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知覚 - Wikipedia

知覚ちかく

動物どうぶつ外界がいかいからの刺激しげき感覚かんかくとして自覚じかくし、刺激しげき種類しゅるい意味いみづけすること

知覚ちかく(ちかく、英語えいご: perception)とは、動物どうぶつ外界がいかいからの刺激しげき感覚かんかくとして自覚じかくし、刺激しげき種類しゅるい意味いみづけすることである。 視覚しかく聴覚ちょうかく嗅覚きゅうかく味覚みかくからだせい感覚かんかく平衡へいこう感覚かんかくなど、それぞれの感覚かんかく情報じょうほうをもとに、「あつい」「おもい」「かたい」などという自覚じかくてき体験たいけんとしてさい構成こうせいする処理しょりであるとえる。

哲学てつがくにおける知覚ちかく

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カント純粋じゅんすい理性りせい批判ひはん先験的せんけんてき感性かんせいろんによれば、時間じかん空間くうかん主観しゅかんから完全かんぜん演繹えんえきできる。 なぜならば時間じかん空間くうかんってものかんがえること不可能ふかのうであるから、それらは認識にんしき形式けいしきとしてあらかじそなわっているものであり、 つまり経験けいけんよりさきあたえられている。むしろ、時間じかん空間くうかん形式けいしきによって、はじめて経験けいけん可能かのうになる。 たんなる感覚かんかく時間じかん空間くうかん形式けいしき整理せいり統合とうごうされ、それにより客観きゃっかん発生はっせいする。

以上いじょう理論りろんいだショーペンハウアーはこれをさら吟味ぎんみ明確めいかくにした。 かれによると主観しゅかん客観きゃっかんしょうじるのはのう機能きのうによるもので、たとえば2つのている画像がぞうじゅうえず統合とうごうされ、我々われわれ立体りったいとしてあたえられる。 ものさわった刺激しげき整理せいり統合とうごうして立体りったい形成けいせいするのものうはたらきである。 このことは、ゆび交差こうささせあいだにペンなどをれさせると2つにかんじる錯覚さっかく(アリストテレスの錯覚さっかく)からも確認かくにんできる。 つまり客観きゃっかんとして我々われわれあたえられる世界せかいは、すでのう経由けいゆし、時間じかん空間くうかん形式けいしき統合とうごうされたものである。

この過程かてい概念がいねんによる抽象ちゅうしょうてき推論すいろんまったふくまない。 なぜならいぬねこといった動物どうぶつ知覚ちかくつことはあきらかだからである。

むしろ人間にんげんふく動物どうぶつ知覚ちかくは、因果いんがせい無意識むいしきに(つまり、抽象ちゅうしょうてき推論すいろんではなしに)適用てきようすることで成立せいりつする。 たとえば我々われわれ網膜もうまく様々さまざまぞうあらわれ、鼓膜こまく振動しんどうするが、このような器官きかんきる変化へんかだけでは 「それが外部がいぶ(客観きゃっかん)によってまれた刺激しげきである」と認識にんしきすることは不可能ふかのうである。というのも、みみそれ自体じたいたん刺激しげき感受かんじゅするだけで、 その刺激しげき肉体にくたい外部がいぶ(つまり空間くうかん)に存在そんざいするもの(客観きゃっかん)から発生はっせいした刺激しげきであるというように「推測すいそくする」機能きのうっていないからである。

ゆえに、我々われわれあらわれる客観きゃっかんは、すで因果いんがせい適用てきようけて成立せいりつしている。 因果いんがせいはむしろ、時間じかん空間くうかん同様どうよう我々われわれ客観きゃっかん成立せいりつせしめる条件じょうけんとしてのうそなわっている機能きのうであるとかんがえられる。 というのも、時間じかん空間くうかんおなじく、因果いんがせいもそれ自体じたい物事ものごと説明せつめい形式けいしきであり、なにかを理解りかいするということも結局けっきょく因果いんが関係かんけいにおいて理解りかいするということにならないからである。

心理しんりがくにおける知覚ちかく

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大脳だいのうにおける知覚ちかくのメカニズム

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  • からだせい感覚かんかく情報じょうほうはまず刺激しげきたいがわ中心ちゅうしんかいいち感覚かんかく)にたっし、その両側りょうがわ頭頂とうちょうべんぶた感覚かんかく)につたえられる。
  • 聴覚ちょうかく情報じょうほうおも刺激しげきたいがわがわあたま上面うわつらいち聴覚ちょうかく、そのその周囲しゅうい聴覚ちょうかく伝達でんたつされる。
  • 聴覚ちょうかくからだせい感覚かんかくともいちから皮質ひしつすすむにしたがい、高次こうじ処理しょりおこなわれるようである。
  • 視覚しかく情報じょうほうこうあたまいち視覚しかくにまずたっし、順次じゅんじ前方ぜんぽうかって情報じょうほう伝達でんたつされ様々さまざま処理しょりがなされていく。
  • 視覚しかくからだせい感覚かんかく聴覚ちょうかく皮質ひしつかこまれた・あるいは重複じゅうふくする場所ばしょ位置いちする頭頂とうちょうは、それらの情報じょうほう統合とうごうする(「異種いしゅ感覚かんかく情報じょうほう統合とうごう」)はたらきをゆうしている。たとえば「つくえうえにあるコップにばしてつかむ」という一見いっけん単純たんじゅん動作どうさにも、おもてざい感覚かんかく深部しんぶさとしふくからだせい感覚かんかく視覚しかく、さらに運動うんどう出力しゅつりょく情報じょうほう複雑ふくざつ統合とうごう必要ひつようであるが、頭頂とうちょう障害しょうがいでこのような動作どうさがスムーズにできなくなる(このような症状しょうじょうしつぎょうばれる)。

知覚ちかくにおける運動うんどう役割やくわり

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ただし、知覚ちかく実現じつげんしているのは感覚かんかく情報じょうほうだけではない。たとえば、「おもい」という知覚ちかくかんるためには皮膚ひふからのつよ圧覚あっかくすじ紡錘ぼうすい関節かんせつからの深部しんぶさとしフィードバックとともに、それに拮抗きっこうして筋力きんりょく収縮しゅうしゅくさせているという運動うんどう出力しゅつりょく情報じょうほう必要ひつようとなっている。

このように能動のうどうてき運動うんどうすることも情報じょうほうとして使用しようすることによる物体ぶったい認識にんしきは「アクティブ・タッチ」とよばれている。

知覚ちかくから認知にんち

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知覚ちかくをもとにして、さらに「これはいぬである」などと解釈かいしゃくする処理しょりなどが認知にんちである。

知覚ちかく過敏かびん

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知覚ちかくにおいて、通常つうじょう刺激しげき反応はんのう以上いじょう神経しんけい興奮こうふん負荷ふか[よう曖昧あいまい回避かいひ])がられる状態じょうたいで、臨床りんしょうではおも痛覚つうかくでの症状しょうじょう所見しょけんし、痛覚つうかく象牙ぞうげしつ知覚ちかく過敏かびんしょうがよくられる。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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