3Dプリンター (スリーディープリンター、英語 えいご : 3D printer )とは、3次元 じげん 的 てき なデジタル ・モデル をもとにして、(現実 げんじつ の)物体 ぶったい をつくりだすことができる機械 きかい のこと[ 1] 。積層 せきそう 造形 ぞうけい 装置 そうち 、付加 ふか 製造 せいぞう 装置 そうち 、AM装置 そうち 、AMマシンとも呼 よ ばれる。あまり一般 いっぱん 的 てき ではないものの、「立体 りったい 印刷 いんさつ 機 き (りったいいんさつき)」[ 2] と呼 よ ぶこともある。
3Dプリンターの一 いち 例 れい
3Dプリンターの一 いち 例 れい
Airwolf 3D
3次元 じげん のデジタル・モデルを立体 りったい 物 ぶつ に出現 しゅつげん させることを3Dプリンティング (英 えい : 3D printing )、三 さん 次元 じげん 造形 ぞうけい (さんじげんぞうけい)と呼 よ ぶ[ 3] [ 4] 。
三 さん 次元 じげん 造形 ぞうけい する方法 ほうほう を積層 せきそう 造形 ぞうけい 法 ほう と呼 よ んでいたが、現在 げんざい 、積層 せきそう 造形 ぞうけい 法 ほう は付加 ふか 製造 せいぞう 方法 ほうほう 、アディティブマニュファクチャリング、あるいはAM技術 ぎじゅつ (additive manufacturing、AM)と呼 よ ばれている。アディティブマニュファクチャリング(AM:Additive Manufacturing)というものは、「いわゆる除去 じょきょ 加工 かこう 、変形 へんけい 加工 かこう に対 たい して、積層 せきそう を繰 く り返 かえ していく付加 ふか 加工 かこう という意味 いみ である」[ 5] [ 6] 。
3Dプリンターは3DCAD きゃど や3DCG などで作成 さくせい した、3次元 じげん 的 てき なデータで構成 こうせい された3次元 じげん モデルをもとに現実 げんじつ の立体 りったい 物 ぶつ を出現 しゅつげん させる機械 きかい のことである。つまり、コンピュータ内 ない のただのデータ上 じょう の、あるいはコンピュータスクリーン上 じょう の視覚 しかく 的 てき な像 ぞう にとどまるのではなくて、手 て で触 ふ れられる物体 ぶったい を作成 さくせい する機械 きかい である。「プリンター」とは言 い うものの、通常 つうじょう 言 い われる印刷 いんさつ 用 よう プリンター のように、紙 かみ という平面 へいめん (二 に 次元 じげん )の表面 ひょうめん にインクをのせて「絵 え 」として立体 りったい 物 ぶつ を、ただ視覚 しかく 的 てき に描 えが く機械 きかい とは異 こと なる。
3Dプリンターに立体 りったい 物 ぶつ を出現 しゅつげん させるための方法 ほうほう ・技法 ぎほう はいくつかあるが、薄 うす い層 そう をつぎつぎと積 つ み重 かさ ねてゆく方法 ほうほう で立体 りったい 物 ぶつ を作 つく りだす[ 1] 、いわゆる、積層 せきそう 造形 ぞうけい 法 ほう が一般 いっぱん 的 てき である。また、立体 りったい 物 ぶつ を出現 しゅつげん させる手法 しゅほう としては、なんらかの方法 ほうほう でメス型 がた を作 つく っておいてそこに造形 ぞうけい 材 ざい を充填 じゅうてん して固化 こか させて作 つく りだす技術 ぎじゅつ があるが、3Dプリンターはそうした手法 しゅほう とも異 こと なるものである。
初期 しょき のものは1980年代 ねんだい に開発 かいはつ され実用 じつよう 化 か していったが、それらは高価 こうか であるばかりでなく、特殊 とくしゅ な制御 せいぎょ を求 もと められるものであった。2010年 ねん 頃 ごろ から個人 こじん 向 む け3Dプリンタの低廉 ていれん 化 か が進 すす むとともに、産業 さんぎょう 界 かい での利用 りよう も急 きゅう 拡大 かくだい している。
1971年 ねん 、Johannes F Gottwaldは Liquid Metal Recorder (US3596285A)の特許 とっきょ を取得 しゅとく した。これは再 さい 利用 りよう 可能 かのう な板 いた 上 じょう に取 と り外 はず し可能 かのう な金属 きんぞく 加工 かこう 物 ぶつ を形成 けいせい する繰 く り返 かえ し利用 りよう 可能 かのう なインクジェット金属 きんぞく 材料 ざいりょう 装置 そうち である。これは、ラピッドプロトタイピングとパターンの制御 せいぎょ されたオンデマンド製造 せいぞう を備 そな えた3Dプリンティングを記述 きじゅつ した最初 さいしょ の特許 とっきょ であると考 かんが えられている。
1974年 ねん 、デビッド・E・H・ジョーンズは、雑誌 ざっし 「ニューサイエンティスト」の連載 れんさい コラム「アリアドネ」で3Dプリントの概念 がいねん を示 しめ した。
1980年 ねん 、名古屋 なごや 市 し 工業 こうぎょう 研究所 けんきゅうじょ にて小玉 こだま 秀男 ひでお が光 ひかり 造形 ぞうけい 法 ほう を発明 はつめい した[ 7] [ 8] 。3次元 じげん CAD きゃど を基 もと に、光 ひかり 硬化 こうか 性 せい の熱 ねつ 硬化 こうか 性 せい ポリマーを用 もち いて、UV照射 しょうしゃ 領域 りょういき をマスクや走査 そうさ 型 がた ファイバー送信 そうしん 機 き で制御 せいぎょ して、樹脂 じゅし の3次元 じげん 構造 こうぞう 体 たい を製作 せいさく する方法 ほうほう であった。小玉 こだま はこれをXYZプロッタと名付 なづ けて特許 とっきょ を出願 しゅつがん し、1981年 ねん 11月 がつ 10日 とおか に公開 こうかい された。1981年 ねん の4月 がつ と11月に学術 がくじゅつ 論文 ろんぶん として発表 はっぴょう されたが、一連 いちれん の発表 はっぴょう に対 たい する反響 はんきょう はなかったという。研究 けんきゅう 室 しつ での評価 ひょうか も低 ひく く、上司 じょうし も関心 かんしん を示 しめ さなかった。研究 けんきゅう 費 ひ は年間 ねんかん 6万 まん 円 えん しかなかった。XYZプロッターの特許 とっきょ 権 けん の取得 しゅとく は断念 だんねん し、プロジェクトは終了 しゅうりょう した。
1982年 ねん 4月 がつ 6日 にち にレイセオン 社 しゃ が取得 しゅとく した特許 とっきょ US 4323756「Method of Fabricating Articles by Sequential Deposition」は、数 すう 百 ひゃく から数 すう 千 せん の粉末 ふんまつ 金属 きんぞく の「層 そう 」とレーザーエネルギー源 げん を用 もち いたもので、基板 きばん 上 じょう に「層 そう 」を形成 けいせい して形状 けいじょう を製作 せいさく することに関 かん する初期 しょき の文献 ぶんけん である。
1983年 ねん 、チャック・ハル (英語 えいご 版 ばん ) が.stl(Standard Triangulated Language) という3Dデータの保存 ほぞん 方式 ほうしき を発明 はつめい した。
1986年 ねん 、同氏 どうし は3D Systems Corpを起業 きぎょう して、翌 よく 1987年 ねん 「SLA 1」として商品 しょうひん 化 か した。この後 のち も、1990年代 ねんだい 半 なか ばまでに様々 さまざま な技術 ぎじゅつ 開発 かいはつ と製品 せいひん が出 だ されたが、それぞれ別々 べつべつ の名 な で呼 よ ばれ、積層 せきそう 造形 ぞうけい 法 ほう (additive manufacturing)はそれらを表 あらわ す共通 きょうつう の言葉 ことば として漠然 ばくぜん と用 もち いられていた。
1983年 ねん 、ロバート・ハワードは、熱 ねつ 可塑 かそ 性 せい プラスチック(ホットメルト)インクを使用 しよう したカラーインクジェット2Dプリンタ「ピクセルマスター」を開発 かいはつ するために、R.H.Research(後 ご のHowtek)を立 た ち上 あ げ、1986年 ねん に発売 はつばい が開始 かいし された。
1980年代 ねんだい に3Dプリンターを所有 しょゆう すると、(2016年 ねん のドルで)65万 まん ドル以上 いじょう [ 9] の費用 ひよう がかった。
1990年 ねん 、3D印刷 いんさつ ともっとも広 ひろ く関連 かんれん づけられるPlastics extrusion 技術 ぎじゅつ が、Stratasys社 しゃ により"fused deposition modeling (FDM)"(熱 ねつ 溶解 ようかい 積層 せきそう 法 ほう )として商品 しょうひん 化 か された。
1993年 ねん 、インクジェット3Dプリンタの会社 かいしゃ が設立 せつりつ され、当初 とうしょ はSanders Prototype,Incと名付 なづ けられ、後 のち にSolidscapeと名付 なづ けられ、可溶性 かようせい の支持 しじ 構造 こうぞう を持 も つ高 こう 精度 せいど のポリマージェット製作 せいさく システムを導入 どうにゅう した。
1995年 ねん 、Z Corporation社 しゃ が、MIT が開発 かいはつ した製品 せいひん を初 はじ めて"3D printing (3DP)"の商標 しょうひょう で販売 はんばい した。これにより、Ink jet material deposition を行 おこな う機器 きき をおおまかに他 た と区別 くべつ して3Dプリンターと呼 よ ぶようになっていった。それまでは統一 とういつ 的 てき な呼称 こしょう はなかった。
1995年 ねん 、フラウンホーファー研究 けんきゅう 機構 きこう が選択 せんたく 的 てき レーザー溶融 ようゆう プロセスを開発 かいはつ 。
2009年 ねん 、FDM法 ほう の基本 きほん 特許 とっきょ の保護 ほご 期間 きかん が終了 しゅうりょう 。
2000年代 ねんだい 半 なか ばまでは投資 とうし 額 がく が安 やす くても数 すう 百 ひゃく 万 まん 円 えん 規模 きぼ のため企業 きぎょう など事業 じぎょう 所 しょ で導入 どうにゅう されるのが主 おも であったが、オープンソース によるFab@Home やRepRap の開発 かいはつ が進 すす み、特許 とっきょ 保護 ほご 終了 しゅうりょう を機 き に[ 10] 数 すう 万 まん 円 えん ~数 すう 十 じゅう 万 まん 円 えん のものが発売 はつばい され始 はじ め、個人 こじん や家庭 かてい でも導入 どうにゅう されるようになっていった[ 11] 。
2008年 ねん から2011年 ねん にかけて、低 てい 価格 かかく の個人 こじん 用 よう 3Dプリンタ市場 いちば は毎年 まいとし 平均 へいきん 346%もの大幅 おおはば 成長 せいちょう を遂 と げ[ 12] 、2013年 ねん には7万 まん 台 だい が売 う られたと見積 みつ もられている[ 13] 。
2010年 ねん 頃 ごろ は、3D Systems,Stratasysなど上位 じょうい 3社 しゃ で業界 ぎょうかい シェアの80%以上 いじょう を占 し め、特 とく に、ストラタシス 社 しゃ のDimension/uPrint シリーズの業界 ぎょうかい シェアが約 やく 50%と高 たか く、事実 じじつ 上 じょう の業界 ぎょうかい 標準 ひょうじゅん となっていた[ 14] 。2012年 ねん に3D SystemsがZ Corporationを併合 へいごう して[ 15] 、二 に 社 しゃ の争 あらそ いになった。
2012年 ねん 、Filabot社 しゃ はプラスチックのループを閉 と じるシステムを開発 かいはつ し、あらゆるFDMまたはFFFの3Dプリンターがより幅広 はばひろ いプラスチックで印刷 いんさつ できるようにした。
2014年 ねん 2月 がつ には精密 せいみつ な造形 ぞうけい に適 てき したレーザー焼 しょう 結 ゆい 法 ほう の特許 とっきょ の保護 ほご 期間 きかん が終了 しゅうりょう してこの方式 ほうしき に複数 ふくすう の企業 きぎょう が参入 さんにゅう した[ 16] [ 17] 。2014年 ねん 時点 じてん での価格 かかく は2,000ドル以上 いじょう とまだ高 たか かったが、産業 さんぎょう 用途 ようと 以外 いがい で趣味 しゅみ で個人 こじん が持 も つことができるようになった。
一方 いっぽう 、2014年 ねん は、低 てい 価格 かかく プリンターのトラブルなどが表面 ひょうめん 化 か した年 とし であり、2016年 ねん にかけて3Dプリンター業界 ぎょうかい における大手 おおて メーカーの経営 けいえい が悪化 あっか 、株式 かぶしき も低迷 ていめい する契機 けいき となった。2015年 ねん 12月には、3Dシステムズ社 しゃ が低 てい 価格 かかく 帯 たい プリンターの製造 せいぞう を打 う ち切 き ったほか、2016年 ねん 4月 がつ には、低 てい 価格 かかく 帯 たい プリンターを製造 せいぞう してきたメーカーボット社 しゃ が、従業 じゅうぎょう 員 いん を解雇 かいこ した上 うえ で製品 せいひん 製造 せいぞう をアウトソーシングすることを発表 はっぴょう した[ 18] 。
近年 きんねん では3Dスキャナ を搭載 とうさい した機種 きしゅ や熱 ねつ 溶解 ようかい 積層 せきそう 法 ほう 以外 いがい のより精密 せいみつ な造形 ぞうけい に適 てき した光 ひかり 造形 ぞうけい 法 ほう 等 ひとし の低 てい 価格 かかく 化 か も進 すす み、普及 ふきゅう に拍車 はくしゃ をかけている。また、新規 しんき 参入 さんにゅう が相次 あいつ ぎ、新 あら たな開発 かいはつ 競争 きょうそう の段階 だんかい を迎 むか えている[ 19] 。
一方 いっぽう 、30年 ねん 以上 いじょう 使 つか われてきた3Dプリンタ用 よう ファイルフォーマット.stl(Standard Triangulated Language)は、形状 けいじょう の情報 じょうほう のみしか保持 ほじ しておらず、素材 そざい や構造 こうぞう の情報 じょうほう を記述 きじゅつ できないなど、3Dプリンターの進歩 しんぽ に対 たい して追従 ついしょう できないなどの問題 もんだい が多 おお くなってきたため、国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 化 か 委員 いいん 会 かい ASTMとISOは共同 きょうどう で、3Dプリンタ用 よう ファイルフォーマットAMF を定 さだ めている。
そもそも「3Dプリンティング」という言葉 ことば は、インクジェットプリンターのヘッドを使 つか って粉 こな 体 たい のベッドにバインダー材料 ざいりょう を何 なん 層 そう にも渡 わた って堆積 たいせき させるプロセスを指 さ していた。最近 さいきん では、電子 でんし ビーム積層 せきそう 造形 ぞうけい 法 ほう や選択 せんたく 的 てき レーザー溶融 ようゆう 法 ほう など、より多様 たよう な積層 せきそう 造形 ぞうけい 技術 ぎじゅつ を包括 ほうかつ する言葉 ことば として使 つか われるようになっている。米国 べいこく や世界 せかい の技術 ぎじゅつ 標準 ひょうじゅん では、この広義 こうぎ の意味 いみ でアディティブ・マニュファクチャリングという公式 こうしき 用語 ようご が使 つか われている。
建築 けんちく 分野 ぶんや にも応用 おうよう され、3Dプリントされた住宅 じゅうたく の販売 はんばい が行 おこな われるようになった[ 20] 。建築 けんちく 分野 ぶんや の節 ふし を参照 さんしょう 。
3Dプリンターの動作 どうさ の動画 どうが
対象 たいしょう 物 ぶつ 、手法 しゅほう 、機種 きしゅ によって多少 たしょう の違 ちが いはあるが、コンピュータ上 じょう で作 つく った3Dデータを設計 せっけい 図 ず として、その断面 だんめん 形状 けいじょう を付加 ふか 加工 かこう で積層 せきそう していくことで立体 りったい 物 ぶつ を形成 けいせい する方式 ほうしき が基本 きほん とる。液状 えきじょう の樹脂 じゅし に紫外線 しがいせん などを照射 しょうしゃ し少 すこ しずつ硬化 こうか させていく光 ひかり 造形 ぞうけい 方式 ほうしき 、熱 ねつ で融解 ゆうかい した樹脂 じゅし を少 すこ しずつ積 つ み重 かさ ねていくFDM方式 ほうしき (Fused Deposition Modeling, 熱 ねつ 溶解 ようかい 積層 せきそう 法 ほう )、粉末 ふんまつ の樹脂 じゅし に接着 せっちゃく 剤 ざい を吹 ふ きつけていく粉末 ふんまつ 固着 こちゃく 方式 ほうしき などの方法 ほうほう がある[ 21] 。
紫外線 しがいせん を照射 しょうしゃ することで硬化 こうか する液体 えきたい 樹脂 じゅし を用 もち いた造形 ぞうけい 法 ほう 。初期 しょき のラピッドプロトタイピングはこの手法 しゅほう から始 はじ まり、ステレオリソグラフィー 、レーザーリソグラフィー などともいわれた。紫外線 しがいせん の照射 しょうしゃ によりラジカル重合 じゅうごう 、もしくはカチオン重合 じゅうごう する樹脂 じゅし を用 もち い、絞 しぼ った紫外線 しがいせん レーザー ビームで樹脂 じゅし を選択 せんたく 的 てき に硬化 こうか させて立体 りったい 物 ぶつ を造形 ぞうけい する手法 しゅほう であったが、紫外線 しがいせん プロジェクタや液晶 えきしょう パネルを用 もち いることで面 めん 一括 いっかつ 露光 ろこう により造形 ぞうけい する手法 しゅほう も開発 かいはつ されている。元々 もともと は高価 こうか な機器 きき が必要 ひつよう であったが、液晶 えきしょう パネルの透過 とうか 光 こう で直接 ちょくせつ 硬化 こうか させる方式 ほうしき では近年 きんねん 5万 まん 円 えん を切 き るモデルも販売 はんばい されている。
原材料 げんざいりょう 粉末 ふんまつ を層状 そうじょう に敷 し き詰 つ め、高 こう 出力 しゅつりょく のレーザービーム、電子 でんし ビームを用 もち いて原材料 げんざいりょう 粉末 ふんまつ を選択 せんたく 的 てき に溶融 ようゆう したり[ 22] [ 23] 、などして造形 ぞうけい を行 おこな う手法 しゅほう 。前者 ぜんしゃ では、ナイロン などの樹脂 じゅし 系 けい 材料 ざいりょう 、青銅 せいどう 、鋼 はがね 、ニッケル 、チタン などの金属 きんぞく 系 けい 材料 ざいりょう などが利用 りよう できる。
材料 ざいりょう 噴射 ふんしゃ 法 ほう , バインダジェッティング
編集 へんしゅう
原材料 げんざいりょう 粉末 ふんまつ を層状 そうじょう に敷 し き詰 つ めインクジェット方式 ほうしき でバインダを添加 てんか して固 かた める積層 せきそう 造形 ぞうけい 法 ほう 。
金属 きんぞく 粉末 ふんまつ ,セラミクス粉末 ふんまつ では造形 ぞうけい 後 ご に加熱 かねつ してバインダを除去 じょきょ し,更 さら に、焼 しょう 結 ゆい をする。バインダの除去 じょきょ と焼 しょう 結 ゆい は積層 せきそう 造形 ぞうけい 装置 そうち から造形 ぞうけい 物 ぶつ を加熱 かねつ 炉 ろ に移 うつ して行 おこな う。
また、スターチ(デンプン )、石膏 せっこう などの材質 ざいしつ も扱 あつか うことができる。
高分子 こうぶんし 材 ざい 粉末 ふんまつ 用途 ようと ではレーザ式 しき 粉末 ふんまつ 床 ゆか 溶融 ようゆう 結合 けつごう 法 ほう と比較 ひかく して装置 そうち 価格 かかく を抑 おさ えることもできる。
熱 ねつ 可塑 かそ 性 せい 樹脂 じゅし を高温 こうおん で溶 と かし積層 せきそう させることで立体 りったい 形状 けいじょう を作成 さくせい する造形 ぞうけい 法 ほう 。
ラピッドプロトタイピング・3Dプリンタ の造形 ぞうけい 方式 ほうしき の中 なか では唯一 ゆいいつ 、本物 ほんもの の熱 ねつ 可塑 かそ 性 せい 樹脂 じゅし が使用 しよう でき、ABS樹脂 じゅし ・ポリカーボネート樹脂 じゅし ・PC/ABSアロイ・PPSF/PPSU樹脂 じゅし ・ULTEM(ポリエーテルイミド 、PEI、英 えい : polyetherimide )樹脂 じゅし など熱 ねつ 可塑 かそ 性 せい の様々 さまざま なエンジニアリングプラスチック が使用 しよう できる。米国 べいこく ストラタシス 社 しゃ がこの方式 ほうしき の特許 とっきょ を持 も っていたが、基本 きほん 特許 とっきょ は切 き れた。この系統 けいとう に含 ふく まれるものとして、レーザビーム中 ちゅう に粉末 ふんまつ やガス状 じょう 化合 かごう 物 ぶつ を吹 ふ き込 こ んで、金属 きんぞく や化合 かごう 物 ぶつ の積層 せきそう 物 ぶつ を製作 せいさく するものもある。10万 まん 円 えん 未満 みまん で販売 はんばい されている機器 きき はほぼこの方式 ほうしき である。樹脂 じゅし を熱 ねつ で加工 かこう するという特性 とくせい 上 じょう 、造形 ぞうけい 物 ぶつ が反 そ って変形 へんけい するなどのトラブルが多 おお く、使 つか いこなすにはある程度 ていど の慣 な れが必要 ひつよう である。
シートを積層 せきそう させ、形状 けいじょう を作 つく る造型 ぞうけい 法 ほう 。数種類 すうしゅるい あり、カッティングプロッタ で切 き り込 こ みを入 い れた紙 かみ を糊 のり で積層 せきそう する方式 ほうしき や
光 ひかり 硬化 こうか 樹脂 じゅし をシートにインクジェットで出力 しゅつりょく してから転写 てんしゃ する方式 ほうしき や水溶 すいよう 性 せい の紙 かみ に熱 ねつ 硬化 こうか 性 せい 樹脂 じゅし や光 ひかり 硬化 こうか 樹脂 じゅし のモノマー をしみこませて一 いち 層 そう の積層 せきそう 毎 ごと に加熱 かねつ または紫外線 しがいせん 照射 しょうしゃ 、加圧 かあつ して硬化 こうか する方法 ほうほう がある。上記 じょうき の粉末 ふんまつ 法 ほう の基 もと 材 ざい をシートに置 お き換 か えたもの。
液化 えきか した材料 ざいりょう またはバインダを噴射 ふんしゃ して積層 せきそう させ、形状 けいじょう を作 つく る造形 ぞうけい 法 ほう 。インクジェットプリンター の原理 げんり を応用 おうよう している。インクジェットプリンタのカラーインクを使用 しよう して、カラー造形 ぞうけい 物 ぶつ も作成 さくせい されている。光 ひかり 硬化 こうか 樹脂 じゅし を噴射 ふんしゃ 後 ご 、短波 たんぱ 長 ちょう の光 ひかり を照射 しょうしゃ して硬化 こうか する方法 ほうほう やワックスを噴射 ふんしゃ する方法 ほうほう 等 とう がある。材料 ざいりょう の無駄 むだ が少 すく なく、歯科 しか 技工 ぎこう や宝飾 ほうしょく 品 ひん に使用 しよう されるロストワックス の原型 げんけい のように比較的 ひかくてき 精密 せいみつ なものを作 つく るために適 てき する。オーバーハングの部分 ぶぶん のために溶性 ようせい のサポート材 ざい を出力 しゅつりょく したり、複数 ふくすう の素材 そざい を造形 ぞうけい 物上 ぶつじょう で混合 こんごう することで透明 とうめい 度 ど や柔 やわ らかさを変 か えられるもの、フルカラー出力 しゅつりょく に対応 たいおう した機種 きしゅ もある。
鋳造 ちゅうぞう ・射出 しゃしゅつ 成型 せいけい や切削 せっさく との比較 ひかく
編集 へんしゅう
3Dプリントは金 かね 型 がた を作 つく っての成形 せいけい や切削 せっさく による造形 ぞうけい などの従来 じゅうらい 手法 しゅほう と比較 ひかく されることが多 おお い。3Dプリンタをはじめとした積層 せきそう 造形 ぞうけい では鋳型 いがた の製造 せいぞう や治 ち 具 ぐ の作成 さくせい を必要 ひつよう としないと言 い う特徴 とくちょう から、設計 せっけい 段階 だんかい での試作 しさく のように頻繁 ひんぱん に形状 けいじょう を変更 へんこう して迅速 じんそく に実態 じったい が欲 ほ しい場面 ばめん (ラピッドプロトタイピング )や、医療 いりょう 機器 きき のように個々 ここ の患者 かんじゃ に合 あ わせて形状 けいじょう を変更 へんこう するような製品 せいひん の製造 せいぞう 、航空 こうくう 宇宙 うちゅう 分野 ぶんや のように複雑 ふくざつ な形状 けいじょう だが少量 しょうりょう 生産 せいさん のため従来 じゅうらい の手法 しゅほう も高 こう コストな部品 ぶひん などに向 む いているとされる。
作 つく る造形 ぞうけい 物 ぶつ という意味 いみ では、
切削 せっさく では削 けず ることの出来 でき なかった中空 なかぞら 形状 けいじょう ・複雑 ふくざつ な内部 ないぶ 形状 けいじょう も3Dプリンターであれば造形 ぞうけい が可能 かのう
中空 なかぞら 構造 こうぞう を容易 ようい に作成 さくせい できる事 こと から、強度 きょうど を要求 ようきゅう されない部品 ぶひん の軽量 けいりょう 化 か が非常 ひじょう に容易 ようい
部品 ぶひん を製造 せいぞう するのではなく、一体化 いったいか された所謂 いわゆる アセンブリされた状態 じょうたい を一 いち 度 ど で造形 ぞうけい する
複数 ふくすう の異 こと なる材料 ざいりょう を使用 しよう しての一体 いったい 造形 ぞうけい が可能 かのう 。
誰 だれ が何 なん 個 こ 作 つく っても毎回 まいかい 同 おな じ物 ぶつ が出来 でき る。
複数 ふくすう のモデルを一 いち 度 ど に作 つく ることが出来 でき る。
操作 そうさ という意味 いみ では、
操作 そうさ 者 しゃ の技術 ぎじゅつ 力 りょく に依存 いぞん しない。
機器 きき の取 と り扱 あつか いが容易 ようい 。造形 ぞうけい に人手 ひとで をあまり要 よう さない。
という特徴 とくちょう を持 も つ。一方 いっぽう 、欠点 けってん は以下 いか の通 とお りである。
現状 げんじょう では大量 たいりょう 生産 せいさん への適用 てきよう が難 むずか しい
現状 げんじょう では基本 きほん 的 てき に従来 じゅうらい 手法 しゅほう と比較 ひかく して高価 こうか ・低速 ていそく なため
要求 ようきゅう される精度 せいど が高 たか くなるとリニアに製作 せいさく 時間 じかん が増加 ぞうか する
層 そう の厚 あつ さが精度 せいど と直結 ちょっけつ するため
(FDM法 ほう )強度 きょうど を求 もと められる部品 ぶひん への適用 てきよう が難 むずか しい
使用 しよう 可能 かのう な樹脂 じゅし の制限 せいげん や層間 そうかん の剥離 はくり のため
(FDM法 ほう )接地 せっち 部 ぶ よりも上部 じょうぶ の方 ほう が広 ひろ い漏斗 ろうと 型 がた の形状 けいじょう では支持 しじ 材 ざい を使用 しよう する必要 ひつよう があり、後 こう 行程 こうてい で除去 じょきょ する必要 ひつよう がある
製造 せいぞう 業 ぎょう を中心 ちゅうしん に建築 けんちく ・医療 いりょう ・教育 きょういく ・航空 こうくう 宇宙 うちゅう ・先端 せんたん 研究 けんきゅう など幅広 はばひろ い分野 ぶんや で普及 ふきゅう している。用途 ようと は業界 ぎょうかい によって様々 さまざま である。製造 せいぞう 分野 ぶんや では製品 せいひん や部品 ぶひん などの「デザイン検討 けんとう 」「機能 きのう 検証 けんしょう 」などの試作 しさく やモックアップとして、建築 けんちく 分野 ぶんや ではコンペやプレゼン用 よう の「建築 けんちく 模型 もけい 」として、医療 いりょう 分野 ぶんや ではコンピュータ断層 だんそう 撮影 さつえい や核 かく 磁気 じき 共鳴 きょうめい 画像 がぞう 法 ほう などのデータを元 もと にした「術 じゅつ 前 ぜん 検討 けんとう 用 よう モデル」として、教育 きょういく 分野 ぶんや では「モノづくり教育 きょういく のツール」として、航空 こうくう 宇宙 うちゅう 分野 ぶんや ではジェットエンジンやロケットエンジンの機能 きのう 部品 ぶひん の製作 せいさく に、先端 せんたん 研究 けんきゅう 分野 ぶんや ではそれぞれの研究 けんきゅう 用途 ようと に合 あ わせた「テストパーツ」「治 ち 具 ぐ 」などの作成 さくせい 用途 ようと で使用 しよう されている[ 24] [ 25] 。また、10万 まん 円 えん 以下 いか で購入 こうにゅう 可能 かのう な低 てい 価格 かかく 3Dプリンター市場 いちば の隆盛 りゅうせい [ 26] に伴 ともな い、ホビー用途 ようと やDIYなどの個人 こじん 用途 ようと での使用 しよう も増加 ぞうか しつつある。
昨今 さっこん では、精細 せいさい 度 ど が良 よ いだけでなく、ラバー(ゴム)系 けい の材料 ざいりょう が使 つか えたり、複数 ふくすう の物性 ぶっせい の異 こと なる材料 ざいりょう を混 ま ぜながらの造形 ぞうけい やフルカラーでの造形 ぞうけい が可能 かのう な3Dプリンタも出 で て来 き ている為 ため 、用途 ようと の幅 はば も広 ひろ がりつつある。
企業 きぎょう 向 む けに機器 きき の設置 せっち やソフトウェアの導入 どうにゅう など一連 いちれん の作業 さぎょう をソリューションとして提供 ていきょう する会社 かいしゃ もあり、NTTデータ では子会社 こがいしゃ のNTTデータザムテクノロジーズが日本 にっぽん 国内 こくない 向 む けにEOS社 しゃ の金属 きんぞく 3Dプリンタの導入 どうにゅう 支援 しえん を行 おこな っている[ 24] 。
3Dプリンターの使用 しよう 用途 ようと としては、実際 じっさい に製品 せいひん を作 つく る前 まえ にそれぞれの部品 ぶひん を3Dプリンタで出力 しゅつりょく できるサイズに縮小 しゅくしょう して出力 しゅつりょく して、デザインの検証 けんしょう ・機能 きのう 検証 けんしょう などの試作 しさく に使 つか われることが多 おお い。大手 おおて 建設 けんせつ 会社 かいしゃ では建物 たてもの の模型 もけい を3Dプリンタで出力 しゅつりょく して客 きゃく に説明 せつめい する際 さい に使 つか われている。この3Dプリンターを使用 しよう するメリットとしては、安 やす いものでは1cm2 あたり20円 えん という安価 あんか (FDM法 ほう )で試作 しさく できる、今 いま までパソコンの画面 がめん 上 じょう でしか見 み ることができなかったものが、実際 じっさい に手 て に取 と ることができるため、完成 かんせい したときのイメージが非常 ひじょう にしやすくなる、などが挙 あ げられる。完成 かんせい したときのイメージがしやすいということは、実際 じっさい に製作 せいさく している過程 かてい でも、完成 かんせい 形 がた のイメージがしやすいため製作 せいさく 者 しゃ に迷 まよ いが生 しょう じにくいということを意味 いみ し、作業 さぎょう 効率 こうりつ の向上 こうじょう にも繋 つな がりうる。
映画 えいが の小道具 こどうぐ の試作 しさく にも利用 りよう されており。2005年 ねん 5月19日 にち (日本 にっぽん では7月 がつ 9日 にち )に劇場 げきじょう 公開 こうかい された映画 えいが 『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 ふくしゅう 』で使用 しよう されたダース・ベイダー のマスクの試作 しさく 品 ひん 作成 さくせい に、日本 にっぽん の3Dプロッタ機器 きき 製造 せいぞう 販売 はんばい 会社 かいしゃ ローランド ディー. ジー. の3Dプロッタ「MDX-20」が使用 しよう された。
3Dプリンタで利用 りよう できる材料 ざいりょう が多様 たよう 化 か し、一定 いってい の強度 きょうど を持 も つ部品 ぶひん 造形 ぞうけい が可能 かのう になったことから、治 ち 工具 こうぐ を3Dプリンタで造形 ぞうけい する取 と り組 く みがなされるようになった。EIZO では3Dプリンタにより治 ち 工具 こうぐ を内 うち 製 せい することでコスト圧縮 あっしゅく と納期 のうき 短縮 たんしゅく を実現 じつげん している[ 27] 。
旧 きゅう 車 くるま では純正 じゅんせい は廃 はい 番 ばん となったが、金 かね 型 がた を作 つく るとコストがかかる部品 ぶひん を3Dプリンタで製造 せいぞう する「再生 さいせい パーツ」により、機能 きのう を維持 いじ し車検 しゃけん にも対応 たいおう させることが可能 かのう となっている[ 28] 。R31HOUSE では7代目 だいめ R31型 がた スカイライン の純正 じゅんせい 部品 ぶひん を3Dスキャンし、データを3Dプリンタで出力 しゅつりょく した再生 さいせい パーツを供給 きょうきゅう している[ 29] 。
航空 こうくう 用 よう エンジン の部品 ぶひん は小型 こがた で複雑 ふくざつ な形状 けいじょう が多 おお いが生産 せいさん 量 りょう が少 すく ないため、3Dプリンタによる生産 せいさん に向 む いている。CFMインターナショナル (LEAP-X )やGE・アビエーション (Catalyst )で使用 しよう された。また既 すで に生産 せいさん ラインが閉 と じた機体 きたい であっても、ポリエーテルイミド 等 ひとし のスーパーエンジニアリング・プラスチック を使用 しよう して補修 ほしゅう 部品 ぶひん やウィングレット を製作 せいさく するなど、オンデマンドの部品 ぶひん 製作 せいさく でも採算 さいさん が合 あ うレベルとなっている。航空 こうくう 用 よう エンジン の燃料 ねんりょう ノズルやコンプレッサーのステーターとシンクロリングのブラケットなどでも使用 しよう されている(PW1500G など)。
スペースX では宇宙船 うちゅうせん や宇宙 うちゅう 服 ふく の製造 せいぞう に活用 かつよう している。2014年 ねん 9月 がつ には、ドラゴン 補給 ほきゅう 船 せん SpaceX-4で、実験 じっけん 用 よう の宇宙 うちゅう 用 よう 3Dプリンターが国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション に運 はこ ばれて宇宙 うちゅう でも実験 じっけん が行 おこな われることになった。この3DプリンタはMade in Space社 しゃ が開発 かいはつ したもので、地球 ちきゅう から離 はな れた場所 ばしょ で補給 ほきゅう がすぐに出来 でき ない時 とき にも簡単 かんたん な修理 しゅうり 部品 ぶひん を作 つく って対応 たいおう することが出来 でき るようにすることを目指 めざ している[ 30] 。
ロケットエンジン の部品 ぶひん も製造 せいぞう 可能 かのう になっており、LE-9 ではコストダウンのためにEOS社 しゃ 製 せい の金属 きんぞく 3Dプリンタが利用 りよう された[ 24] 。ラプター3 は金属 きんぞく 3Dプリンタでガスの流 りゅう 路 ろ など配管 はいかん 類 るい を出力 しゅつりょく し簡素 かんそ 化 か と軽量 けいりょう 化 か を実現 じつげん した[ 31] 。
3Dプリンタの活用 かつよう は医療 いりょう や薬学 やくがく の分野 ぶんや でも活用 かつよう されている[ 32] 。
手術 しゅじゅつ の練習 れんしゅう 用 よう として人間 にんげん のCTスキャン 画像 がぞう を3Dプリンタで出力 しゅつりょく した模型 もけい が販売 はんばい されている[ 33] 。献体 けんたい は学生 がくせい の解剖 かいぼう 実習 じっしゅう 用 よう であるため医師 いし の技能 ぎのう 向上 こうじょう を目的 もくてき とするトレーニングには制約 せいやく があり活用 かつよう しにくいが、模型 もけい であれば症例 しょうれい ごと、手術 しゅじゅつ の前後 ぜんご 、一部 いちぶ に着色 ちゃくしょく など、練習 れんしゅう 用 よう に調整 ちょうせい できるためメリットが大 おお きい[ 33] [ 34] 。
2014年 ねん の段階 だんかい で、補聴器 ほちょうき の製造 せいぞう には既 すで に3Dプリンタが広 ひろ く活用 かつよう されており、何 なん 百 ひゃく 万 まん 人 にん もがその恩恵 おんけい を享受 きょうじゅ している[ 32] 。また外科 げか 領域 りょういき では主 おも にインプラント の分野 ぶんや で活用 かつよう が進 すす んでいる[ 32] 。
2015年 ねん 1月 がつ 2日 にち 、富士 ふじ フイルム と東京大学 とうきょうだいがく 医学部 いがくぶ 附属 ふぞく 病院 びょういん は3Dプリンタを使 つか って皮膚 ひふ ・関節 かんせつ の量産 りょうさん をする技術 ぎじゅつ を確立 かくりつ したと発表 はっぴょう [ 35] 。
2019年 ねん 、南 みなみ アフリカ共和 きょうわ 国 こく のプレトリア大学 だいがく は、3Dプリンタを使用 しよう して人体 じんたい の中 なか で最小 さいしょう の耳 みみ 小骨 こぼね の人工 じんこう 骨 こつ をチタン で製作 せいさく 。男性 だんせい に移植 いしょく することに成功 せいこう している[ 36] 。
臓器 ぞうき 自体 じたい をプリントする臓器 ぞうき プリンティング も研究 けんきゅう されている。
獣医 じゅうい 学 がく の分野 ぶんや でも利用 りよう が進 すす んでおり、シセロ・モラエス と医師 いし らは歯 は ・嘴 くちばし ・甲羅 こうら などが失 うしな われた動物 どうぶつ の部位 ぶい を3Dプリンタで再現 さいげん し補綴 ほてつ するプロジェクトを行 おこな っている[ 37] [ 38] [ 39] [ 40] [ 41] 。
錠剤 じょうざい を放出 ほうしゅつ 時間 じかん や濃度 のうど に最適 さいてき 化 か した形状 けいじょう でプリントすることで、経口 けいこう 投与 とうよ では難 むずか しい細 こま かな濃度 のうど 調整 ちょうせい を可能 かのう とする研究 けんきゅう が行 おこな われている[ 42] 。
屋根 やね のある建物 たてもの を必要 ひつよう としている発展 はってん 途上 とじょう 国 こく の人々 ひとびと をターゲットにし、大型 おおがた の3Dプリンタとモルタル で短期間 たんきかん に住宅 じゅうたく を大量 たいりょう にプリントし、住宅 じゅうたく 不足 ふそく の解消 かいしょう につなげようとする試 こころ みがある[ 43] 。外装 がいそう ・外壁 がいへき のみの出力 しゅつりょく となり、別途 べっと 内装 ないそう 工事 こうじ が必要 ひつよう だが、製作 せいさく にかかる時間 じかん が短縮 たんしゅく され人件 じんけん 費 ひ に対 たい する負担 ふたん も減 へ る、出力 しゅつりょく した外壁 がいへき はプレハブ工法 こうほう と同 おな じく運搬 うんぱん が可能 かのう で設置 せっち がしやすいという効率 こうりつ 的 てき 試算 しさん がある。先進 せんしん 国 こく でも低 てい 収入 しゅうにゅう 者 しゃ 向 む けの新築 しんちく 物件 ぶっけん や、住宅 じゅうたく ローン対策 たいさく として小型 こがた の住宅 じゅうたく が販売 はんばい されている[ 20] 。
日本 にっぽん でも、建築 けんちく 確認 かくにん 申請 しんせい をとった3Dプリンタ製 せい のホテル[ 44] が建築 けんちく され、実際 じっさい に宿泊 しゅくはく 可能 かのう となっているほか、国土 こくど 交通省 こうつうしょう が発注 はっちゅう した国道 こくどう 工事 こうじ に使 つか われる事例 じれい [ 45] なども登場 とうじょう している。2023年 ねん には3Dプリンタ製 せい の50m2 の平屋 ひらや が550万 まん 円 えん で販売 はんばい された[ 46] 。建設 けんせつ には44時 じ 間 あいだ 30分 わ かったという[ 46] 。ただし、普及 ふきゅう に関 かん しては建築 けんちく 物 ぶつ の構造 こうぞう 体 たい にモルタルを使用 しよう するため、2023年 ねん 時点 じてん では建築 けんちく 基準 きじゅん 法 ほう の要綱 ようこう である建築 けんちく 材料 ざいりょう の品質 ひんしつ や強度 きょうど を満 み たしたうえで国土 こくど 交通 こうつう 大臣 だいじん 認定 にんてい の審査 しんさ を受 う けて取得 しゅとく する必要 ひつよう があり、そのための諸 しょ 費用 ひよう や時間 じかん が追加 ついか で必要 ひつよう となる。
大型 おおがた 建築 けんちく に対 たい しては、サグラダ・ファミリア に最新 さいしん 加工 かこう 機材 きざい ・解析 かいせき 技術 ぎじゅつ とともに採用 さいよう したことで、当初 とうしょ 予定 よてい されていた工期 こうき が大幅 おおはば に短縮 たんしゅく したことが報 ほう じられた。
ドイツでは3Dプリンタでの建築 けんちく が世界 せかい 的 てき にも進 すす んでおりアメリカでは格安 かくやす の家 いえ として売 う られている地域 ちいき もある。
3Dプリンタの作動 さどう 音 おん からリバースエンジニアリング する手法 しゅほう が開発 かいはつ された。造形 ぞうけい 物 ぶつ の90%を再現 さいげん 可能 かのう とされる[ 47] 。
2014年 ねん 7月 がつ 14日 にち 、漫画 まんが 家 か のろくでなし子 こ が、自 みずか らの性器 せいき を3Dデータ化 か し、それを香川 かがわ 県 けん の会社 かいしゃ 員 いん に配布 はいふ したとして、わいせつ電磁 でんじ 的 てき 記録 きろく 頒布 はんぷ の容疑 ようぎ で、警視庁 けいしちょう に逮捕 たいほ された事件 じけん があった(刑事 けいじ 裁判 さいばん で係争 けいそう 中 ちゅう )。ファイルデータを3Dプリンタで印刷 いんさつ すると、石膏 せっこう などで女性 じょせい 器 き が再現 さいげん され、これがわいせつ物 ぶつ に相当 そうとう するものと警視庁 けいしちょう にみなされた[ 48] 。
銃 じゅう の部品 ぶひん の図面 ずめん をダウンロードし、3Dプリンタにより部品 ぶひん を作成 さくせい することで、殺傷 さっしょう 能力 のうりょく のある銃 じゅう を自作 じさく されるという懸念 けねん がある。
日本 にっぽん では2014年 ねん 5月 がつ 8日 にち に3Dプリンターで作成 さくせい した銃 じゅう を所持 しょじ していた大学 だいがく 職員 しょくいん の男 おとこ が銃刀 じゅうとう 法 ほう 違反 いはん で逮捕 たいほ され(詳細 しょうさい は「3Dプリンター銃 じゅう 製造 せいぞう 事件 じけん 」を参照 さんしょう )、2018年 ねん 9月 がつ 7日 にち には、過 か 酸化 さんか アセトン を製造 せいぞう したなどとして逮捕 たいほ されていた男子 だんし 学生 がくせい が、3Dプリンターで作成 さくせい した銃 じゅう を所持 しょじ していたとして銃刀 じゅうとう 法 ほう 違反 いはん で再 さい 逮捕 たいほ されている[ 49] 。
元々 もともと 3Dプリンター自体 じたい は自動車 じどうしゃ 業界 ぎょうかい などで試作 しさく 品 ひん をつくるために使 つか われてきていたが、2010年代 ねんだい に入 はい ると低 てい 価格 かかく 化 か が進 すす み量販 りょうはん 店 てん で売 う られるようになったため、広 ひろ く一般 いっぱん に出回 でまわ るようになった。これまでの法規 ほうき 制 せい は、「物 もの 」は有体物 ゆうたいぶつ 、3Dデータの様 よう な「情報 じょうほう 」は有体物 ゆうたいぶつ ではないものの典型 てんけい として明確 めいかく に分 わ けて規定 きてい し、有体物 ゆうたいぶつ としての火器 かき の製造 せいぞう ・所持 しょじ ・流通 りゅうつう を取 と り締 し まるものであった。
それまでにも、部品 ぶひん の一部 いちぶ を3Dプリンタで製造 せいぞう した武器 ぶき は作 つく られていたが[ 50] 、2013年 ねん にアメリカの非 ひ 営利 えいり 団体 だんたい 「Defense Distributed 」により、Liberator と名付 なづ けられた全 ぜん 部品 ぶひん を3Dプリンタによって製造 せいぞう 可能 かのう な拳銃 けんじゅう のデータが公表 こうひょう された。これを受 う け、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 国務省 こくむしょう は同 どう 団体 だんたい に、武器 ぶき の輸出 ゆしゅつ 規制 きせい を規定 きてい したInternational Traffic in Arms Regulationsに違反 いはん するおそれがあるとして設計 せっけい 図 ず の公開 こうかい を行 おこな わないように通達 つうたつ を行 おこな っている[ 51] 。同国 どうこく のフィラデルフィア では、2013年 ねん 末 まつ に、3Dプリンタを用 もち いた銃 じゅう の製造 せいぞう に対 たい する規制 きせい が始 はじ まったが、2014年 ねん の段階 だんかい ではまだ3Dプリンタによる火器 かき 製造 せいぞう を受 う けた法 ほう 改正 かいせい はほとんどの国 くに で行 おこな われていない[ 52] 。
そもそも、樹脂 じゅし で造 つく った銃 じゅう そのものが使用 しよう 者 しゃ にとって危険 きけん であり、その観点 かんてん からも規制 きせい が望 のぞ まれている[ 53] が、Liberator公開 こうかい 直後 ちょくご から他 ほか にも同様 どうよう の設計 せっけい ファイル公開 こうかい が相次 あいつ ぎ、当初 とうしょ は単発 たんぱつ しか発射 はっしゃ できなかった3Dプリンタ製 せい 銃 じゅう も、すぐに複数 ふくすう 発 はつ 発射 はっしゃ が可能 かのう な改良 かいりょう 版 ばん が登場 とうじょう するなど、どんどん進化 しんか を遂 と げている[ 54] 。
3Dプリンタ製 せい 火器 かき の危険 きけん 性 せい に対 たい しては、「簡単 かんたん かつ安価 あんか に火器 かき が出 で まわるから規制 きせい せよ」との声 こえ が大 おお きい一方 いっぽう 、様々 さまざま な反論 はんろん がある。
弾薬 だんやく を3Dプリンタで製造 せいぞう できないという事実 じじつ は多 おお く指摘 してき されており、3Dデータを活用 かつよう する会 かい 「3D-GAN」の相馬 そうま 達也 たつや は「一貫 いっかん して言 い っていることですが、3Dプリンタで銃 じゅう を作 つく ることはできます。ですが、他 た の製造 せいぞう 法 ほう に比 くら べて著 いちじる しく有利 ゆうり だということはないので、社会 しゃかい 的 てき 脅威 きょうい にはなり得 え ません。弾薬 だんやく が手 て に入 はい るのなら、もっと有利 ゆうり な銃 じゅう の製造 せいぞう 法 ほう は他 た にたくさんありますから、3Dプリンタの所持 しょじ を規制 きせい する必要 ひつよう も意味 いみ もありません。」と、3Dプリンタで銃 じゅう をつくること自体 じたい の優位 ゆうい 性 せい を否定 ひてい している[ 55] 。
また、Defense Distributedの開発 かいはつ 責任 せきにん 者 しゃ コーディー・ウィルソン(Cody Wilson)[ 注釈 ちゅうしゃく 1] は、「権利 けんり (武装 ぶそう 権 けん )を乱用 らんよう して人 ひと に危害 きがい を加 くわ える可能 かのう 性 せい は、誰 だれ にでもあるという事実 じじつ と向 む き合 あ いたくないだけだ。危害 きがい を及 およ ぼす可能 かのう 性 せい の有無 うむ にかかわらず、与 あた えられている権利 けんり は守 まも られるべきだというのが、我々 われわれ の立場 たちば だ。さらに言 い えば、危害 きがい を受 う ける可能 かのう 性 せい があるからこそ、権利 けんり は保障 ほしょう されるべきだと思 おも う」と武装 ぶそう 権 けん を根拠 こんきょ に反論 はんろん している[ 57] 。
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