生物体と浸透圧が同じになるように調節された食塩水は、生理食塩水と言われる。生物によってその値は異なるので、対象とする生物にあわせたものを利用しなければならない。
日常では、医療的な処理をする際に使う。特に、傷口や粘膜などを洗うような用途には生理食塩水を使う。
スパゲティなど、パスタ類をゆでる場合、濃いめの塩水を使う。これは、これらが塩味を含んでいないので、ゆでる際に味付けをするためである。他方うどんやそうめんは真水でゆで、元々含まれる塩分を流し出す。
野菜を茹でる際などにも食塩水を使う。これには、沸点上昇によってより高い温度で加熱できる効果があるなどの説があるが間違いであり、薄く塩味をつけることが実質的な目的である。水の沸点上昇は1リットルの水に対して1モルの溶質あたり約0.515 K と小さいため、概算で1リットルの水に対して大さじ4杯の食塩を加えるごとに沸点が約1度ずつ上がる計算になり「高い温度」が期待できるほど食塩を加えたら、ほとんどの料理は塩辛くなりすぎる。したがって、通常料理に使う食塩濃度では、沸点上昇による調理への影響はないと考えて良い。
- カキなどは水洗いでなく食塩水で洗う。
- 野菜を湯通しする際の湯には塩をひとつまみ入れる。
- 潮干狩りで捕ってきたアサリなどは海水に近い濃度の塩水に一晩つけ、砂を吐かせる。これは簡易的な海水の代用としての用途である。