間 (余白部分)

松林まつばやし図ず屏風びょうぶの左ひだり部分ぶぶん。 長谷川はせがわ等伯とうはく

間あいだ （ま、Ma）は、 "gap"、 "space"、 "pause"、を表あらわす、ある2つの構造こうぞう部分ぶぶんのあいだのスペースの意味いみで大おおまかに設もうけられるまたは語かたられる、日本にっぽんの言葉ことば。 　空間くうかん的てき概念がいねんでは、空間くうかん的てき間隔かんかくを通とおして次第しだいに経験けいけんにより認知にんちしていく。日本語にほんごでは、スペースという意味いみの単語たんごである「間あいだ」（ma）が、間隔かんかくを示唆しさしている。それは囲かこまれた三さん次元じげんの実体じったいという意味いみでもなく場所ばしょの意識いしきとして説明せつめいされるものでもなく、むしろ視覚しかくの強化きょうかから派生はせいする形態けいたいと非ひ形態けいたいの同時どうじ認識にんしきである。

「間あいだ」は、構成こうせい要素ようそによって作つくり出だされるものではなく、むしろこれらの要素ようそを経験けいけんする人間にんげんの想像そうぞう力りょくの中なかで認知にんちされる。 したがって、「間あいだ」は間隔かんかくを重視じゅうしして理解りかいされる経験けいけん的てきな場所ばしょとして定義ていぎできる。

また「まだ実現じつげんされていない約束やくそくのような、可能かのう性せいに満みちた空虚くうきょさ」、そして「音楽おんがくを作つくる音おとの“間あいだ“の沈黙ちんもく」 （cf。 Isaac Sternのコメント（下した）。）

他たの実例じつれいは、以下いかの古ふるい詩し（老子ろうし道徳どうとく経けい第だい11章しょう）に現あらわれている 。

三さん十じゅう輻や共ども一いち轂こしき、當とう其無、有ゆう車之くるまの用よう。

埏埴以為器き、當とう其無、有ゆう器き之これ用よう。

鑿戶牖以為ため室しつ、當とう其無、有ゆう室しつ之これ用よう。

故こ有ゆう之の以為利り、無む之これ以為用よう。

（日本語にほんご訳やく）

30本ほんの輻や（スポーク）は1つの轂こしき（こしき、ハブ）を共有きょうゆうしているが、中なかに空間くうかんがあるので、車輪しゃりんは用ようを為なす。

粘土ねんどから器うつわを作つくるが、中なかに空間くうかんがあるので、器うつわは用ようを為なす。

戸とや窓まどを開あけて部屋へやを作つくるが、中なかに空間くうかんがあるので、部屋へやは用ようを為なす。

故ゆえに、形かたちのある物ものが価値かちを持もつのは、形かたちのない物ものが用ようを為なすからである。

言葉ことば

日本語にほんごから英語えいごへの借用しゃくようのうち、間あいだは「ま」（Ma：余白よはくスペース）と「けん」（Ken：アーキテクチャの単位たんい）の両方りょうほうは、同おなじ文字もじ「間あいだ」で綴つづられる。

この日本語にほんご文字もじは「 漢字かんじ 」では、「ドア」を意味いみする門もん（もん）と、「太陽たいよう」を意味いみする日ひ （ひ）をグラフィカルに組くみ合あわせたものである。 初期しょきの異体いたい字じ 閒あいだは「太陽たいよう」ではなく月つき （moon）「月つき」の文字もじで書かかれており、「月つきの月光げっこうが覗のぞく門もんの隙間すきまを通とおる門戸もんこ」を表あらわしている。

「間あいだ」の文字もじは多様たような事項じこうを表あらわし、日本語にほんご発音はつおん「音読おんよみ」、中国語ちゅうごくご読よみ（文字もじは「間あいだ」又または「间」 ：room; between; gap; intervalの意味いみ）で「かん」と読よむと「間隔かんかく、空間くうかん、間あいだ（あいだ）、うち、不和ふわ、良好りょうこうな機会きかい」など。そして「けん」と読よむと 単位たんい「6フィート 」「間あいだ」の意味いみになる。そして純じゅん日本語にほんご発音はつおん「訓読くんよみ」で「間隔かんかく、~の間あいだ、媒体ばいたいと交雑こうざつ」を意味いみする「あいだ」又または「あわい」とよむと 「空間くうかん、間隔かんかくやギャップの意味いみの　‶間あいだ”　、うち、途中とちゅう、中途ちゅうと、距離きょり、あき時間じかん、期間きかん、関係かんけい」など、または「ま」とよむと「スペース、部屋へや（の「間あいだ」）、休止きゅうし時間じかん、休憩きゅうけい時間じかん（音楽おんがくでの）、時間じかん、しばらく、余暇よか、運うん、タイミング、ハーモニー」 　の意味いみなどがあげられる。

西洋せいようでの使用しよう

Alan Fletcherは 彼かれの2001年ねんの著書ちょしょ『横向よこむきの芸術げいじゅつ 』で、「 空間くうかん 」を実体じったいとして例示れいじすることの重要じゅうよう性せいについて論ろんじている。

Space is substance. Cézanne painted and modelled space. Giacometti sculpted by "taking the fat off space". Mallarmé conceived poems with absences as well as words. Ralph Richardson asserted that acting lay in pauses... Isaac Stern described music as "that little bit between each note - silences which give the form"... The Japanese have a word (ma) for this interval which gives shape to the whole. In the West we have neither word nor term. A serious omission.

Derrick de KerckhoveはMaを「人ひとと物ものの間あいだの複雑ふくざつな関係かんけいのネットワーク」と表現ひょうげんした

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外部がいぶリンク

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