(Translated by https://www.hiragana.jp/)
系図纂要 - Wikipedia

系図けいず纂要』(けいずさんよう)は、江戸えど時代じだい末期まっき系譜けいふ集成しゅうせいぜん102かん(103さつ)。著者ちょしゃは『だい日本にっぽん野史やし』の著者ちょしゃでもある飯田いいだ忠彦ただひことみられる。既存きそん系譜けいふしゅう記録きろくなどをひろあつめてさい編纂へんさんしており、史料しりょう価値かちたかいとされる。

概要がいよう

編集へんしゅう

水戸みとはんの『だい日本にっぽん編纂へんさんたいして諸国しょこくから情報じょうほうあつめられていたが、そのなかで系図けいずあつまっていた。この系譜けいふ収録しゅうろくしたのが『諸家しょか系図けいず』であった。しかしこれらの系譜けいふのなかにはことなる伝承でんしょう数種類すうしゅるい系図けいず存在そんざいするものもおおかった。

この問題もんだいたいして編纂へんさんされたのが『系図けいず纂要』である。系図けいず古典こてんたる『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』を『諸家しょか系図けいず纂』にむすびつけてさい編纂へんさんしただけでなく、『寛政かんせいじゅうおさむ諸家しょか』『はん翰譜』『しょ家伝かでん』『地下ちか家伝かでん』など先行せんこう系図けいずしゅう文献ぶんけん地誌ちし記録きろくるいひろ渉猟しょうりょう参考さんこうにして、宮家みやけ藤原ふじわら菅原すがわらきのたいらもろみなもとなどの諸氏しょし諸家しょかごとに集大成しゅうたいせいしている。また大名だいみょう主要しゅよう幕臣ばくしん公家くげ社家しゃけなどを収録しゅうろく範囲はんいとし、可能かのうかぎ幕末ばくまつまで系譜けいふばしている。

正確せいかく成立せいりつねん不明ふめいだが、内容ないよう下限かげん安政あんせい3ねん1856ねん)であることと、著者ちょしゃとみられる飯田いいだ万延まんえん元年がんねん1860ねん)に死去しきょしていることから、この時期じき成立せいりつしたとみられている。

はじめにりゃくけいつぎくわしいほんけいせる形式けいしきをとる。またおおきな特徴とくちょうとして、異説いせつ系譜けいふほん系図けいず中途ちゅうと併記へいきしており、後世こうせい参考さんこうになるように系譜けいふ伝承でんしょうちがいがしめされている。

寛政かんせい以降いこう系図けいず収録しゅうろくする貴重きちょう史料しりょうであり、その収録しゅうろく内容ないようおおさから「幕末ばくまつの『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』」ともいえるものである。

ただし原典げんてん忠実ちゅうじつであるようにしているため、従来じゅうらい系譜けいふをそのまま利用りようしており、自分じぶんいえ勝手かって有名ゆうめい系図けいずむすびつけるという系図けいずかりおかせを、校正こうせいせずにそのままいているという問題もんだい存在そんざいする。

内閣ないかく文庫ぶんこ原本げんぽんがあり、東京大学とうきょうだいがく史料しりょう編纂へんさんしょ謄写とうしゃほんがある。しかし異本いほんもありこの2つがまさしくつたわっているかは不明ふめいである。

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 岩沢いわさわすなお彦 「「系図けいず纂要」解題かいだい」『系図けいず纂要』別巻べっかん1、名著めいちょ出版しゅっぱん、1976ねん
  • 近藤こんどう安太郎やすたろう系図けいず研究けんきゅう基礎きそ知識ちしき-家系かけいにみる日本にっぽん歴史れきしだい4かん近藤こんどう出版しゅっぱんしゃ、1990ねん