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オーケストラ - Wikipedia

オーケストラ

管弦楽かんげんがくきょく演奏えんそうする目的もくてき編成へんせいされた楽団がくだん

オーケストラ/えい: Orchestra[ちゅう 1][ちゅう 2])は、管弦楽かんげんがく多重たじゅう編成へんせい演奏えんそうする団体だんたい[1]

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん
シカゴ交響こうきょう楽団がくだん

概要がいよう

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現在げんざいでは、ロマン音楽おんがくころおおかったオーケストラ編成へんせいが「標準ひょうじゅんてき編成へんせい」とされている。古典こてんてき作品さくひん演奏えんそうではこれよりも若干じゃっかん小規模しょうきぼとなり、それにたい近代きんだいてき作品さくひん演奏えんそうではよりだい規模きぼなオーケストラとなる場合ばあいがある。これらの編成へんせいは、主要しゅよう管楽器かんがっき員数いんずうによってかん編成へんせいさんかん編成へんせいよんかん編成へんせいなどとぶ。団体だんたいとしてのオーケストラの構成こうせいいんかず様々さまざまなので、団体だんたい作品さくひんによっては通常つうじょう団員だんいんくわえて臨時りんじ参加さんか奏者そうしゃくわえて演奏えんそうすることもある。

#編成へんせい

なお、演奏えんそうしつたか評価ひょうかされているオーケストラはおもプロフェッショナルのオーケストラであるが(→#評価ひょうか)、それ以外いがいアマチュア・オーケストラ存在そんざいしている。

「Orchestra オーケストラ」というかたり歴史れきし

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「Orchestra」は、古代こだいギリシアギリシャのオルケーストラ(ορχηστρα)に由来ゆらいする[2]。これは舞台ぶたい観客かんきゃくせきあいだ半円はんえんかたちのスペースをしており[2]、(そこにコロス合唱がっしょうたい[注釈ちゅうしゃく 1])が配置はいちされ)、舞踊ぶよう器楽きがく合唱がっしょうなどがおこなわれた[2]

近代きんだいになり、「Orchestra」は劇場げきじょう平土間ひらどませき(1かい舞台ぶたい正面しょうめんせき)の呼称こしょうになった[2]。また、オペラ上演じょうえんなどでは、舞台ぶたい観客かんきゃくせきあいだそうする器楽きがく奏者そうしゃのグループも「Orchestra」とばれるようになった[2]

さらに時代じだいくだると、器楽きがく奏者そうしゃのグループがオペラから独立どくりつして演奏えんそうする場合ばあいでも「Orchestra」とばれるようになった[2]

種類しゅるい名称めいしょう

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東京とうきょうフィルハーモニー交響こうきょう楽団がくだん
 
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん
なおフィルハーモニーをふくむかどうかのちがいは「楽団がくだん維持いじ寄付きふによるかどうかである」とするせつもあるが、現状げんじょうでは曖昧あいまい使用しようされている。ポピュラー音楽おんがくくらべ、演奏えんそう必要ひつよう楽員がくいんかず圧倒的あっとうてきおおいため、その存立そんりつには演奏えんそう収入しゅうにゅう以外いがいにも経済けいざいてき根拠こんきょ必要ひつようであり、それが富裕ふゆうそう私的してき財産ざいさんなのか、公的こうてき補助ほじょきんなのか、市民しみんらの寄付きふなのかというちがいもあり、名称めいしょうにまで影響えいきょうあたえている。
  • ドイツけんではkapelleを名称めいしょう末尾まつび団体だんたいもあり、管弦楽かんげんがくだん(Staatskapelleであれば州立しゅうりつ管弦楽かんげんがくだんまたは国立こくりつ管弦楽かんげんがくだん)とやくされる。
  • 室内しつないオーケストラ(chamber orchestra)は10〜20めい程度ていど小規模しょうきぼなオーケストラを[3]
 
室内しつないオーケストラ(chamber orchestra)のれい。アルメニア国立こくりつ室内しつないオーケストラ。

現在げんざい弦楽げんがく合奏がっそう管楽器かんがっきくわわった管弦楽かんげんがく起源きげんとしては、ヴェネツィアらくだい規模きぼ教会きょうかい音楽おんがくや、そのオペラ発展はってん重要じゅうようである。古典こてんには交響曲こうきょうきょく協奏曲きょうそうきょくオペラ伴奏ばんそうとしておおいに発展はってんし、コンサートホールでの演奏えんそう適応てきおうして弦楽げんがくやしだい規模きぼになり、またクラリネットなどあたらしい楽器がっきくわわって、現在げんざいのようなかたちとなった。グルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』において、ピッコロクラリネットバスドラムトライアングルシンバルがオーケストラにくわわった。

ロマン音楽おんがくではさらに管楽器かんがっきかず種類しゅるいえ、チャイムマリンバグロッケンシュピールなどの打楽器だがっきくわえられた。ときにはチェレスタピアノなどの鍵盤けんばん楽器がっきハープ登場とうじょうするようにもなった。

運営うんえい組織そしき

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おおくのプロ・オーケストラは常設じょうせつかつせんもん団体だんたいである。

歌劇かげきじょうのオーケストラピットないでの活動かつどうおもとするオーケストラはドイツ中心ちゅうしん多数たすう存在そんざい[ちゅう 3]、そのほとんどがオペラのみならず演奏えんそうかいおこなう。ウィーン国立こくりつ歌劇かげきじょう管弦楽かんげんがくだんいんなかから組織そしきされるウィーン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだんは、そのいちれいである。ドイツけんはあわせて下記かき放送ほうそう交響こうきょう楽団がくだんや、いずれにもぞくさないコンサートオーケストラも非常ひじょうさかんなこともあり、世界せかいでもぐんいたオーケストラ大国たいこくとなっている。東西とうざいドイツ統一とういつにはプロオーケストラの合計ごうけいすう200といわれた(オーストリアやスイスはふくまれない)が、現在げんざい統合とうごうにより若干じゃっかん減少げんしょうしている。ただし、税金ぜいきん補助ほじょあついため、たとえばおおむ自主じしゅ運営うんえいたよるロンドンの5だいオーケストラが70~90めい編成へんせい大曲おおまがり演奏えんそうさいはエキストラをれているのにたいし、人口じんこう7まん都市としバンベルク交響こうきょう楽団がくだんですら110めい編成へんせいようする(どうだんもと大都市だいとしプラハ基盤きばんにしていたという特殊とくしゅ歴史れきしてき事情じじょうもあるが)など、全体ぜんたいにフル編成へんせい志向しこうつよい。これは、ローテーションしきおお歌劇かげきじょう管弦楽かんげんがくだん伝統でんとう影響えいきょうしている。オーケストラはしょう編成へんせい発足ほっそくして徐々じょじょ拡充かくじゅうしていくれい一般いっぱんてきで、だい編成へんせいオーケストラは財政ざいせい基盤きばん安定あんていしていることがおおいため、編成へんせいおおきさがそのままオーケストラの格付かくづけにむすびつくように誤解ごかいされることもあるが、かならずしもそうではなく、あえてさんかん編成へんせいにとどまったまま世界せかい一流いちりゅうなされる団体だんたいもロンドンなどをはじめおお存在そんざいする。

また、放送ほうそうきょく専属せんぞくのオーケストラをれいおおい(放送ほうそうオーケストラ)。これはもともと、番組ばんぐみのテーマきょく、ドラマの伴奏ばんそう各種かくしゅ放送ほうそうよう音楽おんがく調達ちょうたつしやすくするために所有しょゆうしはじめたのが根源こんげんであり、大小だいしょうさまざまな放送ほうそうきょくがそれぞれの経済けいざい規模きぼにあったオーケストラを所有しょゆうしていた。おおきな放送ほうそうオーケストラは、おも国家こっか予算よさん運営うんえいされてきた、世界せかい国営こくえい放送ほうそうきょくや、それらにかわる公共こうきょう放送ほうそうきょくなどであり、放送ほうそう歴史れきしなが欧州おうしゅうおおい。ラジオフランス代表だいひょうされる各国かっこく国営こくえい放送ほうそう直営ちょくえい楽団がくだんや、ドイツかく地域ちいき担当たんとうする公共こうきょう放送ほうそうきょく楽団がくだんバイエルンベルリンきたドイツなど)などがそのれいである。BBC有名ゆうめい交響こうきょう楽団がくだん公共こうきょう放送ほうそうきょくである。また、商業しょうぎょう放送ほうそう会社かいしゃ所有しょゆうしたオーケストラのいちれいとして米国べいこくNBC所有しょゆうしていたNBC交響こうきょう楽団がくだんがある。日本にっぽんにおいてはABCABC交響こうきょう楽団がくだんほか複数ふくすう管弦楽かんげんがくだん所有しょゆうし、演奏えんそうかいのほかに、放送ほうそう番組ばんぐみよう音楽おんがく多数たすう演奏えんそうした。また日本にっぽんフィルハーモニー交響こうきょう楽団がくだんは、当初とうしょ文化放送ぶんかほうそう専属せんぞくオーケストラとして誕生たんじょうし、フジテレビジョン専属せんぞく契約けいやくむすんでいた。NHK交響こうきょう楽団がくだん独立どくりつした財団ざいだん法人ほうじんではあるが、日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい(NHK)密接みっせつ関係かんけいゆうしており、放送ほうそうきょく付属ふぞくオーケストラにじゅんずる存在そんざいとなっている。また、ベルリンのべいぐん占領せんりょうからひがしドイツにけて放送ほうそうされていたRIAS所有しょゆうしていたベルリン放送ほうそう交響こうきょう楽団がくだんなどもあり、現在げんざいえて活動かつどうしている。

地方ちほう都市とし本拠ほんきょ楽団がくだん場合ばあいは、楽団がくだん運営うんえい資金しきんおおくを自治体じちたい依存いぞんして運営うんえいされていることがある。この場合ばあい自治体じちたい財政ざいせい状態じょうたい楽団がくだん運営うんえい左右さゆうされがちになっている。

反面はんめん独立どくりつ団体だんたいとしてのオーケストラは、オーナーからの定期ていきてき演奏えんそう発注はっちゅうがないため、定期ていき演奏えんそうかい入場にゅうじょうりょうレコード録音ろくおん契約けいやくりょうたのみにしなければならず、すぐれた契約けいやくスポンサーをっているか、ごく一部いちぶ人気にんき楽団がくだん経営けいえい形態けいたい改善かいぜん成功せいこうした楽団がくだんのぞけば、これだけで存立そんりつすることはむずかしい。オーナーやスポンサーのげによって、独立どくりつ運営うんえいいられるケースもあり、これは直接ちょくせつオーケストラの存続そんぞくかかわる。海外かいがいではEMI支援しえんうしなったフィルハーモニア管弦楽かんげんがくだん解散かいさん[ちゅう 4]日本にっぽんでも1972ねん日本にっぽんフィルハーモニー交響こうきょう楽団がくだん解散かいさん分裂ぶんれつなどの事例じれい発生はっせいしている。うえ2けん再建さいけん成功せいこうしたれいだが、NBC交響こうきょう楽団がくだんはスポンサー撤退てったいしん組織そしき以降いこうねん消滅しょうめつした。日本にっぽんのABC交響こうきょう楽団がくだんいたっては名義めいぎ継承けいしょうさき転々てんてんとして解散かいさん時期じきすら明確めいかく記録きろくされていない。

以上いじょうのような常設じょうせつ楽団がくだんたいし、毎年まいとし音楽おんがくさいなどで臨時りんじあつまる音楽家おんがくかによって組織そしきされるものも存在そんざいする。たとえばバイロイト祝祭しゅくさい管弦楽かんげんがくだん有名ゆうめいなものであり、日本にっぽんではサイトウ・キネン・フェスティバル松本まつもとさい結成けっせいされるサイトウ・キネン・オーケストラなどがある。これらは、その都度つどメンバーがわることもおおく、とくにバイロイト祝祭しゅくさい管弦楽かんげんがくだんはウィーン・フィルだんいん多数たすうめた時期じき、ベルリン国立こくりつ歌劇かげきじょう管弦楽かんげんがくだんいん主体しゅたいであった時期じきなど、年度ねんどによってひびきがおおきくわっているといわれる。また、通常つうじょう楽員がくいん個別こべつ音楽おんがく活動かつどうをし、コンサートのたびあつまるかたち運営うんえいされている常設じょうせつ楽団がくだん存在そんざいする。日本にっぽんでは静岡しずおか交響こうきょう楽団がくだん浜松はままつフィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん、Meister Art Romantiker Orchesterなどがそのれいである。

新型しんがたコロナウイルスのパンデミックのダメージ

編集へんしゅう

2020ねんにはじまった新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう世界せかいてき流行りゅうこうで、世界せかい各地かくちのオーケストラはおおきなダメージをけた。観客かんきゃくあつめるコンサートが、感染かんせん防止ぼうしのため開催かいさいできなくなり、その収入しゅうにゅう途絶とだえ、楽団がくだんいん給与きゅうよとして支払しはらえるおかね総額そうがく大幅おおはばげんとなったり途絶とだえるなどしたり、楽団がくだんいん大量たいりょう解雇かいこされることも世界せかい各地かくちきた。最低限さいていげん存続そんぞくすらあやうくなり、消滅しょうめつ危機ききひんしたオーケストラもおおかった。

(なお、オーケストラに経済けいざいてきダメージがしょうじた因果いんが関係かんけい経路けいろ複数ふくすうあり)オーケストラの演奏えんそうくために観客かんきゃく国境こっきょうえてたびをすることもパンデミックちゅうまってしまったこともげられ、さらにうと観光かんこう都市とし観光かんこうきゃくがすっかり途絶とだえ、観光かんこう産業さんぎょうからもたらされる税収ぜいしゅう激減げきげんしてしまい財政ざいせい悪化あっかし、これがのあらゆる活動かつどうにダメージをあたえ、によって運営うんえいされているオーケストラにてるためのおかねったりくなってしまうということがきた[4]

ダメージのおおきさがかる事例じれいげると、たとえばアメリカのサンアントニオ交響こうきょう楽団がくだん運営うんえいがわは2021ねん9がつ長期ちょうきのパンデミックが原因げんいん財政難ざいせいなん理由りゆうとして楽団がくだんいんを72にんから42にんへと大幅おおはば削減さくげんするうえに(解雇かいこしない楽団がくだんいんについても)給与きゅうよを2/3に減額げんがくすると提案ていあん告知こくち。その判断はんだんたいして楽団がくだんいんらのがわはストライキで抵抗ていこうするということもきた[5]

日本にっぽんでもやはりおおきなダメージがあり、日本にっぽんオーケストラ連盟れんめいによると、加盟かめい37楽団がくだんのうち、楽団がくだんいん給与きゅうよだけで生計せいけいてられるのは元々もともとやく半数はんすうであったが、日本にっぽんでの新型しんがたコロナウイルス・パンデミックの社会しゃかいてき影響えいきょうはやはり日本にっぽんのオーケストラにもおおきなダメージをあたえ、おおくの公演こうえん中止ちゅうし延期えんきになり、給与きゅうよはさらに減少げんしょうした。学校がっこうとうおしえる仕事しごと臨時りんじ休校きゅうこう中止ちゅうしとなり、楽団がくだん収入しゅうにゅう減少げんしょうにより団体だんたい存続そんぞく危機きききている。楽団がくだん所属しょぞくしない個人こじん演奏えんそう場合ばあいはさらに深刻しんこくで、オーケストラにエキストラ出演しゅつえんするフリーランスの演奏えんそう必要ひつよう不可欠ふかけつだが、公演こうえん中止ちゅうしのほか講師こうし仕事しごともなくなり、自宅じたくでの個人こじんレッスンのみで、個人こじん収入しゅうにゅうっているという[6]

編成へんせい

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だい1ヴァイオリンからコントラバスまでのつるおおくの場合ばあい各部かくぶ人数にんずう演奏えんそうしゃまかされているが、現代げんだいでは一般いっぱんてきつぎのようなパターンがある。

管楽器かんがっき規模きぼれい かた だい1ヴァイオリン だい2ヴァイオリン ヴィオラ チェロ コントラバス プルト比率ひりつ
かん編成へんせい 8がた 8にん 6にん 4にん 3にん 1~2にん 4:3:2:1:1
かん編成へんせい 10がた 10にん 8にん 6にん 4にん 2~4にん 5:4:3:2:1
かん編成へんせい 12がた 12にん 10にん 8にん 6にん 4にん 6:5:4:3:2
さんかん編成へんせい 14がた 14にん 12にん 10にん 8にん 6にん 7:6:5:4:3
よんかん編成へんせい 16がた 16にん 14にん 12にん 10にん 8にん 8:7:6:5:4
よんかん編成へんせい 18がた 18にん 16にん 14にん 12にん 8~10にん 9:8:7:6:5
かん編成へんせい 20がた 20にん 18にん 16にん 14にん 10にん 10:9:8:7:5

管楽器かんがっき原則げんそくとして楽譜がくふかれたかくパートを1にんずつがつ。ただし実際じっさい演奏えんそうかいでは、ばいかんといって管楽器かんがっきを2ばいにしたり、「アシスタント」とばれる補助ほじょ奏者そうしゃがつくこともある。

楽譜がくふしめされたオーケストラの編成へんせい規模きぼしめすのに、かん編成へんせいさんかん編成へんせいよんかん編成へんせいという言葉ことば使つかわれる。いずれも木管もっかん楽器がっきかくセクションのそれぞれの人数にんずうによっておおよその規模きぼしめす。

中世ちゅうせい音楽おんがく

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この時代じだい西洋せいようにはオーケストラは存在そんざいしないとわれている。しかし西洋せいよう以外いがいでは、当時とうじ中国ちゅうごく宮廷きゅうてい音楽おんがくすうひゃくにん合奏がっそうによる音楽おんがく演奏えんそうされていることをしめ資料しりょう発掘はっくつされている[7]

ルネサンス音楽おんがく

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モンテヴェルディはスコア序文じょぶん楽器がっき編成へんせいいた世界せかいはつ作曲さっきょくである。そこにはオーケストラの黎明れいめい編成へんせいしるされている[8]

バロック音楽おんがく

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バロックのオーケストラでは、管楽器かんがっきかくパート1めい、ヴァイオリンは2パート2〜3めいずつ、ヴィオラ、チェロ2めい、コントラバス、ファゴット、鍵盤けんばん楽器がっきかく1めいという程度ていど規模きぼおおく、だい規模きぼでも総勢そうぜい20めい程度ていどのものであった。弦楽げんがくふくめたすべてのパートをかく1めいそうすることもある。そのため、バロックのオーケストラは室内楽しつないがくあるいは室内しつない管弦楽かんげんがく範疇はんちゅうとされることもある。なお、1749ねんヘンデルによって作曲さっきょくされた管弦楽かんげんがく組曲くみきょく王宮おうきゅう花火はなび音楽おんがく」では、大国たいこくイギリス国家こっか行事ぎょうじという特殊とくしゅ事情じじょうもあり、現在げんざいかんがえても膨大ぼうだいな100にんという規模きぼ楽団がくだんによって、式典しきてん屋外おくがい会場かいじょう[9]盛大せいだい演奏えんそうされた(参照さんしょう巨大きょだい編成へんせい作品さくひん#そのほか)。

つぎしめすのは、18世紀せいき前半ぜんはんごろ後期こうきバロック音楽おんがくJ.S.バッハテレマンヘンデルひとし盛期せいき)のきょくおおられる、規模きぼおおきめな管弦楽かんげんがく編成へんせいれいである。

古典こてん音楽おんがくかん編成へんせい

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古典こてんかん編成へんせいは、フルートオーボエクラリネットファゴットかく2めいピッコロくわわるなどの多少たしょう増減ぞうげんはありる)で、ホルントランペットも2めい程度ていどティンパニ弦楽げんがくだい1ヴァイオリン、だい2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)である。この編成へんせい見合みあ弦楽げんがく人数にんずうは「12がた[ちゅう 5]で6-5-4-3-2プルト[ちゅう 6]程度ていどであり、オーケストラ総勢そうぜいで60めいほどになる。

モーツァルト交響こうきょうきょくだい1ばんちちレオポルト指導しどうした作曲さっきょくしたさい編成へんせいは「オーボエ2、ホルン2、だい1ヴァイオリン、だい2ヴァイオリン、ヴィオラ、バッソ」であった。当時とうじ、コントラバスのパートは「バッソ」あるいは「バッシ」とかれ、チェロ、ファゴット、ヴィオローネまたはコントラバスでひとしそうすることがもとめられていた。エステルハージではヴァイオリンはだい1だい2ともに2人ふたりやされていた[ちゅう 7]

以下いかは、古典こてん音楽おんがく盛期せいきごろハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン)におおられる編成へんせいれいである。ただし、このころ標準ひょうじゅん編成へんせいなるものは存在そんざいせず、オーボエ2とホルン2とつるくわえ「パトロンからの命令めいれい」でまった編成へんせいおおい。

  • 木管もっかん楽器がっき
    • フルート 2
    • オーボエ 2
    • クラリネット 2
    • ファゴット 2
  • 金管楽器きんかんがっき
    • ホルン 2
    • トランペット 2
  • 打楽器だがっき
    • ティンパニ(1つい
  • 弦楽器げんがっき

盛期せいきロマン音楽おんがくかん編成へんせい

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後期こうきロマンかん編成へんせいは、フルートオーボエクラリネットファゴットかく2めい(それぞれの派生はせい楽器がっきであるピッコロイングリッシュホルンバスクラリネットコントラファゴットへのえもありうる)で、ホルンが4めいトランペットが2~3めい程度ていど、さらにトロンボーンが3めいチューバくわわる。ティンパニのほか若干じゃっかん打楽器だがっきが4めい程度ていどくわわる。さらに編入へんにゅう楽器がっきとしてハープくわわる。弦楽げんがくだい1ヴァイオリン、だい2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)である。この編成へんせい見合みあ弦楽げんがく人数にんずう現代げんだいのコンサートにおける標準ひょうじゅんてき編成へんせいで「14がた[ちゅう 8]で7-6-5-4-3プルト程度ていどであり、オーケストラ総勢そうぜいで80めいほどになる。チャイコフスキー作品さくひんは、現在げんざいこのくらいの規模きぼ演奏えんそうされる。

音響おんきょう空間くうかん次第しだいで、つるかずえることは可能かのうである。結果けっかてきに、かん編成へんせい完成かんせいさせた時期じきチャイコフスキー活躍かつやくした時代じだいである。おおくの作曲さっきょくがこの編成へんせいをベースに協奏曲きょうそうきょくいている。

  • 木管もっかん楽器がっき
    • フルート 2 ピッコロへのえあり
    • オーボエ 2 イングリッシュホルンへのえあり
    • クラリネット 2 バスクラリネットへのえあり
    • ファゴット 2 コントラファゴットへのえあり
  • 金管楽器きんかんがっき
    • ホルン 4
    • トランペット 2
    • トロンボーン 3
    • チューバ 1
  • 打楽器だがっき
  • 編入へんにゅう楽器がっき
  • 弦楽器げんがっき

ロマンから近代きんだいにかけてのさんかん編成へんせい

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さんかん編成へんせいは、フルートオーボエクラリネットファゴットかく2めいにそれぞれの派生はせい楽器がっきくわわって、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットのかくセクションが3めいとなる。ホルンは4めい程度ていどトランペットトロンボーンかく3めい程度ていどチューバ1めいとなる。打楽器だがっきティンパニ1〜2人ふたりふくむ6めい程度ていど編入へんにゅう楽器がっきハープ1めいにさらにチェレスタくわわることがある。この編成へんせい見合みあ弦楽げんがく人数にんずうはいわゆる「16がた[ちゅう 9]8-7-6-5-4プルト程度ていどであり、総勢そうぜい90めいほどである。

ワーグナーの「ジークフリート」はその最初さいしょ完全かんぜんかたち[10]といわれている。

日本にっぽんのオーケストラはさんかんたいして伝統でんとうてきに16がた対応たいおうしてきた(1980年代ねんだいまで)が、近年きんねんでは世界せかいてき常識じょうしきにあわせ14がたなおしているオーケストラが優勢ゆうせいになった。結果けっかてきさんかん編成へんせい完成かんせいさせた時期じきラヴェル活躍かつやくした時代じだいである。最終さいしゅうてきに、オーケストラにもっとてきしたサイズとされ国際こくさいてき標準ひょうじゅんになった。近年きんねんは、14がた下回したまわる3かん編成へんせいめずらしくなくなってきている[11]

近代きんだいから20世紀せいき中葉ちゅうようまでのよんかん編成へんせい

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よんかん編成へんせいでは、フルートオーボエクラリネットファゴットかくセクションが4めいとなる。ホルンも4から8にんトランペットトロンボーンが3〜4にんチューバが1〜2人ふたり打楽器だがっきティンパニ1〜2人ふたりふくむ7めい程度ていど編入へんにゅう楽器がっきは4めい程度ていど弦楽げんがくもいわゆる「18がた[ちゅう 10]の9-8-7-6-5プルト程度ていどとなり、総勢そうぜい100めいにものぼる。ワーグナーマーラーストラヴィンスキーベルク作品さくひんには、この規模きぼ作品さくひんおおい。その最初さいしょかたちベルリオーズレクイエム作品さくひん5やおなじくテ・デウムであるが、当時とうじはいわゆるばいかん機能きのうのユニゾンで、後年こうねんワーグナーがその「ニーベルングのゆびたまき」や「パルジファル」でその編成へんせい機能きのうてきにほぼ組織そしきした。

国際こくさいてきにはよんかん編成へんせいには16がた対応たいおうしており、18がたまれである。ホルンが4から8にんえるのは、ホルンは通常つうじょう1パートを2人ふたり編成へんせいするためよんかん編成へんせいだとばいの8にんとなる。そのワーグナーやブルックナーなどのきょくでホルン奏者そうしゃ一部いちぶワグナーチューバえるため奏者そうしゃ多数たすう必要ひつようとなる。チューバの本数ほんすうえない理由りゆうは、ぞうすうしたトロンボーンがバストロンボーンやコントラバストロンボーン、チンバッソなどチューバの音域おんいきまかなえる楽器がっきであるためにチューバのかずえないとかんがえられる。かつては3だいハープや3だいピアノも普通ふつうられたが、現在げんざいではハープや鍵盤けんばんだいえることはほとんどない。結果けっかてきに、よんかん編成へんせい完成かんせいさせた時期じきリヒャルト・シュトラウス活躍かつやくした時代じだいである。

  • 木管もっかん楽器がっき
  • 金管楽器きんかんがっき
    • ホルン 4か6、上記じょうき理由りゆう木管もっかんとのバランスをるために8ほんのときもある。
    • トランペット 3か4、補助ほじょれて5にん使つかうこともある。
    • トロンボーン 3か4
    • チューバ 1、バランスの関係かんけい2人ふたりのときもある。
  • 打楽器だがっきやく6にん
    • ティンパニ 1か2、4以上いじょう普通ふつうは6ないし8
    • その打楽器だがっき (4にんぐらい)
  • 編入へんにゅう楽器がっき
  • 弦楽器げんがっき普通ふつうは16がた

20世紀せいき以降いこうかん以上いじょう編成へんせい

編集へんしゅう

よんかん編成へんせいよりさらにおおきく、かくセクションが5にん平均へいきんとなるもの(かん編成へんせい相当そうとう)もある。ここでは、かくセクション4ほんずつのスタンダードの木管もっかん楽器がっきうえに、ピッコロイングリッシュホルンバスクラリネットコントラファゴットくわわったかたちおおい。ホルンは8にん以上いじょうトランペットは5から6にんトロンボーンおおきく3にんから5にんチューバ2人ふたり以上いじょうおおい。打楽器だがっきは7にん以上いじょう弦楽げんがく合奏がっそうは「20がた[ちゅう 11]の10-9-7-6-5プルトが一般いっぱんてきでさらにオルガンピアノチェレスタ・4にん以上いじょうハープギターマンドリンくこともある。リヒャルト・シュトラウスマーラーストラヴィンスキーほかに、シェーンベルクヴァレーズケージひとしがいる。管弦楽かんげんがくは120めいえる。

なお、これよりもさらにおおきな編成へんせいかれた巨大きょだい編成へんせい作品さくひんもある。リヒャルト・シュトラウスの「タイユフェ」作品さくひん52、ヴァレーズの「アメリカ」(1922年版ねんばん)、メシアンの「アッシジのせいフランシスコ」や「閃光せんこう」、ハヴァーガル・ブライアン交響曲こうきょうきょくまゆずみ敏郎としおの「涅槃ねはん交響曲こうきょうきょく」などがそれにあたる。なおこのような木管もっかん楽器がっき編成へんせいは、かくセクションがどう程度ていど人数にんずうというような形式けいしきにあまりてはまらず、フルートクラリネットおおくなるりには、オーボエファゴットはあまりおおくならない傾向けいこうがあり、金管楽器きんかんがっき相当そうとう変則へんそくてきになり、国際こくさいてき基準きじゅんというものはない。

20世紀せいき後半こうはん以後いごいちかん編成へんせい

編集へんしゅう

もっとちいさな編成へんせいに、木管もっかん楽器がっきが1にんずつ程度ていど編成へんせい[ちゅう 12]がある。ワーグナーの「ジークフリート牧歌ぼっか」は、基本きほんてき木管もっかんかく1めいホルン2、トランペット1、打楽器だがっきしで、つるもワーグナー自宅じたくでの初演しょえんは1にんずつであった。これは20世紀せいき後半こうはん室内しつないオーケストラを先取さきどりするものであったが、当時とうじは「オーケストラ」とはみなされていなかった。

ヴェーベルンの「5つの小品しょうひん作品さくひん10のようにおおくの打楽器だがっき鍵盤けんばん楽器がっきはいっていたり、おなじく作品さくひん21や29、シェーンベルク室内しつない交響曲こうきょうきょくだい1ばんのような変則へんそくてきなものもおおい。しかし、この「変則へんそくてきわせが20世紀せいき後半こうはん音楽おんがくでは優勢ゆうせいになる。室内しつないオペラはこの編成へんせいかれることがある。

戦後せんごはシェーンベルクにならい、管楽器かんがっきかず弦楽器げんがっき上回うわまわった室内しつないオーケストラは、20世紀せいき後半こうはん以降いこう数多かずおおい。ヘンツェのレクイエムは弦楽器げんがっきりょう管楽器かんがっきゆう上回うわまわ典型てんけいれいである。

楽器がっき配置はいち

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オーケストラの楽器がっき配置はいちいちれい(「ヴァイオリン両翼りょうよく配置はいち」)

オーケストラの楽器がっき配置はいち(Setting, Aufstellung)にはさまざまなやりかたがある。時代じだいによって、また指揮しきしゃ方針ほうしんによって工夫くふうかさねられてきた。

古典こてんてき配置はいち

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20世紀せいき前半ぜんはんからなかばにかけては、だい1ヴァイオリンとだい2ヴァイオリンを左右さゆうける楽器がっき配置はいちおおかった。これは「ヴァイオリン両翼りょうよく配置はいち」「対向たいこう配置はいち」などと通称つうしょうされている。

現代げんだいにおける一般いっぱんてき配置はいち

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一方いっぽう華麗かれいなオーケストラ・サウンドを追究ついきゅうつづけた指揮しきしゃレオポルド・ストコフスキーは、1930年代ねんだい独自どくじ楽器がっき配置はいちつくした。これは、客席きゃくせきからかって左側ひだりがわからだい1ヴァイオリン、だい2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロがならび、チェロの後方こうほうにコントラバスがかれる。つまり、客席きゃくせきからかってひだりからみぎにかけて、弦楽器げんがっき高音こうおんから低音ていおんへとならべるのである。この配置はいちは「ストコフスキー・シフト」と通称つうしょうされ、コンサートホールでのひびきが豊潤ほうじゅんになるという利点りてんとともに、1950年代ねんだいごろから一般いっぱんてきおこなわれるようになったレコードのステレオ録音ろくおんにもてきしているとみなされ、20世紀せいき後半こうはんには世界中せかいじゅうのオーケストラにひろまっていった。

以下いかに、現在げんざい使つかわれている近代きんだいてきなオーケストラの配置はいちいちれい方向ほうこうは、客席きゃくせきがわからたもの)をしめす。弦楽器げんがっきは「ストコフスキー・シフト」によっている。

  • 指揮しきしゃもっと前方ぜんぽう中央ちゅうおうつ。
  • 弦楽器げんがっき演奏えんそうしゃ2にんプルトむ。左側ひだりがわからだい1ヴァイオリン、だい2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、右側みぎがわ後方こうほうにコントラバスがならぶ。
    • ただし、楽団がくだんによってはヴィオラとチェロの位置いちえているところもある。
    • コンサートマスターは、だい1ヴァイオリンさい前列ぜんれつ客席きゃくせきがわすわる。
  • 木管もっかん楽器がっき弦楽器げんがっき後方こうほうに2れつならぶ。前列ぜんれつ左側ひだりがわからフルート、オーボエ、後列こうれつ左側ひだりがわからクラリネット、ファゴットがならぶ。
  • 金管楽器きんかんがっき木管もっかん楽器がっき後方こうほうに、左側ひだりがわからトランペット、トロンボーン、チューバがならぶ。ホルンはトランペットの左側ひだりがわに2れつならぶことがおおいが、右側みぎがわになることもある。
  • 打楽器だがっき金管楽器きんかんがっき後方こうほう、または舞台ぶたいひだりおく配置はいちされる。
  • ピアノ、ハープ:だい1ヴァイオリンの後方こうほう配置はいちされる。
  • 合唱がっしょう合唱がっしょうふくまれるきょく場合ばあい、オーケストラの後方こうほう合唱がっしょうだん配置はいちされる。

外部がいぶリンク: stage formation of orchestra (オーケストラの楽器がっきならかた

変則へんそくてき配置はいち

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現在げんざいのオーケストラはチューバが指揮しきしゃのすぐよこにいる[12]、またはハープが指揮しきしゃまえにいる[13]、などといった変則へんそく配置はいちたりまえになっている。

ルチアーノ・ベリオの「コロ」は声楽せいがく器楽きがく奏者そうしゃがペアをんですわ[14]

前衛ぜんえい時代じだい変則へんそく配置はいちたりまえ、という時代じだいだったが、現代げんだい音楽おんがく退潮たいちょうわせて本来ほんらい古典こてんてき配置はいちこの作曲さっきょくおおい。

指揮しきしゃ

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おおくの場合ばあい指揮しきしゃは(専属せんぞく契約けいやくむすんでいる場合ばあいでも)オーケストラの一員いちいんではない。演奏えんそうかいごとにちが指揮しきしゃ指揮しきをすることがおおい。しかし同時どうじに、おおくのオーケストラは「常任じょうにん指揮しきしゃ」(あるいは「首席しゅせき指揮しきしゃ」「音楽おんがく監督かんとく」)とばれる特定とくてい指揮しきしゃ長期ちょうきにわたって演奏えんそうおこなうため、その指揮しきしゃ任期にんきちゅうは、その指揮しきしゃ得意とくいなレパートリーや演奏えんそう様式ようしきによってオーケストラの個性こせい特徴付とくちょうづけられることがおおく、しばしば常任じょうにん指揮しきしゃ音楽おんがく監督かんとく名前なまえかんして「~時代じだい」などと言及げんきゅうされることもある。このような関係かんけいとしてとく有名ゆうめいなものれいしたげる。

日本人にっぽんじんにおいては、

団体だんたいめい在任ざいにん当時とうじ

常任じょうにん指揮しきしゃ以外いがい指揮しきしゃを「客演きゃくえん指揮しきしゃ」とぶ。おおくのオーケストラでは、多数たすう客演きゃくえん指揮しきしゃむかえることで、公演こうえんレパートリーの不足ふそくおぎなったり、あたらしい共演きょうえんにより芸術げいじゅつてき向上こうじょう目指めざすことがある。しかし、かつてのフルトヴェングラーやカラヤンのように、常任じょうにん指揮しきしゃ権限けんげんによって、自分じぶんにそぐわない指揮しきしゃ客演きゃくえんさせないというケースも存在そんざいする。

コンサートマスター/コンサートミストレス
おおくの場合ばあいだい1ヴァイオリンの首席しゅせき奏者そうしゃ。オーケストラ全体ぜんたい演奏えんそうをとりまとめ、指揮しきしゃ協力きょうりょくして様々さまざま指示しじす。日本にっぽんではコンマス(コンミス)とも略称りゃくしょうされる。
首席しゅせき
トップともいい、楽器がっき(ヴァイオリンの場合ばあいはパート)ごとのだい一人ひとり演奏えんそうしゃのこと。のパートと調整ちょうせいおこない、パートない様々さまざま指示しじす。職責しょくせきとしての首席しゅせきと、演奏えんそう位置いちとしてのトップがことなる場合ばあいもある。また、だい1ヴァイオリンの首席しゅせきは、コンサートマスターがだい1ヴァイオリンの場合ばあいには、これを兼務けんむせず、コンサートマスターとべつ場合ばあいがある。
次席じせきふく首席しゅせき
トップサイドともいい、首席しゅせき補助ほじょする。場合ばあいによって、職責しょくせきとしての次席じせき演奏えんそう位置いちとしてのトップサイドのことなる場合ばあいがある。
ライブラリアン
楽譜がくふ管理かんりする。
インスペクター
演奏えんそうめん以外いがいのことで、楽団がくだん全体ぜんたい仕切しきる。
ステージマネージャー
公演こうえんにかかわるすべての舞台ぶたい準備じゅんびおよび進行しんこう仕切しきる。公演こうえんごとの特殊とくしゅ楽器がっき手配てはい場合ばあいによっては製作せいさくすることもある)、劇場げきじょう、ホールとの舞台ぶたい関係かんけいわせをおこない、指揮しきしゃおよび演奏えんそうしゃわせたうえでの楽器がっき配置はいち仕切しきる。指揮しきしゃ、オーケストラの楽員がくいん、ソリストなどすべてのうごきを把握はあくし、曲目きょくもくにあわせてセットをえる責任せきにんう。日本にっぽんにおいては、ステージマネージャーは、オーケストラおよびホールのステージマネージャーをすことがおおい。また、日本にっぽんではかくオーケストラの専属せんぞく劇場げきじょう音楽おんがくホール専属せんぞく制作せいさく会社かいしゃ専属せんぞくのステージマネージャーがいる。

評価ひょうか

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2010ねん発行はっこうグラモフォンにおいて、"The world’s greatest orchestras"として、以下いかの20楽団がくだん選出せんしゅつされている[15]

  1. ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽かんげんがくだん
  2. ベルリン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん
  3. ウィーン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん
  4. ロンドン交響こうきょう楽団がくだん
  5. シカゴ交響こうきょう楽団がくだん
  6. バイエルン放送ほうそう交響こうきょう楽団がくだん
  7. クリーヴランド管弦楽かんげんがくだん
  8. ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん
  9. ブダペスト祝祭しゅくさい管弦楽かんげんがくだん
  10. ドレスデン・シュターツカペレ
  11. ボストン交響こうきょう楽団がくだん
  12. ニューヨーク・フィルハーモニック
  13. サンフランシスコ交響こうきょう楽団がくだん
  14. マリインスキー劇場げきじょう管弦楽かんげんがくだん (きゅう キーロフ歌劇かげきじょう管弦楽かんげんがくだん)
  15. ロシア・ナショナル管弦楽かんげんがくだん
  16. サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響こうきょう楽団がくだん
  17. ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽かんげんがくだん
  18. メトロポリタン歌劇かげきじょう管弦楽かんげんがくだん
  19. サイトウ・キネン・オーケストラ
  20. チェコ・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだん

オーケストラを題材だいざいにした作品さくひん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ イタリア発音はつおん[orˈkɛstra] オルストゥラ
  2. ^ 英語えいご発音はつおん: [ˈɔːrkɪstrə] ーキストゥラ
  3. ^ 吉田よしだ秀和ひでかず著書ちょしょ『ヨーロッパのひびき、ヨーロッパの姿すがた』において、欧州おうしゅうのオペラ上演じょうえん半数はんすう以上いじょうがドイツでおこなわれているとべている。
  4. ^ 団員だんいん解散かいさん対抗たいこうして自主じしゅてき演奏えんそう団体だんたいとしてのニュー・フィルハーモニア管弦楽かんげんがくだん結成けっせい
  5. ^ だい1ヴァイオリンが12めい
  6. ^ Pult:譜面ふめんだいのことで、2人ふたりで1つの譜面ふめんだいることから、1プルトは2めい相当そうとうする。
  7. ^ ハイドンの交響こうきょうきょく告別こくべつ」を参照さんしょう
  8. ^ だい1ヴァイオリンが14めい
  9. ^ だい1ヴァイオリンが16めい
  10. ^ だい1ヴァイオリンが18めい
  11. ^ だい1ヴァイオリンが20めい
  12. ^ いちかん編成へんせい相当そうとう
  1. ^ コーラス語源ごげん

出典しゅってん

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  1. ^ "オーケストラ". ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん. コトバンクより2023ねん7がつ24にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』「オーケストラ」
  3. ^ 室内しつない管弦楽かんげんがくだん. コトバンクより2023ねん7がつ24にち閲覧えつらん
  4. ^ https://www.nytimes.com/2021/12/21/arts/music/orchestra-labor-coronavirus.html
  5. ^ The Pandemic Struck Orchestras With Underlying Conditions Hard
  6. ^ 中日新聞ちゅうにちしんぶん、2020ねん4がつ18にち朝刊ちょうかん13めん
  7. ^ Sharron Gu. A Cultural History of the Chinese Language. McFarland & Company. p. 24. ISBN 978-0-78646-649-8
  8. ^ Monteverdi's Orchestra in L'Orfeo:Instruments Named in the 1615 Edition”. people.fas.harvard.edu. Harvard University. 2020ねん8がつ27にち閲覧えつらん
  9. ^ ニューグローブ音楽おんがく辞典じてん王宮おうきゅう花火はなび音楽おんがくこう
  10. ^ リヒャルト・シュトラウス補筆ほひつベルリオーズの管弦楽かんげんがくほうれい1
  11. ^ セントラル愛知あいち交響こうきょう楽団がくだん”. www.caso.jp. www.caso.jp. 2020ねん8がつ27にち閲覧えつらん
  12. ^ 木下きのした正道せいどう・オーケストラのためのサラユーケル・武満たけみつとおる作曲さっきょくしょう本選ほんせんかい
  13. ^ 江原えばらおさむ・「Les Fleaux」・日本にっぽん音楽おんがくコンクール本選ほんせんかい
  14. ^ ウニヴェルザール出版しゅっぱんしゃの「Coro」スコア序文じょぶん
  15. ^ The world’s greatest orchestras”. グラモフォン (雑誌ざっし) (2010ねん3がつ23にち). 2014ねん11月15にち閲覧えつらん
  16. ^ [1]
  17. ^ [2]

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Peter Raabe: Stadtverwaltung und Chorgesang, Rede bei einem Chorkongress in Essen (1928), in: Peter Raabe: Kulturwille im deutschen Musikleben, Kulturpolitische Reden und Aufsätze, Regensburg, 1936, S. 26-41.
  • Malte Korff (Hrsg.): Konzertbuch Orchestermusik 1650–1800. Breitkopf und Härtel, Wiesbaden 1991, ISBN 3-7651-0281-4.
  • Nina Okrassa: Peter Raabe - Dirigent, Musikschriftsteller und Präsident der Reichsmusikkammer (1872-1945), Köln 2004, ISBN 3-412-09304-1.
  • Orchester, Spezialensembles und Musiktheater. In: Deutscher Musikrat (Hrsg.): Musik-Almanach. Daten und Fakten zum Musikleben in Deutschland, Bd. 7 (2007/08), 2006, S. 733–823, ISSN 0930-8954.
  • Gerald Mertens: Kulturorchester, Rundfunkensembles und Opernchöre, Deutsches Musikinformationszentrum 2010 (Volltext; PDF; 963 kB)
  • Raynor, Henry (1978). The Orchestra: a history. Scribner. ISBN 0-684-15535-4.
  • Sptizer, John, and Neil Zaslaw (2004). The Birth of the Orchestra: History of an Institution, 1650-1815. Oxford University Press. ISBN 0-19-816434-3.
  • Marcello Sorce Keller, “L’orchestra come metafora: riflessioni (anche un po’ divaganti) a partire da Gino Bartali”. Musica/Realtà, luglio 2010, no. 92, pp. 67-88.
  • 伊福部いふくべあきら 完本かんぽん管絃楽かんげんがくほう
  • ニュー・グローブ音楽おんがく辞典じてんだいはん Instrumentation and Orchestration
  • MGG オーケストラのこう

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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