蒸気じょうき

蒸気じょうき（じょうき、英えい: vapor, vapour）は、物質ぶっしつが液体えきたいから蒸発じょうはつして、あるいは固体こたいから昇華しょうかして、気体きたいになった状態じょうたいのもの。 あるいは水蒸気すいじょうき （steam）の略語りゃくごとして用もちいられる。

概念がいねん

蒸気じょうきは科学かがく時代じだいになって生うまれた概念がいねんであるため、ほとんどの国くにで湯気ゆげから派生はせいした言葉ことばを当あてている。例たとえばタイ語ごでは「アイナム」といい蒸気じょうきと水蒸気すいじょうき、湯気ゆげの区別くべつがない。

元々もともとは凝縮ぎょうしゅくしないものをガス、するものを蒸気じょうきと区別くべつしており、『ロウソクの科学かがく』（1861年ねん発行はっこう）の第だい二に講こう冒頭ぼうとう部ぶには蝋ろうの蒸気じょうきの説明せつめいの際さいに註釈ちゅうしゃくで「あなたは蒸気じょうきとガスの違ちがいについて学まなぶ必要ひつようがあります、ガスは永久えいきゅう的てき（に気体きたい）ですが蒸気じょうきは凝縮ぎょうしゅくします。（原文げんぶん：You must learn the difference between a gas and a vapour: a gas remains permanent, a vapour is something that will condense.）」という文ぶんが書かかれているが、これ以前いぜんから1820年ねんにファラデーやドルトンらは「気体きたいは液体えきたいが蒸発じょうはつした蒸気じょうきである」と主張しゅちょうするようになり、すべての気体きたいは冷却れいきゃくすると必かならず液化えきかすると考かんがえていた。なお、現在げんざいでは臨界りんかい点てんを下回したまわればすべての気体きたいは液化えきかできることが分わかっている。

日本語にほんごの近代きんだい訳語やくごとしての「蒸気じょうき」は19世紀せいき初頭しょとうに杉田すぎた玄白げんぱくら蘭学らんがく者しゃが既存きそんの漢語かんご「蒸気じょうき」を借用しゃくようして用もちいるようになったと考かんがえられている。杉田すぎた玄白げんぱくは1810年ねんの『形影けいえい夜話やわ』上じょう篇へんで、オランダ語ごの『オイトワアツセミング（uitwaseming）』（皮膚ひふ等とうからの蒸発じょうはつ気化きか）の訳語やくごとして「蒸気じょうき」を当あてた。

英語えいごではsteam（湯気ゆげ）とvapor（蒸気じょうき）があり、後者こうしゃのほうが意味いみ的てきには揮発きはつに近ちかく水みずからは離はなれているとされる。

用途ようと

• 蒸気じょうき機関きかん、蒸気じょうき機関きかん車しゃ
• 蒸気じょうきタービン
• 蒸気じょうき砲ほう
• 蒸気じょうき圧縮あっしゅく冷凍れいとう機き
• 製紙せいし - パルプの原料げんりょうを蒸ふけ解げする

関連かんれん項目こうもく

• ヴェイパー
• ベイパーコーン -（英語えいご: vapor cone）と呼よばれ遷音速そくで飛行ひこうする航空機こうくうきなどで雲くもが形成けいせいされる現象げんしょう。
• 相あい転移てんい、蒸気じょうき圧あつ
• 蒸気じょうき霧きり（川かわ霧きり・湖みずうみ霧きり・湖沼こしょう霧きり・海うみ霧きり）
• チャコールキャニスター - ガソリンを燃料ねんりょうとする乗のり物ものの燃料ねんりょうタンクから気化きかしたガソリン蒸気じょうきを吸着きゅうちゃくし、生物せいぶつに有害ゆうがいな炭化たんか水素すいその大気たいき放出ほうしゅつを防ふせぐ。
• エアロゾル - 空気くうき中ちゅうに液体えきたいなどが分散ぶんさんしている状態じょうたい。