フルート
フルートは、
フルート | ||||||||||
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コンサート・フルートの | ||||||||||
概要
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フルートはキーを
歴史
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古代 〜ルネサンス時代
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フルートを
それでは、
-
『 喜 びを与 えん』作者 不 詳 (1520年 頃 )
バロック時代
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17
この
管 体 が3分割 、のちに4分割 されており、結合 部 を抜 き挿 ししたり管 を交換 することによって、ピッチの調節 が可能 になった。- トーンホールは7つに
増 え、上流 側 の6つはルネサンス・フルートと同様 に指 で直接 ふさぐ。最下 流 の1つは指 が届 かないので、右手 小指 で押 すと穴 が開 くシーソー形 のキーが付 いており[注 1]、この形態 から「1キー・フルート(1鍵 式 フルート)」とも呼 ばれている[14]。このキーのおかげで、ルネサンス・フルートには最 も出 しにくかった半音 D#(E♭)が容易 に出 せるようになった[注 2]。 管 の内面 はルネサンス・フルートのような円筒 形 ではなく、頭部 管 から足 部 管 に向 かって次第 に細 くなる円錐 形 になっている。これによって、ルネサンス・フルートの明 るく開放 定期 なものから、ややこもった暗 い感 じに音色 が変化 したものの、低音 から高音 まで音色 の統一 感 が向上 した。アムステルダムの木管 楽器 製 作家 リチャード・ハッカ(1645年 - 1705年 )の作 った3分割 フルートが、現存 する最古 のバロック・フルートであるとされるが、この仕組 みがいつ頃 誰 によって最初 に考 え出 されたのかは定 かではない[5]。
こうした
しかし、キーが
古典 派 〜ロマン派 初期
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18
キーが
クロスフィンガリングが
こうしたフルート
ベーム式 フルートの登場
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1820
1832
半音 を出 すトーンホールも含 めて径 を大 きくし、大 きな音 を出 すことを可能 にした。運 指 が変更 されることになるのを厭 わず、リングキーと精緻 なリンク機構 を採用 して、1本 の指 で複数 のトーンホールを同時 に操作 できるようにし、その上 で管 体 構造 をC管 に作 り変 えた。このいわゆるベーム式 メカニズムによって運動 性能 が向上 すると共 に、長大 なレバーのないすっきりした外観 となった。(ただし、リングキー自体 は1808年 にフレデリック・ノランが開発 したものであり、キーメカニズムのポストの構造 は1806年 のクロード・ローランの発明 を応用 したものである[5][10]。)新 しいキーメカニズムの開発 に当 たり、Esキーとトリルキーを除 く全 てのキーを「常時 開 」とし、「必要 なときだけ閉 じる」方式 を採用 した。これにより、演奏 時 に開 いているトーンホールが増 えて通気 が改善 され、音色 が均質 になると共 に、さらに音量 を増 す効果 が得 られた[注 3]。
このモデルはいわゆるGisオープン
ベームはその
円錐 形 だった胴 部 管 を円筒 形 にし、音響 学 に基 づいてトーンホールの位置 を決 め直 した。同時 に、高 音域 のピッチ改善 のため、円筒 形 だった頭部 管 を略 円錐 形 にした。これにより、円筒 管 だったルネサンス・フルートの持 つ明 るい音色 を取 り戻 すことができた。管 体 を木製 から金属 (銀 )製 に変更 した。これにより、トーンホールをさらに大 きくすることができ、割 れないよう油 を塗布 する必要 もなくなった。- 1832
年 のモデルで採用 したリングキーは廃止 して、トーンホールを全 てキーで開閉 する方式 (いわゆるカバードキー)とした。これにより、女性 など指 が細 い奏者 でも大 径 のトーンホールを容易 かつ確実 にふさぐことができるようになり、運動 性能 がさらに向上 した。
このモデルもGisオープン
ベーム
ロマン派 中期 以降
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ベームが1847
1860
近 現代
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ベーム
発音 原理 と音域
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フルートの
コンサート・フルートの
最低 音 からB4までの音域 は、低 音域 あるいは第 1オクターヴなどと呼 ばれる。音量 は小 さく、特 に最低 音 に近 いいくつかの音 は明瞭 な発音 が難 しいが、幅広 く柔 らかい音色 を特徴 とする。- C5からB5までの
音域 は、中 音域 あるいは第 2オクターヴなどと呼 ばれる。C#5の音 はトーンホールが小 さいため響 きがあまり良 くなく、E5からF#5は音 が割 れやすいなど難 しいところもあるが、表情 豊 かな音色 を持 ち、音量 の制御 も比較的 容易 である。 - C6からC7の
音域 は、高 音域 あるいは第 3オクターヴなどと呼 ばれる。後述 のようにキーメカニズムの関係 でE6やF#6などの音 が出 しにくい上 、ほとんどの音 はピッチが高 目 であり、用 いる倍音 モードが音 によって変 わるため音色 を揃 えるのが難 しく、運 指 も不規則 で覚 えにくいが、明 るく輝 かしい音色 で、音量 も比較的 大 きい。 - C7より
上 の音域 は、第 4オクターヴなどと呼 ばれ、F7までの運 指 が比較的 広 く知 られているが、高 い音 ほど発音 が難 しい。この音域 が開発 されたのは20世紀 に入 ってからであり、現代 音楽 で使用 されることがあるが、楽器 によって発音 の難易 度 やピッチのばらつきが大 きく、運 指 法 も一定 していない。
C4 - C#5:基音 (H足 部 管 の場合 はB3も含 む) D5 - C#6:第 2倍音 D6 :第 2倍音 、第 3倍音 D#6 - B6:第 3倍音 、第 4倍音 、第 5倍 音 (音 により異 なる) C7 :第 4倍音 、第 5倍音 、第 6倍音
モダン・フルートは、すべての
構造
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頭部 管
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胴 部 管
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インラインとオフセット
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ベーム
- インラインは、
胴 部 管 上 側面 のキーが全 て一直線 に並 んでいるタイプである。 - オフセットは、
左手 の薬指 キーが外側 (左腕 に近 い方 )に少 しずれていて、薬指 が届 き易 いよう配慮 したタイプであり、ベームが製作 した楽器 はすべてオフセットであった。
カバードキーとリングキー
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- カバードキー[
注 4]は、キーに取 り付 けられたタンポでトーンホール全体 をふさぐ方式 のフルートである。 - リングキー[
注 5]のフルートは、指 が置 かれる5つのキー(左手 の中指 、薬指 、右手 の人差指 、中指 、薬指 )の中心 に穴 があいており、指 でその穴 をふさいで演奏 する。押 さえていないトーンホールは開放 されているため、カバードキーより音色 が軽 く明 るい。技術 的 には、穴 をふさぐ程度 を変化 させることによって、ポルタメント、微分 音 などの技法 が楽 に演奏 できるようになるほか、ピッチ調節 などのための替 え指 もカバードキーより多 く利用 でき、重 音 のための特殊 な運 指 の幅 も大 きく広 がるが、穴 を正確 にふさがなければならないため運動 性能 が若干 劣 り、初心者 や、手 が小 さい、あるいは指 が細 い奏者 には演奏 が難 しいこともある。
タンポ(パッド)
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カバードキーで
フルートは、タンポとトーンホールの
C足 部 管 とH足 部 管
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- トーンホールが3つのものはC
足 部 管 で、最低 音 はC4である。 - トーンホールが4つのものがH
足 部 管 で、最低 音 はB3である。英語 式 にB(ビー)足 部 管 (B foot joint)と呼 ぶこともあるが、日本 ではドイツ音 名 により H(ハー)足 部 管 (H-Fuß)と呼 ぶのが一般 的 である。マーラーやショスタコーヴィチほかの交響曲 を演奏 するにはH足 部 管 が必須 である。また、最低 音 が低 くなる分 倍音 が安定 して出 しやすいメリットもある。ただしH足 部 管 は長 い分 重量 があり、通気 が多少 なりと阻害 されて音色 がわずかながら暗 めになるとされている。これを補 うため、通気 の良 いリングキーを併用 する楽器 が多 い。
Gisオープン式 とGisクローズ式
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Gisトーンホールを1つだけ
- Gisオープン
式 では、左手 薬指 を押 すとAトーンホールが閉 じ、左手 小指 を押 すとGisトーンホールが閉 じる。つまり、AトーンホールのキーとGisトーンホールのキーは独立 している。 - Gisクローズ
式 では、2つのGisトーンホールのうち一方 は常時 開 、他方 は常時 閉となっており、常時 開 のGisトーンホールのキーとAトーンホールのキーは連結 されている。左手 薬指 を押 すとAトーンホールと常時 開 のGisトーンホールが連動 して閉 じ、左手 小指 を押 すと常時 閉のGisトーンホールが開 く[注 7]。実際 にG#の音 を出 すのは常時 閉のGisトーンホールであり、常時 開 のGisトーンホールは他 の音 を出 すときの通気 の役目 を果 たしている。
Gisオープン
Eメカニズム
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Fisメカニズム
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Gisオープン/クローズいずれのフルートでも、
Cisトリルキー
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B-C#のトリルでは、
Cisトリルキーを
しかし、
G-Aトリルキー
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ソルダードトーンホールとドローントーンホール
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- ソルダードトーンホールは、
管 体 となるパイプに別 の部品 をはんだ付 けすることによりトーンホールを作成 する。 - ドローントーンホールは、パイプそのものを
引 き上 げ加工 してトーンホールを形成 する。
20
材質
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フルートは
ベームを
洋銀 (洋 白 )- フルートの
材質 として最 も多 く用 いられているのは洋銀 である。古 いものでは「マイユショール(フランス語 : maillechort)」と表記 されていることもある。洋銀 製 といっても、実際 は部品 により洋 白 と白銅 が使 い分 けられており、劣化 の抑制 と外観 の向上 を目的 として、銀 メッキが施 されているものが多 い。比較的 安価 で加工 しやすく奏 した際 の反 応 も良 いが、人 の汗 や摩耗 による劣化 が早 いため、一般 的 には何 十 年 と愛用 するには不向 きであるとされている。 - しかし、フルート
界 の巨匠 モイーズが終生 愛用 していたフルートは洋銀 製 であった。素材 の品質 が良 く、十分 な手入 れがなされれば、洋銀 製 でも何 ら問題 なく長期間 の使用 に耐 えられる。 - ただし、
洋 白 や白銅 は合金 成分 としてニッケルを含 むため、銀 メッキされていても稀 に金属 アレルギーを引 き起 こすことや、メッキが浮 き、緑青 が表面 にみられる場合 もある。特 にアレルギー体質 の人 は、唇 に直 に触 れるリッププレートや頭部 管 だけでも銀製 の楽器 を選択 するなどの配慮 が望 ましい。 銀 - ベーム
式 フルートの材質 として、テオバルト・ベーム自身 が最 も適 していると結論 づけたのが銀 である。「薄 く軽 い銀 の引 き抜 き管 が、内部 の空気 柱 と共 に振動 する能力 に優 れており、木 の管 より楽 に輝 かしく大 きな音 で鳴 る」と著書 [4]の中 で述 べているが、科学 的 根拠 が示 されているわけではない。 銀 はいわゆる貴金属 の中 では最 も軽 く、加工 が容易 で、経年 による劣化 が少 なく、木材 と違 って割 れることもない。イオウなどと反応 しやすい金属 なので、長年 使用 すると表面 に黒色 の皮膜 を生 ずるが、性能 への悪影響 はなく、軽 く研磨 するだけで除去 できる。金 - フルートには、5
金 (5K;5カラット)から24金 まで幅広 い純度 の金 が用 いられている。金 以外 の成分 の含有 率 によって色 や比重 が変化 し、吹奏 感 も変 わるが、総 じて反応 が良 く、倍音 が多 いといった利点 があるとされ、「金 (のフルート)は遠 達 性 が良 い」「遠鳴 りする」などと表現 されることもある。 - しかし、
上記 の通 り管 体 の材質 によって音 が変 わることはない[15]のであって、利点 としては、安定 した金属 なので長年 使用 しても美 しい外観 を損 なう事 がないということに尽 きる。純金 に近 いものほど高価 になる上 に、重 くなるので演奏 には体力 が必要 になる。銀製 のフルートにメッキとして使用 されることも多 い。 白金 (プラチナ)白金 は密度 が高 いため非常 に重 く、これで作 られたフルートは激 しい吹 き込 みにも耐 えられるとされ、金 と並 んで「フォルテ側 の余裕 が大 きい」などといわれることがある。- しかし、これにも
何 ら科学 的 な根拠 など存在 せず、人間 の吹 き込 む息 やフルートの音圧 程度 なら、密度 が低 く軽 いアルミニウム合金 で十分 耐 えられる。白金 は頭部 管 と本体 パイプにのみ用 いられ、キー等 の細 かいパーツの成形 は技術 的 に難 しい。極 めて高価 な上 、24金製 以上 に重 いので、演奏 には強靭 な体力 が要求 される。銀製 フルートに白金 メッキを施 したモデルもある。 木 - ベーム
式 のキーメカニズムを持 ち、管 体 のみ木製 のフルートは現在 も作 られており、管 体 にはグラナディラ、黒檀 などが用 いられている。音量 や音程 、運動 性 などは普通 の総 金属 製 モダン・フルートと変 わらないが、倍音 が少 なく、トラヴェルソを想起 させる柔 らかい音質 が特徴 といわれる。 - しかし、タンギングを
含 むトラヴェルソ特有 の演奏 テクニックが再現 できるわけでもなく、あくまでも「木製 のモダン・フルート」に過 ぎない。良質 の木材 でも割 れる可能 性 が完全 には排除 できないので、メンテナンスには木製 トラヴェルソと同様 の注意 を要 する。 - その
他 - 「
入門 用 」などと称 して売 られている安価 なフルートには、黄銅 (真鍮 )で作 られているものもある。ニッケルメッキや銀 メッキが施 されていて、外観 は銀色 であるが、ニッケルや黄銅 は金属 アレルギーのリスクが高 いので、注意 が必要 である。 金 と銀 の合板 (クラッド材 )や、ステンレス、タングステン、チタン、アルミニウム合金 等 、さまざまな材質 によるフルートが試作 ・商品 化 されているが、いずれも特段 のメリットはなく、一般 に普及 するには至 っていない。- プラスチック
製 は軽量 で安価 なため入門 用 として作 られている。また金属 と違 って多少 の衝撃 が加 わっても管 体 が凹 むことがなく、水 に濡 れても錆 びない、金属 アレルギーのリスクが無 いといった利点 がある。上記 の通 り管 体 の材質 によって音 が変 わることはないが[15]、歴史 が浅 いため加工 精度 や耐久 性 共 に未知数 である。
特殊 奏法 (現代 奏法 )
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フルートは
- エオリアン・トーン(
英 :aeolian tone) - ブレス・トーンともいう。
発音 と同時 に息 が歌口 や歯 の間 から漏 れる噪音を発 する奏法 。通常 の奏法 からライザー部 にあてる空気 の柱 を極端 にぼかすことにより生 じる。楽音 は存在 するが空気 の流 れる音 の占 める割合 のほうが大 きい。この割合 が作曲 者 によって細 かくパーセント記号 で指示 されている物 もある。 - キー・パーカッション(
英 :key percussion) - キー・クリック、キー・クラップとも。キーを
強 めに叩 くことにより、打楽器 的 効果 を狙 った奏法 。エドガー・ヴァレーズの『密度 21.5』で初 めて用 いられたが、この曲 に登場 する奏法 は、厳密 にはスタッカートの通常 奏法 とキー・パーカッションとの併用 である。 口笛 (英 :whistle)歌口 内 に口笛 を吹 くことによって通常 の口笛 よりもフルートの管 に共鳴 させた音 を作 り出 す。その際 発生 する音 は運 指 の自然 倍音 列 上 の音 である。口笛 を吹 きながらフルートの通常 音 を鳴 らすことは不可能 であるが、口笛 の音 +エオリアン・トーンであれば可能 である。- ジェット・ホイッスル(
英 :jet whistle) 歌口 を唇 で完全 に覆 い、息 を激 しく吐 き出 すことにより発生 した息 音 を使用 する奏法 。唇 、フルートの角度 を瞬時 に変化 させることで息 音 内 に含 まれる楽音 を自然 倍音 列 に従 い上昇 、下降 させることができる。発生 する音 は運 指 によっても変化 する。重 音 奏法 (英 :multiphonic)特殊 な運 指 によりふたつ以上 の音 を同時 に出 す奏法 。運 指 により、調 性的 な和音 に近 いものから、割 れたような荒々 しい音 も出 すことができる。R・ディックのフライング・エチュードではこの重 音 奏法 が全体 にわたり使用 されている。小泉 浩 、P・E・アルトー、A・ニコレの著書 などに重 音 の運 指 が示 されている。循環 呼吸 (英 :circular breathing)口腔 内 の空気 を吐 き出 して演奏 しながら、鼻 から息 を吸 うことによって、息継 ぎによる中断 なしに発音 し続 ける奏法 。フルートは他 の管楽器 に比 べて空気 の消費 が多 い楽器 であり、循環 呼吸 をマスターすることにより音楽 的 な質 をより高 めることができるとされる。A・ニコレ、P・ガロワ、R・ディック、W・オッフェルマンズ等 の著書 に「循環 呼吸 」について解説 されている。- スラップ・タンギング(ピッツィカート)(
英 :slap tonging、伊 :pizzicato) - リップ・ピッツィカート、クアジ・ピッツィカートとも。
弦楽器 のピッツィカートに似 た音響 を発 する奏法 。通常 のタンギングの圧力 を高 める方法 の他 、いくつかの方法 がある。グランド・フルートではC4(H足 部 管 つきでB3) - D#5までは通常 の運 指 で、さらにオクターヴキーを開 ける、その他 の操作 をすることによりD#6まで発音 可能 。 - ダブルタンギング(
英 :double tonguing) 古 くからある特殊 奏法 。タンギングにおいてTとKの子音 を用 い、速 い舌 突 きの必要 とされるパッセージをTKTKTKと奏 する。全 ての管楽器 で可能 なテクニックであるが、難易 度 はフルートがもっとも低 く、ロマン派 の技巧 的 な変奏曲 や近代 の作品 を演奏 するのに必要 不可欠 である。- トリプルタンギング(
英 :triple tonguing)は、ダブルタンギングから派生 したもので、3つ単位 の音符 をTKTTKTなどのように区分 けする。 - ダブルトリル(
英 :double trill) 通常 は2音 間 を行 き来 するトリルを2本 の指 で行 うことにより往復 の速度 が倍 になったもの。左手 は楽器 を保持 する必要 がある為 、右手 で行 われることが多 い。運 指 によりアグレッシブな効果 から不思議 な音響 まで出 すことができる。リングキーかカバードキーかで可能 なダブルトリルの種類 は異 なる。フルート音楽 においてのダブルトリルの使用 例 はサルヴァトーレ・シャリーノの『感謝 の歌 Canzona di ringraziamento 』に多用 され、後述 のタングラムの項 に挙 げる『魔法 はどのように生 み出 されるか Come vengono prodotti gli incantessimi? 』と連続 して演奏 される。『感謝 の歌 』では二 つのトリルキーを交互 に連打 することにより不思議 な音響 空間 を生 み出 している。- タングラム(
英 :tongue ram) 唇 全体 で歌口 を覆 い、舌 をライザー部 に当 てることにより、打撃 音 を生 み出 す。空気 を吸 いながら行 う事 も可能 。これによりフルートは閉管構造 として共鳴 するため、運 指 よりも長 7度 低 い音 が出 る。グランド・フルートでは運 指 上 でC4(H足 部 管 つきでB3) - D#5まで可能 、実音 ではC#3 (C3) - F4までの音 が出 る。サルヴァトーレ・シャリーノは『魔法 はどのように生 み出 されるか Come vengono prodotti gli incantessimi? 』でこの奏法 を積極 的 に用 いており、太鼓 の連打 音 のような音響 を生 み出 している。- ドッペルトレモロ(
独 :Doppeltremolo) 通常 のトレモロに息 の圧力 を加減 してオクターヴの上下 を加 えたもの。作品 内 ではポルタメントや発声 奏法 も併用 されている。- ハーモニクス(
英 :harmonics、倍音 奏法 ) - フラジオレット(
英 :flageolet)とも。低 音域 の運 指 のまま高 い倍音 を出 す奏法 。第 2倍 音 (1オクターブ上 )、第 3倍 音 (1オクターブと完全 5度 上 )、第 4倍 音 (2オクターブ上 )、第 5倍 音 (2オクターブと長 3度 上 )、第 6倍 音 (2オクターブと完全 5度 上 )などが出 せる。まれに第 7倍 音 (2オクターブと短 7度 上 、平均 律 より6分 音 つまり約 33セント下 )も指定 される。曲 によって力強 い音 を出 したり、弦楽器 やハープのハーモニクスのような虚 ろな音響 効果 を要求 したりとさまざまである。フランツ・ドップラーがハンガリー田園 幻想曲 の第 1楽章 の終 わりに用 いている他 、ハーモニクスの和音 がストラヴィンスキーの春 の祭典 にも登場 する。倍音 成分 の度合 いを変化 させることで重 音 を出 すことも可能 。 - バズィング(
英 :buzzing) - トランペット・アンブシュール(trumpet embouchure;
英 仏 混合 語 )とも。歌口 に対 し唇 を閉 じた状態 で押 し付 け金管楽器 のバズィングと同 じやり方 で唇 を振動 させ音 を鳴 らす奏法 。舌 を両 唇 に挟 むことで金管楽器 でいうペダルトーンに似 た効果 も出 せる。息 の圧力 や指 を変 えることで色々 な音域 が出 せるが、フルートのマウスピースや管 はバズィングには向 いていないためスケールは安定 しにくい。非常 に高 い圧力 が必要 なため唇 の負担 が大 きいので、長時間 のバズィング奏法 は注意 が必要 である。 発声 奏法 (英 :playing with voice)通常 演奏 と同時 に声 を出 すことにより差 音 がハウリングを伴 い発生 する奏法 。フルートの一 音程 の通常 音 と同時 に奏 した場合 に、高 声 と低 声 では発生 する差 音 に違 いが生 じるため男女 でこの奏法 の内容 は大 きく異 なる。フルートと違 う音程 を同時 に歌 うことにより和音 が、リズムをずらすことにより二重奏 が可能 である。- グロウル(
英 :growl)は発声 奏法 の一 つで、フルートの旋律 と同 じ動 きで歌 う奏法 。ややグロテスクな音質 になり、サックスやギターにも負 けない音圧 、音量 に変化 できるためジャズのアドリブなどで好 んで使 われる。 - ビートボクシング・フルート(
英 :beatboxing flute) - フルートウィズボイスパーカッションとも。フルートの
特殊 奏法 とは厳密 には異 なるが、2007年 ごろYouTube上 で、アメリカのフルーティスト、G・パティロによるヒューマンビートボックス(ボイスパーカッション)をしながらフルートを演奏 する動画 が話題 となった。フルートを構 えバスドラム、スネアドラム、ハイハットのような音 と同時 にメロディやアドリブを演奏 するというものである。 - ビスビリャンド・トリル(
伊 :bisbiliando trillo) - カラートリルとも。
運 指 から離 れた下 のほうのキーを開閉 することにより、同音 上 で微妙 に異 なる音色 によるトリルが可能 。運 指 によっては替 え指 が微分 音 下方 になることもある。武満 徹 が1980年代 以降 の作品 で多用 したのはビスビリャンドに似 た四 分 の一 音 下 を含 むホロートーントリルであり、特 に『海 へ(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)』において効果 的 に聞 くことができる。トリスタン・ミュライユはトリルではなく非常 にゆっくりとした長 い音符 の交替 による音色 の変化 を好 んで用 いる。 - フラッターツンゲ(
独 :Flatterzunge、巻 き舌 ) - フラッター、フラッター・タンギング(
英 :flutter tonguing)とも。巻 き舌 やうがいをするように喉 を震 わせることにより、トレモロ的 効果 を生 み出 す奏法 。舌 だと荒 めに、喉 ではマイルドになる。オーケストラではリヒャルト・シュトラウスが用 いたのが最初 とされている。ショスタコーヴィチの交響 曲 第 8番 の第 4楽章 の冒頭 、イベールのフルート協奏曲 の第 3楽章 カデンツァなどに使用 例 が見 られる。遺伝 的 な理由 によって舌 でのフラッタータンギングを苦手 とする奏者 もいることに注意 が必要 である。その場合 は喉 で代替 される。 - マウスピースを
唇 で覆 いながらフラッターをすることにより管内 に響 く音 を造 り出 すという奏法 も存在 する。運 指 よりも長 7度 下 の音 が鳴 り、タングラムに似 た効果 が巻 き舌 で持続 する。 - ホイッスル・トーン(
英 :whistle tone) - ウィスパー・トーンとも。
息 を送 る具合 を調節 することにより、高 音域 において倍音 音 列 に基 づく非常 に虚 ろな音 を出 す奏法 。フルートの特殊 奏法 の中 でもとりわけ音量 の小 さいものに分類 され、大 きなホールの後部 座席 まで十分 に届 くほどの音量 はない。 歌口 を唇 で完全 に塞 ぎ口内 の内径 を変化 させることによりホイッスルトーンと似 た音 を奏 することもできる。- ホロートーン(
英 :hollow tone) - バンブートーン(
英 :bamboo tone)とも。特殊 な運 指 によって通常 の奏法 では出 せないくぐもった音 を出 す奏法 。ホロートーンは武満 徹 のフルートソロに必 ずといって良 いほど登場 する。木管 の民俗 楽器 に似 せるため、あえてスケールや音程 、音質 が不安定 になる運 指 とする。運 指 表 はオランダの奏者 W・オッフェルマンズの物 がある。 - むら
息 (英 :breath noise、尺八 奏法 ) 上記 のエオリアン・トーンをより激 しくし、アクセントを加 えた奏法 。曲 によっては日本 の尺八 を想起 させる。尺八 奏法 というとこのむら息 と同時 に激 しいビブラートも組 み合 わせる。
教則 本
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モダン・フルートの
- 『ALTÈS FLUTE METHOD フルート
教則 本 (第 1巻 〜第 3巻 )』比 田井 洵 編著 、Japan Flute Club - 『アルテス・フルート
奏法 第 一 巻 』植村 泰一 訳 ・解説 、シンフォニア ISBN 978-4-88395-580-0 - 『アルテス・フルート
奏法 第 二 巻 』植村 泰一 訳 ・解説 、シンフォニア ISBN 978-4-88395-499-5 - 『H. アルテス フルート
教本 I』堀井 恵 監修 、トリム出版 ISBN 4-925199-10-2 - 『H. アルテス フルート
教本 II-1』堀井 恵 監修 、トリム出版 ISBN 4-925199-11-0 - 『H. アルテス フルート
教本 II-2』堀井 恵 監修 、トリム出版 ISBN 4-925199-12-9 - 『アルテス フルート
教本 <初級 >』山下 兼司 編著 、ドレミ楽譜 出版 社 ISBN 978-4285106503
同属 楽器
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フルート
ピッコロ | 1オクターヴ |
|
G |
||
F |
||
Es (3 |
||
フラウト・トラヴェルソ | ||
フルート (コンサート・フルート) (グランド・フルート) |
H | |
フルート・ダモーレ | ごく | |
アルトフルート | ||
バスフルート | 1オクターヴ |
|
コントラアルトフルート[30][31] | 1オクターヴ + |
|
F |
1オクターヴ + |
|
コントラバスフルート[32] | 2オクターヴ |
|
G |
2オクターヴ + |
|
F |
2オクターヴ + |
|
C (ダブルコントラバスフルート) |
3オクターヴ |
|
ハイパーバスフルート | 4オクターヴ |
フランチェスコ・ロメイによって2001 |
主 なメーカー
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日本 -
- アイハラ / Aihara
- アキヤマ / AKIYAMA FLUTE / アキヤマフルート
- アザレア・フルート / AZALEA FLUTE(2020
年 にイワオフルートより変更 [39] / イワオ楽器 製作所 )[注 8] - アルタス / Altus FLUTE
- カワイ / Kawai Flutes /
株式会社 河合楽器製作所 - コタケ / KOTAKE FLUTE /
小竹 管楽器 製作所 - コタト&フクシマ / Kotato&Fukushima Flute /
古田 土 フルート工房 - サクライ / SAKURAI FLUTE /
桜井 フルート製作所 - サンキョウ / SANKYO FLUTE /
三 響 フルート製作所 - タムラ / Tamura (
頭部 管 のみ) - トヨダ/Toyoda (
頭部 管 のみ)/豊田 フルート - ナツキ / ナツキフルート
- ノマタ / Nomata / Nomata Flute SA
- パール / Pearl Flute / パール
楽器 製造 株式会社 - FMCフルートマスターズ / FMC Flute Masters
- ヘルナルス / Hernals / オガワ
楽器 製作所 - マテキ / MATEKI FLUTE(2019
年 末 に廃業 )[40][41] - ミヤザワ / The Miyazawa Flute / ミヤザワフルート
製造 株式会社 - ムラマツ / The Muramatsu Flute /
株式会社 村松 フルート製作所 - ヤナギサワ / YANAGISAWA / アトリエ ヤナギサワ
- ヤマダ / YAMADA /
山田 フルート・ピッコロ工房 - ヤマハ / YAMAHA /ヤマハ
株式会社
- アメリカ
-
- アームストロング / Armstrong
- アートレイ/Artraytray
- アルメーダ / Almeida
- アリスタ / Arista
- ウイリアムス / Williams
- エマーソン / Emerson
- エマニュエル / Emanuel
- オルフェウス / Orpheus Musical Instruments
- ゲマインハート / Gemeinhardt
- ゴードン / Gordon (
頭部 管 のみ) - シェリダン / D.Sheridan (ドイツ、
現在 はアメリカ) - ジョン・ラン / JOHN LUNN FLUTES
- ストロビンガー / Straubinger Flutes (キー・パッドのメーカーとしても
有名 ) - A.セルマー / A.Selmer
- ソナーレ / Sonare (アメリカ・
台湾 ) - トム・グリーン / Tom green
- トム・レイシー / Tom Lacy
- ナガハラ / NAGAHARA Flutes
- パウエル / VERNE Q.POWELL FLUTES
- バーカート / Burkart-Phelan Inc.
- ブランネン・ブラザース / Brannen Brothers - Flutemakers Inc.
- ヘインズ / THE HAYNES FLUTE / Wm.S.HAYNES Co.
- ランデール / Jonathon A.Landell / Landell Flute
- ロパティン / Lopatin
- イギリス
-
- ステファン・ウェッセル / Stephen Wessel
- ロバート・ビギオ / Robert bigio
- オーストリア
-
- トマジ / W.Tomasi
- オランダ
-
- エヴァ・キングマ / Eva Kingma
- エロイ / Eloy
- フィンランド
-
- マティット / Matit
- ドイツ
-
- カワイ・メーニッヒ
- A.R.ハンミッヒ / August Richard Hammig
- H.ハンミッヒ / Helmuth Hammig
- J.ハンミッヒ / Johannes Hammig
- Ph.ハンミッヒ / Philipp Hammig
- シェリダン / D.Sheridan (
現在 はアメリカ) - フォークト / Horst Voigt
- ブラウン / Braun
- マンケ / Mancke (
頭部 管 のみ) - メナート / F.Mehnert
- ラファン / J.R.Lafin (
頭部 管 のみ) - ロバーツ / Roberts
台湾 -
- アルパイン / Alpine
- オリエント / ORIENT
- グロリア / Gloria
- ゴウ・ブラザース / Guo Brothers
- A.D.ジェフリー
- ジュピター / Jupiter Flute
- スプレンダー
- ソング/ Song(
頭部 管 のみ)/song - ソナーレ / Sonare (アメリカ・
台湾 ) - ディメディチ / Dimedici
- マックストーン / Maxtone (
台湾 ) - マルカート / The Marcato Flute
中国 -
- ケルントナー / Kaerntner
- サバレイ / SAVALEY
- スタッフォード・ウィンド / Stafford Wind
- セレクション / Selection
- J.マイケル / J.Michael
歴史 的 メーカー(ベーム式 のメーカーを記載 )-
- イギリス
- トーマス・プラウゼ / Thomas Prowse
- ルーダル・カルテ/ Rudall Carte
- フランス
- クエノン(ケノン) / Couesnon.S.A
- クランポン / Crampon
- ゴッドフロワ / Godfroy
- ベルショー / Bercioux
- ボンヴィル(ボンヌヴィル) / Bonneville
- リーヴ / Rive
- ルイ・ロット(ルイ・ロー) / Louis Lot
- ルブレ/ Leblet
- ドイツ
- リッタースハウゼン / Rittershausen
- イギリス
補遺
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- アルト・フルート
使用 曲 -
- モーリス・ラヴェル:バレエ
音楽 『ダフニスとクロエ』 - イーゴリ・ストラヴィンスキー:バレエ
音楽 『春 の祭典 』 - グスターヴ・ホルスト:
組曲 『惑星 』より「土星 」「海王星 」(スコアにはバス・フルートと記載 されているがアルト・フルートを指 している) - ピエール・ブーレーズ:『ル・マルトー・サン・メートル(
主 なき槌 )』 武満 徹 :室内楽 曲 『海 へ』1 - 3- ドミートリイ・ショスタコーヴィチ:
交響 曲 第 7番 伊福部 昭 :映画 音楽 『フランケンシュタイン対 地底 怪獣 』のフランケンシュタインのテーマ(作曲 者 談 によれば、バス・フルート[注 9])尹 伊 桑 :『サロモ』- ピエール=イヴ・アルトー:『チトラ』-
録音 を伴 うアルト・フルート独奏 のための 湯浅 譲二 :舞 働 Ⅱ
- モーリス・ラヴェル:バレエ
- バス・フルート
使用 曲 -
- ルイジ・ノーノ:『
澄 んだ息 -断片 』 - ミカエル・レヴィナス:『アルシスとテシス』
松平 頼 暁 :『ガゼローニのための韻 』湯浅 譲二 :『タームズ・オブ・テンポラル・ディテーリング』平 義久 :『マヤ』
- ルイジ・ノーノ:『
- フルート・ダモーレ
使用 曲 -
- ヨハン・メルヒオール・モルター:フルート・ダモーレ
協奏曲 変 ロ長調 MWV 6.14 (ms 307)
- ヨハン・メルヒオール・モルター:フルート・ダモーレ
- アイリッシュ・フルート
- アイルランドの
民族 音楽 (いわゆるケルト音楽 )で用 いられるフルート。といっても民族 楽器 といえるほど歴史 あるものではなく、ベーム式 フルートが普及 する以前 に用 いられていたフルートの生 き残 りである。木製 でD管 、6孔 でキーなしかシンプルなキーのものが多 く、あまり多 くの半音 を奏 でるのは困難 であるが、クラシカル・フルートのような多 キーのものも作 られている。 - キングマシステム
微分 音 を用 いた音楽 を演奏 することに特 化 した特殊 なシステム。オランダの楽器 製作 者 であるE・キングマによって開発 され、キーの上 に更 に小型 のキーをとりつけた「キー・オン・キーシステム」の採用 と、リングキーのリング部分 の内径 を見直 すことにより、通常 のフルートと演奏 方法 をまったく変 えることなく正確 な微分 音程 を容易 に演奏 することを可能 としている。- ビービーフルート
正式 名称 は「Bee-modeフルート」。フルートの管 体 に開 けた横穴 に薄 い特殊 フィルムを貼 って共振 させ独特 の音 を出 す楽器 。中国 の民族 楽器 の横笛 の構造 にインスピレーションを得 たもので、通常 のフルートの音質 よりも倍音 を多 く含 んだ特異 な音色 になる。- MIDIフルート
- キーシステムにMIDI
機構 を取 り付 けた楽器 。発音 原理 は通常 のフルートと同 じであり特 に電子 的 な発音 機構 によるものではないが、MIDIの出力 機構 を備 えており、奏者 の演奏 情報 をリアルタイムに別 のMIDI機器 やコンピュータに伝 えることができる。同一 の指 使 いで複数 のオクターヴの可能 性 のある音 や演奏 上 の強弱 (ヴェロシティ)の検知 のためのセンサーも備 わっている。 尺 ルート太平 尺 八 工房 が開発 した尺 八 型 の頭部 管 。通常 のフルートの胴体 に付 け替 える。尺八 特有 のむら息 などの奏法 をフルートの運 指 法 を使 い演奏 できる。昭和 初期 に考案 されたオークラウロと同様 の発想 に基 づくものである。
脚注
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注釈
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- ^ バロック・フルートも
左側 に構 えることができ、その場合 は左手 小指 でキーを操作 する。 - ^
常時 閉のこのキーは、形状 が少 し変 わったものの現代 のフルートにも「Esキー」として生 き残 っており、楽器 を安定 に支 える上 でも役立 っている。 - ^
例 えばA4の音 を出 すとき、クラシカル・フルートに設 けられたGisトーンホールのキーは閉 じているが、ベーム式 メカニズムのフルートでは開 いている。 - ^ クローズドキーとも。ベームが1847
年 に発表 したモデルがこのタイプだったので、ジャーマンモデル、ジャーマンスタイルともいう。 - ^ オープンキー、オープンホールシステムとも。ベームのフルートを
元 にフランスで開発 されたので、フレンチモデル、フレンチスタイルともいう。 - ^
旧 くは魚 の浮 き袋 から作 られていたのでこのように呼 ばれるが、今日 では豚 の内臓 などから作 られている。 - ^
従 って、2つのGisトーンホールを両方 閉 じた状態 で、Aトーンホールだけを開 けることはできない。これが後述 のEメカニズムの必要 性 につながっている。 - ^ WEBサイトは2022
年 10月 末 現在 、イワオフルートのまま更新 されていない。 - ^
当時 日本 に1本 しか無 かったというのが本当 なら、バス・フルートの可能 性 が高 い。
出典
編集
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著 )、平岡 正徳 (訳 ) 『音楽 工学 』誠 文 堂 新光 社 、1969年 - ^ アンリー・アルテス(
編 )、植村 泰一 (訳 ・解説 ) 『アルテス・フルート奏法 第 一 巻 』 シンフォニア、1978年 、ISBN 978-4-88395-580-0、126頁 - ^ トレヴァー・ワイ(
著 )、笹井 純 (訳 ) 『トレヴァー・ワイ フルート教本 1第 1巻 -音 』音楽之友社 、2011年 、ISBN 978-4-276-60614-2、22頁 - ^ 『
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年 7月 27日 :1970年 に物理 学者 のジョン・W・コルトマン (John W. Coltman) が行 った実験 。銀 、銅 、木 で作 ったキーの無 いフルートを用意 し、被験者 から見 えないようにして音 だけを聴 かせたところ、プロ演奏 家 も学生 も演奏 されている楽器 の材質 を識別 する事 が出来 なかった。 - ^ “File:Principes de la flute traversiere 1728.jpg - IMSLP/ペトルッチ
楽譜 ライブラリー: パブリックドメインの無料 楽譜 ”. imslp.org. 2021年 10月 27日 閲覧 。 - ^ “Versuch einer Anweisung die Flöte traversiere zu spielen (Quantz, Johann Joachim) - IMSLP/ペトルッチ
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石井 ,明 「バロック・フルートにおける右 小指 の運 指 : オトテールとクヴァンツによる教則 本 を中心 に」『慶應義塾大学 日吉 紀要 .人文 科学 』第 17号 、2002年 、133–156頁 。 - ^ Bret Newton (2015-09-14), G Treble Flute, Bandestration
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- ^ Contr’alto Flute, Eva Kingsma
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歩 み 2”. - Flutist - Sawako (2020年 2月 2日 ). 2020年 11月19日 閲覧 。
参考 文献
編集
- 『
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楽器 博士 佐伯 茂樹 がガイドするオーケストラ楽器 の仕組 みとルーツ』佐伯 茂樹 :著 「音楽 の友 」編 (音楽之友社 2018.3) - 『
木管 楽器 演奏 の新 理論 :奏法 の歴史 に学 び、表現 力 を上 げる』佐伯 茂樹 :著 、演奏 法 指導 :有田 正広 (ヤマハミュージックメディア 2011.10) - ジョン・W・コルトマン「Effect of Material on Flute Tone Quality」
外部 リンク
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- フルート(YAMAHA
楽器 解体 全書 ) 一般 社団 法人 日本 フルート協会