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弦楽四重奏曲 - Wikipedia

弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょく

弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょく(げんがくしじゅうそうきょく)は、弦楽げんがくよん重奏じゅうそうによる楽曲がっきょくし、室内楽しつないがく分類ぶんるいされる。構成こうせい基本きほんてきに、きゅうなるまいきゅうの4楽章がくしょうからなり、だい1楽章がくしょうソナタ形式けいしきである(これは交響曲こうきょうきょくソナタ同様どうよう)。

バロック晩期ばんき

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アレッサンドロ・スカルラッティが「四重奏しじゅうそう、ただし、つうそう低音ていおんきで」というジャンルを開拓かいたくしたのが弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょくはじまりである。以後いごおおくの作曲さっきょくがこれにならって作曲さっきょくした。

古典こてん

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そのなかでもハイドンはこれの確立かくりつ多大ただい貢献こうけんおこな弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょくちちとみなされている。ハイドンの初期しょき作品さくひん作品さくひん1および2)では、現在げんざい弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょくかたちとは幾分いくぶんことなった形式けいしきかれており、最低さいていおんがチェロでなくBassoとしるされている、メヌエットが2つあって5楽章がくしょう形式けいしきになっているひとしがみられる。その4楽章がくしょう構成こうせいとなり(作品さくひん9)、太陽たいようよん重奏じゅうそうきょく作品さくひん20)では最低さいていおんがチェロと明記めいきされ、ロシア四重奏しじゅうそうきょく作品さくひん33)で現在げんざいにつながる古典こてんてきソナタ形式けいしきかたちさだまった。 ハイドン後期こうき作品さくひんは、現在げんざいでも作曲さっきょく規範きはんとされ、この様式ようしき作曲さっきょくまなぶことになる学習がくしゅうしゃいまでもおおい。

そのベートーヴェン壮年そうねんに「ラズモフスキー弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょく」でプロの演奏えんそう演奏えんそうかいのために演奏えんそうするきょくとして確立かくりつし、さらに晩年ばんねんにはプロの演奏えんそうなんねんもかけて研鑽けんさんするべき崇高すうこう作品さくひんのこしたこともあって、交響曲こうきょうきょくピアノソナタどう程度ていど重要じゅうようなジャンルとみなされるようになった。

しかし、ベートーヴェン以降いこうロマン時代じだいには、シューベルトドヴォルザークのぞいてあまりすうおおくは作曲さっきょくされていない。メンデルスゾーン出版しゅっぱん作品さくひんふくめると7きょくのこしている。一方いっぽう、ベートーヴェンの後継こうけいしゃひょうされるブラームスは3きょく作曲さっきょくしただけにとどまっている(実際じっさいには3きょくまえに20きょく以上いじょう作曲さっきょくしたものの自己じこ批判ひはんによりすべ破棄はきしている)。より近代きんだいちか世代せだいレーガーは6きょくのこした。

近代きんだい

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このようなベートーヴェンの重圧じゅうあつによる寡作かさく時代じだいがあったが、そのあいだけっして弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょく重要じゅうようなジャンルとなされていなかったわけではない。たとえば、交響曲こうきょうきょくピアノソナタのような「古典こてんてきな」音楽おんがくには否定ひていてき意見いけんっていたドビュッシーですら、弦楽げんがくよん重奏じゅうそうという「古典こてんてきな」ジャンルで、1きょくだけだがト短調とたんちょう四重奏しじゅうそうきょく発表はっぴょうしている。もっとも、のちにラヴェル恩師おんしフォーレささげた四重奏しじゅうそうきょく同様どうよう、ドイツ・クラシックの権化ごんげのような調しらべせい音楽おんがくじょうのこのジャンルは、形式けいしきじょうはその体裁ていさいたもっていたとはいえ、印象いんしょう主義しゅぎ時代じだいにはすで古典こてんてき形式けいしき好例こうれいなされていたことがうかがわれる。両者りょうしゃ作品さくひん双生児そうせいじのようなあつかいになっており、録音ろくおんさいはカップリングされることがおおい。

近代きんだいでは、バルトークが6きょく弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょく作曲さっきょくし、たか評価ひょうかされているほかしんウィーンらくもこのジャンルに重要じゅうよう作品さくひんのこしている。

そのも、トッホミヨーショスタコーヴィチらはこのジャンルのために生涯しょうがいをかけておおくの作品さくひんのこした。

現代げんだい

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だい世界せかい大戦たいせん前衛ぜんえい時代じだいいてもベリオブーレーズノーノなどによって無視むしできないジャンルとなされた。

シュトックハウゼンは「このような古典こてんてきなジャンルとは一切いっさいかかわりたくない」という創作そうさく態度たいどであったものの、結局けっきょくアルディッティ弦楽げんがくよん重奏じゅうそうだん委嘱いしょくに「ヘリコプターき」との条件じょうけんづけ作曲さっきょくした(ヘリコプター弦楽げんがくよん重奏じゅうそうきょく)。21世紀せいきむかえた現在げんざいも、このジャンルへ挑戦ちょうせんする作曲さっきょくたない。

前述ぜんじゅつのシュトックハウゼンのように弦楽げんがくよん重奏じゅうそうプラスアルファといった形態けいたい作品さくひんだってえるようになった。シルヴァーノ・ブッソッティの「グラムシの種子しゅし」、ヴォルフガング・リームの「ディトゥランブ」は弦楽げんがくよん重奏じゅうそうオーケストラのための作品さくひんである。

おも作曲さっきょく作品さくひん

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生年せいねんじゅん

類似るいじ形式けいしき楽曲がっきょく

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • ソナタしょ形式けいしきチャールズ・ローゼンちょ - アカデミアミュージック
  • Haydn and the Classical Variation (Studies in the History of Music) by Elaine R. Sisman (1993-01-01) - Harvard University Press.
  • Classical Form: A Theory of Formal Functions for the Instrumental Music of Haydn, Mozart, and Beethoven - Oxford University Press.
  • Analyzing Classical Form: An Approach for the Classroom - Oxford University Press.

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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