檜ひのき貝かい嚢治

檜ひのき貝かい 嚢治（ひがい じょうじ、1906年ねん（明治めいじ39年ねん）11月20日にち - 1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）1月がつ29日にち）は、日本にっぽんの海軍かいぐん軍人ぐんじん。海兵かいへい57期き。太平洋戦争たいへいようせんそう（大だい東亜とうあ戦争せんそう）時じにおける爆ばく撃げき機きの名なパイロットで霞かすみ空むなし飛行ひこう隊長たいちょう、七なな〇一いち空そら飛行ひこう長ちょうを歴任れきにん。檜ひのき貝かい式しき爆撃ばくげき法ほうを生うみ出だし、ガダルカナル島とう夜間やかん爆撃ばくげき等とうを指揮しき、多大ただいな戦果せんかをもたらした。七なな〇五ご空そら飛行ひこう長ちょうの三原みはら元一げんいち少佐しょうさとともに陸りく攻おさむ隊たいの双璧そうへきといわれた。レンネル島とう沖おき海戦かいせんにおいて被弾ひだん後ご、敵艦てきかんへ突撃とつげき。戦死せんしによる二に階かい級きゅう特進とくしんで最終さいしゅう階級かいきゅうは海軍かいぐん大佐たいさ。

檜ひのき貝かい 嚢治
檜ひのき貝かい 嚢治（海軍かいぐん少佐しょうさ時代じだい）
生誕せいたん	1906年ねん11月20日にち 日本にっぽん 千葉ちば県けん佐倉さくら町まち
死没しぼつ	(1943-01-29) 1943年ねん1月がつ29日にち（36歳さい没ぼつ） オーストラリア領りょう ソロモン諸島しょとうレンネル島とう沖おき
所属しょぞく組織そしき	大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん
軍ぐん歴れき	1930 - 1943
最終さいしゅう階級かいきゅう	海軍かいぐん大佐たいさ

略歴りゃくれき

1906年ねん（明治めいじ39年ねん）11月20日にち、千葉ちば県けん佐倉さくら町まち（現げん・佐倉さくら市し）に、海軍かいぐん機関きかん大佐たいさ・檜ひのき貝かい秀次郎ひでじろう（海軍かいぐん機関きかん学校がっこう4期き）の、三男さんなん三さん女じょの二男じなんとして生うまれる。1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）3月がつ、旧制きゅうせい佐倉さくら中学ちゅうがく（現げん・千葉ちば県立けんりつ佐倉さくら高等こうとう学校がっこう）を卒業そつぎょうし、当時とうじ、大陸たいりく熱ねつが盛さかんだったこともあり上海しゃんはいの東亜とうあ同どう文書ぶんしょ院いん大学だいがくに入学にゅうがくしたが、彼かれの考かんがえと現実げんじつは一致いっちせず、一いち年ねん次じの夏休なつやすみに日本にっぽんへ帰かえったままで再ふたたび上海しゃんはいには戻もどらず、海軍兵学校かいぐんへいがっこう（第だい57期き）へ進すすんだ。

23期き飛行ひこう学生がくせいを経へて、大湊おおみなと空そら、鹿屋かのや空そらに勤務きんむ。支ささえ那な事変じへん（日にち中ちゅう戦争せんそう）開始かいし以来いらい、中ちゅう支ささえ（華中かちゅう）戦線せんせんでの彼かれの爆ばく撃げき行ぎょうは数すう十じゅう回かいにおよび、輝かがやかしい戦果せんかをあげた。

1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）11月、霞かすみ空そら飛行ひこう隊長たいちょう、1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）12月、701空そら飛行ひこう長ちょうとしてラバウルに赴任ふにん。その飛行ひこう技術ぎじゅつは全ぜん軍ぐんから称となえられるまでになり、檜ひのき貝かい式しき爆撃ばくげき法ほうを生うみ出だし、ガダルカナル島とう夜間やかん爆ばく撃げきを指揮しきした。

1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）1月がつ29日にち、九きゅう六ろく式しき陸上りくじょう攻撃こうげき機きに搭乗とうじょうしてレンネル島とう沖おき海戦かいせんに参加さんか、撃墜げきついされ戦死せんしした。檜ひのき貝かいの死しを聞きいた軍令ぐんれい部ぶのある参謀さんぼうは「少佐しょうさを失うしなったことは、戦艦せんかん『陸奥みちのく』が沈しずんだよりも、もっと痛手いたでだ」と嘆なげいたという。檜ひのき貝かいの死しはしかし、ガダルカナル島とうの陸りく兵へい救出きゅうしゅつの突破口とっぱこうを切きり開ひらいた。

檜ひのき貝かいの戦死せんしは暫しばらく秘ひされていたが、1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）5月29日にちに全ぜん軍ぐんに告知こくちされ、二に階かい級きゅう特進とくしんして海軍かいぐん大佐たいさに任にんぜられた。生うまれ故郷こきょうの千葉ちば県けん佐倉さくら町まちでは1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）3月がつに町まち葬そうが行おこなわれた。

エピソード

• 美男びなん子ことして知しられていた。大湊おおみなと海軍かいぐん航空こうくう隊たい時代じだい、檜ひのき貝かいの外出がいしゅつがわかると、付近ふきんの婦人ふじん達たちが一目いちもく見みようと待まち構かまえていたという。
• 檜ひのき貝かいは晩婚ばんこんで、妻つまは岡部おかべ通とおる陸軍りくぐん少将しょうしょうの娘むすめである。同時どうじに山本やまもと五十六いそろく夫人ふじんの礼子あやこには姪めいにあたり、山本やまもとは「檜ひのき貝かいは自分じぶんの姪めいには過すぎた男おとこ」とその結婚けっこんを喜よろこんだといわれる。
• 当時とうじの著名ちょめい女優じょゆう高峰たかみね三枝子みえこの片思かたおもいの相手あいてとしても知しられた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 小福田こふくだ晧文『指揮しき官かん空戦くうせん記き　ある零れい戦せん隊長たいちょうのリポート』光人みつひと社しゃ、1978年ねん8月がつ。ISBN 4-7698-0127-0。 
  小福田こふくだは大湊おおみなと海軍かいぐん航空こうくう隊たい時代じだいに同どう部隊ぶたい所属しょぞく。
• 安藤あんどう信雄のぶお編へん、近藤こんどう計けい三さん他た著ちょ『海軍かいぐん中ちゅう攻おさむ史話しわ集しゅう』中なか攻おさむ会かい、昭あきら55年ねん。
• 成瀬なるせ恭きょう『海うみ鷲わしの航跡こうせき 日本にっぽん海軍かいぐん航空こうくう外史がいし』原はら書房しょぼう、昭和しょうわ57年ねん。
• 秦はた郁いく彦『太平洋戦争たいへいようせんそう航空こうくう史話しわ 上じょう』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、平成へいせい5年ねん。
• 高松宮たかまつのみや宣仁のぶひと親王しんのう『高松宮たかまつのみや日記にっき（第だい五ご巻かん）』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、1996年ねん。 ISBN 4124033958
• 『歴史れきし群ぐん像ぞう・太平洋たいへいよう戦史せんしシリーズVol.7、ラバウル航空こうくう戦せん（第だい七なな巻かん）人物じんぶつ抄しょう伝でん・太平洋たいへいようの群像ぐんぞう61』うえはらみつはる（学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ）
• 岩崎いわさき剛つよし二に『指揮しき官かん最後さいごの決断けつだん・海うみの軍人ぐんじん30人にんの生涯しょうがい』光人みつひと社しゃNF文庫ぶんこ、2007年ねん。 ISBN 9784769825395
• 小暮こぐれ達夫たつお『レンネルの静寂しじまに』2007年ねん
• 高橋たかはし定じょう『飛翔ひしょう雲くも』第だい4章しょうパイロットへの道みち

関連かんれん項目こうもく

• ガダルカナル島とう撤退てったい作戦さくせん
• レンネル島とう沖おき海戦かいせん
• ラバウル航空こうくう戦せん

外部がいぶリンク

• 第だい七なな〇一航空隊飛行長 檜ひのき貝かい襄じょう治ち少佐しょうさ
• 岩崎いわさき剛つよし二に, 海藻かいそう録ろく第だい４回かい 檜ひのき貝かい襄じょう治ち (七なな〇一空飛行長・57期き・大佐たいさ) - ウェイバックマシン（2008年ねん12月12日にちアーカイブ分ぶん）, 古こ鷹たかパソコンクラブ (海軍兵学校かいぐんへいがっこう第だい75期きの有志ゆうし).