(Translated by https://www.hiragana.jp/)
「統一場理論」の版間の差分 - Wikipedia コンテンツにスキップ

統一とういつじょう理論りろん」のはんあいだ差分さぶん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除さくじょされた内容ないよう 追加ついかされた内容ないよう
m編集へんしゅう要約ようやくなし
編集へんしゅう要約ようやくなし
1ぎょう: 1ぎょう:
'''統一とういつじょう理論りろん'''(とういつばりろん)とは様々さまざまちから統一とういつしようとする[[理論りろん]]のこと。最終さいしゅうてき自然しぜんかいの[[素粒子そりゅうし相互そうご作用さよう|よっつのちから]]をすべて統一とういつしよういう理論りろんてきこころである。このすべてのちから統一とういつした理論りろんのことを'''[[万物ばんぶつ理論りろん]]'''とぶ。現在げんざい万物ばんぶつ理論りろん候補こうほは、[[ちょうつる理論りろん]]のみであるとかんがえられている。
'''統一とういつじょう理論りろん'''(とういつばりろん)とは[[理論りろん]]において種々しゅじゅ相互そうご作用さようりょくいち種類しゅるい統一とういつする理論りろんである。自然しぜんかいの[[素粒子そりゅうし相互そうご作用さよう|よっつのちから]]をすべて統一とういつするこ到達とうたつてんである。このすべてのちから統一とういつした理論りろんのことを'''[[万物ばんぶつ理論りろん]]'''とぶ。現在げんざい万物ばんぶつ理論りろん候補こうほは、[[ちょうつる理論りろん]]のみであるとかんがえられている。


== 概要がいよう ==
[[アルベルト・アインシュタイン]]は[[一般いっぱん相対そうたいろん]]の論文ろんぶん発表はっぴょうしたのち、[[重力じゅうりょく]]と[[電磁気でんじきりょく]]の統一とういつこころみたが、当時とうじ完成かんせいさせることはできなかった(現在げんざいでは、ちょうつる理論りろん重力じゅうりょく電磁気でんじきりょくふくまれている)。また、電磁気でんじきりょくよわちから統一とういつした[[でんじゃく統一とういつ理論りろん]]は、統一とういつじょう理論りろんいちれいである。
理論りろん種々しゅじゅ同士どうし結合けつごう理論りろんっても過言かごんではない。理論りろんでは粒子りゅうし)は半径はんけいたない無限むげんちいさいものとされ、そのようなびょうぞうでは衝突しょうとつをはじめとするあらゆる物理ぶつり現象げんしょう同士どうし相互そうご作用さようりょくうことなくしてこりない。統一とういつじょう理論りろんとは理論りろんにおいて、模型もけい結合けつごう理論りろんひとつに統一とういつするための理論りろんであり、狭義きょうぎには[[ゲージ理論りろん]]によって記述きじゅつされる相互そうご作用さよう統一とういつする理論りろんである。


== 歴史れきし背景はいけい ==
== 歴史れきし背景はいけい ==
自然しぜん物理ぶつりがく歴史れきしちからみつるいち歴史れきしといっよい。[[アイザック・ニュートン]][[天体てんたい]]ちから地上ちじょうちからを[[万有引力ばんゆういんりょく]]としてみつるいちした。まり天体てんたい重力じゅうりょくうえ重力じゅうりょく同様どうようなニュートンポテンシャルをもつ運動うんどう方程式ほうていしきあらわる。[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]][[電気でんきりょく]]と[[磁気じきりょく]]を電磁気でんじきりょくとして統一とういつしたつまり、[[電流でんりゅう]]や時間じかん変動へんどうする[[電場でんじょう]]は[[磁場じば]]をしょうじ、時間じかん変動へんどうする磁場じば電場でんじょうしょうじる。たがいに相互そうご関係かんけいにあり、これらふたつを電磁気でんじきりょくとして統一とういつされた。
一見いっけんことなる物理ぶつり現象げんしょう法則ほうそくであってもそ、よりシンプルな理論りろんいちである、という事実じじつ物理ぶつりがく歴史れきししめおり、「りシンプルな理論りろんでよりおおくを説明せつめいする」と目的もくてき理論りろん物理ぶつりがくひとつのいたりうえ命題めいだいる。ふるくは[[マックスウェル|ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]による[[電気でんきりょく]]と[[磁気じきりょく]]を電磁気でんじきりょくとして統一とういつである。[[電流でんりゅう]]や時間じかん変動へんどうする[[電場でんじょう]]は[[磁場じば]]をしょうじ、時間じかん変動へんどうする磁場じば電場でんじょうしょうじる。たがいに相互そうご関係かんけいにあり、これらふたつを電磁気でんじきりょくとして統一とういつされた。


理論りろん相互そうご作用さようりょく統一とういつこころみは、最初さいしょとしては[[アルベルト・アインシュタイン]]や[[テオドール・カルツァ]]、[[オスカル・クライン]]による[[重力じゅうりょく|一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん]]と[[電磁気でんじきりょく|量子りょうし電磁気でんじきがく]]の統一とういつこころみであるが、これは理論りろん確立かくりつしていない時代じだいこころみであり、量子りょうし電磁気でんじきがくはファインマンらによって[[くりこみ|み]]が発見はっけんされて以降いこうようやく確立かくりつした理論りろんである。くりこみ可能かのうせい議論ぎろんによれば量子りょうし重力じゅうりょくじょう理論りろん理論りろんない無限むげん発散はっさんふくんでおり、量子りょうし重力じゅうりょくじょう理論りろんそのものが破綻はたんをきたしていたため重力じゅうりょくふく統一とういつ理論りろん研究けんきゅうながかげひそめることになる。
さらに[[スティーヴン・ワインバーグ]]、[[アブドゥス・サラム]]は[[電磁気でんじきりょく]]([[電磁でんじりょく]]ともぶ)と[[よわちから]]を[[でんじゃく統一とういつ理論りろん]]として統一とういつした。この意味いみは、「[[電荷でんか]]をもつ[[素粒子そりゅうし]]はかならず[[じゃくちょう電荷でんか]]もあわせもつ」理論りろん形式けいしきになっているということで、つまり普通ふつう電荷でんか定義ていぎじゃくちょう電荷でんか演算えんざんだい3成分せいぶんふくまれている。このようなでんじゃく不可分ふかぶん関係かんけい実験じっけん事実じじつもとづくが、数学すうがくてきにはかわな2×2行列ぎょうれつであらわされる。たしこ[[でんじゃく統一とういつ理論りろん]]に[[つよりょく]]理論りろんである[[量子りょうしいろ力学りきがく]]をくわえた[[標準ひょうじゅん模型もけい]]では、電磁気でんじきちからと[[よわちから]]、[[つよちから]]の[[結合けつごう定数ていすう (物理ぶつりがく)|結合けつごう定数ていすう]]はそれぞれことなり、合計ごうけい3つある。


[[スティーヴン・ワインバーグ]]、[[アブドゥス・サラム]]は[[電磁気でんじきりょく]]([[電磁でんじりょく]]ともぶ)と[[よわちから]]を[[でんじゃく統一とういつ理論りろん]]として統一とういつした。この意味いみは、「[[電荷でんか]]をもつ[[素粒子そりゅうし]]はかならず[[じゃくちょう電荷でんか]]もあわせもつ」理論りろん形式けいしきになっているということで、つまり普通ふつう電荷でんか定義ていぎじゃくちょう電荷でんか演算えんざんだい3成分せいぶんふくまれている。このようなでんじゃく不可分ふかぶん関係かんけい実験じっけん事実じじつもとづくが、数学すうがくてきにはかわな2×2行列ぎょうれつであらわされる。これにより実験じっけんてきにはまった異質いしつ相互そうご作用さようりょくであっ電磁気でんじきりょくと[[4てんフェルミ相互そうご作用さよう|フェルミ相互そうご作用さよう]]は、じつは2種類しゅるいのゲージ対称たいしょうせいやぶれた結果けっかしょうじていることが判明はんめいた。れを[[でんじゃく統一とういつ理論りろん]]う。でんじゃく統一とういつ理論りろん相互そうご作用さようちから統一とういつする理論りろんではない(こ意味いみ統一とういつじょう理論りろんではない)が、純粋じゅんすいなゲージ理論りろんである量子りょうし電磁気でんじきがく質量しつりょう次元じげん相互そうご作用さようるフェルミ相互そうご作用さようを、ゲージ理論りろんのみで説明せつめいしている。
ところで「統一とういつ」という言葉ことばべつ意味いみ使つかわれることもある。つまり、各々おのおのちから結合けつごう定数ていすう現在げんざい観測かんそくされうるかぎりのていエネルギー領域りょういきではことなるが、あるこうエネルギーのてん同一どういつになると期待きたいされている。[[理論りろん]]によれば結合けつごう定数ていすうがエネルギーに依存いぞんすることを利用りようして、このような理論りろん構成こうせいするこころみがある。このながれで電磁気でんじきりょくよわちからつよちからみっつが[[だい統一とういつ理論りろん]]として統一とういつされようとしている。しかしもっと単純たんじゅんうつくしいとわれるSU(5)ゲージぐんもとづくだい統一とういつ理論りろんは、[[陽子ようし崩壊ほうかい]]が現在げんざいまでのところいちれい観測かんそくされていないという実験じっけん事実じじつ矛盾むじゅんし、すでに否定ひていされている。そこで[[ちょう対称たいしょうせい]]を仮定かていすることによって修正しゅうせいした[[ちょう対称たいしょうだい統一とういつ理論りろん]]も完成かんせいではあるが、20ねん以上いじょうまえからかんがえられている。これらは[[重力じゅうりょく相互そうご作用さよう]]をのぞいたみっつのちからすべ統一とういつしようというこころみである。


現在げんざい現実げんじつ存在そんざいする粒子りゅうしびょうぞう説明せつめいすることが出来できる[[標準ひょうじゅん模型もけい]]は上記じょうき種類しゅるいのゲージ理論りろん、[[U(1)|アーベルぐん]]対称たいしょうせい記述きじゅつされるちょう電荷でんか相互そうご作用さようと[[SU(2)|特殊とくしゅユニタリぐん]]対称たいしょうせい記述きじゅつされるよわ相互そうご作用さようくわえてSU(3)対称たいしょうせい記述きじゅつされる[[つよ相互そうご作用さよう|量子りょうししょく力学りきがく]]をゲージ理論りろんとしてふくんでいる。これらのゲージぐんをよりおおきなゲージぐん部分ぶぶんぐん仮定かていし、ゲージ結合けつごう定数ていすう統一とういつしようとする理論りろんが[[だい統一とういつ理論りろん]](Ground Unified Theory : GUT)である。[[くりこみぐん]]の観点かんてんによるとゲージ結合けつごう定数ていすう物理ぶつり現象げんしょうそのものの典型てんけいてきなスケールに依存いぞんしており、たとえばことなるエネルギーの衝突しょうとつ実験じっけんにおいてはおな粒子りゅうし同士どうし衝突しょうとつであっても結合けつごう定数ていすうことなるることになる。ゲージ結合けつごう定数ていすうとエネルギースケールの関係かんけい標準ひょうじゅん模型もけいにおいてはほぼ完全かんぜん解析かいせきすることが可能かのうであり、<math>10^{16}</math> GeV程度ていど領域りょういきでほぼひとしいとなる。だい統一とういつ理論りろんはこのような典型てんけいてきなスケール以上いじょうにおいて、たとえばU(1)、SU(2)、SU(3)のみっつの対称たいしょうせいがSU(5)などのおおきな対称たいしょうせい統一とういつされ、結合けつごう定数ていすうひとつになる、とかんがえている。また、[[ちょう対称たいしょうせい]]によって拡張かくちょうされた[[ちょう対称たいしょうだい統一とういつ理論りろん]]ではゲージ理論りろんでは<math>10^{16}</math>~<math>10^{17}</math> GeV程度ていどでゲージ結合けつごうきわめてひとしいとなるが、[[陽子ようし崩壊ほうかい]]などのだい統一とういつ演算えんざん抑制よくせい通常つうじょう理論りろんよりよわくなるため、非常ひじょうきびしい制限せいげんがついている。
一方いっぽう素粒子そりゅうし世界せかいでは効果こうかちいさすぎて観測かんそく困難こんなん重力じゅうりょくふくめて、よっつのちからすべ統一とういつしようというこころみは、世界中せかいじゅうの[[理論りろん物理ぶつり学者がくしゃ]]がこぞって研究けんきゅうしているにもかかわらず、現在げんざいのところまだ完成かんせいにはほどとおい。これは、[[重力じゅうりょく相互そうご作用さよう]]の[[ゲージ粒子りゅうし]]である[[重力じゅうりょく]]が[[み]]不可能ふかのうであることに起因きいんしている。


標準ひょうじゅん模型もけいのゲージ相互そうご作用さようくわえ、重力じゅうりょくをもふくめた統一とういつ理論りろん構築こうちくには、上記じょうきのように量子りょうし重力じゅうりょくじょう理論りろんふく無限むげん発散はっさんはら必要ひつようがある。[[つる理論りろん]]は理論りろんに[[ベクトル]]との[[テンソル]]が自然しぜんあらわれ、これらをゲージじょうおよび重力じゅうりょくじょうなすことでよっつの相互そうご作用さようりょくつる理論りろん統一とういつすることが出来でき可能かのうせいがあり、さかんに研究けんきゅうされている。つる理論りろんにおいても重力じゅうりょく理論りろんはくりこみ不可能ふかのうであり、量子りょうし重力じゅうりょく理論りろんとしての候補こうほにはなりないが、ちょう対称たいしょうせいもちいて拡張かくちょうされた[[ちょうつる理論りろん]]は、この問題もんだい解決かいけつしており、S行列ぎょうれつのユニタリせいなどから26次元じげん理論りろんであれば矛盾むじゅん構築こうちく可能かのうであることがしめされている。
しかし、物質ぶっしつ基本きほんてき構成こうせいぶつである[[素粒子そりゅうし]]を「てん」とせず、あるしゅの「ひも」とすればこの問題もんだい解決かいけつできるかもしれないことがわかった。(なお、この「ひも」は[[宇宙うちゅうろん]]における「[[宇宙うちゅうひも]]」とはべつ概念がいねんである)。この[[つる理論りろん]]で[[ちょう対称たいしょうせい]]を仮定かていしたものを「[[ちょうつる理論りろん]]('''ちょうひも理論りろん'''ともいう)」という。


==参考さんこう文献ぶんけん==
==参考さんこう文献ぶんけん==

2014ねん12月13にち (土) 04:52時点じてんにおけるはん

統一とういつじょう理論りろん(とういつばりろん)とは理論りろんにおいて種々しゅじゅ相互そうご作用さようりょくいち種類しゅるい統一とういつする理論りろんである。自然しぜんかいよっつのちからをすべて統一とういつすることが到達とうたつてんである。このすべてのちから統一とういつした理論りろんのことを万物ばんぶつ理論りろんぶ。現在げんざい万物ばんぶつ理論りろん候補こうほは、ちょうつる理論りろんのみであるとかんがえられている。

概要がいよう

理論りろん種々しゅじゅ同士どうし結合けつごう理論りろんっても過言かごんではない。理論りろんでは粒子りゅうし)は半径はんけいたない無限むげんちいさいものとされ、そのようなびょうぞうでは衝突しょうとつをはじめとするあらゆる物理ぶつり現象げんしょう同士どうし相互そうご作用さようりょくうことなくしてこりない。統一とういつじょう理論りろんとは理論りろんにおいて、模型もけい結合けつごう理論りろんひとつに統一とういつするための理論りろんであり、狭義きょうぎにはゲージ理論りろんによって記述きじゅつされる相互そうご作用さよう統一とういつする理論りろんである。

歴史れきし背景はいけい

一見いっけんことなる物理ぶつり現象げんしょう法則ほうそくであってもその、よりシンプルな理論りろん一部いちぶである、という事実じじつ物理ぶつりがく歴史れきししめしており、「よりシンプルな理論りろんでよりおおくを説明せつめいする」という目的もくてき理論りろん物理ぶつりがくひとつの至上しじょう命題めいだいである。ふるくはジェームズ・クラーク・マクスウェルによる電気でんきりょく磁気じきりょく電磁気でんじきりょくとして統一とういつである。電流でんりゅう時間じかん変動へんどうする電場でんじょう磁場じばしょうじ、時間じかん変動へんどうする磁場じば電場でんじょうしょうじる。たがいに相互そうご関係かんけいにあり、これらふたつを電磁気でんじきりょくとして統一とういつされた。

理論りろん相互そうご作用さようりょく統一とういつこころみは、最初さいしょとしてはアルベルト・アインシュタインテオドール・カルツァオスカル・クラインによる一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろん量子りょうし電磁気でんじきがく統一とういつこころみであるが、これは理論りろん確立かくりつしていない時代じだいこころみであり、量子りょうし電磁気でんじきがくはファインマンらによって発見はっけんされて以降いこうようやく確立かくりつした理論りろんである。くりこみ可能かのうせい議論ぎろんによれば量子りょうし重力じゅうりょくじょう理論りろん理論りろんない無限むげん発散はっさんふくんでおり、量子りょうし重力じゅうりょくじょう理論りろんそのものが破綻はたんをきたしていたため重力じゅうりょくふく統一とういつ理論りろん研究けんきゅうながかげひそめることになる。

スティーヴン・ワインバーグアブドゥス・サラム電磁気でんじきりょく電磁でんじりょくともぶ)とよわちからでんじゃく統一とういつ理論りろんとして統一とういつした。この意味いみは、「電荷でんかをもつ素粒子そりゅうしかならじゃくちょう電荷でんかもあわせもつ」理論りろん形式けいしきになっているということで、つまり普通ふつう電荷でんか定義ていぎじゃくちょう電荷でんか演算えんざんだい3成分せいぶんふくまれている。このようなでんじゃく不可分ふかぶん関係かんけい実験じっけん事実じじつもとづくが、数学すうがくてきにはかわな2×2行列ぎょうれつであらわされる。これにより実験じっけんてきにはまった異質いしつ相互そうご作用さようりょくであった電磁気でんじきりょくフェルミ相互そうご作用さようは、じつは2種類しゅるいのゲージ対称たいしょうせいやぶれた結果けっかしょうじていることが判明はんめいした。これをでんじゃく統一とういつ理論りろんという。でんじゃく統一とういつ理論りろん相互そうご作用さようりょく統一とういつする理論りろんではない(この意味いみ統一とういつじょう理論りろんではない)が、純粋じゅんすいなゲージ理論りろんである量子りょうし電磁気でんじきがく質量しつりょう次元じげん相互そうご作用さようであるフェルミ相互そうご作用さようを、ゲージ理論りろんのみで説明せつめいしている。

現在げんざい現実げんじつ存在そんざいする粒子りゅうしびょうぞう説明せつめいすることが出来でき標準ひょうじゅん模型もけい上記じょうき種類しゅるいのゲージ理論りろんアーベルぐん対称たいしょうせい記述きじゅつされるちょう電荷でんか相互そうご作用さよう特殊とくしゅユニタリぐん対称たいしょうせい記述きじゅつされるよわ相互そうご作用さようくわえてSU(3)対称たいしょうせい記述きじゅつされる量子りょうししょく力学りきがくをゲージ理論りろんとしてふくんでいる。これらのゲージぐんをよりおおきなゲージぐん部分ぶぶんぐん仮定かていし、ゲージ結合けつごう定数ていすう統一とういつしようとする理論りろんだい統一とういつ理論りろん(Ground Unified Theory : GUT)である。くりこみぐん観点かんてんによるとゲージ結合けつごう定数ていすう物理ぶつり現象げんしょうそのものの典型てんけいてきなスケールに依存いぞんしており、たとえばことなるエネルギーの衝突しょうとつ実験じっけんにおいてはおな粒子りゅうし同士どうし衝突しょうとつであっても結合けつごう定数ていすうことなるることになる。ゲージ結合けつごう定数ていすうとエネルギースケールの関係かんけい標準ひょうじゅん模型もけいにおいてはほぼ完全かんぜん解析かいせきすることが可能かのうであり、 GeV程度ていど領域りょういきでほぼひとしいとなる。だい統一とういつ理論りろんはこのような典型てんけいてきなスケール以上いじょうにおいて、たとえばU(1)、SU(2)、SU(3)のみっつの対称たいしょうせいがSU(5)などのおおきな対称たいしょうせい統一とういつされ、結合けつごう定数ていすうひとつになる、とかんがえている。また、ちょう対称たいしょうせいによって拡張かくちょうされたちょう対称たいしょうだい統一とういつ理論りろんではゲージ理論りろんでは GeV程度ていどでゲージ結合けつごうきわめてひとしいとなるが、陽子ようし崩壊ほうかいなどのだい統一とういつ演算えんざん抑制よくせい通常つうじょう理論りろんよりよわくなるため、非常ひじょうきびしい制限せいげんがついている。

標準ひょうじゅん模型もけいのゲージ相互そうご作用さようくわえ、重力じゅうりょくをもふくめた統一とういつ理論りろん構築こうちくには、上記じょうきのように量子りょうし重力じゅうりょくじょう理論りろんふく無限むげん発散はっさんはら必要ひつようがある。つる理論りろん理論りろんベクトルテンソル自然しぜんあらわれ、これらをゲージじょうおよび重力じゅうりょくじょうなすことでよっつの相互そうご作用さようりょくつる理論りろん統一とういつすることが出来でき可能かのうせいがあり、さかんに研究けんきゅうされている。つる理論りろんにおいても重力じゅうりょく理論りろんはくりこみ不可能ふかのうであり、量子りょうし重力じゅうりょく理論りろんとしての候補こうほにはなりないが、ちょう対称たいしょうせいもちいて拡張かくちょうされたちょうつる理論りろんは、この問題もんだい解決かいけつしており、S行列ぎょうれつのユニタリせいなどから26次元じげん理論りろんであれば矛盾むじゅん構築こうちく可能かのうであることがしめされている。

参考さんこう文献ぶんけん

  • 間瀬ませ敏史としふみ図解ずかい雑学ざつがく 素粒子そりゅうし』、ナツメしゃ
  • 戸塚とつか洋二ようじ素粒子そりゅうし物理ぶつり』、岩波書店いわなみしょてん
  • きゅう汰一ろう『ゲージじょう量子りょうしろん1、2』、培風館ばいふうかん
  • 藤川ふじかわ和男かずお『ゲージじょう理論りろん』、岩波書店いわなみしょてん
  • S. Weinbergちょ青山あおやま秀明ひであき有末ありすえ宏明ひろあきどもやく量子りょうしろん1-4』、吉岡よしおか書店しょてん

関連かんれん項目こうもく