 機関 車 の車両 形式 - ギアードロコ
- マレー
式 機関 車 - キャメルバック
式 蒸気 機関 車 - キャブ・フォワード
型 蒸気 機関 車 過熱 式 - パニア
- サドルタンク
- ウェルタンク
水運 車 -蒸気 機関 車 に水 を補給 する車両 基地 へ水 を輸送 するための貨車 。- ダミー (
蒸気 機関 車 ) - USRA
蒸気 タービン機関 車
蒸気 機関 車 の機構
外部 リンク
機関 車 技術 研究 会 - ウェイバックマシン:蒸気 機関 車 の技術 についての情報 を掲載 している。- Steamlocomotive.com (
英語 ) :主 に北 アメリカの蒸気 機関 車 についての情報 を掲載 している。 - The Ultimate Steam page (
英語 ) :現代 における蒸気 機関 車 の新 技術 ・新造 計画 についての情報 を掲載 している。 - Extreme Steam- Unusual Variations on The Steam Locomotive. (
英語 ) :特殊 な形式 の蒸気 機関 車 についての情報 を数多 く掲載 している。 普段 運行 する列車 までSLにしたら…蒸気 機関 車 の経済 学 (日本経済新聞 、2022年 9月 12日 掲載 記事 )- 『
蒸気 機関 車 』 - コトバンク