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瓶 - Wikipedia

びん

ガラスや陶器とうきでできた容器ようき

びんびん(びん)は、ガラス陶器とうき材料ざいりょうとした容器ようき

ガラス瓶がらすびん

概要がいよう

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ワインボトル
液体えきたいれる標準ひょうじゅんてきかたちに、おりをビンないめる工夫くふうられる
 
メイソンジャーなか保存ほぞんしょく
 
ピクルスよう広口ひろくちびん
 
さい利用りよう可能かのうな、ジャムよう広口ひろくちびん
 
わせたときにたおれにくくなるようにつくられた調味ちょうみりょうようビン

びん液体えきたい固体こたい粉末ふんまつなど)の輸送ゆそう保存ほぞんてきした容器ようき形態けいたいで、容器ようきくちには密閉みっぺいよう機構きこうそなえるものがおおい。簡単かんたんなものではくちにはめかみぶたれいとして牛乳ぎゅうにゅうびん)やコルクせんれいとしてワインボトル)、ゴムせんなどやわらかい素材そざいでできたせんがされるが、王冠おうかんなど金属きんぞくせいのキャップを利用りようするもの(れいとしてル瓶るびん)もすくなくない。密閉みっぺいせいたかく、外気がいきとの遮断しゃだんができるてんでもすぐれている。

円柱えんちゅうがたのものがおおいが、まれ角柱かくちゅうじょうかくびんもある。かくびん船積ふなづみして遠方えんぽう輸送ゆそうするさい荷積にづみの便利べんりさから工夫くふうされたもの。またガラス発明はつめいされる以前いぜんに、ヒツジなどの胃袋いぶくろ利用りようしてみずれるための容器ようき仕立したてられたもののかたちをガラスで再現さいげんしたものもある(ボックボイテル-ドイツのフランケン地方ちほうのワインに特有とくゆう下膨しもぶくれのびん)。この「任意にんいかたち加工かこうしやすい」という性質せいしつは、意匠いしょうらした様々さまざまびんんでいる。

こういった容器ようき人間にんげんとガラスなど加工かこうしやすくかた素材そざいとのいがはじまって以降いこう利用りようすすんだが、その形状けいじょう機能きのう研究けんきゅうされ、保存ほぞんしょく容器ようきとして(瓶詰びんづめ)や飲料いんりょう容器ようきとしてひろ利用りようされている。内容ないようぶつおうじてくちひろびんからせまくなった「くび」をつものまで様々さまざまだが、そうじて食品しょくひんびんくちひろく、飲料いんりょう調味ちょうみりょうなど液体えきたいびんくちせまい。開口かいこうせまいほどえきめん面積めんせきせまくなるため、たとえぶたをしていなくても保存ほぞんせいたかまるというめんもあるため、液体えきたいびん先細さきぼそりとなっているものもすくなくない。

名称めいしょう

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びんの漢字かんじには「びん」と「びん」がある[1]。「びん」のみは「ヘイ」から「ビン」に時代じだいとともに変化へんかしたもので本来ほんらい陶器とうきつぼ陶器とうき一般いっぱん意味いみしていた[1]一方いっぽう、「びん」のみは本来ほんらいは「タン」であり土器どきつぼ意味いみし、ガラスせい容器ようきという意味いみ日本にっぽん独自どくじ用法ようほうとされている[1]

英語えいごで、ボトルえい: bottle)というとくちほそびんし、ジャーえい: jar)というと広口ひろくちびん[注釈ちゅうしゃく 1]びんがある水差みずさちかびん英語えいごジャグえい: jug )である[注釈ちゅうしゃく 2]

びん種類しゅるい

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びんにはその用途ようとおうじて様々さまざまなものが存在そんざいする。ふるびん製造せいぞう大量たいりょう生産せいさんではかった時代じだいには、びん貴重きちょう容器ようきで、あらってなんでもさい使用しようすることを前提ぜんていとした容器ようきだった。この方向ほうこうせい現在げんざいでも一升瓶いっしょうびんル瓶るびん牛乳ぎゅうにゅうびんなどにのこっており、これら洗浄せんじょうしてさい使用しようすることを前提ぜんていとしたびんは、リターナブルびんともばれ循環じゅんかんがた社会しゃかいでは飲料いんりょう食品しょくひん調味ちょうみりょう容器ようきとして注目ちゅうもくあつめる。

その一方いっぽうで、産業さんぎょう革命かくめい以降いこうにはびん大量たいりょう生産せいさん方法ほうほう確立かくりつされ、使用しようしたびん破砕はさいしてガラス原料げんりょうとしてリサイクルする場合ばあいがある。これはリターナブルびん対義語たいぎごであるワンウェイびんともばれる。

こと洗浄せんじょうしてさい使用しようするリターナブルびん場合ばあいでは、内容ないようぶつごと意匠いしょうらして製品せいひん種類しゅるいをアピールすることは配慮はいりょされないため、規格きかくされたおおきさ(容積ようせき)・かたちいろをしている。たとえば一升瓶いっしょうびんでも日本酒にほんしゅなどをれるものは茶色ちゃいろいろつきびんで、食用しょくようなどは内容ないようぶつ見分みわけやすいあわ青色あおいろ透明とうめいびん使つかわれるが、形状けいじょうはどちらも尺貫法しゃっかんほうにおけるいちしょうやく1.8リットル)の細長ほそながくびったおながたをしている。

ふるきガラスつくったびんもちいられたが、こういったびんおおきさや容積ようせきがまちまちであることから、工業こうぎょう単位たんい製造せいぞうされた物品ぶっぴんおさめることにかず、次第しだいおおきさが規格きかくされていったことがうかがわれる。

特徴とくちょう

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  • 化学かがくてき安定あんていした物質ぶっしつ活性かっせい)で内容ないようぶつ汚染おせんすることもなくたい熱性ねっせいがある[4][5]
  • ガスバリアーせいたか気体きたいあるいは水蒸気すいじょうき透過とうかせいまったいためあじ変質へんしつ抑制よくせいできる[4][5]
    ガラスにせよ上薬うわぐすりけた陶器とうきにせよ、その表面ひょうめんのガラスしつ簡単かんたんにはけず気密きみつせいもあるため、長期間ちょうきかん液体えきたい保存ほぞんしていても内容ないようぶつれたり蒸発じょうはつすることをふせぐことができる。また殺菌さっきんほう発達はったつ雑菌ざっきん侵入しんにゅうはばガラス瓶がらすびん性質せいしつから保存ほぞんしょく従来じゅうらい乾燥かんそう塩漬しおづくわ密閉みっぺいというかたち完成かんせいさせ、缶詰かんづめ原型げんけいともなった。内容ないようぶつさず・腐食ふしょくせずという性質せいしつからたか保存ほぞんせい発揮はっきする。ただ、密閉みっぺいせいたかめるためにかためられたガラス瓶がらすびんぶたけにくいという難点なんてんがある(そのため、てこの原理げんり応用おうようして、ガラス瓶がらすびんぶた容易よういける道具どうぐ市販しはんされている)。
    ただし、ワインとうにおける劣化れっか問題もんだいにおいてあらわれるように、ガスバリアーせい使用しようするせんによっておおきく影響えいきょうける。樹脂じゅしせいのものは樹脂じゅしとおしての気体きたい透過とうかにより一般いっぱんにガスバリアーせいたかくない。
  • 透明とうめい内容ないようぶつがよくえ、また、表面ひょうめんには光沢こうたくがあり質感しつかん[4][5]。ただし、光線こうせん影響えいきょうけやすい[4]
    ガラス瓶がらすびん場合ばあいでは内容ないようぶつけてえるというてんからも利便りべんせいたかい。ラベルがれていても、イチゴジャムマーマレードちがえなくてむ。しかし、この透明とうめいという性質せいしつ太陽光たいようこうせん内容ないようぶつ劣化れっかやす場合ばあいには欠点けってんとなる。このため光線こうせんさえぎるためにいろ着色ちゃくしょくしているびんすくなくない。
  • リサイクルが可能かのうである[4]
    今日きょう資源しげんのリサイクルが重視じゅうしされるようになったこともあり、リターナブルびんさい使用しようワンウェイびんカレット利用りようなど、比較ひかくてきさい利用りようさいのエネルギーコストが低廉ていれんであるというガラス瓶がらすびん利点りてん見直みなおされつつある。
  • 世界せかいてき原料げんりょうとなる珪砂けいしゃ、ソーダはい石灰せっかい豊富ほうふであり資源しげんてき安定あんていしている[4]
  • かみ容器ようきなどにくらべておもたい[4]
  • 衝撃しょうげき急激きゅうげき温度おんど変化へんかよわれやすい[4][5]
    強度きょうどたかめるためには必然ひつぜんてきあつくしなければならず、さらに重量じゅうりょう増加ぞうかするてん不利ふりである。ただし、現在げんざいびん一部いちぶでは合成ごうせい樹脂じゅしフィルム表面ひょうめん接着せっちゃくするなどして強度きょうどげているものがあり、また形状けいじょう工夫くふうすることで必要ひつよう強度きょうど最小限さいしょうげんあつさで実現じつげんできるようにもなっている。
  • 密封みっぷう殺菌さっきん容易よういでない[4]。ただし、缶詰かんづめいちけると容器ようきとしてはもともどらなくなるが、ねじぶたガラス瓶がらすびんなおすことができ容器ようき反復はんぷくして利用りようすることができるという利点りてんがある。

そのびん

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びんはガラスや陶器とうき、あるいはプラスチックなど加工かこうには可塑かそせい加工かこう硬質こうしつする、安定あんていした物性ぶっせい素材そざいつくられるのがつねである。ただし映画えいが撮影さつえいコントなどでは、ガラス瓶がらすびんの「つよ衝撃しょうげきあたえるとくだける」という性質せいしつ安全あんぜん再現さいげんするためにあめガラスばれる、特別とくべつせいびん利用りようされる。これは既存きそんル瓶るびんなどにせてつくられるが、よわちかられ、また破片はへん怪我けがをしがたい。このほかロジン樹脂じゅし一種いっしゅ)などでも同様どうよう物品ぶっぴんつくられる。ただしこれらは容器ようきとしてのやくにはたず、びんかたちをしたこわやす物品ぶっぴんぎない。

プラスチックをはじめとした棄物が環境かんきょうあたえる影響えいきょうまえて、かみせいボトルの製作せいさくこころみられている。2019ねんには、ビール会社かいしゃカールスバーグ木質もくしつ繊維せんいのボトルにPET樹脂じゅしをコーティングしたビール容器ようき試作しさくひん公表こうひょうしている[6]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 日本にっぽん国内こくないでは、広口ひろくち魔法瓶まほうびん保温ほおん装置そうちきのごはんおひつをジャーという。いずれも保温ほおんよう機能きのうゆうする。これは日本にっぽん独特どくとく用法ようほう(カタカナ英語えいご)である。英語えいごのjarは、広口ひろくちびんつぼ一般いっぱんてきにいう言葉ことばである[2]
  2. ^ 日本にっぽん国内こくないでジャグというかたりは、水筒すいとうや、アウトドアよう飲料いんりょうすいタンクをしめ言葉ことばとして使つかわれている[3]

出典しゅってん

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  1. ^ a b c びん」と「びん」は、どちらもビンですが、意味いみちがいや使つかけなどあるのでしょうか? 大修館書店たいしゅうかんしょてん、2020ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  2. ^ 坂田さかた俊策しゅんさく『NHKカタカナ英語えいごうそ・ほんと』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、1988ねん5がつ20日はつか、35ぺーじ 
  3. ^ ジャグの通販つうはん・ネットショッピング”. カカクコム. 2017ねん11月23にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h i 日本にっぽん食品しょくひん保蔵やすぞう学会がっかい食品しょくひん保蔵やすぞう流通りゅうつう技術ぎじゅつハンドブック』たて帛社 p.37 2006ねん
  5. ^ a b c d 日本にっぽん包装ほうそう学会がっかい包装ほうそう事典じてん朝倉書店あさくらしょてん p.125 2001ねん
  6. ^ カールスバーグ、ビール用紙ようしパックの試作しさくひんをお披露目ひろめ”. CNN (2019ねん10がつ11にち). 2019ねん10がつ12にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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