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SketchUp - Wikipedia

SketchUp(スケッチアップ)は、パソコンようの3次元じげんモデリング・ソフトウェアである。直感ちょっかんてき操作性そうさせいわるにより習得しゅうとく容易よういで、無償むしょうばん用意よういされていることから、建築けんちく教育きょういく分野ぶんやはじめとしてプロ・アマチュアをわずひろ普及ふきゅうしている。

SketchUp
作者さくしゃ @Last Software, Google
開発元かいはつもと Trimble Inc.
初版しょはん 2000ねん8がつ (23ねんまえ) (2000-08)
最新さいしんばん
Windows, 64-bit20.0
Windows, 32-bit16.1.1450
macOS20.0

2019ねん1がつ5にち (5ねんまえ) (2019-01-05)[1]

対応たいおうOS Windows 7 以降いこう
OS X 10.9 以降いこう[2]
対応たいおう言語げんご 英語えいご, フランス語ふらんすご, イタリア, ドイツ, スペイン, 韓国かんこく, 日本語にほんご, ブラジルポルトガル, 中国ちゅうごく
種別しゅべつ 3次元じげんコンピュータグラフィックス
ライセンス フリーソフト
公式こうしきサイト www.sketchup.com ウィキデータを編集
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概要がいよう

編集へんしゅう
 
千葉ちばけんホキ美術館びじゅつかん設計せっけいしゃ日建設計にっけんせつけい山梨やまなし知彦ともひこは、この建物たてもののデザインスタディをSketchupおこなった。[3]

べいTrimbleが開発かいはつ提供ていきょうしている3Dデザインツール。元々もともとSketchUpべい@Last Softwareが開発かいはつ販売はんばいおこなっていたが、Googleが同社どうしゃ2006ねん3がつ買収ばいしゅうしてすべての権利けんりいだ[4]。2012ねん5がつ現在げんざいのTrimbleに買収ばいしゅうされている。

2020ねん現在げんざい、プロフェッショナルけのSketchUp Pro、DIYメイカーけのSketchUp Shop、無償むしょうのSketchUp Freeという3つのはんがある。SketchUp Proにはデスクトップばんとwebアプリばんがあるが、FreeばんおよびShopばんは2017ねんよりwebばんのみが提供ていきょうされている。無償むしょうばんはローカルへのファイル保存ほぞん形式けいしき独自どくじファイルのSKPファイルのみ、エクスポートがSTLファイルのみとなるほか、Extension(拡張かくちょう機能きのう)をサポートしない、商用しょうよう利用りよう禁止きんしなどの制限せいげんがある。

SketchUp1999ねんコロラドしゅうのボルダーで設立せつりつされた新興しんこうベンチャー企業きぎょう、@Last Softwareによって「みんなの3D(3D for Everyone)」というキャッチフレーズをかかげ、汎用はんよう3D作成さくせいツールとして開発かいはつされた。このキャッチフレーズはTrimbleしゃ開発かいはつ移行いこうした2013ねん現在げんざいでもSketchUpのサイトることができる。

@Lastではバージョン5までのアップデートがおこなわれた。現在げんざいもモデリングの基本きほんとなっているプッシュ・プルツールは、2000ねん11月22にち合衆国がっしゅうこくにて特許とっきょ出願しゅつがんされている。[5]

SketchUp当時とうじGoogle Earth機能きのう強化きょうかすすめていたGoogleのまり、2006ねん3月14にち、@Lastsしゃ買収ばいしゅうされ、同年どうねん2006ねん4がつ27にち に"Google SketchUp"が公開こうかいされる。

2007ねん1がつ9にち公開こうかいされたSketchUp 6にはプレゼンテーション作成さくせいツールのLayout、せん沿ってめんすフォローミーツールが搭載とうさいされる。

2008ねん11月17にちにはSketchUp 7公開こうかい、Google3Dギャラリーとコンポーネントブラウザが統合とうごうされ、動的どうてきコンポーネントが追加ついかされる。

2010ねん9月1にちには写真しゃしん照合しょうごうやシーンのサムネイルなどをサポートしたSketchUp 8がリリースされた。

2012ねん4がつ26にちカリフォルニアしゅうサニーベールに本社ほんしゃGPS測量そくりょう機器きき大手おおてTrimbleが、GoogleからのSketchUp購入こうにゅう発表はっぴょう2012ねん6月1にちには買収ばいしゅう完了かんりょうした。

2013ねん5月21にち、Trimbleは買収ばいしゅうはつのバージョンとなる商用しょうようばんSketchUp Pro 2013および無償むしょうばん後継こうけいバージョンSketchup Make 2013しんドメイン“sketchup.com”じょう提供ていきょう開始かいしした。このバージョンからインストールさき標準ひょうじゅんフォルダが“Google”から“Sketchup”へと変更へんこうされた。

2014ねん2がつ26にちにSketchup 2014がリリースされた。

2014ねん11月4にちにSketchup 2015がリリースされた。

2015ねん11月17にちにSketchup 2016がリリースされた。

2016ねん11月7にちにSketchup 2017がリリースされた。

2017ねん11月14にちにSketchUp 2018がリリースされた。SketchUp Makeは廃止はいしされ[6]、Webばんのmy.SketchUpはSketchUp Freeに改名かいめいされた。

機能きのう特徴とくちょう

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スケッチエッジで表現ひょうげんした画像がぞう
 
SketchUpでモデリングしたデータをMaxwell Renderでレンダリングした画像がぞう

プッシュ・プルとばれるツールなどをもちい、3次元じげん空間くうかんたままの状態じょうたい感覚かんかくてきな3Dモデリングをおこなうことができる。3次元じげん空間くうかんでの操作そうさ容易よういにするため、マウスポジションによる推定すいてい機能きのう充実じゅうじつしている。また、数値すうちによる正確せいかくなモデリングも可能かのうである。

反面はんめん、サンドボックスとばれる自由じゆう曲面きょくめん作成さくせいするツールも用意よういされているものの、人体じんたい自然しぜん造形ぞうけい自動車じどうしゃなどの複雑ふくざつ有機ゆうきてき曲線きょくせん精密せいみつつくるにはたか習熟しゅうじゅくレベルを必要ひつようとする。

モデルはサーフェスモデルポリゴンモデルであるが、レンダリングにより擬似ぎじ曲面きょくめんのモデリングも可能かのうである。

レンダリング

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通常つうじょう、ハイエンドの3Dソフトウェアはモデリングツールとレンダリングツールが分離ぶんりしているが、SketchUpでは画面がめん表示ひょうじされた状態じょうたいがそのまま最終さいしゅうてき出力しゅつりょくとなる。このため、ポリゴンすうおおきいモデルを作成さくせいする場合ばあい高性能こうせいのうのグラフィックボードが必要ひつようとなる。

画面がめん表示ひょうじ設定せっていは「スタイル」として管理かんりされ、ワイヤーフレーム、シェーディング、モノクロームなどのめん表現ひょうげんやエッジのはばあき地面じめん表示ひょうじ形式けいしき複数ふくすう設定せっていしてえることができる。

ポリゴンのエッジと輪郭りんかく描画びょうがするトゥーンレンダリングをリアルタイムに生成せいせいすることができる。ペンや鉛筆えんぴつ描画びょうが表現ひょうげんするため、スケッチエッジとばれるエッジ表現ひょうげん端点たんてんせんしの調整ちょうせい可能かのうである。

光源こうげんについては、グローバルイルミネーション屋内おくない照明しょうめいはサポートされておらず、太陽光たいようこう濃淡のうたんのみの表現ひょうげんとなる。このため、フォトリアルなレンダリング結果けっかるためには以下いかのようなサードパーティせい外部がいぶプラグインが必要ひつようとなる。

  • 無料むりょう
    • Kerkythea (Thea Renderの前身ぜんしん)
    • LuxRender (オープンソース)
  • 有料ゆうりょう
    • V-ray
    • Maxwell Render
    • Thea Render
    • Twilight Render (Kerkytheaエンジン)
    • SU Podium (Krayエンジン)
    • Indigo Renderer
    • FluidRay RT
    • KeyShot
    • IRender nXt (nXtRenderエンジン)
    • Artlantis (REDsdkエンジン)
    • Allura GPU (Irayエンジン)

等角とうかく投影とうえい遠近えんきんほう(パースペクティブ)にくわえ、建築けんちくパースでもちいられる2てん透視とうしほう表示ひょうじすることが可能かのうである。

jpgpng形式けいしき画像がぞうめんけ、モデルの素材そざい表現ひょうげんすることができる。マテリアルは個別こべつ透過とうか設定せっていすることができるほか、png画像がぞうについては透明とうめいがサポートされている。鏡面きょうめん反射はんしゃ表面ひょうめん凹凸おうとつ表現ひょうげんするためには外部がいぶプラグインによるマテリアルの設定せっていおよびレンダリングが必要ひつようになる。

マテリアルは回転かいてん傾斜けいしゃ拡大かくだい縮小しゅくしょうすることが可能かのうである。

SketchUp2018では「Section Cut Fill」という機能きのう追加ついかされ、断面だんめん平面へいめんでカットされためんりつぶすことが可能かのうになった(SketchUpはサーフェスモデルのため、それまではあつみのあるかべ断面だんめん平面へいめんでカットしたさいに、かべ内部ないぶえていた。)

Googleが買収ばいしゅう、「Google 3D ギャラリー」の提供ていきょう開始かいしされた。ここではGoogle Earthで閲覧えつらんできる建物たてものデータや世界中せかいじゅうのモデル作成さくせいしゃがデータを公開こうかいしており、SketchUp直接ちょくせつダウンロードすることができる。Trimbleしゃ買収ばいしゅうは「Trimble3Dギャラリー」に名称めいしょう変更へんこうしたが、2014ねん途中とちゅうまで2年間ねんかんほどはGoogleドメインでつづ運用うんようされていた。2014ねん名称めいしょうが「3D Warehouse」に変更へんこうされ、ドメインもsketchup.comに移転いてんした。3D Warehouseに移行いこうも、モデルデータの提供ていきょう方法ほうほう利用りようライセンスなどについては、おおむねGoogle 3D ギャラリー時代じだいから変更へんこうされていない。

アニメーション

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カメラを自由じゆう配置はいちし、それぞれにモデルの表示ひょうじ表示ひょうじえ、断面だんめんカットの位置いちかげ設定せってい時刻じこく、オン・オフなど)をシーンとして設定せっていすることができる。このシーンあいだをスムーズに視点してん移動いどうさせることでアニメーションを作成さくせいすることができる。作成さくせいしたアニメーションはaviやjpeg形式けいしき出力しゅつりょくし、ムービーを作成さくせいすることができる。

通常つうじょうのモデルは移動いどうしないが、動的どうてきコンポーネントを利用りようすることによって、モデルを移動いどうしたり回転かいてんさせることができるほか、SketchyPhisics[7]などの外部がいぶプラグインをもちいることによって物理ぶつりシミュレーションをおこなうことが可能かのうである。

コンポーネントとグループ

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モデルをコンポーネント複製ふくせいしたのち、ひとつのコンポーネントを変更へんこうするとのコンポーネントにも変更へんこう反映はんえいされる。

コンポーネントはめん配置はいちしたさいあなけることができるため、かべまど配置はいちするとき便利べんりである。また、カメラにかってつねせいたいするように設定せっていすることができるため、2次元じげん作図さくずされた樹木じゅもく人物じんぶつ配置はいちした場合ばあいでも擬似ぎじてき立体りったいえるようにあつかうことができる。

グループも同様どうようにモデルをひとつのまとまりとしてあつかうが、変更へんこうのグループに反映はんえいされないてんがコンポーネントとことなる。

ファイルの整合せいごうせい簡便かんべんたもつため、コンポーネントは外部がいぶ参照さんしょうではなくすべてファイルの内部ないぶ保存ほぞんされる。一度いちど利用りようしたコンポーネントは配置はいちしなくてもファイル内部ないぶ保持ほじされるため、大量たいりょうのコンポーネントを作成さくせいするとファイルサイズが非常ひじょうおおきくなることがある。

ファイル形式けいしき

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ファイルは基本きほんてきにクラウドに保存ほぞんされるが、ローカルに保存ほぞんすることもできる。商用しょうようばん独自どくじファイルのSKPファイル形式けいしきほか様々さまざまなファイル形式けいしきのインポートおよびエクスポートをサポートしている。ただし無償むしょうばんSketchUp Freeはローカルへの保存ほぞんがSKPファイルのみ、エクスポートがSTLファイルのみとなる。

写真しゃしんからの3Dモデル作成さくせい

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写真しゃしん照合しょうごう」とばれる機能きのうもちいて写真しゃしんのパースペクティブをなぞることで3Dモデルを構築こうちくすることができる。図面ずめん入手にゅうしゅできない場合ばあいやGoogle Earthよう簡易かんいなモデルデータ作成さくせい利用りようされている。

プログラミング言語げんごRubyもちいてプラグインを開発かいはつすることができる。本体ほんたいのみでは作成さくせいむずかしい形状けいじょう螺旋らせんめんフィレット、ベジェ曲線きょくせんなど)をパラメータ入力にゅうりょくにより自動じどう作成さくせいしたり、外部がいぶのレンダリングエンジンへの出力しゅつりょくをプラグインが商用しょうよう商用しょうようわず豊富ほうふ用意よういされている。無償むしょうばんにも同様どうよう機能きのうそなわっているため、プラグインは商用しょうようばん同様どうよう動作どうさする。

SketchUp pro 2013からはExtension Warehouseとばれる機能きのう追加ついかされ、webじょうから直接ちょくせつプラグインをインストールすることが可能かのうになった。

参照さんしょう出典しゅってん

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  1. ^ What's New with SketchUp Pro [in 2019?]”. blog.sketchup.com. 2020ねん3がつ25にち閲覧えつらん
  2. ^ SketchUp Hardware and Software Requirements”. Trimble. 2016ねん4がつ27にち閲覧えつらん
  3. ^ GoogleSketchUpProセミナー 2009.07.10 山梨やまなし知彦ともひこ基調きちょう講演こうえん vol.2
  4. ^ TrimbleしゃによるGoogle SketchUp買収ばいしゅうつたえるロイターの記事きじ2012ねん4がつ26にち)『Trimble Navigation to buy Google's SketchUp
  5. ^ System and method for three-dimensional modeling US 6628279 B1
  6. ^ SketchUp Pro 2018 released and SketchUp Free, a new web-based version, announced CGPress 2017ねん11月15にち
  7. ^ SketchyPhysicsWiki(英語えいごサイト)

関連かんれん書籍しょせき

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※『書名しょめい著者ちょしゃ編集へんしゅうしゃ出版しゅっぱんしゃ出版しゅっぱんもと出版しゅっぱんねん

  • 『Google SketchUp パーフェクト 入門にゅうもんへん阿部あべ秀之ひでゆき/ちょ(エクスナレッジ、2007ねん
  • 『Google SketchUp パーフェクト 実践じっせんへん阿部あべ秀之ひでゆき/ちょ(エクスナレッジ、2007ねん
  • 『Google SketchUp for Professional』中平なかひら雅文まさふみ田中たなか雅子まさこ/ちょ九天きゅうてんしゃ2008ねん
  • 『Google SketchUp スーパーマニュアル』山梨やまなし知彦ともひこ/ちょ日本にっぽん実業じつぎょう出版しゅっぱんしゃ2008ねん
  • 『Google SketchUp 日本語にほんごばん パーフェクト 入門にゅうもんへん阿部あべ秀之ひでゆき/ちょ(エクスナレッジ、2008ねんISBN 978-4-7678-0786-7

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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  • SketchUp日本語にほんご - Trimble(開発元かいはつもと
  • SketchUp Pro Japan - アルファコックス(日本にっぽん正規せいき販売はんばい代理だいりてん