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秤 - Wikipedia

ばかり

物体ぶったいおもさや質量しつりょう測定そくていするのに使つかわれる器具きぐ

ばかり、はかり[ちゅう 1][1](はかり、英語えいご:weighing scale、weighing instruments[2]、scale、scales)とは、物体ぶったい質量しつりょう測定そくていする器具きぐである。質量しつりょうはかるための器具きぐであるが、同時どうじ密度みつど一定いってい物質ぶっしつ場合ばあいは、そこから体積たいせき計算けいさんによってもとめることも可能かのう道具どうぐである。

天秤てんびんばかり
ばねばかり
電子でんしりばかり。単位たんい表記ひょうきが「Kg」となっているがただしくは「kg」でなければならない(キロ#小文字こもじ使つか理由りゆう)。

一般いっぱんばかり天秤てんびんばかり(balance)とばねばかり(spring balance)のふたつにけられる。天秤てんびんばかりはてこおも利用りようすることで、重力じゅうりょくおおきさに影響えいきょうされずに「質量しつりょう」を測定そくていするものであり、ばねばかりは重力じゅうりょく作用さようフックの法則ほうそくからばね具合ぐあい(→弾性だんせい)によってちから検出けんしゅつしこれをとおして、やはり質量しつりょう計測けいそくするものである。

ばかりはか物理ぶつりりょう

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(質量しつりょうおもさ(重量じゅうりょう)とのちがいについては、おも(weight)または質量しつりょう(mass)を参照さんしょう。)

天秤てんびんばかりは質量しつりょう単位たんいキログラム)をはかり、バネばかりは重量じゅうりょう物理ぶつりりょうちから単位たんいニュートン)をはかるとする論者ろんしゃもいるなど、現在げんざいでも認識にんしきことなっているのが実態じったいである[3]

しかし、計量けいりょうかんする国際こくさい機関きかんであるOIML(国際こくさい法定ほうてい計量けいりょう機関きかん)とJIS日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく)は「はかり」をつぎのように定義ていぎしており、明確めいかく質量しつりょう測定そくていするものとしている[4][5]

物体ぶったい作用さようする重力じゅうりょく利用りようして,その物体ぶったい質量しつりょう測定そくていするために使用しようされる計量けいりょう。 この計量けいりょう質量しつりょう関連かんれんしたほかりょうおおきさ,パラメータ,また特性とくせい測定そくていするのにも使用しようされる。操作そうさ方法ほうほうによって,はかりは自動じどうはかりまた自動じどうはかりに分類ぶんるいされる。

計量けいりょう法体ほうたいけいでも、定期ていき検査けんさおこなわれる特定とくてい計量けいりょう種類しゅるいとして「質量しつりょうけい」のかたりもちいて、ばかり質量しつりょうはか計器けいきであることを明確めいかくにしている[6]

もしたとえば体重たいじゅうけい目盛めもり表示ひょうじ重量じゅうりょう物理ぶつりりょうは、ちから)をあらわしているとするならば、その単位たんいはニュートン(記号きごうはN)でなければならない。重力じゅうりょく単位たんいけいもちいられたキログラムしげる記号きごうは、kgfまたはkgw)の使用しようは、1999ねん10がつ以降いこう計量けいりょうほう取引とりひき証明しょうめいもちいることは禁止きんしされている[7]からである。特定とくてい計量けいりょう家庭かていよう特定とくてい計量けいりょうである体重たいじゅうけい目盛めもりないし表示ひょうじは、「kg」となっており[8]、このことは、体重たいじゅうけい質量しつりょうはかる「質量しつりょうけい」であることをしめしている。

天秤てんびんばかりとばねばかり

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天秤てんびんばかり

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天秤てんびんばかりは安定あんてい状態じょうたいくまでにやや手間てまかるほか、装置そうちそうじておおきくなる傾向けいこうがある。このため重力じゅうりょく一定いってい環境かんきょうでは、多少たしょう誤差ごさはあるものの、あつかやすいばねばかりのほうひろ使つかわれている。

ばねばかりでは、機械きかい要素ようそとしての金属きんぞくばねをもちいる方法ほうほう(コイルスプリングまたはいたばね)のほかゴムなどの弾力だんりょくせいのある素材そざい使つかわれることもあるが、無理むり過重かじゅうをかけると金属きんぞくばねは変形へんけいしたり破損はそんするほか、ゴムではだんきれするほかゴムそのものが経年けいねん変化へんか劣化れっかすると誤差ごさ拡大かくだいする。

近年きんねんではあつでん素子そし圧力あつりょくくわえると電気でんき抵抗ていこう変化へんかする電気でんき伝導でんどう素材そざいなどを使つかって電気でんきてき計測けいそくする方法ほうほう利用りようされ、電子でんしりばかりなどの機器きき出回でまわっている。

誤差ごさ要素ようそ

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ばかりは、たん質量しつりょう計測けいそくするだけではなく、その計測けいそくした結果けっかもと取引とりひきおこなわれることもある。このため売買ばいばい公平こうへいせいすために、ばかり正確せいかくせい重要じゅうようである。しかし機械きかい装置そうちである以上いじょうき・不向ふむきがあり、こういった問題もんだいてん様々さまざま改良かいりょうされているが、依然いぜんとして根本こんぽんてき解決かいけつにはいたっていない。

誤差ごさ要素ようそとして、ばねばかりが負荷ふかによって弾性だんせいそこなわれるなどして正確せいかくせいうしなわれるのはさきべたとおりだが、その一方いっぽう天秤てんびんばかりもかならずしもつね正確せいかくだとはかぎらない。とく計測けいそくする物品ぶっぴん浮力ふりょくかる環境かんきょうでは、天秤てんびんばかりの片方かたがたせた原器げんき計測けいそく対象たいしょうかる浮力ふりょくちがいがある場合ばあいに、正確せいかくせいそこなわれる。これが固体こたい同士どうしであればほぼ無視むしできるほどの誤差ごさであるが、容器ようき充填じゅうてんされた気体きたい場合ばあい大気たいきもと計測けいそくしても無視むしがた誤差ごさ発生はっせいする。たとえば空気くうきちゅうにある天秤てんびん片方かたがた気体きたいヘリウムまった風船ふうせんせ、もう片方かたがた中身なかみ風船ふうせん原器げんきせても、風船ふうせんちゅう気体きたいヘリウムの質量しつりょうはかることはできない(風船ふうせん浮力ふりょくによりがってしまうため)。この浮力ふりょく問題もんだいは、ばねばかりでも同様どうようである。

また正確せいかく計測けいそくするじょうでは、設計せっけいされたとおりの使用しよう方法ほうほう利用りようする必要ひつようがある。たとえば水平すいへいではない状況じょうきょう天秤てんびんばかりを使つかっても正確せいかくにははかれないし、平面へいめんいた計測けいそく対象たいしょうよこにばねばかりをつないで牽引けんいんしても、平面へいめん計測けいそく対象たいしょうとのあいだはたら摩擦まさつりょくしかはかれない。また計測けいそく対象たいしょう運動うんどうさせるほかちから磁力じりょくふうなど)がある場合ばあいにも、正確せいかくにははかれない。当然とうぜんながら、振動しんどうはげしい環境かんきょうでもばかり状態じょうたい安定あんていせず、はかれない。

ばかり関連かんれんする事象じしょう

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ばかりふるくから商業しょうぎょうもちいられ、公平こうへいせい象徴しょうちょうにもあつかわれる。

裁判所さいばんしょ象徴しょうちょうは、天秤てんびんおよびこれをかかげた女神めがみ正義せいぎ女神めがみけんたずさえる)であるが、これはほう適用てきようかんしての公平こうへいせい象徴しょうちょうしている。

日本にっぽんばかり

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日本にっぽんでは室町むろまち時代ときよから戦国せんごく時代じだいにかけて商業しょうぎょう発達はったつによりばかりもちいられるようにり、商人しょうにん職人しょくにん組織そしきである発達はったつ戦国せんごく大名だいみょうなど地域ちいき権力けんりょくによる度量衡どりょうこう統一とういつによりばかりられるようになった。

江戸えど時代じだいには江戸えど幕府ばくふによる統一とういつ政策せいさく一環いっかんとしてうけたまわおう2ねん1653ねん)に江戸えどまもりずい京都きょうとかみりょうばかり東西とうざい諸国しょこくにおけるばかり制作せいさく販売はんばい修補しゅうほ特権とっけんあたえた。

江戸えどには貨幣かへい経済けいざい浸透しんとうにより地方ちほうにおいてもばかり展開てんかいした。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 計量けいりょうほうでは「はかり」と仮名書かながきである。

出典しゅってん

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  1. ^ 計量けいりょうほう施行しこうれい だい2じょうだい2ごう別表べっぴょうだい3など
  2. ^ 自動じどうはかり−性能せいのう要件ようけんおよ試験しけん方法ほうほうだい1一般いっぱん計量けいりょう JIS B7611-1:2005 表題ひょうだいなどが「Nonautomatic weighing instruments」となっている。
  3. ^ たとえば、はかりの種類しゅるい特長とくちょう ミスミ技術ぎじゅつ情報じょうほう、「はかり(ばねばかり)、目的もくてき重量じゅうりょう測定そくていです。」、「天秤てんびんはかり、目的もくてき質量しつりょう測定そくていです。」としている。
  4. ^ 自動じどうはかり−性能せいのう要件ようけんおよ試験しけん方法ほうほうだい1一般いっぱん計量けいりょう B 7611-1:2005 3.1 一般いっぱんてき定義ていぎ a)
  5. ^ はかりハンドブック だい2はん p.3 「1.2 質量しつりょう重量じゅうりょうちから」、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 日本にっぽん計量けいりょう工業こうぎょう連合れんごうかい、2012-08-30、ISBN 978-4-526-06920-8日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ、 はかりとは、「任意にんい物体ぶったい質量しつりょうを、その物体ぶったい作用さようする重力じゅうりょく利用りようして計測けいそくするために使用しようされる計量けいりょう」であると、OIML国際こくさい勧告かんこくR76-1「自動じどうはかり」の冒頭ぼうとう明細めいさいされているように、はかりとは,(1)重量じゅうりょうではなく質量しつりょう計測けいそく表示ひょうじするものでなければならないが,(2)測定そくてい手段しゅだんとしてはその物体ぶったい作用さようする重力じゅうりょくすなわち重量じゅうりょう検出けんしゅつし,それを質量しつりょう換算かんさんして表示ひょうじする計量けいりょう,という内容ないようになる。
  6. ^ 特定とくてい計量けいりょう一覧いちらんれいだい2じょう  質量しつりょうけいのうち、つぎかかげるもの、計量けいりょうほうにおける計量けいりょう規制きせい概要がいよう事業じぎょうしゃけ)、計量けいりょう行政ぎょうせい経済けいざい産業さんぎょうしょう
  7. ^ ひょう2.5:猶予ゆうよ期限きげんさだめたSI単位たんい しん計量けいりょうほうとSIすすかた通商産業省つうしょうさんぎょうしょうSI単位たんいとう普及ふきゅう推進すいしん委員いいんかい、1999ねん3がつ
  8. ^ BC-766/767/768 概要がいようにおける写真しゃしん表示ひょうじ(株)かぶしきがいしゃタニタ

外部がいぶリンク

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