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砂利 - Wikipedia

砂利じゃり(じゃり、ざり、えい: gravel)は、つぶみち一定いっていこまかさをもつまるみをびたいし[1]。よりこまかいすな比較的ひかくてきおおきい栗石くりいし玉石ぎょくせきふくむこともある[1]岩石がんせき破砕はさいした砕石さいせきとはことなる[1]

はしけからおろされる砂利じゃり
金魚きんぎょ水槽すいそうれられた砂利じゃり

定義ていぎ種類しゅるい

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砂利じゃりつぶみち形状けいじょうによって定義ていぎされる[1]つぶみちがおおむね300mm以内いないまるみをびた岩石がんせきは、ちいさいじゅんすな砂利じゃり栗石くりいし玉石ぎょくせきばれており、これらをまとめて砂利じゃりあつかうこともある[1]後述こうじゅつのようにすな砂利じゃりほねざいなどではふるいによる区別くべつがある)。

また、砂利じゃり一般いっぱんてきには河川かせん上流じょうりゅう岩石がんせき風化ふうか作用さようははがんはなれ、または流域りゅういき砂礫されき浸食しんしょく作用さようによって崩壊ほうかいし、これが河川かせん流下りゅうかしながらかくけずられまるびたものをいう[1]岩石がんせき破砕はさいした砕石さいせき形状けいじょうまるみをびたものではなく砂利じゃりとはことなる[1]

ほねざい砂利じゃり

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モルタルやコンクリートの骨格こっかくもちいられる材料ざいりょうほねざいといい、すな砂利じゃり岩石がんせきから自然しぜん作用さよう産出さんしゅつされる天然てんねんこつざいである[2]一方いっぽう、砕砂や砕石さいせき天然てんねんこつざいとはことなり岩石がんせき人工じんこうてき粉砕ふんさいしたものである[2]

10mmふるいを全部ぜんぶ通過つうかし、5mmふるいを重量じゅうりょうで85%以上いじょう通過つうかするほねざいほそほねざいといい、すなや砕砂がほそほねざいにあたる[1][2]。また、5mmふるいを重量じゅうりょうで85%以上いじょうとどまるほねざいほぼほねざいといい、砂利じゃり砕石さいせきほねざいにあたる[1][2]

なお、砂利じゃりほぼほねざいすなほそほねざい同義語どうぎごとしてもちいられることもあるが、以上いじょうのようにほねざいほそほねざい一種いっしゅである[2]

種類しゅるい

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砂利じゃりすなは、さんじょうにより、河川かせん砂利じゃりすな)、りく砂利じゃりすな)、やま砂利じゃりすな)、うみ砂利じゃりすな)に分類ぶんるいされる[1]

河川かせん砂利じゃりすな
河川かせんせきダム堆積たいせきしたもの。コンクリートこつざいもっとてきした砂利じゃりである[1]。しかし、河川かせんからの採取さいしゅ治水ちすいじょう河川かせん管理かんりじょう影響えいきょうおおきいため規制きせいされるようになった[1]
りく砂利じゃりすな
河川かせんながれあと氾濫はんらんばら扇状地せんじょうちから採取さいしゅしたもの。農地のうち付近ふきんであることがおお休業きゅうぎょう補償ほしょうどろぶん除去じょきょおおくのコストがかかる[1]
やま砂利じゃりすな
山地さんち丘陵きゅうりょう台地だいちから採取さいしゅしたもの[1]
うみ砂利じゃりすな
海浜かいひん海底かいていなどに堆積たいせきしたもの。塩分えんぶん除去じょきょつぶ貝殻かいがら除去じょきょ問題もんだいがある[1]

基礎きそ資材しざいとしての砂利じゃり

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建設けんせつ材料ざいりょう

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建設けんせつ材料ざいりょうとしての砂利じゃりには、道路どうろ鉄道てつどう軌道きどうよう路盤ろばん材料ざいりょうや、盛土もりつち埋立うめたてなどを造成ぞうせいする土工どこう材料ざいりょうコンクリートつくさいほねざい日本にっぽん庭園ていえん造園ぞうえんにおける敷石しきいしなどの種類しゅるいがある。

日本にっぽんにおけるコンクリートようほねざいは、すなはJIS A 5308「レディーミクストコンクリートようこつざい」、砕石さいせきにはJIS A 5005「コンクリートよう砕石さいせきおよび砕砂」などが規定きていされている。

砂利じゃり資源しげん

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砂利じゃり採掘さいくつ自体じたいかわ氾濫はんらんによる水害すいがい予防よぼうのために日本にっぽんでもふるくからおこなわれていたが、幕末ばくまつ開港かいこうすると、外国がいこくせん安定あんていした航行こうこうのため船底ふなそこにしく「船足ふなあし(ふなあし)砂利じゃり」として活発かっぱつし、横浜よこはまでは明治めいじねん(1870ねん)に玉川たまがわ砂利じゃり会社かいしゃ設立せつりつされ、横浜よこはま新橋しんばしあいだ鉄道てつどう建設けんせつにも使つかわれた[3]

日本にっぽんにおける砂利じゃり利用りようは、関東かんとう地震じしんころから本格ほんかくしたとされている。当時とうじは、だい消費しょうひちか都市としちかくの多摩川たまがわ荒川あらかわなどのだい河川かせんかわ砂利じゃりさかんに採取さいしゅされた。当時とうじ砂利じゃり運搬うんぱんをするために各地かくちちいさな鉄道てつどう会社かいしゃ設立せつりつされ、それがこう東急とうきゅう電鉄でんてつ相模鉄道さがみてつどうなどの大手おおて私鉄してつ母体ぼたいとなったものもすくなくない。その砂利じゃり需要じゅよう飛躍ひやくてきえるのが高度こうど経済けいざい成長せいちょうまえ建設けんせつラッシュのころである。それまでほぼ全量ぜんりょうまかなってきたかわ砂利じゃりは、河川かせん護岸ごがんがりや橋梁きょうりょう基礎きそあらいほりなどさまざまな問題もんだいあらわれるようになると徐々じょじょ採取さいしゅ規制きせいがされるようになり、1960年代ねんだいまつまでには主要しゅよう河川かせん採取さいしゅ原則げんそく禁止きんしされることとなった。それでも増加ぞうかする砂利じゃり需要じゅようこたえるため、かわ砂利じゃりわって砕石さいせきりく砂利じゃりうみ砂利じゃり割合わりあいおおくをめるようになった。とく砕石さいせきは、ぜん需要じゅようの50%をえる供給きょうきゅうげんとなったが、運搬うんぱん使つかわれるダンプトラックのせきや、騒音そうおん振動しんどう排気はいきガスの問題もんだい顕在けんざいされるようになり、道路どうろ交通こうつうほう改正かいせいされることとなった。うみ砂利じゃりは、砕石さいせきてきした岩石がんせきすくない瀬戸内海せとないかい沿岸えんがん九州きゅうしゅう北部ほくぶさかんにおこなわれたが、採取さいしゅによって漁場ぎょじょうれるなどの漁業ぎょぎょうへの影響えいきょう発生はっせいしたことなどから徐々じょじょ規制きせいすすみ、瀬戸内海せとないかいでは全面ぜんめん規制きせい検討けんとうされている。1990年代ねんだい平成へいせい不況ふきょう以降いこう砂利じゃり需要じゅようびはいてはいるが、国内こくないでのほねざい供給きょうきゅう自然しぜん保護ほご意識いしきたかまりや郊外こうがい都市とし進展しんてんなど砕石さいせき採取さいしゅてきした場所ばしょ減少げんしょうや、かわ砂利じゃりうみ砂利じゃり採取さいしゅ規制きせいによって供給きょうきゅう不安ふあんられるようになった。そこで、中国ちゅうごくからかわ砂利じゃり輸入ゆにゅうされるようになったものの、中国ちゅうごくでは中国ちゅうごくない需要じゅよう増加ぞうかなどにより2007ねん平成へいせい19ねん)3がつより、すな全面ぜんめん輸出ゆしゅつ禁止きんしとなった[4]

現在げんざいでは、ダムやせき堆積たいせきした砂利じゃり活用かつようすることがおこなわれている。また、河川かせんへの堆積たいせき土砂どしゃすすんだため、かわ砂利じゃり採取さいしゅ規制きせい緩和かんわすすんでいる[5]

今後こんご21世紀せいきなかばにかけては、高度こうど成長せいちょう建設けんせつされた構造こうぞうぶつ耐用たいよう年数ねんすうむか解体かいたいされるものがえてくると予測よそくされており、それらを再生さいせい砂利じゃりとして有効ゆうこう活用かつようし、需要じゅようたしていくことがかんがえられており、品質ひんしつ向上こうじょうさせたり再生さいせい処理しょりコストの削減さくげん研究けんきゅうするうごきがすすんでいる。

その用途ようと

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みず処理しょり

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浄水じょうすいじょう下水げすい処理しょりじょう使つかわれるフィルターざいとしても利用りようされている。

アクアリウム

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水生すいせい生物せいぶつ飼育しいくするアクアリウムでは、水槽すいそううち景観けいかんデザインや、水草みずくさ固定こていさせるために砂利じゃりくことがある。

防犯ぼうはんぼうそう

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リサイクル発泡はっぽうこつざい
防犯ぼうはん砂利じゃり

一般いっぱん家庭かていでは防犯ぼうはん足音あしおとるようにするため)や雑草ざっそう生育せいいく阻害そがいする目的もくてきもちいられることがある。

防犯ぼうはんよう防犯ぼうはん砂利じゃりにははいガラスや岩石がんせき素材そざいにしたものなどがあり素材そざいはさまざまである[6]リサイクル発泡はっぽうこつざいばれる、はいガラス瓶がらすびんなどガラスざいをリサイクルし、発泡はっぽうざい混合こんごうしょうゆいして出来できほねざいもちいたものもある。このほねざいは、ガラスしつ強固きょうこ無数むすう微細びさい気泡きほう定形ていけい塊状かいじょうからなっている。軽量けいりょう強度きょうどもあり薬品やくひんねつにもつよい。運動うんどうじょうみずはけようや、急斜面きゅうしゃめんかべ背面はいめんうらようや、浸透しんとう地下ちかトレンチざいとして利用りようされているほか、敷詰しきつめたうえあるくと『じゃりじゃり』とおとがし、敷地しきちない進入しんにゅう防止ぼうし効果こうかがあることから、『防犯ぼうはん砂利じゃり』として一般いっぱん住宅じゅうたくようにもひろ利用りようされている。

また劇場げきじょうなどで使つかわれた隠語いんごから、子供こども蔑称べっしょうとして「ジャリ」が使つかわれることもある。丸刈まるが主流しゅりゅうだった時代じだい子供こどもきゃくあつまりを劇場げきじょううえから見下みおろすと、砂利じゃりのようにえたことから。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 竹島たけしま敏正としまさ砂利じゃりすな開発かいはつ現状げんじょう問題もんだいてん」『資源しげん素材そざいだい110かんだい13ごう資源しげん素材そざい学会がっかい、1994ねん、1011-1016ぺーじdoi:10.2473/shigentosozai.110.1011ISSN 0916-1740NAID 130004099492 
  2. ^ a b c d e 基礎きそ講座こうざシリーズ コンクリートの基礎きそ講座こうざ”. 一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん建材けんざい試験しけんセンター. 2020ねん8がつ15にち閲覧えつらん
  3. ^ 飯田いいだこうはい添田そえたともどおり地域ちいきリーダーとしての生涯しょうがい横浜よこはま開港かいこう資料しりょうかん開港かいこうのひろば」だい94ごう、2006(平成へいせい18)ねん11月1にち
  4. ^ すなかんがなおす』独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょけん資源しげん環境かんきょう部門ぶもん鉱物こうぶつ資源しげん研究けんきゅうグループより 2007ねん5がつ14にちづけ
  5. ^ 国交こっこうしょう河川かせん砂利じゃり採取さいしゅ規制きせい緩和かんわ/19年度ねんどに1000まん立米りゅうべい許可きょか 日刊にっかん建設けんせつ工業こうぎょう新聞しんぶん 2017ねん7がつ6にち
  6. ^ 小学校しょうがっこう理科りかハンドブック”. 大阪おおさか教育きょういくセンター. 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん

参考さんこう資料しりょう

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関連かんれん項目こうもく

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