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鰭 ひれ (魚類 ぎょるい )」は
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en:Fish fin 14:54, 18 May 2020)
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(2020年 ねん 5月 がつ )
この項目 こうもく では、魚類 ぎょるい の身体 しんたい 部位 ぶい について説明 せつめい しています。脊椎動物 せきついどうぶつ 一般 いっぱん の広義 こうぎ な説明 せつめい については「鰭 ひれ 」を、食肉 しょくにく の部位 ぶい については「ヒレ 」をご覧 らん ください。
鰭 ひれ (ひれ 英 えい :fin)とは、一般 いっぱん 的 てき に魚類 ぎょるい を最 もっと も区別 くべつ しやすい解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 特徴 とくちょう の一 ひと つである。体 からだ から突 つ き出 で た複数 ふくすう の鰭 ひれ 棘 とげ や鰭 ひれ 条 じょう で構成 こうせい され、皮膚 ひふ がそれらを覆 おお うと共 とも に一体 いったい 結合 けつごう しており、大半 たいはん の硬骨魚 こうこつぎょ 綱 つな に見 み られるものでは水 みず かき があったり、サメ 等 ひとし に見 み られるものでは鰭 ひれ 脚 あし のついた形状 けいじょう である。尾鰭 おびれ を除 のぞ いて魚類 ぎょるい の鰭 ひれ は背骨 せぼね と直接 ちょくせつ つながっておらず、棘 とげ でつながり筋肉 きんにく のみで支 ささ えられている。主 おも な機能 きのう は魚 さかな が泳 およ ぐ際 さい の補助 ほじょ である。
真 ま 骨 ほね 類 るい のハダカイワシ科 か に見 み られる鰭 ひれ 条 じょう の部位 ぶい 名称 めいしょう (1) 胸 むね 鰭 ひれ (一対 いっつい ), (2) 腹 はら 鰭 ひれ (一対 いっつい ), (3) 背鰭 せびれ , (4) 脂 あぶら 鰭 ひれ , (5) 臀 しり 鰭 ひれ , (6) 尾鰭 おびれ
魚 さかな の様々 さまざま な部位 ぶい にある鰭 ひれ は、前進 ぜんしん 、旋回 せんかい 、直立 ちょくりつ 姿勢 しせい の維持 いじ 、停止 ていし といった様々 さまざま な目的 もくてき で使用 しよう される。魚類 ぎょるい の大半 たいはん が各 かく 部位 ぶい の鰭 ひれ を泳 およ ぐ際 さい に使 つか うが、トビウオ が滑空 かっくう したりカエルアンコウ が海底 かいてい を這 は うのには胸 むね 鰭 ひれ を活用 かつよう する。これ以外 いがい の目的 もくてき でも鰭 ひれ が使用 しよう されることがある。雄 ゆう のサメやカダヤシ は精子 せいし を送 おく り込 こ むために変容 へんよう した鰭 ひれ を使 つか い、オナガザメ は獲物 えもの を気絶 きぜつ させるのに尾鰭 おびれ を使 つか い、チョウチンアンコウ は背鰭 せびれ の第 だい 1棘 とげ を釣 つ り竿 ざお のように使 つか って獲物 えもの を誘 さそ ったりする。
どの種類 しゅるい の鰭 ひれ に関 かん しても、進化 しんか の過程 かてい でこの特定 とくてい の鰭 ひれ が失 うしな われた魚類 ぎょるい 種 しゅ が存在 そんざい する。
胸 むね 鰭 ひれ (きょうき・むなびれ)
一対 いっつい の胸 むね 鰭 ひれ は左右 さゆう どちら側 がわ にもあり、通常 つうじょう は鰓 えら 蓋 ぶた のすぐ後 うし ろにある。これは四肢 しし 動物 どうぶつ でいう前肢 ぜんし に相当 そうとう する。
一部 いちぶ の魚 さかな で高度 こうど に発達 はったつ した胸 むね 鰭 ひれ の特異 とくい な機能 きのう は、サメなどの一部 いちぶ の魚 さかな が深度 しんど を維持 いじ する際 さい の補助 ほじょ となる力強 ちからづよ い揚力 ようりょく を生 う み出 だ したり、トビウオの「飛行 ひこう 」をも可能 かのう にしている。
多 おお くの魚 さかな で、胸 むね 鰭 ひれ が歩行 ほこう の補助 ほじょ をしており、特 とく に一部 いちぶ のチョウチンアンコウやトビハゼ のローブ状 じょう の鰭 ひれ がそうである。
胸 むね 鰭 ひれ の特定 とくてい の鰭 ひれ 条 じょう は、ホウボウ科 か やセミホウボウ科 か などで、扇 おうぎ みたいな突出 とっしゅつ に適応 てきおう する場合 ばあい がある 。
マンタ とその近親 きんしん 種 しゅ の「角 かく 」は頭 あたま 鰭 ひれ (とうき・あたまびれ)と呼 よ ばれている。実際 じっさい にはこれは胸 むね 鰭 ひれ の前部 ぜんぶ が変化 へんか したものである。
腹 はら 鰭 ひれ (ふっき・はらびれ)
一対 いっつい の腹 はら 鰭 ひれ は通常 つうじょう 、腹部 ふくぶ の下 した で胸 むね 鰭 ひれ の後 うし ろにあるが、胸 むね 鰭 ひれ の前 まえ に配置 はいち されている魚類 ぎょるい 科 か も多 おお い(例 れい :タラ)。四足 しそく 動物 どうぶつ でいう後肢 あとあし に相当 そうとう する。腹 はら 鰭 ひれ は魚 さかな が水中 すいちゅう を上下 じょうげ に動 うご いたり、鋭 するど く向 む きを変 か えたり、急 きゅう 停止 ていし する際 さい の補助 ほじょ を行 おこな っている。
ハゼ では、腹 はら 鰭 ひれ が単一 たんいつ の吸盤 きゅうばん に融合 ゆうごう することが多 おお い。これは物体 ぶったい にくっつく目的 もくてき で使用 しよう される[ 1] 。
腹 はら 鰭 ひれ は魚 さかな の腹 はら 面 めん に沿 そ って様々 さまざま な位置 いち 取 と りができる。先祖 せんぞ の腹部 ふくぶ 配置 はいち は例 たと えばミノー で見 み られる。胸部 きょうぶ 配置 はいち はマンボウ で、頸部配置 はいち は骨盤 こつばん が胸 むね 鰭 ひれ の前方 ぜんぽう にある時期 じき のカワメンタイ で見 み られる[ 2] 。
背鰭 せびれ (はいき・せびれ)
サメの背 せ びれ
チャブ の背鰭 せびれ 背鰭 せびれ は背中 せなか にある。魚 さかな は最大 さいだい 3つの背鰭 せびれ を持 も っている。背鰭 せびれ は魚 さかな を横 よこ 揺 ゆ れから保護 ほご し、急 きゅう 旋回 せんかい や急 きゅう 停止 ていし の補助 ほじょ をする。
チョウチンアンコウ では、背鰭 せびれ の前部 ぜんぶ が誘引 ゆういん 突起 とっき (イリシウムやエスカと呼 よ ばれる)に変化 へんか しており、これは釣 つ り竿 ざお とルアー に等 ひと しい生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 機能 きのう を持 も つ。
背鰭 せびれ を支 ささ える骨 ほね は担鰭骨 こつ (たんきこつ)と呼 よ ばれる。
臀 しり 鰭 ひれ (でんき・しりびれ)
臀 しり 鰭 ひれ は腹 はら 側 がわ の肛門 こうもん より後 うし ろにある。この鰭 ひれ は遊泳 ゆうえい 中 ちゅう に魚 さかな 体 たい を安定 あんてい させるのに使 つか われる。
脂 あぶら 鰭 ひれ (しき・あぶらびれ)
マス の脂 あぶら 鰭 ひれ
脂 あぶら 鰭 ひれ とは、背鰭 せびれ の後方 こうほう 背部 はいぶ かつ尾鰭 おびれ のすぐ手前 てまえ にある柔 やわ らかい肉質 にくしつ の鰭 ひれ である。多 おお くの魚類 ぎょるい 科 か には存在 そんざい しないが、31の正真 しょうしん 骨 こつ 亜 あ 目 め のうちの9つ(サケスズキ目 め 、ハダカイワシ目 め 、ヒメ目 め 、ワニトカゲギス目 め 、サケ目 め 、キュウリウオ目 め 、カラシン目 め 、ナマズ目 め 、ニギス目 め )[ 3] で発見 はっけん されている。これら魚類 ぎょるい 目 め の有名 ゆうめい な代表 だいひょう としてサケやナマズがいる。
脂 あぶら 鰭 ひれ の機能 きのう には若干 じゃっかん 謎 なぞ めいたところがある。孵化 ふか 養殖 ようしょく 場 じょう で飼育 しいく された魚 さかな の印 しるし 付 づ けとして頻繁 ひんぱん に切 き り取 と られるが、2005年 ねん のデータでは脂 あぶら 鰭 ひれ を除去 じょきょ されたマスは尾 お を振 ふ る頻度 ひんど が8%高 たか いことが示 しめ された[ 4] [ 5] 。2011年 ねん に発表 はっぴょう された追加 ついか 情報 じょうほう では、この鰭 ひれ が接触 せっしょく 、音 おと 、圧力 あつりょく 変化 へんか といった刺激 しげき の検出 けんしゅつ や対応 たいおう に極 きわ めて重要 じゅうよう だと示唆 しさ している。カナダの研究 けんきゅう 者 しゃ 達 たち は鰭 ひれ 内部 ないぶ の神経 しんけい ネットワークを特定 とくてい し、感覚 かんかく 機能 きのう を有 ゆう する可能 かのう 性 せい が高 たか いことを指摘 してき しているが、それを除去 じょきょ した結果 けっか がどうなるかはまだ正確 せいかく に分 わ かっていない[ 6] [ 7] 。
2013年 ねん の比較 ひかく 研究 けんきゅう は脂 あぶら 鰭 ひれ が異 こと なる2つの行程 こうてい で発達 はったつ しうることを示 しめ した。1つはサケ型 がた の行程 こうてい で、脂 あぶら 鰭 ひれ は幼生 ようせい 期 き の鰭 ひれ から他 た の正中 せいちゅう 鰭 ひれ と同時 どうじ に同 おな じように発達 はったつ する。もう1つはカラシン目 め 型 がた の行程 こうてい で、これは幼生 ようせい 期 き の鰭 ひれ の折 お り目 め が小 ちい さくなって他 た の正中 せいちゅう 鰭 ひれ が発達 はったつ した後 のち で脂 あぶら 鰭 ひれ が遅 おく れて発達 はったつ する。カラシン目 め 型 がた の発達 はったつ があるということは脂 あぶら 鰭 ひれ が「幼生 ようせい 期 き の鰭 ひれ の残 のこ りが単 たん に畳 たた まれたものではない」ことを示唆 しさ しており、脂 あぶら 鰭 ひれ には機能 きのう がないとする見解 けんかい では辻褄 つじつま が合 あ わないとの説 せつ が唱 とな えられている[ 3] 。
2014年 ねん に発表 はっぴょう された研究 けんきゅう は、脂 あぶら 鰭 ひれ が収斂 しゅうれん 進化 しんか であることを指摘 してき している[ 8] 。
尾鰭 おびれ (びき・おびれ)
尾鰭 おびれ は尾 お 柄 がら の端 はし にあり、推進 すいしん に使 つか われる(推力 すいりょく #水中 すいちゅう 動物 どうぶつ の推力 すいりょく を参照 さんしょう )。
(A)-歪 いびつ 尾 お (Heterocercal)とは、脊椎 せきつい 骨 こつ が尾 お の上 え 葉 は まで伸 の びて上 うえ が長 なが いもの(サメなどに見 み られる)を指 さ す。上下 じょうげ で長 なが さが著 いちじる しく異 こと なるので異 い 尾 お とも言 い う。
脊柱 せきちゅう が尾 お の下 しも 葉 は まで伸 の びて、下 した が長 なが い形 かたち の逆 ぎゃく 歪 ひずみ 尾 お (Hypocercal,Reversed Heterocercal)もある[ 9] 。これはビルケニア などの欠 かけ 甲 かぶと 目 め に見 み られた。
(B)-原始 げんし 尾 お (Protocercal)とは、脊椎 せきつい 骨 こつ が尾 お の先 さき まで伸 の びて尾 お の形状 けいじょう は対称 たいしょう 的 てき ながらも鰭 ひれ が伸 の びていないもの(ナメクジウオ に見 み られる)を指 さ す。
(C)-正 せい 尾 お (Homocercal) は、一見 いっけん すると対称 たいしょう に見 み えるが、実際 じっさい は脊椎 せきつい 骨 こつ がごく短 みじか い距離 きょり だけ鰭 ひれ の上 うえ 葉 は に伸 の びている(左 ひだり の写真 しゃしん 参照 さんしょう )。
(D)-原 はら 正 ただし 尾 お (Diphycercal)とは、脊椎 せきつい 骨 こつ が尾 お の先端 せんたん まで伸 の びて対称 たいしょう 形 がた に尾 お が伸 の びているもの(ポリプテルス 、肺魚 はいぎょ 、ヤツメウナギ 、シーラカンス などに見 み られる)を指 さ す。古生代 こせいだい の魚類 ぎょるい の大 だい 部分 ぶぶん は原 はら 正 ただし 尾 お 的 てき な歪 ひずみ 尾 お だったとされている[ 10] 。
現代 げんだい の魚類 ぎょるい の大 だい 部分 ぶぶん (硬骨魚 こうこつぎょ )は正 せい 尾 お である。その尾鰭 おびれ 後 ご 縁 えん は様々 さまざま な形状 けいじょう をとりうる。
円形 えんけい
截形 、先端 せんたん が多少 たしょう なりとも垂直 すいちょく な形状 けいじょう (サケなど)
二 に 叉 また 形 がた 、先端 せんたん が二 に 叉 また に尖 とが っている
湾入 わんにゅう 形 がた 、先端 せんたん が僅 わず かに内側 うちがわ へカーブしているもの
三 さん 日 にち 月形 つきがた 、三日月 みかづき のような形状 けいじょう
尾 お 柄 がら 隆起 りゅうき 縁 えん (びへいりゅうきえん)小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ (しょうりき)
高速 こうそく で泳 およ ぐタイプの一部 いちぶ の魚 さかな には、尾鰭 おびれ のすぐ前方 ぜんぽう に水平 すいへい な尾 お 柄 がら 隆起 りゅうき 縁 えん がある[ 11] 。船 ふね のキール と同様 どうよう 、これは尾 お 柄 え 部 ぶ 側 がわ 方 かた の隆起 りゅうき であり、一般 いっぱん 的 てき には鱗 うろこ 甲 かぶと で構成 こうせい され、尾鰭 おびれ に安定 あんてい 性 せい と支持 しじ 力 りょく を与 あた える。一対 いっつい の隆起 りゅうき があるなら左右 さゆう 各 かく 側 がわ に1つずつ、二 に 対 たい だと上下 じょうげ も加 くわ わることがある。
小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ とは、一般 いっぱん に背鰭 せびれ および尻 しり 鰭 ひれ の後方 こうほう にある小 ちい さな鰭 ひれ である(ポリプテルス には、背鰭 せびれ 面 めん にのみ小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ があり尻 しり 鰭 ひれ にはない)。マグロ やマカジキ といった一部 いちぶ の魚類 ぎょるい では、それらに鰭 ひれ 条 じょう がなく、引 ひ っ込 こ めたりもできず、背鰭 せびれ および尻 しり 鰭 ひれ の最 さい 後部 こうぶ と尾鰭 おびれ の間 あいだ に見 み られる。
条 じょう 鰭 ひれ 綱 つな の骨格 こっかく
硬骨魚 こうこつぎょ は硬骨魚 こうこつぎょ 綱 つな と呼 よ ばれる分類 ぶんるい 群 ぐん を形成 けいせい する。彼 かれ らは硬 かた い骨 ほね で作 つく られた骨格 こっかく を持 も ち、軟骨 なんこつ で作 つく られた骨格 こっかく を持 も つ軟骨 なんこつ 魚 ぎょ 綱 つな とは対照 たいしょう 的 てき である。硬骨魚 こうこつぎょ 綱 つな は条 じょう 鰭 ひれ 亜 あ 綱 つな と肉 にく 鰭 ひれ 亜 あ 網 もう に分 わ けられる。魚類 ぎょるい の大半 たいはん は条 じょう 鰭 ひれ 亜 あ 綱 つな で、30,000種 しゅ を超 こ える非常 ひじょう に多様 たよう で豊富 ほうふ なグループであり、これは現存 げんそん する脊椎動物 せきついどうぶつ で最大 さいだい の分類 ぶんるい 階級 かいきゅう である。遠 とお い昔 むかし には肉 にく 鰭 ひれ 亜 あ 網 もう が大量 たいりょう にいたが、現在 げんざい ではほとんど絶滅 ぜつめつ しており現生 げんなま 種 しゅ は8種 しゅ だけとなっている。硬骨魚 こうこつぎょ には鰭 ひれ 棘 とげ と鱗状 りんじょう 鰭 ひれ 条 じょう と呼 よ ばれる鰭 ひれ 条 じょう を持 も っている。一般 いっぱん 的 てき に彼 かれ らは鰾 (浮 う き袋 ぶくろ )を持 も っており、これで魚類 ぎょるい は鰭 ひれ を使 つか わずとも浮沈 ふちん の間 あいだ にあたる中立 ちゅうりつ なバランスを維持 いじ できる。しかしながら、鰾が無 な い魚 さかな も多 おお く、特 とく に注目 ちゅうもく すべきはハイギョ で、これは鰾に進化 しんか した硬骨魚 こうこつぎょ の共通 きょうつう 祖先 そせん として唯一 ゆいいつ 現生 げんなま する原始 げんし 的 てき な肺 はい を有 ゆう する魚類 ぎょるい である。また硬骨魚 こうこつぎょ には鰓 えら 蓋 ぶた があり、これは鰭 ひれ を使 つか わずに泳 およ ぐための息継 いきつ ぎを補助 ほじょ している。
肉 にく 鰭 ひれ 亜 あ 網 もう の魚 さかな は、このシーラカンス のように肉質 にくしつ な耳 みみ たぶ状 じょう の鰭 ひれ を複数 ふくすう 備 そな えている。多 おお くの鰭 ひれ を持 も っているため、シーラカンスは機動 きどう 性 せい が高 たか く水中 すいちゅう でほぼどんな方向 ほうこう にも体 からだ を向 む けることができる。
肉 にく 鰭 ひれ 類 るい は肉 にく 鰭 ひれ 亜 あ 網 もう と呼 よ ばれる硬骨魚 こうこつぎょ の一種 いっしゅ である。それらは肉質 にくしつ で耳 みみ たぶ状 じょう の対 たい 鰭 ひれ を有 ゆう しており、単一 たんいつ の骨 ほね で身体 しんたい と繋 つな がっている[ 12] 。肉 にく 鰭 ひれ 類 るい の鰭 ひれ は他 た のあらゆる魚類 ぎょるい の鰭 ひれ と異 こと なっており、それぞれ肉 にく 厚 あつ で耳 みみ たぶ状 じょう の鰭 ひれ が身体 しんたい から突 つ き出 で ている。胸 むね 鰭 ひれ と臀 しり 鰭 ひれ には四肢 しし のそれを思 おも わせる関節 かんせつ がある。これらの鰭 ひれ が、四肢 しし を有 ゆう する最初 さいしょ の陸生 りくせい 脊椎動物 せきついどうぶつ である両生類 りょうせいるい の肢 し に進化 しんか したとされている。彼 かれ らはまた、条 じょう 鰭 ひれ 亜 あ 綱 つな の単一 たんいつ の背鰭 せびれ とは対照 たいしょう 的 てき に、別々 べつべつ の基底 きてい を備 そな えた2つの背鰭 せびれ を有 ゆう する。
シーラカンス は現生 げんなま する肉 にく 鰭 ひれ 類 るい の魚 さかな である。約 やく 4億 おく 8百 ひゃく 万 まん 年 ねん 前 まえ のデボン紀 き 初期 しょき に、ほぼ現在 げんざい の形 かたち に進化 しんか したと考 かんが えられている[ 13] 。シーラカンスの移動 いどう はその種 たね 独特 どくとく なものである。動 うご き回 まわ るために、シーラカンスは最 もっと も一般 いっぱん 的 てき には上昇 じょうしょう または下降 かこう する水流 すいりゅう や漂流 ひょうりゅう を利用 りよう する。彼 かれ らは水中 すいちゅう での移動 いどう を安定 あんてい させるのに対 たい 鰭 ひれ を使 つか う。一方 いっぽう 、海底 かいてい ではいかなる種類 しゅるい の移動 いどう でも対 たい 鰭 ひれ が使用 しよう されることはない。シーラカンスは尾鰭 おびれ を使 つか うことで急 きゅう 発進 はっしん するための推力 すいりょく を生 う みだせる。鰭 ひれ の数 かず が多 おお いため、シーラカンスは機動 きどう 性 せい が高 たか くて水中 すいちゅう でほぼどんな方向 ほうこう にも体 からだ を向 む けることができる。彼 かれ らは逆 ぎゃく 立 た ち泳 およ ぎやお腹 なか を上 うえ にして泳 およ いでいるところも目撃 もくげき されている。吻側器官 きかん がシーラカンスに電気 でんき 的 てき 知覚 ちかく を与 あた え、障害 しょうがい 物 ぶつ 周辺 しゅうへん での動 うご きを補助 ほじょ していると考 かんが えられている[ 14] 。
コダラ は条 じょう 鰭 ひれ 類 るい で、3つの背鰭 せびれ と2つの臀 しり 鰭 ひれ を持 も つ。
条 じょう 鰭 ひれ 類 るい は条 じょう 鰭 ひれ 亜 あ 網 もう と呼 よ ばれる硬骨魚 こうこつぎょ の一種 いっしゅ である。その鰭 ひれ には鰭 ひれ 棘 とげ または鰭 ひれ 条 じょう が内包 ないほう されている。鰭 ひれ には、棘 とげ 条 じょう だけのもの、軟条だけのもの、両方 りょうほう を組 く み合 あ わせたものが存在 そんざい する。両方 りょうほう が存在 そんざい する場合 ばあい 、棘 とげ 条 じょう は常 つね に前側 まえがわ にある。棘 とげ は一般 いっぱん 的 てき に硬 かた くて鋭 するど い。条 じょう は一般 いっぱん 的 てき に柔軟 じゅうなん で分節 ぶんせつ しており、分 ぶん 枝 えだ する場合 ばあい もある。この分節 ぶんせつ は、条 じょう と棘 とげ とを分別 ふんべつ する主 おも な差異 さい である。棘 とげ は特定 とくてい 種 しゅ において柔軟 じゅうなん な場合 ばあい もあるが、決 けっ して分節 ぶんせつ することはない。
鰭 ひれ 棘 とげ には様々 さまざま な用途 ようと がある。ナマズ では防御 ぼうぎょ 態勢 たいせい にそれが活用 かつよう される。多 おお くのナマズには外側 そとがわ で棘 とげ を固定 こてい する能力 のうりょく がある。またモンガラカワハギ は(捕食 ほしょく 者 しゃ に)引 ひ きずり出 だ されないよう隙間 すきま に自分 じぶん 自身 じしん を固定 こてい する目的 もくてき で鰭 ひれ 棘 とげ を活用 かつよう する。
鱗状 りんじょう 鰭 ひれ 条 じょう は一般 いっぱん 的 てき に骨質 こっしつ で構成 こうせい されるが、ケイロレピス など初期 しょき の硬骨魚 こうこつぎょ 綱 つな では象牙 ぞうげ 質 しつ やエナメル質 しつ のものもあったとされている[ 15] 。それらは分節 ぶんせつ すると、一連 いちれん の円盤 えんばん が次々 つぎつぎ に積 つ み重 かさ なったように出現 しゅつげん する。それは真皮 しんぴ の鱗 うろこ から派生 はせい した可能 かのう 性 せい もある[ 15] 。鰭 ひれ 条 じょう 形成 けいせい の遺伝 いでん 的 てき 基礎 きそ は特定 とくてい タンパク質 たんぱくしつ の産 さん 生 せい を指定 してい する遺伝子 いでんし であろうと考 かんが えられている。肉 にく 鰭 ひれ 類 るい の魚 さかな から四肢 しし への進化 しんか は、これらタンパク質 たんぱくしつ の損失 そんしつ と関連 かんれん があることが示唆 しさ されている[ 16] 。
オグロメジロザメ の尾鰭 おびれ
軟骨 なんこつ 魚類 ぎょるい は軟骨 なんこつ 魚 ぎょ 綱 つな と呼 よ ばれる魚 さかな の分類 ぶんるい 階級 かいきゅう である。彼 かれ らは骨 ほね ではなく軟骨 なんこつ で作 つく られた骨格 こっかく を持 も っている。この綱 つな には、サメ、エイ 、ギンザメ 属 ぞく が含 ふく まれる。サメの鰭 ひれ 骨格 こっかく は細長 ほそなが く、頭髪 とうはつ や羽毛 うもう の角質 かくしつ ケラチン に似 に た弾性 だんせい タンパク質 たんぱくしつ 繊維 せんい 組織 そしき の角質 かくしつ 鰭 ひれ 条 じょう と呼 よ ばれる柔 やわ らかくて分節 ぶんせつ していない条 じょう で支 ささ えられている。
真皮 しんぴ 要素 ようそ を含 ふく まない胸 むね 帯 たい と腰帯 こしおび は当初 とうしょ つながっていなかった。後期 こうき の形態 けいたい で、鰭 ひれ の各 かく ペアは肩 かた 甲 かぶと 烏口 からすぐち 骨 こつ と恥骨 ちこつ 坐骨 ざこつ の筋 すじ が発達 はったつ した際 さい に中央 ちゅうおう で腹 はら 側 がわ につながった。エイでは、胸 むね 鰭 ひれ が頭部 とうぶ とつながっていて非常 ひじょう に柔軟 じゅうなん である。 大 だい 部分 ぶぶん のサメに見 み られる主 おも な特徴 とくちょう の1つが、移動 いどう を補助 ほじょ する歪 いびつ 尾 お である[ 18] 。大半 たいはん のサメは8つの鰭 ひれ を持 も っている。サメは、尾 お で最初 さいしょ に決 き めた方向 ほうこう を鰭 ひれ では転換 てんかん できないので、自身 じしん のすぐ正面 しょうめん にある物体 ぶったい からは遠 とお のくように漂 ただよ うことしかできない(そのまま正面 しょうめん の物体 ぶったい に噛 か みつくこともあるが)[ 19] 。
大半 たいはん の魚 さかな もそうだが、サメの尾 お は推力 すいりょく を提供 ていきょう しており、尾 お の形状 けいじょう に応 おう じた速度 そくど と加速 かそく がつけられる。尾鰭 おびれ の形状 けいじょう はサメの種類 しゅるい によって大 おお きく異 こと なるが、これは別々 べつべつ の環境 かんきょう で進化 しんか したためである。サメは一般 いっぱん 的 てき に背 せ 側 がわ の上 うえ 葉 は が腹 はら 側 がわ の下 しも 葉 は よりも顕著 けんちょ に大 おお きい歪 いびつ 尾 お になっている。これはサメの脊椎 せきつい 骨 こつ が背 せ 側 がわ の上 うえ 葉 は に伸 の びており、筋肉 きんにく が付随 ふずい する表面積 ひょうめんせき もそちらが大 おお きくなるためである。このことが浮力 ふりょく に乏 とぼ しい軟骨 なんこつ 魚 ぎょ の中 なか ではより効率 こうりつ 的 てき な移動 いどう を可能 かのう にしている。対照 たいしょう 的 てき に、大 だい 部分 ぶぶん の硬骨魚 こうこつぎょ は正 せい 尾 お である[ 20] 。
イタチザメ には大 おお きな上 うえ 葉 は があり、ゆっくりと巡航 じゅんこう したり、急激 きゅうげき に速度 そくど を上 あ げたりすることができる。イタチザメは様々 さまざま な食餌 しょくじ を得 え ようと狩 か りをする際 さい に水中 すいちゅう で簡単 かんたん にひねったり旋回 せんかい できる必要 ひつよう があるためである。一方 いっぽう 、サバやニシンなど群 む れをなす魚 さかな を狩 か るニシネズミザメ には大 おお きな下 した 葉 は があり、速 はや く泳 およ ぐ獲物 えもの とペースを合 あ わせるのに役立 やくだ っている[ 21] 。尾 お はこれ以外 いがい でサメがより直接的 ちょくせつてき に獲物 えもの を捕 つか まえる補助 ほじょ をしており、オナガザメ などは強力 きょうりょく で細長 ほそなが い上 うえ 葉 は を使 つか って魚 さかな やイカを気絶 きぜつ させる。
薄片 はくへん 形状 けいじょう をした鰭 ひれ は動 うご かされることで推力 すいりょく を生 う みだし、鰭 ひれ の揚力 ようりょく が水 みず や空気 くうき に動 うご きを与 あた えると共 とも に鰭 ひれ を反対 はんたい 方向 ほうこう に押 お しやる。水生 すいせい 動物 どうぶつ は水中 すいちゅう で鰭 ひれ を前後 ぜんご に動 うご かすことで大 おお きな推力 すいりょく を得 え る。多 おお くの場合 ばあい は尾鰭 おびれ が使用 しよう されるが、一部 いちぶ の水生 すいせい 動物 どうぶつ は胸 むね 鰭 ひれ から推力 すいりょく を生 う みだす[ 22] 。
魚 さかな は垂直 すいちょく な尾鰭 おびれ を左右 さゆう に振 ふ って推力 すいりょく を得 え る
アカエイ は
大 おお きな
胸 むね 鰭 ひれ から
推力 すいりょく を
得 え る
小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ が尾鰭 おびれ 周辺 しゅうへん での渦 うず ができる工程 こうてい に影響 えいきょう を及 およ ぼす場合 ばあい もある。
キャビテーション は、陰 かげ 圧 あつ が液体 えきたい 中 ちゅう に気泡 きほう (空洞 くうどう )を引 ひ き起 お こして後 のち にそれが急速 きゅうそく かつ激 はげ しく崩壊 ほうかい する時 とき に発生 はっせい する。それは重大 じゅうだい な損傷 そんしょう と摩耗 まもう を引 ひ き起 お こしうるものである[ 23] 。キャビテーションによる損傷 そんしょう は、イルカやマグロなど泳 およげ 力 りょく の強 つよ い海洋 かいよう 動物 どうぶつ の尾鰭 おびれ で発生 はっせい することがある。キャビテーションは、周囲 しゅうい の水圧 すいあつ が比較的 ひかくてき 低 ひく い海洋 かいよう の水面 すいめん 付近 ふきん で発生 はっせい する可能 かのう 性 せい がより大 おお きい。速 はや く泳 およ ぐ力 ちから があったとしても、尾 お のキャビテーション気泡 きほう 崩壊 ほうかい があまりに痛 いた いため、イルカが速度 そくど を抑制 よくせい せざるを得 え ない場合 ばあい もある[ 24] 。キャビテーションはまたマグロも遅 おそ くさせるが、こちらには別 べつ の理由 りゆう がある。イルカと違 ちが ってこの魚 さかな は、神経 しんけい 終端 しゅうたん のない骨質 こっしつ の鰭 ひれ を有 ゆう しているので、泡 あわ を知覚 ちかく しない。とはいえ、キャビテーションの泡 あわ が鰭 ひれ 周辺 しゅうへん に速度 そくど を抑制 よくせい させる気体 きたい 膜 まく を生 う み出 だ すため、彼 かれ らは速 はや く泳 およ ぐことができなくなる。キャビテーションによる損傷 そんしょう と一致 いっち するマグロの病変 びょうへん が発見 はっけん されている[ 24] 。
サバ科 か の魚 さかな (マグロ、サバ、カツオ)は特 とく に泳 およ ぎの性能 せいのう が高 たか い。彼 かれ らの胴体 どうたい 後部 こうぶ の縁 えん に沿 そ って、小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ として知 し られる鰭 ひれ 条 じょう のない小 ちい さくて引 ひ き込 こ み不能 ふのう な鰭 ひれ の列 れつ がある。この小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ の機能 きのう に関 かん しては多 おお くの推測 すいそく がある。2000年 ねん と2001年 ねん に行 おこな われた研究 けんきゅう では「小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ は安定 あんてい 水泳 すいえい 中 ちゅう に局所 きょくしょ 的 てき な流 なが れでの流体 りゅうたい 力学 りきがく 的 てき 影響 えいきょう を与 あた えており、」また「最後 さいご 部 ぶ の小 しょう 離 はなれ 鰭 ひれ は流 なが れを発生 はっせい 中 ちゅう の尾 お の渦 うず に向 む け直 なお すように向 む けており、それが泳 およ いでいるサバの尾 お によって生成 せいせい される推力 すいりょく を増加 ぞうか させている可能 かのう 性 せい がある」ことが示 しめ された[ 25] [ 26] [ 27] 。
魚 さかな は複数 ふくすう の鰭 ひれ を使用 しよう するため、特定 とくてい の鰭 ひれ が別 べつ の鰭 ひれ と流体 りゅうたい 力学 りきがく 的 てき な相互 そうご 作用 さよう を成 な すこともある。特 とく に、尾鰭 おびれ のすぐ上流 じょうりゅう にある鰭 ひれ が、尾鰭 おびれ の流体 りゅうたい 力学 りきがく に直接 ちょくせつ 影響 えいきょう を与 あた えうる近接 きんせつ した鰭 ひれ かもしれない。2011年 ねん 、粒子 りゅうし 画像 がぞう 流速 りゅうそく 測定 そくてい 法 ほう 技術 ぎじゅつ を活用 かつよう する研究 けんきゅう 者 しゃ 達 たち が「自由 じゆう に泳 およ ぐ魚 さかな によって生成 せいせい される最初 さいしょ の航跡 こうせき 構造 こうぞう の瞬間 しゅんかん 的 てき な3次元 じげん ビュー」の作成 さくせい をなし遂 と げた。彼 かれ らは「連続 れんぞく 的 てき な尾 お の振 ふ りが結果 けっか 的 てき に渦 うず 輪 わ の連鎖 れんさ を形成 けいせい させたこと」そして「背鰭 せびれ と臀 しり 鰭 ひれ の航跡 こうせき が、概 おおむ ね尾 お の振 ふ りの時間 じかん 枠 わく 内 ない に収 おさ まるよう、尾鰭 おびれ の航跡 こうせき によって急速 きゅうそく に同調 どうちょう されていく」ことを発見 はっけん した[ 28] 。
運動 うんどう が一旦 いったん 確立 かくりつ されても、その運動 うんどう 自体 じたい は他 た の鰭 ひれ を使 つか って制御 せいぎょ 可能 かのう である[ 22] [ 29] 。
サンゴ礁 さんごしょう に
棲 す む
魚 さかな の
多 おお くは、
扁平 へんぺい な
体 からだ に
最 もっと も
適 てき した
胸 むね 鰭 ひれ と
腹 はら 鰭 ひれ を
有 ゆう する
[ 33] ホオジロザメ の
背鰭 せびれ にある
真皮 しんぴ 繊維 せんい には「
船 ふね のマストを
安定 あんてい させる
索具 さくぐ のような」
機能 きのう があり、そしてサメがより
速 はや く
泳 およ ぐ
際 さい にはローリングとヨーイングを
制御 せいぎょ するため
急激 きゅうげき に
硬直 こうちょく する。
[ 34]
サンゴ礁 さんごしょう に棲 す む魚類 ぎょるい は、漂泳区分 くぶん 帯 たい に棲 す む魚類 ぎょるい とはしばしば形状 けいじょう が異 こと なる。漂泳区分 くぶん 帯 たい の魚 さかな は一般 いっぱん 的 てき に速度 そくど を出 だ すためにできており、水中 すいちゅう を移動 いどう する際 さい の摩擦 まさつ を最小限 さいしょうげん に抑 おさ えるため魚雷 ぎょらい のような流 りゅう 線形 せんけい である。サンゴ礁 さんごしょう の魚 さかな は比較的 ひかくてき 狭 せま い空間 くうかん そしてサンゴ礁 さんごしょう の複雑 ふくざつ な水底 みなそこ 景色 けしき で活動 かつどう する。直線 ちょくせん 速度 そくど よりも機動 きどう 性 せい が重要 じゅうよう になるため、サンゴ礁 さんごしょう の魚 さかな は機敏 きびん さであったり方向 ほうこう 転換 てんかん の能力 のうりょく を最大限 さいだいげん 活用 かつよう する体 からだ に発達 はったつ していく。彼 かれ らはサンゴの隙間 すきま へと入 はい り込 こ んで躱 かわ したりサンゴ頂 いただき 部 ぶ 辺 あた りに隠 かく れ潜 ひそ むことで、捕食 ほしょく 者 しゃ を出 だ し抜 ぬ く[ 33] 。チョウチョウウオ科 か 、スズメダイ科 か 、キンチャクダイ科 か など、サンゴ礁 さんごしょう に棲 す む魚 さかな の多 おお くは胸 むね 鰭 ひれ と腹 はら 鰭 ひれ が進化 しんか しており、ブレーキとして機能 きのう するなど複雑 ふくざつ な機動 きどう ができるようになっている[ 35] 。こうしたサンゴ礁 さんごしょう の魚 さかな の多 おお くは色彩 しきさい が濃 こ くて側面 そくめん に平 ひら べったい進化 しんか した体 からだ を持 も っており、岩 いわ の裂 さ け目 め に定住 ていじゅう している。腹 はら 鰭 ひれ と胸 むね 鰭 ひれ は別々 べつべつ に進化 しんか を遂 と げ、平 たい らになった体 からだ と共 とも に作用 さよう して機動 きどう 性 せい を最大限 さいだいげん 活用 かつよう する[ 33] 。フグ科 か 、カワハギ科 か 、ハコフグ科 か などの一部 いちぶ の魚 さかな は泳 およ ぎを胸 むね 鰭 ひれ に依存 いぞん しており、尾鰭 おびれ はほとんど使用 しよう しない[ 35] 。
「ゴノポディウム 」はこの項目 こうもく へ転送 てんそう されています。節足動物 せっそくどうぶつ の生殖 せいしょく 付属 ふぞく 肢 し については「生殖 せいしょく 肢 し 」をご覧 らん ください。
オスの
カダヤシ には、
挿入 そうにゅう 交尾 こうび 器官 きかん として
機能 きのう する
臀 しり 鰭 ひれ の
交接 こうせつ 脚 あし (ゴノポディウム)がある
[ 36] [ 37] [ 38] 。
若 わか いオスの
ハナザメ には、
挿入 そうにゅう 交尾 こうび 器官 きかん としても
機能 きのう する
変形 へんけい 腹 はら 鰭 ひれ の
クラスパー がある。
オスの軟骨 なんこつ 魚類 ぎょるい (サメとエイ)および胎生 たいせい する一部 いちぶ の条 じょう 鰭 ひれ 類 るい のオスには、体内 たいない 受精 じゅせい を可能 かのう にする挿入 そうにゅう 交尾 こうび 器官 きかん として機能 きのう する変形 へんけい した鰭 ひれ がある。条 じょう 鰭 ひれ 類 るい ではそれらは交接 こうせつ 器 き や交接 こうせつ 脚 あし (ゴノポディウム)と呼 よ ばれ、軟骨 なんこつ 魚類 ぎょるい ではクラスパー と呼 よ ばれる。
ゴノポディウムはヨツメウオ科 か やカダヤシ科 か の一部 いちぶ 種 しゅ のオスに見 み られる。それらは動 うご かせる挿入 そうにゅう 交尾 こうび 器官 きかん として機能 きのう するよう変形 へんけい した臀 しり 鰭 ひれ で、交尾 こうび 中 ちゅう に魚 さかな 精 せい をメスに注入 ちゅうにゅう するために使用 しよう される。オスの臀 しり 鰭 ひれ にある3・4・5番目 ばんめ の鰭 ひれ 条 じょう が、魚 さかな 精 せい を排出 はいしゅつ させるチューブ状 じょう 構造 こうぞう に形成 けいせい されていく[ 39] 。交尾 こうび の準備 じゅんび が整 ととの うと、ゴノポディウムは屹立 きつりつ してメスに向 む かって前 まえ を向 む く。オスがその器官 きかん をメスの性的 せいてき 開口 かいこう 部 ぶ に挿入 そうにゅう するやすぐに、受精 じゅせい を確実 かくじつ に行 おこな うため魚 さかな がメスを掴 つか んで離 はな さないフックのような適応 てきおう が起 お こる。メスがじっとしていて、交尾 こうび 相手 あいて がゴノポディウムで彼女 かのじょ の排出 はいしゅつ 口 こう に接触 せっしょく すると、彼女 かのじょ は受胎 じゅたい する。精子 せいし は女性 じょせい の卵管 らんかん に保存 ほぞん される。これでメスはオスから追加 ついか の支援 しえん なしでいつでも受胎 じゅたい できるようになる。一部 いちぶ の種 たね では、ゴノポディウムが全 ぜん 身長 しんちょう の半分 はんぶん になるものもいる。ソードテール の「ライアテール」種 たね の中 なか には、鰭 ひれ が長 なが すぎて使 つか えないものもある。ホルモン処置 しょち されたメスがゴノポディウムを発現 はつげん する場合 ばあい もあるが、これらは繁殖 はんしょく には役立 やくだ たない。
同 おな じような特徴 とくちょう を持 も つ同様 どうよう の器官 きかん は他 た の魚 さかな でも、例 たと えばコモチサヨリ亜 あ 科 か やグーデア科 か のアンドロポディウムに見 み られる[ 40] 。
クラスパーは、軟骨 なんこつ 魚類 ぎょるい のオスに見 み られる。これは挿入 そうにゅう 交尾 こうび 器官 きかん としても機能 きのう する変形 へんけい した腹 はら 鰭 ひれ 後部 こうぶ で、交尾 こうび 中 ちゅう にメスの総 そう 排泄 はいせつ 腔 に精液 せいえき を流 なが し込 こ むのに使用 しよう される。サメの交尾 こうび 行動 こうどう では、通常 つうじょう だと特定 とくてい の開口 かいこう 部 ぶ を介 かい して管 かん に水 みず を入 い れることができるようクラスパーの1つを屹立 きつりつ させることが含 ふく まれる。その後 ご クラスパーが総 そう 排泄 はいせつ 腔に挿入 そうにゅう されると、そこで傘 かさ のように開 ひら いて位置 いち を固定 こてい する。それから管 かん は水 みず と精子 せいし を放出 ほうしゅつ するための収縮 しゅうしゅく を始 はじ める[ 41] [ 42] 。
バショウカジキ には広大 こうだい な背鰭 せびれ がある。サバ科 か や他 た のカジキ亜 あ 目 め と同 おな じく、彼 かれ らは泳 およ ぐときに背鰭 せびれ を体 からだ の溝 みぞ に格納 かくのう することで自身 じしん を流 ながれ 線形 せんけい にする[ 43] 。バショウカジキの巨大 きょだい な背鰭 せびれ はほとんどの時間 じかん 格納 かくのう されたままである。バショウカジキは小 しょう 魚 さかな の群 む れを追 お い込 こ みたい時 とき にそれを引 ひ き起 お こし、また高 こう 活動 かつどう の時期 じき が終 お わると恐 おそ らく引 ひ っ込 こ める[ 43] [ 44] 。
トビウオ は
胸 むね 鰭 ひれ が
発達 はったつ しているため、
水面 すいめん 上 じょう を
滑空 かっくう するのに
十分 じゅうぶん な
揚力 ようりょく を
得 え られる
オナガザメ は尾鰭 おびれ を使 つか って獲物 えもの を気絶 きぜつ させる
セミホウボウ科 か には大 おお きな胸 むね 鰭 ひれ があり、通常 つうじょう は体 からだ と水平 すいへい に折 お りたたまれ、脅 おびや かされると捕食 ほしょく 者 しゃ を威嚇 いかく するためそれを広 ひろ げる。英名 えいめい ではFlying gurnardだがトビウオと違 ちが って底 そこ 生魚 なまざかな であり、海底 かいてい を歩 ある き回 まわ るのに腹 はら 鰭 ひれ を使 つか う[ 46] [ 47] 。
鰭 ひれ は性的 せいてき な装飾 そうしょく 品 ひん として適応 てきおう 的 てき な意義 いぎ を持 も っていることもある。 求愛 きゅうあい 期間 きかん 中 ちゅう に、メスのカワスズメ科 か 、ペルヴィカクロミス・タエニアータス は大 おお きくて視覚 しかく 的 てき に惹 ひ きつける紫色 むらさきいろ の腹 はら 鰭 ひれ を誇示 こじ する。その研究 けんきゅう 者 しゃ たちは「オスは明 あき らかに大 おお きな腹 はら 鰭 ひれ を持 も つメスをより好 す きになり、腹 はら 鰭 ひれ がメス魚 ぎょ の他 ほか の鰭 ひれ とは不 ふ 釣 つ り合 あ いに大 おお きく成長 せいちょう する」ことを発見 はっけん した[ 48] [ 49] 。
モンガラカワハギ科 か は
捕食 ほしょく 者 しゃ を
避 さ けるためサンゴの
裂 さ け
目 め に
押 お し
入 い って、
背鰭 せびれ の
第 だい 1
棘 とげ 条 じょう で
自身 じしん を
固定 こてい する
[ 50] アンコウ目 め の
背鰭 せびれ の
第 だい 1
棘 とげ 条 じょう は
変形 へんけい して、ルアーを
備 そな えた
釣 つ り
竿 ざお のような
働 はたら きをする
一部 いちぶ のアジア
諸国 しょこく では、サメの
鰭 ひれ が
珍味 ちんみ の
フカヒレ である
[ 51]
魚類 ぎょるい における対 たい 鰭 ひれ の進化 しんか モデルとして歴史 れきし 的 てき に議論 ぎろん されてきた一般 いっぱん 的 てき な仮説 かせつ は2つ、いわゆる鰓 えら 弓 ゆみ 説 せつ と鰭 ひれ ひだ説 せつ である。前者 ぜんしゃ は一般 いっぱん に「ゲーゲンバウアーの仮説 かせつ 」と呼 よ ばれるもので、1870年 ねん に提起 ていき された「対 たい 鰭 ひれ は鰓 えら の構造 こうぞう に由来 ゆらい する」と提唱 ていしょう するものである[ 52] 。これは1877年 ねん に初 はじ めて示唆 しさ された鰭 ひれ ひだ説 せつ が有力 ゆうりょく となって人気 にんき が凋落 ちょうらく した。鰭 ひれ ひだ説 せつ は、鰓 えら のすぐ後方 こうほう の表皮 ひょうひ に沿 そ った縦 たて 方向 ほうこう および横 よこ 方向 ほうこう の襞 ひだ から対 たい 鰭 ひれ が萌芽 ほうが していくと提唱 ていしょう している[ 53] 。化石 かせき 記録 きろく および発生 はっせい 学 がく における支持 しじ は双方 そうほう の仮説 かせつ に対 たい して弱 よわ いものである[ 54] 。ただし、発達 はったつ パターンに基 もと づく近年 きんねん の見識 けんしき が対 たい 鰭 ひれ の起源 きげん をより解明 かいめい できるよう双方 そうほう の学説 がくせつ に再考 さいこう を促 うなが している。
カール・ゲーゲンバウアー の「鰭 ひれ 原 はら 基 はじめ 」という概念 がいねん は1876年 ねん に導入 どうにゅう された[ 55] 。それは鰓 えら 弓 ゆみ から伸 の びた鰓 えら 条 じょう として「結合 けつごう した軟骨 なんこつ の茎 くき 」として説明 せつめい された。追加 ついか の条 じょう は鰓 えら 弓 ゆみ に沿 そ って中央 ちゅうおう 鰓 えら 条 じょう から隆起 りゅうき した。ゲーゲンバウアーは、全 すべ ての脊椎動物 せきついどうぶつ の対 たい 鰭 ひれ と手足 てあし が鰭 ひれ 原 はら 基 はじめ の形質 けいしつ 転換 てんかん だとする、形質 けいしつ 転換 てんかん ホモロジー のモデルを提唱 ていしょう したのである。この理論 りろん に基 もと づけば、胸 むね 鰭 ひれ や腹 はら 鰭 ひれ など対 たい の付属 ふぞく 器官 きかん は分 ぶん 枝 えだ 弓 ゆみ から分化 ぶんか して後方 こうほう に移動 いどう したことになる。しかし、化石 かせき 記録 きろく における形態 けいたい 学 がく と系統 けいとう 学 がく の両方 りょうほう で、この仮説 かせつ に対 たい する支持 しじ は限定 げんてい 的 てき だった[ 54] 。しかも、腹 はら 鰭 ひれ の前後 ぜんご 移動 いどう という証拠 しょうこ はほぼ全 まった くなかった[ 56] 。こうした鰓 えら 弓 ゆみ 説 せつ の欠点 けってん は、セントジョージ・ジャクソン・ミヴァルト 、フランシス・バルフォア 、ジェームズ・キングスレイ・タッカー によって提唱 ていしょう された鰭 ひれ ひだ説 せつ が有利 ゆうり になって、早々 そうそう と終焉 しゅうえん を迎 むか えた。
鰭 ひれ ひだ説 せつ は、対 たい 鰭 ひれ が魚 さかな の体 からだ 壁 かべ に沿 そ った外側 そとがわ 襞 ひだ から発達 はったつ したとの仮説 かせつ である[ 57] 。正中 せいちゅう 鰭 ひれ ひだの分節 ぶんせつ と出芽 しゅつが が正中 せいちゅう 鰭 ひれ を発達 はったつ させたように、側部 そくぶ 鰭 ひれ ひだに起因 きいん する分節 ぶんせつ や伸長 しんちょう と同 おな じメカニズムが、対 たい をなす胸 むね 鰭 ひれ と腹 はら 鰭 ひれ を発達 はったつ させたのだと提唱 ていしょう された。しかし、化石 かせき 記録 きろく では側部 そくぶ で襞 ひだ から鰭 ひれ へと変遷 へんせん する証拠 しょうこ が殆 ほとん ど無 な かった[ 58] 。さらに、胸 むね 鰭 ひれ と腹 はら 鰭 ひれ が異 こと なる進化 しんか 的 てき 起源 きげん かつ機構 きこう 的 てき 起源 きげん から生 しょう じることが後年 こうねん になって系統 けいとう 学 がく 的 てき に示 しめ された[ 54] 。
対 たい の付属 ふぞく 器官 きかん の個体 こたい 発生 はっせい および進化 しんか に関 かん する近年 きんねん の研究 けんきゅう は、ヤツメウナギ などの鰭 ひれ なし脊椎動物 せきついどうぶつ と対 たい 鰭 ひれ がある最 もっと も基底 きてい の脊椎動物 せきついどうぶつ の軟骨 なんこつ 魚 ぎょ 綱 つな とを比較 ひかく していた[ 59] 。2006年 ねん 、研究 けんきゅう 者 しゃ 達 たち たちは正中 せいちゅう 鰭 ひれ の分節 ぶんせつ 化 か と発達 はったつ に関与 かんよ する同一 どういつ の遺伝 いでん 的 てき プログラミングがトラザメ科 か の対 たい になった付属 ふぞく 器官 きかん の発達 はったつ に見 み られたことを発見 はっけん した[ 60] 。これらの発見 はっけん は側部 そくぶ の鰭 ひれ ひだ仮説 かせつ を直接 ちょくせつ 支持 しじ するものではないが、正中 せいちゅう から対 たい へという鰭 ひれ の進化 しんか 発生 はっせい メカニズム当初 とうしょ の概念 がいねん と関連 かんれん が残 のこ っている。
古 ふる い理論 りろん の似 に たような刷新 さっしん は、軟骨 なんこつ 魚 ぎょ 綱 つな 鰓 えら 弓 ゆみ と対 たい の付属 ふぞく 肢 し の発生 はっせい プログラミングで見 み られるかもしれない。2009年 ねん 、シカゴ大学 だいがく の研究 けんきゅう 者 しゃ が軟骨 なんこつ 魚 ぎょ 綱 つな 鰓 えら 弓 ゆみ と対 たい 鰭 ひれ の初期 しょき の発達 はったつ に共通 きょうつう の分子 ぶんし パターニング機構 きこう があることを実証 じっしょう した[ 61] 。こうした発見 はっけん が、かつて誤 あやま りとされた鰓 えら 弓 ゆみ 説 せつ の再考 さいこう を促 うなが している[ 58] 。
魚類 ぎょるい は、あらゆる哺乳類 ほにゅうるい 、爬虫類 はちゅうるい 、鳥類 ちょうるい 、両生類 りょうせいるい の祖先 そせん である[ 62] 。特 とく に、陸生 りくせい 四肢 しし 動物 どうぶつ は魚類 ぎょるい から進化 しんか し、4億 おく 年 ねん 前 まえ に初 はじ めて陸地 りくち に進出 しんしゅつ した[ 63] 。彼 かれ らは移動 いどう のために対 たい の胸 むね 鰭 ひれ と腹 はら 鰭 ひれ を使用 しよう した。胸 むね 鰭 ひれ は前肢 ぜんし (人間 にんげん の場合 ばあい は腕 うで )に、腹 はら 鰭 ひれ は後肢 あとあし に発達 はったつ した[ 64] 。四肢 しし 動物 どうぶつ における歩行 ほこう 肢 し を構築 こうちく する遺伝子 いでんし 機構 きこう の多 おお くが、泳 およ ぎを行 おこな う魚類 ぎょるい の鰭 ひれ の中 なか にすでに存在 そんざい している[ 65] [ 66] 。
肉 にく 鰭 ひれ 類 るい の遊泳 ゆうえい 鰭 ひれ (A)と四肢 しし 動物 どうぶつ の歩行 ほこう 肢 し (B) の比較 ひかく 。互 たが いに対応 たいおう すると考 かんが えられる骨 ほね は同色 どうしょく 。
並行 へいこう ながら独立 どくりつ した進化 しんか で、古代 こだい の爬虫類 はちゅうるい イクチオサウルス は魚 さかな (またはイルカ)と非常 ひじょう によく似 に た鰭 ひれ (または足 あし 鰭 ひれ )を発達 はったつ させた。
2011年 ねん 、モナシュ大学 だいがく の研究 けんきゅう 者 しゃ は原始 げんし 的 てき ながら現生 げんなま するハイギョ を使 つか って「腹 はら 鰭 ひれ の筋肉 きんにく の進化 しんか を追跡 ついせき し、四肢 しし 動物 どうぶつ の荷重 かじゅう を支 ささ える後肢 あとあし がどのように進化 しんか したか」を調 しら べた[ 68] 。シカゴ大学 だいがく の更 さら なる研究 けんきゅう では、底 そこ を歩 ある くハイギョが既 すで に陸生 りくせい 四肢 しし 動物 どうぶつ による歩行 ほこう の足取 あしど りの特徴 とくちょう に進化 しんか していたことが判明 はんめい した[ 69] [ 70] 。
収斂 しゅうれん 進化 しんか の古典 こてん 的 てき な例 れい として、翼 つばさ 竜 りゅう 、鳥類 ちょうるい 、コウモリ の胸 むね 肢 し (pectoral limbs)は独立 どくりつ した経路 けいろ に沿 そ ってさらに飛行 ひこう 翼 つばさ へと進化 しんか していった。飛行 ひこう 翼 つばさ でさえも歩 ふ 行脚 あんぎゃ と多 おお くの類似 るいじ 点 てん があり、胸 むね 鰭 ひれ の遺伝 いでん 的 てき な設計 せっけい 図 ず の中核 ちゅうかく という側面 そくめん は残 のこ されている[ 71] [ 72] 。
最初 さいしょ の哺乳類 ほにゅうるい はペルム紀 き (2.9-2.5億 おく 年 ねん 前 まえ )に出現 しゅつげん した。これら哺乳類 ほにゅうるい のうちクジラ目 め (クジラ、イルカ等 とう )など幾 いく つかのグループは海洋 かいよう に戻 もど っていった。近年 きんねん のDNA分析 ぶんせき で、クジラ目 め は偶蹄 ぐうてい 目 め から進化 しんか したもので共通 きょうつう 祖先 そせん をカバ と共有 きょうゆう することが示唆 しさ されている[ 73] [ 74] 。約 やく 2300万 まん 年 ねん 前 まえ 、クマみたいな陸生 りくせい 哺乳類 ほにゅうるい の別 べつ グループが海 うみ に戻 もど っていった。それがアザラシをはじめとする鰭 ひれ 脚 あし 類 るい である[ 75] 。クジラ目 め と鰭 ひれ 脚 あし 類 るい の歩行 ほこう 肢 し になったものは、新 あら たな形状 けいじょう の遊泳 ゆうえい 鰭 ひれ へと独立 どくりつ 進化 しんか した。 前肢 ぜんし は足 あし 鰭 ひれ になり、後肢 あとあし は(クジラ目 め だと)失 うしな われたり(鰭 ひれ 脚 あし 類 るい では)足 あし ひれに変貌 へんぼう した。クジラ目 め では、尾 お の終端 しゅうたん にフロック (fluke ) と呼 よ ばれる2本 ほん の鰭 ひれ がある[ 76] 。 一般 いっぱん 的 てき に尾鰭 おびれ は垂直 すいちょく で、左右 さゆう 方向 ほうこう へと動 うご く。クジラ目 め の鰭 ひれ 棘 とげ は他 た の哺乳類 ほにゅうるい と同 おな じように曲 ま がるため、クジラ目 め のフロックは水平 すいへい 方向 ほうこう かつ上下 じょうげ にも動 うご く[ 77] [ 78] 。
完全 かんぜん な水中 すいちゅう 生活 せいかつ に向 む けた同様 どうよう の適応 てきおう は、イルカと魚 さかな 竜 りゅう の両方 りょうほう に見 み られる
魚 さかな 竜 りゅう はイルカに似 に た古代 こだい の爬虫類 はちゅうるい である。彼 かれ らは約 やく 2億 おく 4500万 まん 年 ねん 前 まえ に最初 さいしょ に現 あらわ れ、約 やく 9千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ に絶滅 ぜつめつ した。
「陸生 りくせい の祖先 そせん でもあるこの海 うみ 生 せい 爬虫類 はちゅうるい は、魚類 ぎょるい へと非常 ひじょう に強 つよ く収斂 しゅうれん したため、水中 すいちゅう 移動 いどう を改善 かいぜん するため背鰭 せびれ と尾鰭 おびれ を実際 じっさい に進化 しんか させた。これらの構造 こうぞう は無 む からの進化 しんか であるため特筆 とくひつ に値 あたい する。陸生 りくせい 爬虫類 はちゅうるい の祖先 そせん には背中 せなか のこぶや尾 お の刃 は がなく、先駆 さきが けとしての役割 やくわり を果 は たした」[ 79]
生物 せいぶつ 学者 がくしゃ スティーヴン・ジェイ・グールド は、魚 さかな 竜 りゅう が収斂 しゅうれん 進化 しんか の好例 こうれい だと語 かた った[ 80] 。
様々 さまざま な形状 けいじょう をした様々 さまざま な場所 ばしょ (手足 てあし 、体 からだ 、尾 お )にある鰭 ひれ や足 あし ひれも他 た の四肢 しし 動物 どうぶつ の様々 さまざま なグループで進化 しんか しており、ペンギン などの潜水 せんすい 鳥 どり (翼 つばさ から変化 へんか )、ウミガメ (前肢 ぜんし が足 あし ひれに変化 へんか )、モササウルス科 か (後肢 あとあし が足 あし ひれに変化 へんか )、ウミヘビ (垂直 すいちょく に展開 てんかい して平 ひら たくなった尾鰭 おびれ )などが挙 あ げられる。
1990年代 ねんだい 、CIA は水中 すいちゅう の未知 みち な情報 じょうほう を収集 しゅうしゅう するよう意図 いと された「チャーリー」と呼 よ ばれるナマズのロボットを組 く み上 あ げた[ 81]
水生 すいせい 動物 どうぶつ の推進 すいしん にとって鰭 ひれ の使用 しよう は非常 ひじょう に効率 こうりつ 的 てき なものである。一部 いちぶ の魚類 ぎょるい では90%超 ちょう の推進 すいしん 効率 こうりつ が達成 たっせい 可能 かのう だと算出 さんしゅつ されている[ 22] 。魚 さかな はボートや潜水 せんすい 艦 かん よりもはるかに効果 こうか 的 てき に加速 かそく および動 うご き回 まわ ることが可能 かのう で、水流 すいりゅう の乱 みだ れや騒音 そうおん も小 ちい さく抑 おさ える。このことは、水生 すいせい 動物 どうぶつ の移動 いどう を模倣 もほう しようとする水中 すいちゅう ロボットのバイオミメティクス 研究 けんきゅう をもたらした[ 82] 。フィールド・ロボティクス研究所 けんきゅうじょ により組上 くみあ げられたロボットマグロは、マグロ形状 けいじょう の動 うご きを分析 ぶんせき および数学 すうがく 的 てき にモデル化 か した例 れい である[ 83] 。2005年 ねん 、シーライフロンドン水族館 すいぞくかん はエセックス大学 だいがく のコンピューター科学 かがく 部署 ぶしょ が創作 そうさく した3匹 ひき のロボット魚 ぎょ を展示 てんじ した。この魚 さかな は自律 じりつ 的 てき に動 うご くよう設計 せっけい されており、本物 ほんもの の魚 さかな みたいに泳 およ ぎ回 まわ っては障害 しょうがい 物 ぶつ を避 さ けていく。ロボット製作 せいさく 者 しゃ は「マグロの速度 そくど 、カワカマス属 ぞく の加速 かそく 、ウナギ の機動 きどう 性 せい 能力 のうりょく 」を組 く み合 あ わせるべく試行 しこう したと述 の べた[ 84] [ 85] [ 86] 。
ドイツのフェスト 社 しゃ によって開発 かいはつ された「アクアペンギン」は、ペンギン の前足 まえあし ひれに起因 きいん する流 りゅう 線 せん 形状 けいじょう および推進 すいしん 力 りょく を再現 さいげん したものである[ 87] [ 88] 。フェスト社 しゃ は他 ほか にも、マンタ 、クラゲ 、バラクーダ の移動 いどう をそれぞれ模倣 もほう した「アクアレイ」[ 89]
「アクアジェリー」[ 90] 「アイラクーダ」[ 91] を開発 かいはつ した。
2004年 ねん 、マサチュ まさちゅ ーセッツ工科大学 せっつこうかだいがく はカエルの足 あし からロボットへと外科 げか 的 てき に筋肉 きんにく を移植 いしょく して筋繊維 きんせんい を電気 でんき で脈動 みゃくどう させることでロボットを泳 およ がせるという、生体 せいたい アクチュエータ を備 そな えたバイオメカトロニクス な魚 さかな ロボットの試作 しさく 品 ひん を作 つく った[ 92] [ 93] 。
魚 さかな ロボットには、魚 さかな の仕組 しく み個々 ここ の部分 ぶぶん をその魚 さかな の残 のこ り部分 ぶぶん と分 わ けて検査 けんさ できるなど、研究 けんきゅう 上 じょう の利点 りてん が幾 いく つかある。 しかし、これは生物 せいぶつ 学 がく を過度 かど に単純 たんじゅん 化 か して動物 どうぶつ の仕組 しく みの重要 じゅうよう な側面 そくめん が見落 みお とされる危険 きけん もある。 また魚 さかな ロボットは研究 けんきゅう 者 しゃ に柔軟 じゅうなん 性 せい や特定 とくてい の動作 どうさ 制御 せいぎょ といった単一 たんいつ パラメーターを変更 へんこう できるようにしている。 研究 けんきゅう 者 しゃ は(魚 さかな ロボットなら)力 ちから を直接 ちょくせつ 測定 そくてい することが可能 かのう だが、これは生 い きている魚 さかな だと容易 ようい ではない。「ロボット装置 そうち は運動 うんどう 面 めん の動 うご きを正確 せいかく に把握 はあく できるため、3次元 じげん の運動 うんどう 学 がく 研究 けんきゅう および相関 そうかん する流体 りゅうたい 力学 りきがく 的 てき 解析 かいせき も促進 そくしん する。そして、自然 しぜん な動 うご きの個々 ここ の要素 ようそ (羽 は ばたき付随 ふずい のアウトストロークとインストロークなど)を個別 こべつ にプログラム設定 せってい させることも可能 かのう であるが、生 い きている動物 どうぶつ で研究 けんきゅう する場合 ばあい にそれを達成 たっせい することはかなり困難 こんなん である」[ 94] と言 い えるだろう。
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