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釘 - Wikipedia

くぎ

円柱えんちゅうなどでハンマーなどでぶつどうしを結合けつごうする固着こちゃく

くぎ(くぎ)は、ねじたないりゃく棒状ぼうじょう本体ほんたいを、ほぼ変形へんけいさせることなく、そのままハンマーなどでむことによって結合けつごうする固着こちゃく[1]

金属きんぞくせいくぎ

概要がいよう

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くぎ金属きんぞくたけ[2]または、木材もくざいウツギ[3])でつくったほそぼう一端いったんとがらせているものである。それぞれの素材そざいからたけくぎくぎ英語えいごばんなどとばれる。金槌かなづちげんのう)、ネイルガンなどでんで、木材もくざい合板ごうはん・ボードるいなどを接合せつごう固定こていしたり、かべなどにみ、ものけたりするのにもちいる。

材質ざいしつ鉄製てつせいのものがおおいが、びにくいように亜鉛あえんメッキをほどこしたものやステンレスせいのものなどもある[4]形状けいじょうあたま部分ぶぶんたいらなものやまるいもの、きやすいようじゅうになっているもの(じゅうあたまくぎ)がある[4]。また、どう部分ぶぶんけにくいようにしたスクリューくぎやリングくぎがある[4]くぎ寸法すんぽう一般いっぱんてきにはみちの20ばい前後ぜんこうのものがおお[4]

木材もくざい加工かこうひんのうち家具かぐてき性格せいかくひんなどでは接着せっちゃくざいなどを使用しようするれいおおくなりくぎ使用しようすくなくなっているが、木造もくぞう建築けんちくにはかせない部品ぶひんである[5]

くぎ接合せつごう

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くぎ接合せつごう特性とくせい

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くぎ接合せつごうくぎ)にはつぎのような特性とくせいがある。

  • 作業さぎょう簡易かんいせい
    • ふるくから人々ひとびとられた接合せつごう方法ほうほうで、入手にゅうしゅ容易よういであり、場合ばあい金槌かなづち場合ばあい釘抜くぎぬきがあれば作業さぎょうができる[5]
    • くぎ接合せつごう予備よびてき加工かこう必要ひつようとしない[5]
  • 作業さぎょう能率のうりつせい
    • ちいさい作業さぎょうであれば能率のうりつてきであるが、作業さぎょう範囲はんいひろ場合ばあいには能率のうりつてきになる[5]
    • くぎくちふくこうなかそろあたま方向ほうこうけたくぎ左手ひだりてしてくぎちをおこな大工だいくもいた。これは、方向ほうこうそろえることではやてるようにするためと、くぎ湿気しっけたせびることによって接合せつごうりょくたかめようという意図いともあった。ひのきがわではたけくぎもちいられるが、素早すばやくために20~30ほんほどくちふくんでした一本いっぽんずつしながら屋根やね金槌かなづち作業さぎょうおこなわれる[6]
    • くぎ大量たいりょう場合ばあい一般いっぱんてきには自動じどうくぎ使つかうことで作業さぎょう効率こうりつ劇的げきてき向上こうじょうする。この場合ばあい、1びょうに1ほん程度ていど速度そくどつことも可能かのうである。ただし、自動じどうくぎ使つかうと、くぎあたまざいにめりんでしまう場合ばあいおおい。これをふせぐためにも、自動じどうくぎ空気圧くうきあつ適切てきせつ調整ちょうせいする必要ひつようがある。
  • くぎりょく
    • くぎ引抜ひきぬけ抵抗ていこうたもてくぎりょくという[5]くぎ引抜ひきぬけ抵抗ていこうくぎりょく)は木材もくざい比重ひじゅうくぎ直径ちょっけい折込おりこみながさの関数かんすうとしてしめされる[5]
    • くぎりょくくぎどうちょうであれば直径ちょっけいおおきいほどくぎりょくおおきくなる[5]。ただし、みちが2ばいになってもたもてくぎりょくが2ばいになるわけではない[5]実際じっさいにはみちおおきいくぎ木材もくざいれをしょうじることがあり、重量じゅうりょうおもくなりくぎりょく影響えいきょうおよぼす[5]
  • ボルト接合せつごうとうとの比較ひかく
    • まれたすべてのくぎ木材もくざい密着みっちゃくしているため、初期しょき剛性ごうせいたかい(ガタをしょうじない)。これにたいし、ボルト接合せつごうやドリフトピン接合せつごうは、さきあなをあけるため、初期しょき剛性ごうせいひくい(ガタをしょうじる)。
    • せんだんによる破壊はかい性状せいじょうは、くぎよこ方向ほうこう変形へんけいしながら、すべりしてけるようにして破壊はかいしてゆく。くぎけきるまでは強度きょうど維持いじつづけるので、だい変形へんけいでもねばづよさを発揮はっきする。くぎけたとき破壊はかいいたる。これにたいし、ボルト接合せつごうは、いわゆるロープ効果こうかによりけることがないので、さらなる大変たいへんがたえることができる。
    • くぎ接合せつごう接合せつごう(ボルト接合せつごう・ドリフトピン接合せつごうとう)は、根本こんぽんてき抵抗ていこうのメカニズムがちがうため、それぞれの強度きょうど加算かさんすることはできない。
  • 接着せっちゃくざいによる接合せつごうとの比較ひかく
    • くぎ接合せつごうただちに効力こうりょく発揮はっきするが、接着せっちゃくざいによる接合せつごう乾燥かんそうなどの事後じご処理しょり必要ひつようである[5]
    • しょうすうほんによるくぎ応力おうりょく集中しゅうちゅう傾向けいこうがみられるのにたいし、接着せっちゃくざいによる接合せつごう面積めんせき均分きんぶんして負荷ふかがかかる[5]
    • くぎ接合せつごうあたま表面ひょうめん接着せっちゃく表面ひょうめん美化びか難点なんてんがあるが、接着せっちゃくざいによる接合せつごう接着せっちゃく表面ひょうめんるものがないため素材そざい表面ひょうめんかすことができる[5]
    • 接着せっちゃく加工かこうは、くぎ接合せつごう場合ばあいくぎ加工かこうおこなった部分ぶぶんにあたると工具こうぐ破損はそんのおそれがあるのにたいし、接着せっちゃくざいによる接合せつごう場合ばあい加工かこう可能かのう状態じょうたいであれば容易ようい加工かこう仕上しあげをほどこすことができる[5]
    • くぎ自体じたい老化ろうかすることはないがさび問題もんだいがある[5]接着せっちゃくざいによる接合せつごう場合ばあいねつ老化ろうか自然しぜん老化ろうか問題もんだいがあり、木材もくざい加工かこうひん経済けいざいてき寿命じゅみょうとのいによる[5]

木材もくざいくぎ接合せつごう

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木材もくざいどう一樹いちじゅしゅであっても、乾燥かんそうあたり心材しんざい年輪ねんりん粗密そみつ生育せいいく状態じょうたいによりくぎりょくことなる[5]

薄板うすいたくぎはできるものの、つぎばん(カナバ)シートのように接着せっちゃくできないものもある[5]構造こうぞうよう合板ごうはんなどのボードるいくぎ場合ばあいくぎあたまがボードるいにめりんでいると、くぎけず、ボードるい貫通かんつうするようにして破壊はかいする(パンチングアウト破壊はかい)。この場合ばあいしょう変形へんけい破壊はかいし、強度きょうどはほとんど発揮はっきされない。

木材もくざいさきあなをあける必要ひつようがないので、木材もくざい強度きょうど低下ていかさせることはない。ただし、くぎ間隔かんかく近接きんせつしすぎたり、木材もくざいはしちか場所ばしょったりすると、木材もくざいれ、かえって強度きょうど低下ていかさせる。このため、日本にっぽん建築けんちく学会がっかいでは最小さいしょう間隔かんかく最小さいしょうえん距離きょり規定きていしている。

いたたいするくぎ配置はいちとう最小さいしょう間隔かんかく(dはくぎどうみちあらわす)
りょく繊維せんい方向ほうこう場合ばあい りょく方向ほうこう くぎ間隔かんかく 12d
はし距離きょり 15d
りょく直角ちょっかく方向ほうこう くぎれつ間隔かんかく 5d
えん距離きょり 5d
りょく繊維せんい直角ちょっかく方向ほうこう場合ばあい りょく方向ほうこう くぎ間隔かんかく 8d
えん距離きょり 8d
りょく直角ちょっかく方向ほうこう どういち繊維せんいじょうくぎ間隔かんかく 10d
はし距離きょり 10d

くぎ接合せつごう方法ほうほう

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金槌かなづちなどでむ。多量たりょう場合ばあい自動じどうくぎ使つかうのが普通ふつうである。

間違まちがいや、解体かいたい作業さぎょうおこな場合ばあいバールくぎく。

ははざい平滑へいかつになるまでは金槌かなづちなどでめるが、それ以上いじょうしずめる場合ばあいくぎめといわれるような金属きんぞく棒状ぼうじょうのものをあてがいたたむ。このしずんだ部分ぶぶんざいなどでめば、表面ひょうめんじょうくぎえなくなる。

くぎ種類しゅるい

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くぎ種類しゅるい

くぎには普通ふつうくぎ西洋せいようくぎおよ日本にっぽんくぎ)と特殊とくしゅくぎがある[5]

普通ふつうくぎ

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普通ふつうくぎには西洋せいようくぎ日本にっぽんくぎがある[5]西洋せいようくぎようくぎ日本にっぽんくぎくぎともいう[5]

西洋せいようくぎようくぎ

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西洋せいようくぎ木材もくざい接合せつごうなどに一般いっぱんてき使用しようされているくぎで、軟鋼なんこうけい合金ごうきん使用しようしたものなどがあるが、一般いっぱんてきには軟鋼なんこう素材そざいとするものをいう[5]

初期しょきくぎてつなどの金属きんぞくではなく動物どうぶつほねもちいられた[4]鉄製てつせいくぎ製造せいぞうされるようになったのは西洋せいようでは紀元前きげんぜん1000ねんごろとされる(中国ちゅうごくでは紀元前きげんぜん500ねんごろとされる)[4]

日本にっぽんくぎくぎ

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飛鳥あすか時代ときよから明治めいじ時代じだい初頭しょとうまでは、かずくぎ各種かくしゅ建築けんちくぶつもちいられていた。法隆寺ほうりゅうじ金堂こんどうから飛鳥あすか時代ときよくぎもちいられていたことが確認かくにんされ、これが日本にっぽん使用しよう確認かくにんされたなか一番いちばんふるくぎである。くぎは、当初とうしょ日本にっぽんがたな同様どうよう鍛造たんぞうによって製作せいさくされており、くぎがた金属きんぞく製品せいひん作成さくせいする鍛冶たんやを「くぎ鍛冶たんや」ともった。人口じんこうぞうともな住宅じゅうたく需要じゅよう増加ぞうかなどから、江戸えど時代じだい初頭しょとうには鋳造ちゅうぞう主流しゅりゅうとなった。

1872ねんころから、西洋せいよう建築けんちくにはくぎでは接合せつごうりょくよわさのため対応たいおうできないとし、フランスから船便せんびんによるようくぎ輸入ゆにゅう大量たいりょうはじまった。フランスだけではなく、イギリスベルギードイツオーストラリアアメリカ順次じゅんじ輸入ゆにゅう拡大かくだいかずくぎ淘汰とうたされていった。

安田やすだ工業こうぎょうが、1897ねん明治めいじ30ねん)に深川ふかがわにてせいくぎ工場こうじょう開始かいししたのが、だい規模きぼ西洋せいようせいくぎはじまりとされている。当初とうしょは、くぎ材料ざいりょうとなるせんざいすべ輸入ゆにゅうたよっていたため、海外かいがいからのくぎ輸入ゆにゅう価格かかく太刀打たちうちできず、また政情せいじょう輸入ゆにゅうりょう左右さゆうされていたが、くぎ安定あんてい供給きょうきゅう国策こくさくとして官営かんえい八幡やはた製鐵せいてつしょ1908ねん明治めいじ41ねんせんざい生産せいさん開始かいし。これにともない、ようくぎ国内こくない生産せいさんまかなえるようになった。

そのためくぎ使用しよう宮大工みやだいくによる寺社じしゃ建築けんちく新築しんちく修繕しゅうぜんなどのみとなっている。新潟にいがたけん三条さんじょうには20ねん一度いちどおこなわれる伊勢神宮いせじんぐう式年しきねん遷宮せんぐう全国ぜんこく各地かくち神社じんじゃ仏閣ぶっかく修理しゅうり復元ふくげん使用しようされるくぎつ、づくりのうちやま外部がいぶリンク参照さんしょう)がある。

なお、和船わせん使つかわれるくぎ一種いっしゅふねくぎがある。

特殊とくしゅくぎ

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特殊とくしゅくぎには折釘おれくぎかに目釘めくぎあいくぎみのりくぎなどがある[5]。なお、構造こうぞうではなく特殊とくしゅ用途ようとについては後述こうじゅつする。

  • 折釘おれくぎ - 折釘おれくぎまる折釘おれくぎ稲妻いなづま折釘おれくぎなどがある[5]
  • かに目釘めくぎ
  • あいくぎ
  • みのりくぎ - ひらあたまくぎまるあたまくぎまる釻釘・ようとうくぎなどがある[5]

くぎ規格きかく

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日本にっぽん産業さんぎょう規格きかくではJIS A5508:1992で以下いかくぎ規格きかくされている。

  • てつまるくぎ
  • めっきてつまるくぎ
  • ステンレスこうくぎ
  • ふとてつまるくぎ
  • めっきふとてつまるくぎ
  • ほそてつまるくぎ
  • せっこうボードようくぎ
  • シージングインシュレーションファイバーボードようくぎ
  • 自動じどうくぎようくぎ

てつまるくぎ(Nくぎ

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木造もくぞうじくぐみ工法こうほう建築けんちくぶつから日曜にちよう大工だいくいたるまで幅広はばひろもちいられているくぎ種類しゅるいながさ)も豊富ほうふで19mmから150mmまで14種類しゅるいある。いろはすべて素地そじてついろ)で、見分みわけがつきにくいので注意ちゅういようする。んだのちでは検査けんさができないため使つかったくぎはこ確認かくにんするしかない。このくぎは、バラで箱入はこいりになってられているものと、コイルじょう連結れんけつされてられているものがある。前者ぜんしゃ手打てうちで、後者こうしゃ自動じどうくぎもちいてむ。このくぎを、枠組わくぐみかべ工法こうほう使用しようすることはゆるされていない。

なお、木造もくぞうじくぐみ工法こうほうにおいて、あつさ7.5mm以上いじょう構造こうぞうよう合板ごうはんとくるい)を、N50くぎもちいて、外周がいしゅう中間なかまとも150mm間隔かんかくじくみおよびあいだばしらけたかべは、かべ倍率ばいりつ2.5ばい (=4.90kN/m) の強度きょうどたいりょくかべとしてみとめられており、また初期しょき剛性ごうせいねばづよさにすぐれているため、耐震たいしんせいたいふうせい非常ひじょうたかい。このさいくぎあたま構造こうぞうよう合板ごうはんにめりんでいてはならない。

てつまるくぎ(Nくぎ) - (JIS A 5508-1975)
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち参考さんこう いろ おも用途ようと
N19 19mm 1.50mm 3.6mm 素地そじ  
N22 22mm 1.50mm 3.6mm 素地そじ  
N25 25mm 1.70mm 4.0mm 素地そじ  
N32 32mm 1.90mm 4.5mm 素地そじ  
N38 38mm 2.15mm 5.1mm 素地そじ ラスシート
N45 45mm 2.45mm 5.8mm 素地そじ  
N50 50mm 2.75mm 6.6mm 素地そじ あつさ7.5 - 12mm構造こうぞうよう合板ごうはん
N65 65mm 3.05mm 7.3mm 素地そじ あつさ15 - 18mm構造こうぞうよう合板ごうはん
N75 75mm 3.40mm 7.9mm 素地そじ あつさ24 - 28mm構造こうぞうよう合板ごうはん
N90 90mm 3.75mm 8.8mm 素地そじ あつさ30 - 45mmざいたいら
N100 100mm 4.20mm 9.8mm 素地そじ  
N115 115mm 4.20mm 9.8mm 素地そじ  
N125 125mm 4.60mm 10.3mm 素地そじ  
N150 150mm 5.20mm 11.5mm 素地そじ  

上記じょうきの「んだのちでは検査けんさができない」という問題もんだい解決かいけつするためにデジNくぎしょうする頭部とうぶくぎちょう刻印こくいんされたカラーくぎ発売はつばいされている。規格きかくひょう下記かきとおりである。

デジNくぎ(Nくぎ
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
N50 50mm 2.75mm 6.6mm くろ あつさ7.5 - 12mm構造こうぞうよう合板ごうはん
N65 65mm 3.05mm 7.3mm 橙色だいだいいろ あつさ15 - 18mm構造こうぞうよう合板ごうはん
N75 75mm 3.40mm 7.9mm みどり あつさ24 - 28mm構造こうぞうよう合板ごうはん
N90 90mm 3.75mm 8.8mm むらさき あつさ30 - 45mmざいたいら

2×4(ツーバイフォー)ようふとてつまるくぎ(CNくぎ

編集へんしゅう

2×4(ツーバイフォー)工法こうほう(=枠組わくぐみかべ工法こうほう)の建築けんちくぶつ使つかわれるくぎてつまるくぎ(Nくぎ)よりややふとめで、せんだん強度きょうどすぐれる。種類しゅるいは4種類しゅるいしかなく、それぞれことなるいろ塗装とそうされているため、あやま使用しようこりにくく、んだのちでも検査けんさ容易よういである。このくぎは、ほとんどの場合ばあいはコイルじょう連結れんけつされてられており、自動じどうくぎもちいてむ。強度きょうどたかく、いろによる判別はんべつ容易よういなため、木造もくぞうじくぐみ工法こうほう建築けんちくぶつてつまるくぎ(Nくぎ)のわりにもちいられることもおおい。

なお、枠組わくぐみかべ工法こうほうにおいて、あつさ9mm以上いじょう構造こうぞうよう合板ごうはんとくるい)を、CN50くぎもちいて、外周がいしゅうにおいて100mm間隔かんかく中間なかまにおいて200mm間隔かんかくわくざいけたかべは、かべ倍率ばいりつ3.0ばい (=5.88kN/m) の強度きょうどをもつたいりょくかべとしてみとめられており、また初期しょき剛性ごうせいねばづよさにすぐれているため、耐震たいしんせいたいふうせい非常ひじょうたかい。このさいくぎあたま構造こうぞうよう合板ごうはんにめりんでいてはならない。

2×4ようふとてつまるくぎ(CNくぎ) - (JIS A 5508-1992)
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
CN50 50.8mm 2.87mm 6.76mm みどり あつさ9 - 12mm構造こうぞうよう合板ごうはん
CN65 63.5mm 3.33mm 7.14mm あつさ15 - 18mm構造こうぞうよう合板ごうはん
CN75 76.2mm 3.76mm 7.92mm あお あつさ24 - 28mm構造こうぞうよう合板ごうはん
CN90 88.9mm 4.11mm 8.74mm あか あつさ38mmわくざいたいら

2×4(ツーバイフォー)ようほそてつまるくぎ(BNくぎ

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2×4(ツーバイフォー)工法こうほう(=枠組わくぐみかべ工法こうほう)の建築けんちくぶつ使つかわれるくぎてつまるくぎ(Nくぎ)よりややほそめで、せんだん強度きょうどおとる。このため、現在げんざいではほとんどもちいられない。わりに2×4ようふとてつまるくぎ(CNくぎ)をもちいる。

2×4ようほそてつくぎ(BNくぎ) - (JIS A 5508-1992)
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
BN50 50.8mm 2.51mm 6.76mm みどり  
BN65 63.5mm 2.87mm 7.54mm  
BN75 76.2mm 3.25mm 7.92mm あお  
BN90 88.9mm 3.43mm 8.74mm あか  

せっこうボードようくぎ(GNFくぎ

編集へんしゅう

石膏せっこうボード木材もくざいけるためにもちいるくぎ石膏せっこうボードつよいが強度きょうどてきにはもろいので、この特性とくせいわせて形状けいじょう材質ざいしつ工夫くふうしてある。

なお、木造もくぞうじくぐみ工法こうほうおよび枠組わくぐみかべ工法こうほうにおいて、あつさ12mm以上いじょう石膏せっこうボードを、GNF40くぎもちいて、外周がいしゅうにおいて100mm間隔かんかく中間なかまにおいて200mm間隔かんかくけたかべは、かべ倍率ばいりつ0.9ばい (=1.76kN/m) の強度きょうどをもつたいりょくかべとしてみとめられており、また初期しょき剛性ごうせいねばづよさにすぐれているため、耐震たいしんせいたいふうせいたかい。このさいくぎあたま石膏せっこうボードにめりんでいてはならない。

せっこうボードようくぎ(GNFくぎ) - (JIS A 5552-1988)
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
GNF40 38.1mm 2.34mm 7.54mm - あつさ12mm石膏せっこうボード

シージングインシュレーションファイバーボードようくぎ(SNくぎ

編集へんしゅう

シージングボード木材もくざいけるためにもちいるくぎシージングボードみずつよいが強度きょうどてきにはもろいので、この特性とくせいわせて形状けいじょう材質ざいしつ工夫くふうしてある。

なお、木造もくぞうじくぐみ工法こうほうおよび枠組わくぐみかべ工法こうほうにおいて、あつさ12mm以上いじょうシージングボードを、外周がいしゅうにおいて100mm間隔かんかく中間なかまにおいて200mm間隔かんかくけたかべは、かべ倍率ばいりつ1.0ばい (=1.96kN/m) の強度きょうどをもつたいりょくかべとしてみとめられており、また初期しょき剛性ごうせいねばづよさにすぐれているため、耐震たいしんせいたいふうせいたかい。このさいくぎあたまシージングボードにめりんでいてはならない。

シージングインシュレーションファイバーボードようくぎ(SNくぎ
- (JIS A 5553-1977)
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
SN40 38.1mm 3.05mm 11.13mm - あつさ12mmシージングボード

亜鉛あえんめっきスクリューくぎ(ZSくぎ

編集へんしゅう

くぎどう表面ひょうめん凹凸おうとつをつけ、表面ひょうめん亜鉛あえんめっきされているくぎ一般いっぱんてきくぎ引張ひっぱりにはややよわいが、このくぎはその弱点じゃくてんおぎなったもので、てつまるくぎにくらべ2ばい程度ていどたいりょくつ。

亜鉛あえんめっきスクリューくぎ(ZSくぎ) - (日本にっぽん住宅じゅうたく木材もくざいセンター規格きかく
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
ZS50 50m 4.5?5.2mm 10mm ぎん 短冊たんざく金物かなもの羽子板はごいたボルトのくぎあな

亜鉛あえんめっきふとめくぎ(ZNくぎ

編集へんしゅう

てつまるくぎ(Nくぎ)よりふとく、表面ひょうめん亜鉛あえんめっきされているくぎ。せんだん強度きょうどすぐれる。このくぎは、Zマーク補強ほきょう金物かなものけるためにもちいられる。

亜鉛あえんめっきふとめくぎ(ZNくぎ) - (日本にっぽん住宅じゅうたく木材もくざいセンター規格きかく
名称めいしょう なが どうみち 頭部とうぶみち いろ おも用途ようと
ZN40 38.1mm 3.33mm 7.14mm 赤錆あかさびしょく Zマーク補強ほきょう金物かなものひねり金物かなものST、金物かなものSF、くら金物かなものSS
ZN65 63.5mm 3.33mm 7.14mm ぎん Zマーク補強ほきょう金物かなものCP-L,CP-T
ZN90 88.9mm 4.11mm 8.74mm ぎん Zマーク補強ほきょう金物かなものVP、くぎしきホールダウン金物かなもの

ロールくぎ(NC50くぎ・PNF2150くぎなど)

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造作ぞうさくよう部材ぶざいとう構造こうぞうたいりょくじょう重要じゅうようでない部分ぶぶんもちいられるくぎてつまるくぎ(Nくぎ)にくらべてだん面積めんせき半分はんぶん程度ていど大変たいへんほそく、せんだん強度きょうど半分はんぶん程度ていどしかない。したがってこれを構造こうぞうたいりょくじょう主要しゅよう部分ぶぶん(構造こうぞうよう合板ごうはんけなど)にもちいてはならない。いろ黄色きいろまたは金色きんいろ塗装とそうされているものがおおい。このくぎは、コイルじょう連結れんけつされてられており、自動じどうくぎもちいてむ。

梱包こんぽうようてつくぎ(FNくぎ

編集へんしゅう

日曜にちよう大工だいくかりめなど、構造こうぞうたいりょくじょう重要じゅうようでない部分ぶぶんもちいるくぎてつまるくぎ(Nくぎ)よりほそめで、せんだん強度きょうどおとる。したがってこれを構造こうぞうたいりょくじょう主要しゅよう部分ぶぶん(構造こうぞうよう合板ごうはんけなど)にもちいてはならない。いろ素地そじてついろ)。

特殊とくしゅ用途ようと

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馬蹄ばていくぎ

五寸釘ごすんくぎ

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建築けんちくではよせとう屋根やね隅木すみき固定こていなどくみとしないおおきなはりなどにもちいる。一方いっぽううし刻参ときまいばれるわら人形にんぎょうのろいの儀式ぎしきもちいられ、のろいに使つかくぎみみ釘抜くぎぬきをける部分ぶぶん)のもの使つかうともわれる。

犬釘いぬくぎ

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犬釘いぬくぎ

鉄道てつどうレール固定こていするのにもちいられたくぎ頭部とうぶりょうみみのあるいぬかおかたちていることからの名称めいしょうである。

  • パチンコくぎ - パチンコだいでは真鍮しんちゅうせいくぎ使用しようしてパチンコだまかえりなどをこし、たいだしだま調整ちょうせいしたりする役割やくわりつ。

日本にっぽんがたなに、火縄銃ひなわじゅうだい銃床じゅうしょう)に固定こていするためにもちいるたけなどによるもの。

料理りょうりでの利用りよう

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  • アサリからすなきをするさい鉄製てつせいくぎれる場合ばあいもある。
  • ぬかゆかくぎれておくと茄子なすび漬物つけものいろが鮮かになる。
  • 黒豆くろまめときびたくぎれるとあざやかなくろいろ仕上しあげることができる。

なお、イカナゴなどのしょうさかな醤油じょうゆ砂糖さとうなどで甘辛あまからたものをくぎ(くぎに)という。かたちびたくぎているためにこう名付なづけられた。

その特殊とくしゅ用途ようと

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Uがたをしたくぎで、またくぎ(またくぎ)、つぼくぎステープルともいう。絶縁ぜつえんのための被覆ひふくのあるものとないものがある。絶縁ぜつえん被覆ひふくのあるものは、おもに電灯でんとうせん同軸どうじくケーブルなどを固定こていしたいときにはさんでさえむようにって使用しようするが、木材もくざい以外いがいには基本きほんてき使用しようできない。被覆ひふくのないものは複数ふくすう木材もくざい接合せつごうする場合ばあいなどに使用しようする。(かすがい)も参照さんしょう

  • ペニー (単位たんい)英語えいごばん ‐ アメリカで使つかわれるくぎながさをあらわ単位たんい数字すうじのちにローマ時代じだい通貨つうかデナリウス由来ゆらいのdがけられる[7]
    • ペニーは、もともと15世紀せいきのイギリスで100ほんくぎ価格かかくあらわ単位たんいであった[7]
  • Kriegsnagelungenドイツばん - だいいち世界せかい大戦たいせんちゅうのドイツなどでおこなわれた戦費せんぴ調達ちょうたつ方法ほうほうで、寄付きふきんつのって、寄付きふしゃ設置せっちした人形にんぎょうくぎ権利けんりあたえた。
ぬかくぎ
やわらかいぬかくぎつように、手応てごたえがなくてききめがないことのたとえ。
釘付くぎづ
物事ものごとなどに夢中むちゅうになり、そのからうごかないさま。
くぎ
くぎこたえる」とも。明白めいはく効果こうかがあること。
くぎ
くぎ」とも。いいのがれが出来できないようねんすこと。
くぎになる
手足てあしこごえるさま。
くぎうらかえ
うらくぎかえ」、「くぎかえ」、「くぎかえ」とも。ねんすことをす。
くぎ
金釘流かなくぎりゅう」、「折釘おれくぎりゅう」とも。悪筆あくひつたとえ。

なお「くぎたれる」は誤用ごようであり、まさしくは「くいたれる」である。

参考さんこう文献ぶんけん資料しりょう

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  • 建築けんちく関係かんけい法令ほうれいしゅう建築けんちく法規ほうき編集へんしゅう会議かいぎへん
  • 木造もくぞう住宅じゅうたく工事こうじ仕様しようしょ解説かいせつづけ)』(財)ざいだんほうじん住宅じゅうたく金融きんゆう普及ふきゅう協会きょうかい
  • 枠組わくぐみかべ工法こうほう工事こうじ仕様しようしょ解説かいせつづけ)』(財)ざいだんほうじん住宅じゅうたく金融きんゆう普及ふきゅう協会きょうかい
  • 木質もくしつ構造こうぞう設計せっけい規準きじゅんどう解説かいせつ -許容きょよう応力おうりょく許容きょようたいりょく設計せっけいほう-』(社)しゃだんほうじん日本にっぽん建築けんちく学会がっかい
  • 『くぎのめりぎでたいりょくかべかべ倍率ばいりつがる』(日経にっけいBPしゃ) 2006ねん4がつ22にち
  • 構造こうぞうよう合板ごうはんかべ倍率ばいりつが2.5をたしていない実態じったい』(日経にっけいBPしゃ) 2006ねん5がつ1にち
  • 『“あぶないたいりょくかべ”の公開こうかい強度きょうど試験しけん開催かいさい』(日経にっけいBPしゃ) 2007ねん11月9にち
  • 建築けんちく基準きじゅんほう違反いはんのクギがあなたのいえ使つかわれているかも!?』(日経にっけいBPしゃ) 2008ねん1がつ18にち
  • 違法いほうなクギを使つかうと、どれくらいたいりょくかべ性能せいのうちるか?』(日経にっけいBPしゃ) 2008ねん1がつ22にち

出典しゅってん

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  1. ^ 意匠いしょう分類ぶんるい定義ていぎカード(M3) 特許庁とっきょちょう
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  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 前田まえだ松雄まつお木材もくざい加工かこうにおけるくぎ接着せっちゃくざいについて」『高知大学こうちだいがく学術がくじゅつ研究けんきゅう報告ほうこく. 自然しぜん科学かがくI[基礎きそ科学かがくへん]』だい13かんだい13ごう高知大学こうちだいがく、1965ねん、131-139ぺーじhdl:10126/2109ISSN 0389-0244NAID 1200013581812022ねん12がつ20日はつか閲覧えつらん 
  6. ^ ひのきがわ葺のお屋根やね 小國おぐに神社じんじゃ。2022ねん12月17にち閲覧えつらん
  7. ^ a b What's a penny nail? ちょ:Gene Wengert サイト:woodworkingnetwork

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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