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光速 - Wikipedia

光速こうそく

ひかり伝播でんぱするはや

光速こうそくこうそくえい: speed of light)とは、ひかり伝播でんぱするはやのことである[1]真空しんくうなかにおける光速こうそく299792458 m/sやく30まん km/s)と定義ていぎされている。このはやさでは、太陽たいようから地球ちきゅうまでやく8ふん19びょう[注釈ちゅうしゃく 1]つきから地球ちきゅうまで2びょうもかからない[注釈ちゅうしゃく 2]ぞくに「1秒間びょうかん地球ちきゅうを7しゅうはんまわることができるはやさ」とも表現ひょうげんされる[注釈ちゅうしゃく 3]

真空しんくうちゅう光速こうそく
記号きごう c, c0
299792458 m/s
相対そうたい標準ひょうじゅん不確ふたしかさ 定義ていぎ
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しんくうちゅうのこうそく
真空しんくうちゅう光速こうそく
記号きごう c, c0
けい 国際こくさい単位たんいけい
りょう 速度そくど
SI 299792458 m/s
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以下いかたんに「光速こうそく」とうとき、真空しんくうちゅう光速こうそくして使つかうことがある。

光速こうそく宇宙うちゅうにおける最大さいだいはやさであり、物理ぶつりがくにおいて時間じかん空間くうかん基準きじゅんとなる特別とくべつ意味いみでもある[1]

現代げんだい国際こくさい単位たんいけいではながさの単位たんいメートル光速こうそくびょうにより定義ていぎされている。光速こうそく電磁波でんじは伝播でんぱはやさでもあり、マクスウェルの方程式ほうていしき媒質ばいしつ真空しんくう場合ばあい光速こうそく一定いっていとなるということが相対性理論そうたいせいりろん根本こんぽん原理げんり由来ゆらいになっている。

重力じゅうりょく作用さよう光速こうそく伝播でんぱすることが相対性理論そうたいせいりろん予言よげんされ、2002ねん観測かんそくにより確認かくにんされた[注釈ちゅうしゃく 4]

記号きごう由来ゆらい 編集へんしゅう

記号きごう c, c0 編集へんしゅう

光速こうそく記号きごう一般いっぱん小文字こもんじイタリックたいまた斜体しゃたい)の c または c0 [注釈ちゅうしゃく 5]あらわされる。2006ねん国際こくさい単位たんいけい(SI)の公式こうしき文書ぶんしょだい8はん)では、記号きごうとして c0もちいていた[2]。しかし、どう文書ぶんしょの2019年版ねんばんだい9はん)においては、記号きごう c のみをもちいるように変更へんこうされた[3]。これとわせてCODATA2018においても、記号きごう c0 から記号きごう c変更へんこうしている[4]

記号きごう c由来ゆらい  編集へんしゅう

記号きごう cヴィルヘルム・ヴェーバーによる「ヴェーバー定数ていすう」(Weber's constant)に由来ゆらいするとともに、ラテン語らてんごはやさを意味いみする celeritas にも由来ゆらいするものである[5]

光速こうそく測定そくてい 編集へんしゅう

近代きんだいまで、ひかり瞬間しゅんかんてきつたわるのか、それとも有限ゆうげんはやさでつたわるのかは不明ふめいだった。エンペドクレスはじめてひかりはやさは有限ゆうげんだと主張しゅちょうした。一方いっぽうアリストテレスひかり運動うんどうではなく、瞬間しゅんかんてきつたわるとろんじた。イブン・ハイサムひかり有限ゆうげんはやさでつたわり、そのはやさは可変かへんで、密度みつどたか物体ぶったいではおそくなるとろんじた。ヨハネス・ケプラールネ・デカルトは、光速こうそく無限むげんだいだとかんがえていた[注釈ちゅうしゃく 6]

ガリレオ・ガリレイは、とおはなれた2かしょいたランプ合図あいずもちいて光速こうそく測定そくていする方法ほうほう提案ていあんした。しかし、光速こうそくはあまりにはやく、当時とうじのいかなる計測けいそくでもこのよう方法ほうほうでわずかな時間じかん正確せいかくはかことができなかったために有意ゆうい結果けっかられなかった[6]

1676ねんデンマーク数学すうがくしゃオーレ・レーマー木星もくせい衛星えいせいイオ木星もくせいかくれる周期しゅうき変化へんか木星もくせいまでの距離きょりから光速こうそく計算けいさんした。当時とうじすで地球ちきゅう木星もくせい位置いち関係かんけい、ならびにイオが木星もくせいかげかくれる(隠蔽いんぺい周期しゅうき正確せいかくにわかっていた。レーマーは、地球ちきゅう木星もくせいからとお位置いちにあるときに、イオがかくれる時刻じこく調しらべ、ひかりはやさが無限むげんだいならばつねに42.5あいだおきに隠蔽いんぺい観測かんそくされるはずとして「観測かんそく予定よてい時刻じこく」を計算けいさんした。そして地球ちきゅう公転こうてん軌道きどうじょう木星もくせいちかづいた位置いち移動いどうした5ヵ月かげつ再度さいどイオがかくれる時刻じこく調しらべると、「観測かんそく予定よてい時刻じこく」よりもはやくなっていること確認かくにんした。この結果けっかからレーマーは、ひかり地球ちきゅう軌道きどう直径ちょっけい横切よこぎるのに22ふんかかると結論けつろんした。ジョヴァンニ・カッシーニ観測かんそくよりられた地球ちきゅう-太陽たいようあいだ距離きょりもちいると、レーマーの光速こうそくやく21.3まん km/s となる。これは実際じっさい光速こうそくより3わりほどおそ数字すうじだったが、ひかりはやさが有限ゆうげんであることを証明しょうめいし、その具体ぐたいてきはやさをはじめてあたえた[6]。レーマーの友人ゆうじんアイザック・ニュートンもこれをみとめ、この光速こうそく著書ちょしょしるした[6]

1729ねんジェームズ・ブラッドリーぶしによるほし光行みつゆきから光速こうそくもとめた。かれ測定そくてい301000 km/sであった。

1849ねんアルマン・フィゾーは、天体てんたい現象げんしょう利用りようせずに、回転かいてんする歯車はぐるま使つかって、はじめて地上ちじょう実験じっけん光速こうそく測定そくていした。ランプのひかりビームスプリッター直角ちょっかくげ、つつなかで720まいがついた歯車はぐるま通過つうかさせてひかり等間隔とうかんかく分断ぶんだんしてはなち、やく8.6 kmはなれた反射はんしゃきょうかえし、つつなかおな歯車はぐるまとおして観察かんさつした。歯車はぐるま回転かいてんおそいうちは、凹部をとおったひかり反射はんしゃされおなじ凹部からえる。しかし回転かいてんすうげると、やがて反射はんしゃこうとつ部分ぶぶん)でさえぎられるようになる。フィゾーは、このときの12.6回転かいてん/びょうから、(8.6 km)×2 = 17.2 kmをひかりすす時間じかんは(1びょう)/(12.6回転かいてん/びょう)/(720×2)(歯車はぐるまとつと凹部のあいだ個数こすう = かずの2ばい)= 0.000055 s計算けいさんした。これらから光速こうそくやく31.3まん km/sという[7]

1850ねんフーコー回転かいてんミラーを使つかった光速こうそく測定そくていおこない、水中すいちゅう光速こうそくおそくなることを実証じっしょうした。真空しんくうちゅう光速こうそく1862ねん298000±500 km/sというている。

1873ねんからマイケルソンはフーコーの方法ほうほう改良かいりょうして光速こうそく測定そくていつづけた。1926ねん測定そくてい299796±4 km/sである。

そのマイクロ使つか方法ほうほうレーザー使用しようなどにより測定そくてい精度せいどたかまった[8]

1983ねんには、国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかいにより、メートル光速こうそくによって定義ていぎすることとなった。これにより、真空しんくうちゅう光速こうそく299792458 m/s定義ていぎされたことになる。

電磁波でんじは伝播でんぱ光速こうそく 編集へんしゅう

マクスウェルの方程式ほうていしきによれば、電磁波でんじは伝播でんぱはやさはつぎ関係かんけいあたえられる。

 c一定いってい

ここで、εいぷしろん0真空しんくう誘電ゆうでんりつμみゅー0真空しんくうとおる磁率である。ジェームズ・クラーク・マクスウェルはこのしき観測かんそくではなく理論りろんからみちびいたが、判明はんめいしていた εいぷしろん0 = 8.85×10−12 F/mμみゅー0 = 1.26×10−6 H/m代入だいにゅうすると、真空しんくうちゅう電磁波でんじははやさがやく30まん km/sとなり、フィゾーが測定そくていした光速こうそくとほぼ一致いっちした[9]。このことから、マクスウェルは当時とうじ正体しょうたいがよくわかっていなかったひかりなみ電磁波でんじは一種いっしゅであることを提唱ていしょうした[9]。これはのちハインリヒ・ヘルツによって実証じっしょうされた。

物質ぶっしつちゅう光速こうそく 編集へんしゅう

光速こうそくは、物質ぶっしつなかでは真空しんくうなかよりもおそくなる。屈折くっせつという現象げんしょうがおきるのは、光速こうそく媒質ばいしつによってことなるためである。また、物質ぶっしつちゅう光速こうそくよりもはや速度そくど荷電かでん粒子りゅうし運動うんどうすることが可能かのうであり、このときチェレンコフ放射ほうしゃ発生はっせいする[10]

物質ぶっしつ絶対ぜったい屈折くっせつりつは、真空しんくうちゅう光速こうそくをその物質ぶっしつちゅう光速こうそくった定義ていぎされる。たとえば可視かしこう領域りょういき波長はちょうでは、みず屈折くっせつりつやく1.33であり、それで真空しんくうちゅう光速こうそくやく30まん km/sをることで、水中すいちゅうでの光速こうそくやく22.5まん km/sとなる。

ちょう光速こうそく観測かんそく実験じっけん 編集へんしゅう

物理ぶつりがく解決かいけつ問題もんだい
ひかりよりはやすすむことは可能かのうか?  

一般いっぱんに、あらゆる情報じょうほう物質ぶっしつは、真空しんくうちゅう光速こうそくよりもはや伝播でんぱすることは不可能ふかのうであるとされている。相対そうたいろん方程式ほうていしきによれば、光速こうそくよりもはや移動いどうする物体ぶったい仮定かていすると、実数じっすうあらわすことのできない物理ぶつりりょうあらわれ、質量しつりょう無限むげんだいになってしまうからである[11]。しかし、光速こうそくよりもおおきな速度そくど出現しゅつげんする物理ぶつりてき状況じょうきょうという現象げんしょう数多かずおお存在そんざいする。

光速こうそくよりもはや伝播でんぱするもの 編集へんしゅう

波動はどう速度そくど同時どうじてきイベント 編集へんしゅう

ひかりの「ぐん速度そくど」が光速こうそくえることが可能かのうであるということは、理論りろんてきふるくからられていた[12]。ある最近さいきん実験じっけんでは、セシウム原子げんしなか非常ひじょうみじか距離きょりを、光速こうそくの310ばいぐん速度そくどレーザー光線こうせんつたえることに成功せいこうした。2002ねんにはモンクトン大学だいがく英語えいごばん物理ぶつり学者がくしゃアラン・ハッシュ英語えいごばんは、ちょう光速こうそくぐん速度そくどをもつパルスを、なが距離きょりにわたってつたえることにはじめて成功せいこうした。この実験じっけんでは、同軸どうじくフォトニック結晶けっしょうの120メートルケーブルのなかを、光速こうそくの3ばいぐん速度そくどのパルスが伝播でんぱした[13]。しかし、この技術ぎじゅつちょう光速こうそく情報じょうほう伝達でんたつのために使つかうことは不可能ふかのうである。情報じょうほう伝達でんたつ速度そくどというのはなみたば先端せんたん速度そくど英語えいごばん(パルスの最初さいしょがりが伝播でんぱするはやさ)によっており、ぐん速度そくど先端せんたん速度そくどせき物質ぶっしつちゅう光速こうそくの2じょうひとしいからである。

このようにひかりぐん速度そくど光速こうそくえられるというのは、音速おんそくにあてはめてつぎのように理解りかいできる。人々ひとびとを、距離きょりをあけていちれつならべたとする。そして、各々おのおの自分じぶん腕時計うでどけいでタイミングをはからい、みじか間隔かんかく順番じゅんばんごえをあげさせるとする。このとき、かれらはとなりひとこえくのをたずにこえをあげることができる。またあるれいとして、海岸かいがんげられるなみにもおなじようなことがられる。なみ海岸かいがんせんあいだ角度かくど十分じゅうぶんちいさければ、くだけるなみは、内陸ないりくなみつたわるよりもずっとおおきなはやさで波長はちょう沿って伝播でんぱすることができる。

ひかりのスポットとかげ 編集へんしゅう

たとえばレーザーが遠方えんぽうにある物体ぶったい表面ひょうめん横切よこぎると、ひかりのスポットの速度そくど簡単かんたん光速こうそくえることができる[14]遠方えんぽう物体ぶったいかげ投射とうしゃさせても同様どうようである。どちらの場合ばあいも、物質ぶっしつ情報じょうほう光速こうそくえて伝播でんぱしているわけではない。

量子力学りょうしりきがく 編集へんしゅう

光速こうそくは、エバネッセント関与かんよする現象げんしょう、たとえばトンネル効果こうかなどにおいてもえることができる。エバネッセント位相いそう速度そくどぐん速度そくど光速こうそくえうることが、実験じっけんによってしめされている。しかしながら先端せんたん速度そくど光速こうそくえられないとされているため、この場合ばあいにも情報じょうほう光速こうそくえて伝播でんぱすることはない。

量子力学りょうしりきがくでは、あるしゅ量子りょうしてき効果こうか光速こうそくえて伝播でんぱすることがある(実際じっさいに、空間くうかんてきへだたりのある物体ぶったい同士どうし相互そうご作用さようながらく量子力学りょうしりきがく問題もんだいであるとなされてきた。EPRパラドックス参照さんしょう)。たとえば、ふたつの粒子りゅうし量子りょうし状態じょうたい量子りょうしもつれ状態じょうたいにあり、一方いっぽう粒子りゅうし状態じょうたい他方たほう粒子りゅうし状態じょうたい固定こていするものとする(ここでは、一方いっぽうスピンが +12 でなければならず、他方たほうが −12 でなければならないとする)。観測かんそくされるまでは、ふたつの粒子りゅうしは(+12, −12)および(−12, +12)というふたつの量子りょうし状態じょうたいかさわせ状態じょうたいにある。ふたつの粒子りゅうしはなれ、一方いっぽう粒子りゅうし観測かんそくされて量子りょうし状態じょうたい決定けっていされたとすると、自動的じどうてき他方たほう粒子りゅうし量子りょうし状態じょうたい決定けっていされる。もし、あるしゅ量子力学りょうしりきがく解釈かいしゃくのように、量子りょうし状態じょうたいについての情報じょうほうひとつの粒子りゅうしについて局所きょくしょてきであるとするなら、つぎのように結論けつろんづけなければならない。すなわち、最初さいしょ観測かんそくがなされると、ふた粒子りゅうし即座そくざに、その量子りょうし状態じょうたいめるのである。しかしながら、最初さいしょ粒子りゅうし観測かんそくされたときにどちらの量子りょうし状態じょうたいにあるかを制御せいぎょすることは不可能ふかのうなので、この方法ほうほうでも情報じょうほう伝播でんぱできない。物理ぶつり法則ほうそくは、情報じょうほうがもっとかしこ方法ほうほう伝播でんぱすることをもさまたげており、これは量子りょうし複製ふくせい不可能ふかのう定理ていり通信つうしん不可能ふかのう定理ていり英語えいごばんへとつながることになった。

接近せっきん速度そくど 編集へんしゅう

ふたつの物体ぶったいたがいにかい方向ほうこう運動うんどうしており、それぞれある慣性かんせいフレーム(空間くうかんふくむ)における速度そくどが0.8cであったとする。このとき、ふたつの物体ぶったいは2ばいの1.6cの速度そくど接近せっきんしていることになる。これを接近せっきん速度そくどとよぶ。接近せっきん速度そくどはこのように3フレームあいだ速度そくど合成ごうせいであるため、光速こうそくの2ばいまでゆるされる。

固有こゆう速度そくど 編集へんしゅう

ある宇宙船うちゅうせんが、地球ちきゅうから(地球ちきゅう静止せいしけいで)1光年こうねんはなれた惑星わくせいまで高速こうそく移動いどうするとする。これにようする時間じかんは、宇宙船うちゅうせんない時計とけいでみると1ねんよりもみじかくなることが可能かのうである(地球ちきゅうじょう時計とけいでみれば、かならず1ねん以上いじょうかかる)。このとき、地球ちきゅうけいでみた移動いどう距離きょりを、宇宙船うちゅうせん時計とけいでみた経過けいか時間じかんったのことを、固有こゆう速度そくど英語えいごばんという。固有こゆう速度そくどはあるひとつの慣性かんせいけい観測かんそくされる速度そくどあらわしているわけではないので、このには上限じょうげんがない。しかしもちろん、同時どうじ地球ちきゅう出発しゅっぱつした光信みつのぶごうはどんな場合ばあいにも宇宙船うちゅうせんよりはや惑星わくせい到達とうたつする。

光速こうそくよりもはや伝播でんぱするようにえるだけのもの 編集へんしゅう

いわゆるちょう光速こうそく運動うんどうとよばれるものが、電波でんぱ銀河ぎんがクエーサージェットなど、あるしゅ天体てんたいにおいて観測かんそくされる。しかし、これらのジェットは光速こうそくよりもはや運動うんどうしているわけではない。このかけじょうちょう光速こうそく運動うんどうは、物体ぶったい光速こうそくちか速度そくど運動うんどうしており、その方向ほうこう視線しせんとのなす角度かくどちいさいときにこる投影とうえい効果こうかである。ちょう光速こうそく運動うんどうしてえるジェットをつクエーサーはちょう光速こうそくクエーサーばれており、3C 2793C 179はそのいちれいである。

媒質ばいしつちゅう光速こうそくよりもはや伝播でんぱするもの 編集へんしゅう

衝撃波しょうげきはとは、おもにある媒質ばいしつちゅう音速おんそくえて運動うんどうする物体ぶったいにより発生はっせいするつよ圧力あつりょくであるが、同様どうよう媒質ばいしつちゅう光速こうそくえて運動うんどうする荷電かでん粒子りゅうしによってもつよ電磁波でんじは発生はっせいし、これをチェレンコフ放射ほうしゃ[15]絶縁ぜつえんされた媒質ばいしつちゅう荷電かでん粒子りゅうし通過つうかするとき、媒質ばいしつ原子げんしちゅう電子でんし荷電かでん粒子りゅうしによって局所きょくしょてきみだされへんきょくきる。粒子りゅうし通過つうかしたあとに媒質ばいしつちゅう電子でんしふたた平衡へいこう状態じょうたいもどるとき電磁波でんじは放射ほうしゃされるが(じゅうふん移動いどうたか伝導でんどうたいにおいては電磁でんじ遮蔽しゃへいにより電磁波でんじははっしない)、粒子りゅうし速度そくど十分じゅうぶんおそ場合ばあい、この電磁波でんじは干渉かんしょうによりよわめあう。しかしみだれが光子こうしよりもはやいとき、すなわち荷電かでん粒子りゅうし媒質ばいしつちゅう光速こうそくよりもはやいとき、光子こうし干渉かんしょうによりつよめあい、観測かんそくされる放射ほうしゃ強度きょうど増幅ぞうふくされる。

理論りろんじょうちょう光速こうそく粒子りゅうし 編集へんしゅう

光速こうそく変動へんどう理論りろん 編集へんしゅう

宇宙うちゅう初期しょきかんする理論りろんであるインフレーション理論りろん対抗たいこうする光速こうそく変動へんどう理論りろん (VSL) などのアイデアが存在そんざいしている。光子こうし非常ひじょうたかいエネルギーであるときに、光速こうそくはやくなる、とするかんがえだが、場当ばあたりてき仮定かていおお[よう検証けんしょう]方程式ほうていしき複雑ふくざつであるため、まさしく宇宙うちゅう法則ほうそくをとらえた理論りろんであるとはかんがえられていない[よう出典しゅってん]

光速こうそく暗唱あんしょう 編集へんしゅう

光速こうそくぜんけた暗記あんきするれいとして、つぎのものがある。

にく(にく)くなく  にん  れば  いつも  ハッピー[注釈ちゅうしゃく 7]
2 9       9 7 9     2       4       5        8
にく(にく)くなく よ [17]
2 9       9 7 9  2 4   5 8
にく(にく)くなく にょうご(女御にょうご)や
2 9       9 7 9  2 4   5         8
にく(にく)くなく ぶじ(無事ぶじ)こうばん(交番こうばん)で 拘束こうそく光速こうそく)だ
2 9       9 7 9  2 4         5   8

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ 太陽たいようから地球ちきゅうまでの距離きょり / 光速こうそく = 149597870700 m / 299792458 m/s = 499.004783 sやく8ふん19びょう
  2. ^ つきから地球ちきゅうまでの距離きょり / 光速こうそく = 384400000 m / 299792458 m/s = 1.282220 sやく1.3びょう
  3. ^ ひかり直進ちょくしんするので実際じっさいには「周回しゅうかい」することはないが、あくまでも数値すうち対比たいひからくる比喩ひゆである。光速こうそく / 地球ちきゅう円周えんしゅう3.0×108 m/s / 40000 km = 7.5 s−1
  4. ^ クエーサー木星もくせいによる掩蔽えんぺい観測かんそくを、重力じゅうりょくレンズ効果こうか数値すうち比較ひかくNASA
  5. ^ たとえば、小林こばやし弘和ひろかず, 北野きたの正雄まさおつくえうえ光速こうそくはか」『大学だいがく物理ぶつり教育きょういくだい21かんだい3ごう日本にっぽん物理ぶつり学会がっかい、2015ねん、130-134ぺーじISSN 1340-993X 
  6. ^ デカルトは、ひかりはやさは無限むげんだいだとする一方いっぽうで、屈折くっせつ法則ほうそくみちびさいには、密度みつどたか媒質ばいしつちゅうこうはやくなるという議論ぎろんもしている。
  7. ^ 大井おおいみさほ(東京学芸大学とうきょうがくげいだいがく名誉めいよ教授きょうじゅもと 計量けいりょう研究所けんきゅうじょ勤務きんむ。)による発案はつあん

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ a b ニュートン (2011-12)、pp. 24–25.
  2. ^ SI Brochure: The International System of Units (SI) Previous editions of the SI Brochure, 8th edition of the SI brouchure(2006), 2.1.1.1 Unit of length(metre), p.112らん外注がいちゅう The symbol, c0 (or sometimes simply c), is the conventional symbol for the speed of light in vacuum. 
  3. ^ https://www.bipm.org/documents/20126/41483022/SI-Brochure-9.pdf/ The International System of Units (SI) Ver.9 (2019), p.127 2.2 Definition of the SI, p.128 Table 1 speed of light in vacuum c など。
  4. ^ speed of light in vacuum 記号きごうcとなっている。Fundamental Physical Constants, The NIST Reference on Constants, Units, and Uncertainty
  5. ^ [1] Why is c the symbol for the speed of light?
  6. ^ a b c ニュートン (2011-12)、pp. 28–29.
  7. ^ ニュートン (2011-12)、pp. 30–31.
  8. ^ 西条さいじょう敏美としみ物理ぶつり定数ていすうとはなにか」 ISBN 4-0625-7144-7
  9. ^ a b ニュートン (2011-12)、pp. 32–33.
  10. ^ 都築つづき卓司たくし、p.215
  11. ^ 都築つづき卓司たくし、p.136
  12. ^ Egan, Greg (2000ねん8がつ17にち). “Applets Gallery / Subluminal”. 2018ねん3がつ5にち閲覧えつらん
    References LJ Wang; A Kuzmich & A Dogariu (2000ねん7がつ20日はつか). “Gain-assisted superluminal light propagation”. Nature (406): p277. 
  13. ^ Electrical pulses break light speed record, physicsweb, 2002ねん1がつ22にち; A Haché and L Poirier (2002), Appl. Phys. Lett. v.80 p. 518 も参照さんしょう
  14. ^ Shadows and Light Spots”. 2008ねん3がつ2にち閲覧えつらん
  15. ^ 法則ほうそく辞典じてんチェレンコフ放射ほうしゃ』 - コトバンク
  16. ^ 都築つづき卓司たくし、p.130
  17. ^ 兵頭ひょうどう俊夫としお、『かんがえる力学りきがくだい2はん、p.27、学術がくじゅつ図書としょ出版しゅっぱんしゃISBN 978-4-7806-0941-7、2021ねん10がつ31にちだい2はんだい1さつ

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう