近代 きんだい まで、光 ひかり は瞬間 しゅんかん 的 てき に伝 つた わるのか、それとも有限 ゆうげん の速 はや さで伝 つた わるのかは不明 ふめい だった。エンペドクレス は初 はじ めて光 ひかり の速 はや さは有限 ゆうげん だと主張 しゅちょう した。一方 いっぽう でアリストテレス は光 ひかり は運動 うんどう ではなく、瞬間 しゅんかん 的 てき に伝 つた わると論 ろん じた。イブン・ハイサム は光 ひかり は有限 ゆうげん の速 はや さで伝 つた わり、その速 はや さは可変 かへん で、密度 みつど の高 たか い物体 ぶったい では遅 おそ くなると論 ろん じた。ヨハネス・ケプラー やルネ・デカルト は、光速 こうそく は無限 むげん 大 だい だと考 かんが えていた[注釈 ちゅうしゃく 6] 。
ガリレオ・ガリレイ は、遠 とお く離 はな れた2か所 しょ に置 お いたランプ の合図 あいず を用 もち いて光速 こうそく を測定 そくてい する方法 ほうほう を提案 ていあん した。しかし、光速 こうそく はあまりに速 はや く、当時 とうじ のいかなる計測 けいそく 器 き でもこの様 よう な方法 ほうほう でわずかな時間 じかん を正確 せいかく に測 はか る事 こと ができなかったために有意 ゆうい な結果 けっか を得 え られなかった[6] 。
1676年 ねん にデンマーク の数学 すうがく 者 しゃ オーレ・レーマー は木星 もくせい の衛星 えいせい イオ が木星 もくせい に隠 かく れる周期 しゅうき の変化 へんか と木星 もくせい までの距離 きょり から光速 こうそく を計算 けいさん した。当時 とうじ 既 すで に地球 ちきゅう と木星 もくせい の位置 いち 関係 かんけい 、ならびにイオが木星 もくせい の陰 かげ に隠 かく れる(隠蔽 いんぺい )周期 しゅうき は正確 せいかく にわかっていた。レーマーは、地球 ちきゅう が木星 もくせい から遠 とお い位置 いち にある時 とき に、イオが隠 かく れる時刻 じこく を調 しら べ、光 ひかり の速 はや さが無限 むげん 大 だい ならば常 つね に42.5時 じ 間 あいだ おきに隠蔽 いんぺい が観測 かんそく されるはずとして「観測 かんそく 予定 よてい 時刻 じこく 」を計算 けいさん した。そして地球 ちきゅう が公転 こうてん 軌道 きどう 上 じょう で木星 もくせい に近 ちか づいた位置 いち に移動 いどう した5ヵ月 かげつ 後 ご に再度 さいど イオが隠 かく れる時刻 じこく を調 しら べると、「観測 かんそく 予定 よてい 時刻 じこく 」よりも早 はや くなっている事 こと を確認 かくにん した。この結果 けっか からレーマーは、光 ひかり は地球 ちきゅう 軌道 きどう の直径 ちょっけい を横切 よこぎ るのに22分 ふん かかると結論 けつろん した。ジョヴァンニ・カッシーニ の観測 かんそく より得 え られた地球 ちきゅう -太陽 たいよう 間 あいだ 距離 きょり を用 もち いると、レーマーの得 え た光速 こうそく は約 やく 21.3万 まん km/s となる。これは実際 じっさい の光速 こうそく より3割 わり ほど遅 おそ い数字 すうじ だったが、光 ひかり の速 はや さが有限 ゆうげん であることを証明 しょうめい し、その具体 ぐたい 的 てき な速 はや さを初 はじ めて与 あた えた[6] 。レーマーの友人 ゆうじん アイザック・ニュートン もこれを認 みと め、この光速 こうそく の値 ね を著書 ちょしょ に記 しる した[6] 。
1729年 ねん にジェームズ・ブラッドリー は季 き 節 ぶし による星 ほし の光行 みつゆき 差 さ から光速 こうそく を求 もと めた。彼 かれ の測定 そくてい 値 ち は 301000 km/s であった。
1849年 ねん 、アルマン・フィゾー は、天体 てんたい 現象 げんしょう を利用 りよう せずに、回転 かいてん する歯車 はぐるま を使 つか って、初 はじ めて地上 ちじょう の実験 じっけん で光速 こうそく を測定 そくてい した。ランプの光 ひかり をビームスプリッター で直角 ちょっかく に曲 ま げ、筒 つつ の中 なか で720枚 まい の歯 は がついた歯車 はぐるま を通過 つうか させて光 ひかり を等間隔 とうかんかく に分断 ぶんだん して放 はな ち、約 やく 8.6 km離 はな れた反射 はんしゃ 鏡 きょう で折 お り返 かえ し、筒 つつ の中 なか で同 おな じ歯車 はぐるま を通 とお して観察 かんさつ した。歯車 はぐるま の回転 かいてん が遅 おそ いうちは、凹部を通 とお った光 ひかり は反射 はんしゃ され同 おな じ凹部から見 み える。しかし回転 かいてん 数 すう を上 あ げると、やがて反射 はんしゃ 光 こう が凸 とつ 部 ぶ (歯 は の部分 ぶぶん )で遮 さえぎ られるようになる。フィゾーは、この時 とき の12.6回転 かいてん /秒 びょう から、(8.6 km)×2 = 17.2 kmを光 ひかり が進 すす む時間 じかん は(1秒 びょう )/(12.6回転 かいてん /秒 びょう )/(720×2)(歯車 はぐるま の凸 とつ 部 ぶ と凹部の間 あいだ の個数 こすう = 歯 は の数 かず の2倍 ばい )= 0.000055 s と計算 けいさん した。これらから光速 こうそく は約 やく 31.3万 まん km/sという値 ね を得 え た[7] 。
1850年 ねん にフーコー は回転 かいてん ミラーを使 つか った光速 こうそく の測定 そくてい を行 おこな い、水中 すいちゅう で光速 こうそく が遅 おそ くなることを実証 じっしょう した。真空 しんくう 中 ちゅう の光速 こうそく は1862年 ねん に 298000 ± 500 km/s という値 ね を得 え ている。
1873年 ねん からマイケルソン はフーコーの方法 ほうほう を改良 かいりょう して光速 こうそく の測定 そくてい を続 つづ けた。1926年 ねん の測定 そくてい 値 ち は 299796 ± 4 km/s である。
その後 ご マイクロ波 は を使 つか う方法 ほうほう 、レーザー の使用 しよう などにより測定 そくてい の精度 せいど が高 たか まった[8] 。
1983年 ねん には、国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 総会 そうかい により、メートル を光速 こうそく によって定義 ていぎ することとなった。これにより、真空 しんくう 中 ちゅう の光速 こうそく が 299792 458 m/s と定義 ていぎ されたことになる。
電磁波 でんじは の伝播 でんぱ と光速 こうそく
編集 へんしゅう
マクスウェルの方程式 ほうていしき によれば、電磁波 でんじは の伝播 でんぱ の速 はや さは次 つぎ の関係 かんけい で与 あた えられる。
c
=
1
ε いぷしろん
0
μ みゅー
0
{\displaystyle c={\frac {1}{\sqrt {\varepsilon _{0}\mu _{0}}}}}
(c は一定 いってい )
ここで、ε いぷしろん 0 は真空 しんくう の誘電 ゆうでん 率 りつ 、μ みゅー 0 は真空 しんくう の透 とおる 磁率 である。ジェームズ・クラーク・マクスウェル はこの式 しき を観測 かんそく ではなく理論 りろん から導 みちび いたが、判明 はんめい していた値 ね ε いぷしろん 0 = 8.85× 10−12 F/m 、μ みゅー 0 = 1.26× 10−6 H/m を代入 だいにゅう すると、真空 しんくう 中 ちゅう の電磁波 でんじは の速 はや さが約 やく 30万 まん km/sとなり、フィゾーが測定 そくてい した光速 こうそく とほぼ一致 いっち した[9] 。この事 こと から、マクスウェルは当時 とうじ 正体 しょうたい がよくわかっていなかった光 ひかり の波 なみ が電磁波 でんじは の一種 いっしゅ であることを提唱 ていしょう した[9] 。これは後 のち にハインリヒ・ヘルツ によって実証 じっしょう された。
物質 ぶっしつ 中 ちゅう の光速 こうそく
編集 へんしゅう
光速 こうそく は、物質 ぶっしつ 中 なか では真空 しんくう 中 なか よりも遅 おそ くなる。屈折 くっせつ という現象 げんしょう がおきるのは、光速 こうそく が媒質 ばいしつ によって異 こと なるためである。また、物質 ぶっしつ 中 ちゅう の光速 こうそく よりも速 はや い速度 そくど で荷電 かでん 粒子 りゅうし が運動 うんどう することが可能 かのう であり、このときチェレンコフ放射 ほうしゃ が発生 はっせい する[10] 。
物質 ぶっしつ の絶対 ぜったい 屈折 くっせつ 率 りつ は、真空 しんくう 中 ちゅう の光速 こうそく をその物質 ぶっしつ 中 ちゅう の光速 こうそく で割 わ った値 ね で定義 ていぎ される。たとえば可視 かし 光 こう 領域 りょういき 波長 はちょう では、水 みず の屈折 くっせつ 率 りつ は約 やく 1.33であり、それで真空 しんくう 中 ちゅう の光速 こうそく は約 やく 30万 まん km/sを割 わ ることで、水中 すいちゅう での光速 こうそく は約 やく 22.5万 まん km/sとなる。
超 ちょう 光速 こうそく の観測 かんそく と実験 じっけん
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一般 いっぱん に、あらゆる情報 じょうほう や物質 ぶっしつ は、真空 しんくう 中 ちゅう の光速 こうそく よりも速 はや く伝播 でんぱ することは不可能 ふかのう であるとされている。相対 そうたい 論 ろん の方程式 ほうていしき によれば、光速 こうそく よりも速 はや く移動 いどう する物体 ぶったい を仮定 かてい すると、実数 じっすう で表 あらわ すことのできない物理 ぶつり 量 りょう が現 あらわ れ、質量 しつりょう が無限 むげん 大 だい になってしまうからである[11] 。しかし、光速 こうそく よりも大 おお きな速度 そくど が出現 しゅつげん する物理 ぶつり 的 てき 状況 じょうきょう という現象 げんしょう は数多 かずおお く存在 そんざい する。
光速 こうそく よりも速 はや く伝播 でんぱ するもの
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波動 はどう の速度 そくど と同時 どうじ 的 てき イベント
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光 ひかり の「群 ぐん 速度 そくど 」が光速 こうそく を超 こ えることが可能 かのう であるということは、理論 りろん 的 てき に古 ふる くから知 し られていた[12] 。ある最近 さいきん の実験 じっけん では、セシウム 原子 げんし 中 なか の非常 ひじょう に短 みじか い距離 きょり を、光速 こうそく の310倍 ばい の群 ぐん 速度 そくど でレーザー 光線 こうせん を伝 つた えることに成功 せいこう した。2002年 ねん にはモンクトン大学 だいがく (英語 えいご 版 ばん ) の物理 ぶつり 学者 がくしゃ アラン・ハッシュ (英語 えいご 版 ばん ) は、超 ちょう 光速 こうそく の群 ぐん 速度 そくど をもつパルス を、長 なが い距離 きょり にわたって伝 つた えることに初 はじ めて成功 せいこう した。この実験 じっけん では、同軸 どうじく フォトニック結晶 けっしょう の120メートルケーブルの中 なか を、光速 こうそく の3倍 ばい の群 ぐん 速度 そくど のパルスが伝播 でんぱ した[13] 。しかし、この技術 ぎじゅつ を超 ちょう 光速 こうそく の情報 じょうほう 伝達 でんたつ のために使 つか うことは不可能 ふかのう である。情報 じょうほう 伝達 でんたつ の速度 そくど というのは波 なみ 束 たば の先端 せんたん 速度 そくど (英語 えいご 版 ばん ) (パルスの最初 さいしょ の立 た ち上 あ がりが伝播 でんぱ する速 はや さ)によっており、群 ぐん 速度 そくど と先端 せんたん 速度 そくど の積 せき は物質 ぶっしつ 中 ちゅう の光速 こうそく の2乗 じょう に等 ひと しいからである。
このように光 ひかり の群 ぐん 速度 そくど が光速 こうそく を超 こ えられるというのは、音速 おんそく にあてはめて次 つぎ のように理解 りかい できる。人々 ひとびと を、距離 きょり をあけて一 いち 列 れつ に並 なら べたとする。そして、各々 おのおの が自分 じぶん の腕時計 うでどけい でタイミングを見 み はからい、短 みじか い間隔 かんかく で順番 じゅんばん に掛 か け声 ごえ をあげさせるとする。このとき、彼 かれ らは隣 となり の人 ひと の声 こえ を聞 き くのを待 ま たずに声 こえ をあげることができる。またある例 れい として、海岸 かいがん に打 う ち上 あ げられる波 なみ にも同 おな じようなことが見 み られる。波 なみ と海岸 かいがん 線 せん の間 あいだ の角度 かくど が十分 じゅうぶん 小 ちい さければ、砕 くだ ける波 なみ は、内陸 ないりく を波 なみ が伝 つた わるよりもずっと大 おお きな速 はや さで波長 はちょう に沿 そ って伝播 でんぱ することができる。
たとえばレーザーが遠方 えんぽう にある物体 ぶったい の表面 ひょうめん を横切 よこぎ ると、光 ひかり のスポットの速度 そくど は簡単 かんたん に光速 こうそく を超 こ えることができる[14] 。遠方 えんぽう の物体 ぶったい に影 かげ を投射 とうしゃ させても同様 どうよう である。どちらの場合 ばあい も、物質 ぶっしつ や情報 じょうほう が光速 こうそく を超 こ えて伝播 でんぱ しているわけではない。
光速 こうそく は、エバネッセント波 は が関与 かんよ する現象 げんしょう 、たとえばトンネル効果 こうか などにおいても超 こ えることができる。エバネッセント波 は の位相 いそう 速度 そくど と群 ぐん 速度 そくど は光速 こうそく を超 こ えうることが、実験 じっけん によって示 しめ されている。しかしながら先端 せんたん 速度 そくど は光速 こうそく を超 こ えられないとされているため、この場合 ばあい にも情報 じょうほう が光速 こうそく を超 こ えて伝播 でんぱ することはない。
量子力学 りょうしりきがく では、ある種 しゅ の量子 りょうし 的 てき 効果 こうか が光速 こうそく を超 こ えて伝播 でんぱ することがある(実際 じっさい に、空間 くうかん 的 てき 隔 へだ たりのある物体 ぶったい 同士 どうし の相互 そうご 作用 さよう は長 なが らく量子力学 りょうしりきがく の問題 もんだい であると見 み なされてきた。EPRパラドックス も参照 さんしょう )。たとえば、二 ふた つの粒子 りゅうし の量子 りょうし 状態 じょうたい が量子 りょうし もつれ の状態 じょうたい にあり、一方 いっぽう の粒子 りゅうし の状態 じょうたい が他方 たほう の粒子 りゅうし の状態 じょうたい を固定 こてい するものとする(ここでは、一方 いっぽう のスピン が +1 ⁄2 でなければならず、他方 たほう が −1 ⁄2 でなければならないとする)。観測 かんそく されるまでは、二 ふた つの粒子 りゅうし は(+1 ⁄2 , −1 ⁄2 )および(−1 ⁄2 , +1 ⁄2 )という二 ふた つの量子 りょうし 状態 じょうたい の重 かさ ね合 あ わせ状態 じょうたい にある。二 ふた つの粒子 りゅうし が離 はな れ、一方 いっぽう の粒子 りゅうし が観測 かんそく されて量子 りょうし 状態 じょうたい が決定 けってい されたとすると、自動的 じどうてき に他方 たほう の粒子 りゅうし の量子 りょうし 状態 じょうたい も決定 けってい される。もし、ある種 しゅ の量子力学 りょうしりきがく の解釈 かいしゃく のように、量子 りょうし 状態 じょうたい についての情報 じょうほう が一 ひと つの粒子 りゅうし について局所 きょくしょ 的 てき であるとするなら、次 つぎ のように結論 けつろん づけなければならない。すなわち、最初 さいしょ の観測 かんそく がなされると、二 ふた つ目 め の粒子 りゅうし は即座 そくざ に、その量子 りょうし 状態 じょうたい を占 し めるのである。しかしながら、最初 さいしょ の粒子 りゅうし が観測 かんそく されたときにどちらの量子 りょうし 状態 じょうたい にあるかを制御 せいぎょ することは不可能 ふかのう なので、この方法 ほうほう でも情報 じょうほう は伝播 でんぱ できない。物理 ぶつり 法則 ほうそく は、情報 じょうほう がもっと賢 かしこ い方法 ほうほう で伝播 でんぱ することをも妨 さまた げており、これは量子 りょうし 複製 ふくせい 不可能 ふかのう 定理 ていり や通信 つうしん 不可能 ふかのう 定理 ていり (英語 えいご 版 ばん ) へとつながることになった。
二 ふた つの物体 ぶったい が互 たが いに向 む かい合 あ う方向 ほうこう に運動 うんどう しており、それぞれある慣性 かんせい フレーム(空間 くうかん を含 ふく む)における速度 そくど が0.8cであったとする。このとき、二 ふた つの物体 ぶったい は2倍 ばい の1.6cの速度 そくど で接近 せっきん していることになる。これを接近 せっきん 速度 そくど とよぶ。接近 せっきん 速度 そくど はこのように3フレーム間 あいだ の速度 そくど 合成 ごうせい であるため、光速 こうそく の2倍 ばい まで許 ゆる される。
ある宇宙船 うちゅうせん が、地球 ちきゅう から(地球 ちきゅう の静止 せいし 系 けい で)1光年 こうねん 離 はな れた惑星 わくせい まで高速 こうそく で移動 いどう するとする。これに要 よう する時間 じかん は、宇宙船 うちゅうせん 内 ない の時計 とけい でみると1年 ねん よりも短 みじか くなることが可能 かのう である(地球 ちきゅう 上 じょう の時計 とけい でみれば、必 かなら ず1年 ねん 以上 いじょう かかる)。このとき、地球 ちきゅう の系 けい でみた移動 いどう 距離 きょり を、宇宙船 うちゅうせん の時計 とけい でみた経過 けいか 時間 じかん で割 わ った値 ね のことを、固有 こゆう 速度 そくど (英語 えいご 版 ばん ) という。固有 こゆう 速度 そくど はあるひとつの慣性 かんせい 系 けい で観測 かんそく される速度 そくど を表 あらわ しているわけではないので、この値 ね には上限 じょうげん がない。しかしもちろん、同時 どうじ に地球 ちきゅう を出発 しゅっぱつ した光信 みつのぶ 号 ごう はどんな場合 ばあい にも宇宙船 うちゅうせん より速 はや く惑星 わくせい に到達 とうたつ する。
光速 こうそく よりも速 はや く伝播 でんぱ するように見 み えるだけのもの
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いわゆる超 ちょう 光速 こうそく 運動 うんどう とよばれるものが、電波 でんぱ 銀河 ぎんが やクエーサー のジェット など、ある種 しゅ の天体 てんたい において観測 かんそく される。しかし、これらのジェットは光速 こうそく よりも速 はや く運動 うんどう しているわけではない。この見 み かけ上 じょう の超 ちょう 光速 こうそく 運動 うんどう は、物体 ぶったい が光速 こうそく に近 ちか い速度 そくど で運動 うんどう しており、その方向 ほうこう と視線 しせん とのなす角度 かくど が小 ちい さいときに起 お こる投影 とうえい 効果 こうか である。超 ちょう 光速 こうそく で運動 うんどう して見 み えるジェットを持 も つクエーサーは超 ちょう 光速 こうそく クエーサー と呼 よ ばれており、3C 279 や3C 179 はその一 いち 例 れい である。
媒質 ばいしつ 中 ちゅう の光速 こうそく よりも速 はや く伝播 でんぱ するもの
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衝撃波 しょうげきは とは、主 おも にある媒質 ばいしつ 中 ちゅう の音速 おんそく を超 こ えて運動 うんどう する物体 ぶったい により発生 はっせい する強 つよ い圧力 あつりょく 波 は であるが、同様 どうよう に媒質 ばいしつ 中 ちゅう の光速 こうそく を超 こ えて運動 うんどう する荷電 かでん 粒子 りゅうし によっても強 つよ い電磁波 でんじは が発生 はっせい し、これをチェレンコフ放射 ほうしゃ と呼 よ ぶ[15] 。絶縁 ぜつえん された媒質 ばいしつ 中 ちゅう を荷電 かでん 粒子 りゅうし が通過 つうか するとき、媒質 ばいしつ の原子 げんし 中 ちゅう の電子 でんし は荷電 かでん 粒子 りゅうし の場 ば によって局所 きょくしょ 的 てき に乱 みだ され偏 へん 極 きょく が起 お きる。粒子 りゅうし が通過 つうか したあとに媒質 ばいしつ 中 ちゅう の電子 でんし が再 ふたた び平衡 へいこう 状態 じょうたい に戻 もど るとき電磁波 でんじは が放射 ほうしゃ されるが(十 じゅう 分 ふん 移動 いどう 度 ど の高 たか い伝導 でんどう 体 たい においては電磁 でんじ 遮蔽 しゃへい により電磁波 でんじは は発 はっ しない)、粒子 りゅうし の速度 そくど が十分 じゅうぶん 遅 おそ い場合 ばあい 、この電磁波 でんじは は干渉 かんしょう により弱 よわ めあう。しかし場 ば の乱 みだ れが光子 こうし よりも速 はや いとき、すなわち荷電 かでん 粒子 りゅうし が媒質 ばいしつ 中 ちゅう の光速 こうそく よりも速 はや いとき、光子 こうし は干渉 かんしょう により強 つよ めあい、観測 かんそく される放射 ほうしゃ 強度 きょうど は増幅 ぞうふく される。
理論 りろん 上 じょう の超 ちょう 光速 こうそく 粒子 りゅうし
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光速 こうそく 変動 へんどう 理論 りろん
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光速 こうそく の暗唱 あんしょう
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光速 こうそく の値 ね の全 ぜん 桁 けた を暗記 あんき する例 れい として、次 つぎ のものがある。
にく(憎 にく )くなく 二 に 人 にん 寄 よ れば いつも ハッピー[注釈 ちゅうしゃく 7]
2 9 9 7 9 2 4 5 8
にく(憎 にく )くなく 似 に よ 子 こ や[17]
2 9 9 7 9 2 4 5 8
にく(憎 にく )くなく にょうご(女御 にょうご )や
2 9 9 7 9 2 4 5 8
にく(憎 にく )くなく ぶじ(無事 ぶじ )こうばん(交番 こうばん )で 拘束 こうそく (光速 こうそく )だ
2 9 9 7 9 2 4 5 8
^ 太陽 たいよう から地球 ちきゅう までの距離 きょり / 光速 こうそく = 149597 870 700 m / 299792 458 m/s = 499.004783 s (約 やく 8分 ふん 19秒 びょう )
^ 月 つき から地球 ちきゅう までの距離 きょり / 光速 こうそく = 384400 000 m / 299792 458 m/s = 1.282220 s (約 やく 1.3秒 びょう )
^ 光 ひかり は直進 ちょくしん するので実際 じっさい には「周回 しゅうかい 」することはないが、あくまでも数値 すうち の対比 たいひ からくる比喩 ひゆ である。光速 こうそく / 地球 ちきゅう の円周 えんしゅう ≈ 3.0× 108 m/s / 40000 km = 7.5 s−1
^ クエーサー の木星 もくせい による掩蔽 えんぺい の観測 かんそく を、重力 じゅうりょく レンズ効果 こうか の数値 すうち と比較 ひかく :NASA
^ 例 たと えば、小林 こばやし 弘和 ひろかず , 北野 きたの 正雄 まさお 「机 つくえ の上 うえ で光速 こうそく を測 はか る 」『大学 だいがく の物理 ぶつり 教育 きょういく 』第 だい 21巻 かん 第 だい 3号 ごう 、日本 にっぽん 物理 ぶつり 学会 がっかい 、2015年 ねん 、130-134頁 ぺーじ 、ISSN 1340-993X 。
^ デカルトは、光 ひかり の速 はや さは無限 むげん 大 だい だとする一方 いっぽう で、屈折 くっせつ の法則 ほうそく を導 みちび く際 さい には、密度 みつど の高 たか い媒質 ばいしつ 中 ちゅう で光 こう は速 はや くなるという議論 ぎろん もしている。
^ 大井 おおい みさほ(東京学芸大学 とうきょうがくげいだいがく 名誉 めいよ 教授 きょうじゅ 。元 もと 計量 けいりょう 研究所 けんきゅうじょ 勤務 きんむ 。)による発案 はつあん
^ a b ニュートン (2011-12)、pp. 24–25.
^ SI Brochure: The International System of Units (SI) Previous editions of the SI Brochure, 8th edition of the SI brouchure(2006), 2.1.1.1 Unit of length(metre), p.112欄 らん 外注 がいちゅう The symbol, c0 (or sometimes simply c), is the conventional symbol for the speed of light in vacuum.
^ https://www.bipm.org/documents/20126/41483022/SI-Brochure-9.pdf/ The International System of Units (SI) Ver.9 (2019), p.127 2.2 Definition of the SI, p.128 Table 1 speed of light in vacuum c など。
^ speed of light in vacuum 記号 きごう がc となっている。Fundamental Physical Constants, The NIST Reference on Constants, Units, and Uncertainty
^ [1] Why is c the symbol for the speed of light?
^ a b c ニュートン (2011-12)、pp. 28–29.
^ ニュートン (2011-12)、pp. 30–31.
^ 西条 さいじょう 敏美 としみ 「物理 ぶつり 定数 ていすう とはなにか」 ISBN 4-0625-7144-7
^ a b ニュートン (2011-12)、pp. 32–33.
^ 都築 つづき 卓司 たくし 、p.215
^ 都築 つづき 卓司 たくし 、p.136
^ Egan, Greg (2000年 ねん 8月 がつ 17日 にち ). “Applets Gallery / Subluminal ”. 2018年 ねん 3月 がつ 5日 にち 閲覧 えつらん 。
References LJ Wang; A Kuzmich & A Dogariu (2000年 ねん 7月 がつ 20日 はつか ). “Gain-assisted superluminal light propagation”. Nature (406): p277.
^ Electrical pulses break light speed record , physicsweb, 2002年 ねん 1月 がつ 22日 にち ; A Haché and L Poirier (2002), Appl. Phys. Lett. v.80 p. 518 も参照 さんしょう 。
^ “Shadows and Light Spots ”. 2008年 ねん 3月 がつ 2日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 法則 ほうそく の辞典 じてん 『チェレンコフ放射 ほうしゃ 』 - コトバンク
^ 都築 つづき 卓司 たくし 、p.130
^ 兵頭 ひょうどう 俊夫 としお 、『考 かんが える力学 りきがく 』第 だい 2版 はん 、p.27、学術 がくじゅつ 図書 としょ 出版 しゅっぱん 社 しゃ 、ISBN 978-4-7806-0941-7 、2021年 ねん 10月 がつ 31日 にち 第 だい 2版 はん 第 だい 1刷 さつ
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