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忌み数(いみかず)とは、不吉であるとして忌避される数や番号。忌み番(いみばん)ともいう。
ジンクスの一種で迷信ではあるが、社会的に定着すると心理面・文化面で少なからず影響を及ぼす。また同じ数字でも、文化や考え方などによって忌み数とされる場合もあれば吉数(縁起の良い数)とされる場合もある。
ベトナムでは3が「惨」に通じるとして忌み数とされ、死に通じる4よりもこちらが嫌われてきた。稀に欠番されることがあり、2階の上を5階にすることがある。
なお、3が「惨」に通じると見なされることは他国でも例があるが、3が忌み数なのはベトナムのみである。「四の字#ベトナム」も参照。
漢字文化圏において、漢字の四(し)は死と同音あるいは類似音であるため、忌み数とされる。また日本語では、「42」が「死に」、「49」が「死苦」または「始終苦」に通じるとして忌み数とされる。
中国では、五 (wū) が無 (wú) に通じるため、忌み数とされることがある。「54」は二つ忌み数が重なっているが、広東語では「唔死(死なない)」と読めるため縁起が良いともされる。
日本では、九の音読みの一つ「ク」が苦(く)に通ずるため忌み数とされる。日本以外の漢字文化圏では、九と苦の発音が異なり忌み数とはされない。
広東語や台湾語などでは「狗」(広東語:gau2、台湾語白読:káu)と同音であるため、不用意に話すと侮辱と見なされる場合もある[6]。逆に北京語では同音の久 (jiū) に通じるため吉数とされる。
西洋では13を忌み数とすることが非常に多い。理由としては宗教的要因など様々な説がある。西洋では建造物に13階が無いことがしばしばある(機械室など利用客が立ち入ることができない場所になっている場合もある)。
中国語では十四 (shísì) が十死 (shísī) や実死 (shísī) に通じ、また么四 (yāosì、么は 1 の意) が要死 (yàosī, 死を望む) や夭死 (yāosǐ, 若くして死ぬ) に通じるため、忌み数とされる。
イタリアでは17が忌み数とされる。17をローマ数字で書くとXVIIとなり、これを並べ替えるとVIXIとなる。ラテン語でvīxīは、vīvō「私は生きている」の直説法完了にあたり、「私は生きることを終えた(私は死んでいる)」という意味になるからである。
13と同様に、建物の階や部屋番号などにおいて飛ばされることがある。その他、イタリアの航空会社アリタリア航空の航空機には客席に「17列」が存在しない。フランスの自動車会社ルノーは「R17」という車種を、イタリア向けに「R177」として販売している。
イタリア、ドイツ、オーストリアなど西欧諸国では88が忌み数とされる。88がナチス・ドイツ式敬礼を意味すハイル・ヒトラーの略HHのHがアルファベット順の8としてネオナチの隠語として使用されているためである。そのためイタリアサッカー界では背番号88は永久欠番とされ使用が禁止されている。
日本では四国八十八か所巡りや、日本テレコムの頭番号0088に使用されていた他、Jリーグベガルタ仙台のクラブ創設期からのサポーターが自らを意味するため愛用している番号としても知られている。
中国では、250を表す「二百五」(èrbǎiwū)が「阿呆、うすのろ、間抜け」を意味する隠語であり[7]、人を罵る表現と見なされる。銀500両を1封としたことに由来し、250両を表す「半封」が「半疯」(bànfēng、「頭がおかしい」「頭が狂っている」の意)に通じるためとされている。そのため、買い物関係では250元を避ける傾向がある。
海外では420(フォー・トゥエンティー)が大麻(マリファナ)を意味する隠語であり、ホテルの420号室をマリファナの取引会場にされたり、マリファナ愛好家がたむろしたりするなどの被害があったため、アメリカを中心にホテルなどでは420号室を欠番とすることが多い[8]。
新約聖書『ヨハネの黙示録』に「ここに知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は 666 である。」と記されている(13章18節)。そのため、キリスト教圏では「666」が「悪魔の数字」として忌み数とされる。
広東語では、九四一三 (gau2sei3yat1saam1) は「九死一生」(gau2sei2yat1saang1) に通じ、忌み数とされる。なお北京語ではこれほど発音は似ていない。九死一生は「すんでのところで死を免れる」「危機一髪」の意味で使われることもあるが、この場合は文字通り「10回中9回死ぬ」という意味である。