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放射線医学総合研究所 - Wikipedia

放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ

放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ(ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ、えい: National Institute of Radiological Sciences略称りゃくしょう:NIRS)は、1957ねん昭和しょうわ32ねん)に発足ほっそくした放射線ほうしゃせん医学いがくかんする総合そうごう研究所けんきゅうじょ初代しょだい所長しょちょう東京慈恵会医科大学とうきょうじけいかいいかだいがく樋口ひぐちすけひろし教授きょうじゅ国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう法人ほうじんかくがれている。

放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ
放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ
正式せいしき名称めいしょう 放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ
英語えいご名称めいしょう National Institute of Radiological Sciences
略称りゃくしょう 放医研ほういけん、NIRS
所在地しょざいち 日本の旗 日本にっぽん
263-8555
千葉ちばけん千葉ちば稲毛いなげ穴川あながわよん丁目ちょうめ9ばん1ごう
北緯ほくい3538ふん5.5びょう 東経とうけい1406ふん7.1びょう / 北緯ほくい35.634861 東経とうけい140.101972 / 35.634861; 140.101972 (放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ)座標ざひょう: 北緯ほくい3538ふん5.5びょう 東経とうけい1406ふん7.1びょう / 北緯ほくい35.634861 東経とうけい140.101972 / 35.634861; 140.101972 (放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ)
所長しょちょう 神田かんだ玲子れいこ
活動かつどう領域りょういき 放射線ほうしゃせん医学いがく全般ぜんぱん
設立せつりつ年月日ねんがっぴ 1957ねん昭和しょうわ32ねん
上位じょうい組織そしき 量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう
所管しょかん 文部もんぶ科学かがくしょう一部いちぶ業務ぎょうむについては原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかい共管きょうかん
ウェブサイト www.nirs.qst.go.jp/index.shtml
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発足ほっそく当時とうじ科学技術庁かがくぎじゅつちょう所管しょかん国立こくりつ研究所けんきゅうじょ平成へいせい13ねんに、文部もんぶ科学かがくしょう所管しょかん独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん改組かいそされ、平成へいせい28ねん日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう一部いちぶ合併がっぺいし、量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうとなり、研究所けんきゅうじょはその一部いちぶもんとして名前なまえのこっていた。平成へいせい31ねん量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう機構きこう量子りょうし医学いがく医療いりょう部門ぶもんいち部門ぶもんになったのちれい3ねん量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう量子りょうし生命せいめい医学いがく部門ぶもんない緊急きんきゅうばく医療いりょうセンターとわせて再編さいへんされ、がんの放射線ほうしゃせん治療ちりょうかく医学いがく診断しんだんなどの研究けんきゅうおこなう「量子りょうし医科いかがく研究所けんきゅうじょ」と緊急きんきゅうばく医療いりょう放射線ほうしゃせん影響えいきょう研究けんきゅうおこなう「放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ」に再編さいへんされた。

目的もくてき 編集へんしゅう

いまはQST病院びょういんとなった病院びょういん部門ぶもんゆうしていたがあくまで医学いがく研究けんきゅう機関きかんであり、医療いりょう機関きかんではなかった。そのため所管しょかん厚生こうせい労働省ろうどうしょうではなく文部もんぶ科学かがくしょうとなっていた。

放射線ほうしゃせん生体せいたい影響えいきょう放射線ほうしゃせん障害しょうがい診断しんだん治療ちりょう社会しゃかいてき対策たいさく放射線ほうしゃせん同位どうい元素げんそもちいた疾病しっぺい治療ちりょう診断しんだんなどについての研究けんきゅうおこなっていた。

年譜ねんぷ 編集へんしゅう

  • 2001ねん平成へいせい13ねん) - 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん
  • 2006ねん平成へいせい18ねん) - 国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん協力きょうりょくセンターに認定にんてい[広報こうほう 1]
  • 同年どうねん どう研究所けんきゅうじょないじゅう粒子りゅうし医科いかがくセンターで実施じっししているじゅう粒子りゅうしせん治療ちりょう登録とうろく患者かんじゃすう治療ちりょう開始かいし以来いらいべ3000にん突破とっぱ
  • 2007ねん平成へいせい19ねん) - どう研究所けんきゅうじょないじゅう粒子りゅうし医科いかがくセンター病院びょういんで、電子でんしカルテシステムに「のひら静脈じょうみゃく生体せいたい認証にんしょう装置そうち」を導入どうにゅう
  • 2011ねん平成へいせい23ねん) - 福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこで、福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ3ごう復旧ふっきゅう作業さぎょう従事じゅうじしていた作業さぎょういん3めいが、福島県立医科大学ふくしまけんりついかだいがく附属ふぞく病院びょういんより搬送はんそうされ、収容しゅうようされる(関電工かんでんこう社員しゃいん2めい下請したうけ会社かいしゃ作業さぎょういん1めい
  • 2015ねん平成へいせい27ねん
    • 4がつ - 「独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ」から「国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ」に名称めいしょう変更へんこう
    • 8がつ26にち - 原子力げんしりょく災害さいがい被曝ひばく医療いりょう中心ちゅうしんになる「高度こうどばく医療いりょう支援しえんセンター」に指定してい[4]
  • 2016ねん平成へいせい28ねん)4がつ - 国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう一部いちぶ研究所けんきゅうじょ統合とうごう国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう名称めいしょう変更へんこう放射線ほうしゃせん医学いがく研究けんきゅう開発かいはつ部門ぶもんつづ放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ使用しようする。
  • 2019ねん (平成へいせい31ねん) 4がつ - 組織そしき再編さいへんおこなわれ、放射線ほうしゃせん医学いがく研究けんきゅう開発かいはつ部門ぶもん量子りょうし医学いがく医療いりょう部門ぶもんとなり、放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょはその一部いちぶをさすものとなる。
  • 2021ねん (れい3ねん) 4がつ - ふたた組織そしき再編さいへんおこなわれ、量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう量子りょうし生命せいめい医学いがく部門ぶもんない放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょ緊急きんきゅうばく医療いりょうセンターと統合とうごうされ、放射線ほうしゃせん医学いがく研究所けんきゅうじょ量子りょうし医科いかがく研究所けんきゅうじょ量子りょうし生命せいめい科学かがく研究所けんきゅうじょ再編さいへんされた。

じゅう粒子りゅうしせんがん治療ちりょうのメリットと可能かのうせい 編集へんしゅう

2007ねん当時とうじ実際じっさい治療ちりょうおこなっているじゅう粒子りゅうしせんがん治療ちりょう施設しせつは、世界せかいに3かしょ放射線医学総合研究所ほうしゃせんいがくそうごうけんきゅうじょないじゅう粒子りゅうし医科いかがくセンター病院びょういん兵庫ひょうご県立けんりつ粒子りゅうしせん医療いりょうセンタードイツのダルムシュタットのじゅうイオン研究所けんきゅうじょ)しかなかった。そのスイスフランスイタリアアメリカ中国ちゅうごく韓国かんこくでも計画けいかく進行しんこうしている。2007ねん当時とうじで3,200にん以上いじょう治療ちりょうけていた放医研ほういけんセンター病院びょういんは、世界せかいてきにももっとすすんだじゅう粒子りゅうしせん医療いりょう施設しせつで、2020ねん時点じてん累計るいけい5,400にんえる治療ちりょうおこなわれている。

また、世界せかいで4番目ばんめ日本にっぽん国内こくないで3かしょ施設しせつとして、群馬大学ぐんまだいがくじゅう粒子りゅうしせん医学いがく研究けんきゅうセンターが治療ちりょう開始かいしした。ここでは、巨大きょだい加速器かそくきちいさくすることに成功せいこうしており、今後こんごじゅう粒子りゅうしせんがん治療ちりょう可能かのうせいを、おおきくひろげるものとして注目ちゅうもくあつめている。

放医研ほういけんセンター病院びょういんでは、やく65m×120mだった加速器かそくきを、やく45m×65mとちいさくすることに成功せいこう。そのなかに、じゅう粒子りゅうし最高さいこう光速こうそくの70%程度ていど速度そくどまで加速かそくする、ちょくけいやく20mのシンクロトロン加速器かそくきと、3つの治療ちりょうしつつ。放医研ほういけん主体しゅたいとなって研究けんきゅう開発かいはつすすめてきた「普及ふきゅう小型こがたじゅう粒子りゅうしせん照射しょうしゃ装置そうち技術ぎじゅつだい1ごう」と位置いちづけられ、群馬大学ぐんまだいがくでは群馬ぐんまけんとの共同きょうどう事業じぎょうとして、2010ねん3がつ治療ちりょう開始かいしいたる。

じゅう粒子りゅうしせんがん治療ちりょうは、正常せいじょう組織そしきへの放射線ほうしゃせん障害しょうがい最小限さいしょうげんめ、がん部位ぶいのみをねらちができ、通常つうじょう放射線ほうしゃせん治療ちりょうでは治癒ちゆすることが困難こんなんな「放射線ほうしゃせん抵抗ていこうせいのがん」にも威力いりょく発揮はっきするとされている。また「らずにがんをなおす」治療ちりょうほうで、臓器ぞうき機能きのう形態けいたい温存おんぞんできることから、治療ちりょう成績せいせき向上こうじょうのみでなく、患者かんじゃ治療ちりょう社会しゃかい復帰ふっきや、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上こうじょう期待きたいできる治療ちりょうほうである。

放医研ほういけんでのじゅう粒子りゅうしせん治療ちりょう治療ちりょう成績せいせきは、5ねん生存せいぞんりつると、前立腺ぜんりつせんがん=やく95%、手術しゅじゅつ不能ふのうはいがん=やく70%、あたま頸部悪性あくせい黒色こくしょくしゅやく50%、からだ幹部かんぶ進行しんこうこつ肉腫にくしゅやく50%、再発さいはつ進行しんこうきもがん=やく50%、Ⅲ-Ⅳ進行しんこう子宮しきゅう頸がん=やく45%などの報告ほうこくがなされている。もっと治療ちりょうむずかしい骨肉こつにくしゅでは、腫瘍しゅよう消失しょうしつしたのち正常せいじょうこつ組織そしき再生さいせいするれいもみられており、従来じゅうらい切除せつじょ選択肢せんたくししかなかったことをかんがえると、機能きのう維持いじ形態けいたい維持いじ可能かのうせい見込みこめるとえる。

じゅう粒子りゅうしせんがん治療ちりょう通常つうじょういち治療ちりょうにつき4かい照射しょうしゃを1-5しゅうわたっておこなう。外科げかてき治療ちりょう比較ひかくすると入院にゅういん期間きかんみじか苦痛くつう大幅おおはば軽減けいげんされることから、肉体にくたいてき負担ふたん軽減けいげんされたがん治療ちりょうほうであるとえる。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ 田島たじま英三えいぞう (1995). ある原子げんし物理ぶつり学者がくしゃ生涯しょうがい. 東京とうきょう: 新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ. ISBN 4-404-02208-5 
  2. ^ 内部ないぶばく先行せんこう検査けんさ 3ミリシーベルトちょう住民じゅうみんなし 福島ふくしまけん[リンク]
  3. ^ 2011ねん グッドデザイン金賞きんしょう”. 日本にっぽんデザイン振興しんこうかい (2011ねん). 2024ねん5がつ16にち閲覧えつらん
  4. ^ 被曝ひばく医療いりょうに5機関きかん指定してい 原子力げんしりょく規制きせい”. 朝日新聞あさひしんぶん (朝日新聞社あさひしんぶんしゃ): p. 朝刊ちょうかん 7. (2015ねん8がつ27にち) 

広報こうほう資料しりょう・プレスリリースなどいち資料しりょう 編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう