名称は、ロシア語で「携帯式対戦車擲弾発射器」を意味する「РПГ:Ручной Противотанковый Гранатомёт(ルチノーイ・プラチヴァターンカヴィイ・グラナタミョート)」の英字綴りである「Ruchnoy Protivotankoviy Granatomet」の頭文字をとった略称から作られた。英語の訳表記では「Rocket-Propelled Grenade(ロケット推進擲弾)」と綴られるが、これはバクロニムであり、厳密には誤りである。
弾頭の装填は、従来のRPG シリーズとは異なり、発射機の後部から装填する[1]。
砲身長は1,850mmと、従来のRPG シリーズに比べて極端に長くなったので、携行時にはRPG-7DやRPG-16と同様に砲身を前後で二つに分割し、分解と組み立ては素早く行えるように設計されている。なお、前部砲身に装着されている引き金周りの部分はRPG-16によく似ている。
照準装置については、1P38光学照準器(x2.7)もしくは1PN51-2暗視式照準器が装着可能であるほか、砲身に予備のアイアンサイトが標準装備されている。
RPG-29の弾頭には、PG-29VとTBG-29Vの2種類が製造されている。 PG-29Vは対戦車用の弾頭で、メインの弾頭の前部に爆発反応装甲(ERA)を排除するための小型弾頭が取り付けられている。TBG-29Vは対人用の弾頭で、サーモバリック爆薬を充填している。
- PG-29V
- 弾頭:タンデムHEAT弾
- 直径:64mm+105mm
- RHA貫徹能力:ERA+600mm、750mm(ERA無し)
- TBG-29V
- 弾頭:サーモバリック
- 直径:105mm
- 対人危害半径:10m
PG-29Vと同様に直径105mmのタンデムHEAT弾を使用する弾薬として、RPG-7とRPG-27用のPG-7VR、RPG-32用のPG-32Vが制式採用されている。この3種類は装甲貫徹力もほぼPG-29Vと同一である。
また、TBG-29と同じ口径105mmのサーモバリック弾頭であるRShG-1(RPG-27の派生形)とRPG-7用のTBG-7V、RPG-32用のTBG-32Vが存在するが、これら4種の弾頭の構造と威力もほぼ同一であると思われる。
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