小柳こやなぎ冨とみ次じ

小柳こやなぎ 冨とみ次じ（こやなぎ とみじ、1893年ねん（明治めいじ26年ねん）7月がつ16日にち - 1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）4月がつ23日にち）は、日本にっぽんの海軍かいぐん軍人ぐんじん。最終さいしゅう階級かいきゅうは海軍かいぐん中将ちゅうじょう。

小柳こやなぎ 冨とみ次じ
生誕せいたん	1893年ねん7月がつ26日にち 日本にっぽん 新潟にいがた県けん
死没しぼつ	(1978-04-23) 1978年ねん4月がつ23日にち（84歳さい没ぼつ）
所属しょぞく組織そしき	大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん
軍ぐん歴れき	1914年ねん - 1945年ねん
最終さいしゅう階級かいきゅう	海軍かいぐん中将ちゅうじょう

経歴けいれき

新潟にいがた県けん豊栄ほうえい市し（現げん・新潟にいがた市し北きた区く）出身しゅっしん。小柳こやなぎ杢もく次じの長男ちょうなんとして生うまれる。新発田しばた中学校ちゅうがっこうを経へて、1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）12月、海軍兵学校かいぐんへいがっこう（42期き）を卒業そつぎょうし、1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）12月、海軍かいぐん少尉しょういに任官にんかん。海軍かいぐん水雷すいらい学校がっこう高等こうとう科かで学まなぶ。「槇まき」乗組のりくみ、「第だい7号ごう駆逐くちく艦かん」（松風まつかぜ）水雷すいらい長ちょうなどを歴任れきにんし、1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）11月、海軍かいぐん大だい学校がっこう（甲種こうしゅ24期き）を卒業そつぎょう。

第だい3戦隊せんたい参謀さんぼう、「若竹わかたけ」艦長かんちょう、海兵かいへい教官きょうかん、第だい2水雷すいらい戦隊せんたい参謀さんぼう、海軍かいぐん水雷すいらい学校がっこう教官きょうかん、海軍かいぐん省しょう教育きょういく局きょく第だい2課か局員きょくいん、第だい1駆逐くちく隊たい司令しれい、海うみ大だい教官きょうかん、「磐いわ手しゅ」艦長かんちょう、第だい8駆逐くちく隊たい司令しれい、水雷すいらい学校がっこう教頭きょうとう、「愛宕あたご」艦長かんちょうなどを歴任れきにんし、「金きむ剛つよし」艦長かんちょうとして太平洋戦争たいへいようせんそうを迎むかえた。

ミッドウェー海戦かいせん、ガダルカナル島とうのヘンダーソン基地きち艦かん砲ほう射撃しゃげき、南太平洋みなみたいへいよう海戦かいせんなどに参戦さんせん。1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）11月、海軍かいぐん少将しょうしょうに進級しんきゅうし、第だい2水雷すいらい戦隊せんたい司令しれい官かん、第だい10戦隊せんたい司令しれい官かんなどを勤つとめる。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月がつ、第だい2艦隊かんたい参謀さんぼう長ちょうとして参加さんかしたレイテ沖おき海戦かいせんにおいて乗艦じょうかん「愛宕あたご」沈没ちんぼつ時じに戦傷せんしょうを受うけ、重傷じゅうしょうのため翌月よくげつに連合れんごう艦隊かんたい司令しれい部ぶ付づけとなった。その後ご、横須賀よこすか鎮守ちんじゅ府ふ付づけ、水雷すいらい学校がっこう長ちょうなどを歴任れきにん。日本にっぽんの降伏ごうぶく後ご、1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）11月に海軍かいぐん中将ちゅうじょうとなり、同月どうげつ、予備よび役やくに編入へんにゅうされた。

1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）11月28日にち、公職こうしょく追放ついほうの仮かり指定していを受うけた。

戦後せんごの調査ちょうさ・著述ちょじゅつ活動かつどう

1945年ねん10月がつ24日にち、戦勝せんしょう国こくのアメリカが送おくり込こんできた米国べいこく戦略せんりゃく爆ばく撃げき調査ちょうさ団だんによる質疑しつぎで、レイテ沖おき海戦かいせんで「愛宕あたご」が所属しょぞくしていた第だい一いち遊ゆう撃げき部隊ぶたい（栗田くりた艦隊かんたい）の作戦さくせん行動こうどうに関かんして、James A. Field海軍かいぐん予備よび少佐しょうさに対たいして、63問もんにわたり陳述ちんじゅつした

1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）4月がつから9月がつにかけて、海軍かいぐんの先輩せんぱいで首相しゅしょうを務つとめた鈴木すずき貫太郎かんたろうや米内よない光政みつまさ、開戦かいせん時じの在ざいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく日本にっぽん大使たいしだった野村のむら吉三郎きちさぶろうを複ふく数すう回かい訪たずねて、き取きとり調査ちょうさを行おこない、日本にっぽん史し研究けんきゅう者しゃの鹿内しかない浩ひろし胤たねが2020年ねんに古書こしょ店てんで購入こうにゅうした面会めんかい録ろくが現存げんそんしている。

さらに小柳こやなぎは、海軍かいぐん将校しょうこうの親睦しんぼく団体だんたい「水みず交会」嘱託しょくたくとして1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）から5年間ねんかん、約やく50人にんの旧きゅう海軍かいぐん幹部かんぶに取材しゅざいし、『小柳こやなぎ資料しりょう』として刊行かんこうされている。

このほか、下記かきの著書ちょしょがある。

著書ちょしょ

• 『太平洋たいへいよう海戦かいせん史論しろん』弘文こうぶん堂どう〈アテネ文庫ぶんこ〉 1950年ねん
• 『レイテ沖おき海戦かいせん』弘文こうぶん堂どう〈アテネ文庫ぶんこ〉 1950年ねん
• 『栗田くりた艦隊かんたい』潮しお書房しょぼう 1956年ねん

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん陸海りくかい軍ぐん総合そうごう事典じてん』第だい2版はん、東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい 2005年ねん
• 外山とやま操みさお編へん『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 海軍かいぐん篇へん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん 1981年ねん
• 福川ふくかわ秀樹ひでき『日本にっぽん海軍かいぐん将官しょうかん辞典じてん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん 2000年ねん