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大名 - Wikipedia

大名だいみょう

日本にっぽん歴史れきしじょう封建ほうけん領主りょうしゅ

大名だいみょう(だいみょう)とは、もともとはわたし一種いっしゅ名田なだ所有しょゆうしゃのことであり、名田なだ大小だいしょうによって大名だいみょう小名しょうみょう区別くべつされた。平安へいあん時代じだいすえごろからこのかたりられるようになり、鎌倉かまくら時代ときよ以降いこうおおきな所領しょりょうをもって家臣かしんだん形成けいせいした有力ゆうりょく武士ぶし大名だいみょうぶようになった[1]

1570ねんごろ戦国せんごく大名だいみょう版図はんと

概要がいよう

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平安へいあん時代じだいまつごろにわたし一種いっしゅ名田なだ所有しょゆうしゃ言葉ことばとして使用しようされるようになり、名田なだ大小だいしょうによって大名だいみょう小名しょうみょう区別くべつされた。鎌倉かまくら時代じだいになるとおおきな所領しょりょうをもち多数たすう家子いえこ郎党ろうとうしたがえている有力ゆうりょく武士ぶし大名だいみょうしょうするようになった。南北なんぼくあさ時代じだいから室町むろまち時代じだいにかけては、守護しゅごしょく領国りょうごく拡大かくだいして大名だいみょうりょう形成けいせいしたために「守護しゅご大名だいみょう」とよばれた。戦国せんごく時代じだいには在地ざいち土豪どごう掌握しょうあくつうじていちえん知行ちぎょう推進すいしんして守護しゅごってわった有力ゆうりょく武士ぶしが「戦国せんごく大名だいみょう」とよばれた[1]

江戸えど時代じだいにはおも石高いしたか1まんせき以上いじょう所領しょりょう幕府ばくふからろくとしてあたえられた藩主はんしゅ言葉ことばとなった。1まんせき未満みまん武士ぶしのうち幕府ばくふ直属ちょくぞく武士ぶし直参じきさんという。ただし大名だいみょう対義語たいぎごである小名しょうみょうがそのあいだ存在そんざいするため、この定義ていぎには曖昧あいまいめんがある。江戸えど時代じだい大名だいみょうはその封建ほうけん領主りょうしゅ性格せいかく中国ちゅうごく諸侯しょこう性格せいかく共有きょうゆうすることから、諸侯しょこうなぞらえて大名だいみょう諸侯しょこうともしょうされた。また歴史れきしがくじょう用語ようごとしては、近世きんせい大名だいみょうともしょうする。

大名だいみょうにちなんだ言葉ことば

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  • 大名だいみょう華族かぞく - 華族かぞくのうち、大名だいみょう諸侯しょこう出身しゅっしんのもの。
  • 大名だいみょう屋敷やしき - 大名だいみょう屋敷やしきしょはん江戸えどにそれぞれなん箇所かしょかをゆうし、江戸城えどじょうちか本邸ほんていである上屋敷かみやしき世継よつぎや隠居いんきょしたぜん大名だいみょう中屋敷なかやしき災害さいがいかりたく倉庫そうこだい庭園ていえん接待せったいしょといった機能きのうにな都心としんからはなれた下屋敷しもやしきもうけられた。
  • 大名だいみょうしか - 大名だいみょうよう鷹揚おうようよう
  • 大名だいみょう行列ぎょうれつ - 大名だいみょう参勤交代さんきんこうたいさい隊列たいれつんで移動いどうするよう要人ようじんかこんで集団しゅうだん移動いどうするよう揶揄やゆしていうことも。
  • 大名だいみょう庭園ていえん - 大名だいみょう築造ちくぞうした日本にっぽん庭園ていえん
  • 大名だいみょう火消ひけし - 江戸えど幕府ばくふしょ大名だいみょうめいじてつくらせた江戸えど消防しょうぼう部隊ぶたいもろはん藩士はんし構成こうせい
  • 大名だいみょうし - だい商人しょうにん蔵米くらまい担保たんぽ大名だいみょう高利貸こうりがをしたこと。
  • 大名だいみょうあづけ - 幕府ばくふ罪人ざいにん管理かんり大名だいみょうまかせること。
  • 大名だいみょう普請ふしん - 贅沢ぜいたく普請ふしん
  • 大名だいみょう旅行りょこう - 贅沢ぜいたく旅行りょこう
  • 大名だいみょう飛脚びきゃく - 大名だいみょう江戸えど国許くにもと連絡れんらくのためにもうけた飛脚ひきゃくのこと。
  • 大名だいみょうろし - ちゅうこつおおのこすようにしてさかなさんまいにおろすこと。豪勢ごうせいであることからいわれる。
  • 大名だいみょうり - さかなにく大雑把おおざっぱおおきくること。
  • 大名だいみょうい - うままに購入こうにゅうすること。
  • 大名だいみょうわん - おおきなわん
  • 大名だいみょう倹飩けんどん - おも大名だいみょうもんふねなどがえがかれた、うるしがあるうつわれてされた倹飩けんどんしてう。
  • 大名だいみょうしま - こまかい縦縞たてじま模様もよう
  • ばば沙羅さら大名だいみょう - おも南北なんぼくあさ時代じだい社会しゃかい風潮ふうちょう文化ぶんかてき流行りゅうこうをあらわす言葉ことばであり、勝手かってままに大名だいみょう
  • 大名だいみょう(お大名だいみょう) - 世事せじうと苦労くろうらないひとかたり、または大名だいみょううやまってかたり
  • 大名だいみょう言葉ことば - 目上めうえ立場たちばにあるひと目下もっかひとたいして使つか言葉ことばかたり
  • 大名芸だいみょうげい - やくにたない、実用じつようてきでないげいのこと。殿様芸とのさまげいとも。

語義ごぎおと変遷へんせん

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室町むろまち時代じだい辞書じしょ節用せつようしゅう』には、「たいめい」・「だいみょう」の2おとせ、前者ぜんしゃ守護しゅごだい領主りょうしゅ)、後者こうしゃぜに富裕ふゆうそう)のであるとした。戦国せんごく時代じだいにはおとによる意味いみ区別くべつうすれ、「たいめい」とぶことがおおかったとされる。17世紀せいき初頭しょとうにち葡辞しょにも「だいみょう」・「たいめい」の2おと掲載けいさいされているが、語義ごぎ区別くべつ明確めいかくでなく、2おとともだい領主りょうしゅとしている。「だいみょう」のおと定着ていちゃくしたのは江戸えど時代じだいはいってからで、寛政かんせいごろにはもっぱら「だいみょう」としょうした。

琉球りゅうきゅう王国おうこく大名だいみょう

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琉球りゅうきゅう王国おうこくでは、あいだきり行政ぎょうせい単位たんい今日きょう市町村しちょうそん相当そうとう)をおさめるそう地頭じとうしょく王子おうじ地頭じとう按司地頭じとうふくむ)にあるものは、大名だいみょう(でーみょー)とばれた。そう地頭じとうしょく通常つうじょう王子おうじ、按司、親方おやかた位階いかいにあるものいたので、かれらの尊称そんしょうから御殿ごてん殿内とのうち(うどぅんとぅんち)ともばれた。そう地頭じとうしょくした位置いちするいちむら今日きょう相当そうとう)をおさめるわき地頭じとうしょくにあるもの大名だいみょうとはばれない。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)「大名だいみょう

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 宮里みやさと朝光ともみつ監修かんしゅう那覇なは出版しゅっぱんしゃへん沖縄おきなわもん中大ちゅうだい事典じてん那覇なは出版しゅっぱんしゃ、1998ねん ISBN 4890951016

関連かんれん項目こうもく

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