有機 亜鉛 化合 物
合成
いくつかの
酸化 的 付加 。フランクランドによって最初 に報告 されたジエチル亜鉛 の合成 法 は、水素 ガスを「不 活性 ガス」として用 いた、ヨードエタンの金属 亜鉛 への酸化 的 付加 であった。塩化 亜鉛 と金属 カリウムから調整 したいわゆるリーケ亜鉛 を使 うことによって金属 亜鉛 の反応 性 を増 すことができる。- ハロゲン−
亜鉛 交換 。ヨウ素 −亜鉛 交換 とホウ素 −亜鉛 交換 の2つが主要 な交換 法 である。後者 の反応 の第 1段階 はアルケンのヒドロホウ素 化 である。
- トランスメタル
化 。典型 的 なトランスメタル化 (金属 交換 )はジフェニル水銀 と金属 亜鉛 によるジフェニル亜鉛 と金属 水銀 の生成 である。反応 には2週間 を要 する。この反応 の駆動 力 は、最 も電気 陰性 度 の低 い元素 を含 む有機 化合 物 の生成 である。
- Ph−Hg−Ph + Zn → Hg + Ph−Zn−Ph (Phはフェニル
基 を示 す)
- この
反応 では、亜鉛 は1,2-ジブロモエタンとトリメチルシリルクロリドによって活性 化 される。塩化 リチウムを添加 しておくと生成 した有機 亜鉛 化合 物 と可溶性 の付加 体 を形成 して金属 表面 から取 り除 くため、これが本 反応 の鍵 となる。
反応
- バルビエール
反応 (Barbier reaction)はマグネシウムを用 いるグリニャール反応 の亜鉛 版 であり、そちらよりも古 くから知 られ、反応 に要求 される条件 もより緩 やかである。有機 マグネシウムハライドの調製 はわずかの水 が存在 していても失敗 するのに対 して、バルビエール反応 は水中 で行 うことさえ可能 である。しかしながら、有機 亜鉛 の求 核 性 はグリニャール試薬 よりも劣 る。第 12族 元素 の中 では亜鉛 が最 も高 い反応 性 を有 する。 - レフォルマトスキー
反応 はオルガノ亜鉛 ハライドを経由 してα -ハロエステルやアルデヒドをβ -ヒドロキシエステルに変換 する。 - シモンズ・スミス
反応 ではカルベノイドである(ヨードメチル)亜鉛 ヨージドをアルケンと反応 させてシクロプロパン環 を得 る。 亜鉛 アセチリドを用 いた反応 。- カルボニル
化合 物 への付加 反応 。ジメチル亜鉛 、ジエチル亜鉛 、ジフェニル亜鉛 が市販 されている。これらの試薬 は高価 であり、取 り扱 いも難 しい。より安価 な有機 臭素 化物 前駆 体 から活性 な有機 亜鉛 化合 物 を得 る方法 が報告 されている[5][注 2]。
脚注
注釈
- ^ この
例 では、アリール亜鉛 ヨージドがアリルブロミドと求 核 置換 反応 する。 - ^ このワンポット
合成 ではブロモベンゼンは4モル当 量 の n-ブチルリチウムでフェニルリチウムに変換 され、それから塩化 亜鉛 とのトランスメタル化 によってジエチル亜鉛 となる。これがまず不 斉 なMIB配 位 子 と、次 に2-ナフチルアルデヒドと反応 して生成 物 のキラルなアルコールを与 える。反応 中 に塩化 リチウムが副 生 するが、これはMIBを伴 わない反 応 を触媒 してラセミ体 のアルコールを生 じさせてしまう。塩化 リチウムはテトラエチルエチレンジアミン (TEEDA) を添加 することによりキレーション効果 によって除去 することができ、eeは92%まで上 げられる。
出典
- ^ The Chemistry of Organozinc Compounds; Patai, S., Rappoport, Z., Marek, I., Eds.; John Wiley & Sons: Chichester, UK, 2006. ISBN 0-470-09337-4.
- ^ Organozinc reagents – A Practical Approach; Knochel, P., Jones, P., Eds.; Oxford Medical Publications: Oxford, 1999. ISBN 0-19-850121-8.
- ^ Synthetic Methods of Organometallic and Inorganic Chemistry Vol 5, Copper, Silver, Gold, Zinc, Cadmium, and Mercury; Herrmann, W. A., Ed.; Thieme Chemistry: Stuttgart, 2000. ISBN 3-13-103061-5.
- ^ Krasovskiy, A.; Malakhov, V.; Gavryushin, A.; Knochel, P. "Efficient Synthesis of Functionalized Organozinc Compounds by the Direct Insertion of Zinc into Organic Iodides and Bromides". Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 6040–6044. doi:10.1002/anie.200601450
- ^ Kim, J. G.; Walsh, P. J. "From Aryl Bromides to Enantioenriched Benzylic Alcohols in a Single Flask: Catalytic Asymmetric Arylation of Aldehydes". Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 4175–4178. doi:10.1002/anie.200600741