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大脳皮質基底核変性症 - Wikipedia コンテンツにスキップ

大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょう

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2024ねん4がつ14にち (日)にち 08:43; Jeny (会話かいわ | 投稿とうこう記録きろく) によるはん (進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ現在げんざい最新さいしんばんより転載てんさい)日時にちじ個人こじん設定せってい設定せっていならUTC

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大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょう(だいのうひしつきていかくへんせいしょう、corticobasal degeneration、CBD)とはパーキンソン症候群しょうこうぐんしめ神経しんけい変性へんせい疾患しっかんひとつである。病理びょうり診断しんだんさいもちいられる病名びょうめいであり、臨床りんしょう診断しんだんではCBS(Corticobasal syndrome 大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく症候群しょうこうぐん)という。同様どうよう進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ (PSP) では臨床りんしょう診断しんだんはPSP-like syndrome (PSPS) といい、病理びょうり診断しんだんでPSPという。CBDはPSPと嗜銀顆粒かりゅうせい認知にんちしょうとともに4リピートタウオパチーに分類ぶんるいされる神経しんけい変性へんせい疾患しっかんである。

疫学えきがく

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日本にっぽんにおける正確せいかく統計とうけい存在そんざいしない。人口じんこう10まんにんたり2にん程度ていどでやや女性じょせいおおいとされている。発症はっしょう年齢ねんれいは40 - 80さいだい平均へいきん60さいだいである。発症はっしょうから死亡しぼうまでの経過けいかは3 - 20ねん平均へいきん6 - 8ねんであるがばらつきがおおい。

タウオパチー

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進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょうなどがタウオパチーとしてられている。1975ねんタウ神経しんけいけい特異とくいてき発現はつげんする微小びしょうかん結合けつごう蛋白質たんぱくしつとして発見はっけんされた。微小びしょうかんαあるふぁβべーたチューブリンのヘテロりょうたいからなる主要しゅよう細胞さいぼう骨格こっかくのひとつとかんがえられている。タウは細胞さいぼうないにおいて微小びしょうかん重合じゅうごう促進そくしんおよび安定あんてい細胞さいぼう骨格こっかく構造こうぞう形成けいせい維持いじ重要じゅうよう役割やくわりたし、その機能きのうはリン酸化さんかおおきな電荷でんかによるコンホメーション変化へんか)によって調節ちょうせつされている。タウ遺伝子いでんしはヒトでは17ばん染色せんしょくたいじょう17q21.2に存在そんざいし、16エクソンからなる。タウは単一たんいつ遺伝子いでんしから転写てんしゃされたpre-mRNAが選択せんたくてきスプライシングされることで6つのアイソフォーム発現はつげんする。エクソン2,3,10の選択せんたくてきスプライシングの結果けっかアミノ酸あみのさん352 - 441個いっこの6つアイソフォーム、すなわち352(0N3R)、381(1N3R)、383(0N3R)、410(2N3R)、412(1N4R)、441(2N4R)ができる。Rはタウのカルボキシルもとまつはしがわ微小びしょうかん結合けつごうのリピートすうしめす。微小びしょうかん結合けつごうはエクソン9 - 12にコードされておりエクソン10をふくむ4Rタウとエクソン10をふくまない3Rタウにけられる。タウの微小びしょうかん結合けつごうのうは4RのほうおおきくN末端まったん配列はいれつ影響えいきょうしない。NはタウのN末端まったん部位ぶい存在そんざいするプロジェクション領域りょういきわれる部分ぶぶんのプロフィールであり微小びしょうかんあいだ間隔かんかく決定けっていしている。エクソン2.3の有無うむによって決定けっていされエクソン2,3ともにみとめられないと0Nであり、エクソン2がある場合ばあいは1N、エクソン2.3ともにあれば2Nと分類ぶんるいされる。ヒト胎生たいせい - 新生児しんせいじは352(0N3R)のみ発現はつげんするが成人せいじんでは6つのアイソフォームすべてが発現はつげんする。これは微小びしょうかんネットワークのダイナミクスをたもうえで3Rタウによる微小びしょうかん形成けいせい必要ひつようであり、安定あんてい微小びしょうかんネットワークを保持ほじするには4Rタウによる微小びしょうかん形成けいせい必要ひつようである可能かのうせい示唆しさされている。神経しんけい細胞さいぼうない線維状せんいじょう封入ふうにゅうたい形成けいせいするタウのアイソフォームはかく疾患しっかんによってことなりぬしに3Rがたおもに4Rがた、あるいは3R、4R両者りょうしゃおな比率ひりつふくまれるタイプに分類ぶんるいされる。3Rがたにはピックびょう、4Rがたには進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょうなど、両者りょうしゃにはアルツハイマーびょうなどがある。

CBD疾患しっかん概念がいねん成立せいりつ

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1968ねんにRebeizは進行しんこうせい左右さゆう非対称ひたいしょうすじきょうつよししつぎょうくわえ、皮質ひしつせい感覚かんかく障害しょうがい他人たにん徴候ちょうこうミオクローヌスジストニアみとめる3症例しょうれい報告ほうこくした[1]病理びょうり学的がくてきには大脳皮質だいのうひしつくろしつ小脳しょうのうじょうかく変性へんせいと胞体がおおきくふくらみ、染色せんしょくせいわるいballoned neuronをみとめ、corticodentatonigral degeneration with neuronal achromasiaと名付なづけられた。そのCBDは左右さゆうたい非対称ひたいしょう大脳皮質だいのうひしつ症状しょうじょうしつぎょう皮質ひしつせい感覚かんかく障害しょうがい他人たにん徴候ちょうこうミオクローヌスなど)、きり体外たいがい症状しょうじょう(レボドパおうせいすじきょうつよしどうジストニア)を臨床りんしょうてき特徴とくちょうとし、大脳皮質だいのうひしつ線条せんじょうたいくろしつ神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらくとグリオーシス、大脳皮質だいのうひしつにおけるballoned neuronと神経しんけい細胞さいぼうアストロサイトオリゴデンドログリアにおけるタウ蛋白たんぱく蓄積ちくせき病理びょうりがくてき特徴とくちょうとするという疾患しっかん概念がいねん定着ていちゃくした。

1992ねんごろからCBDと臨床りんしょう診断しんだんされた症例しょうれい病理びょうり診断しんだんについて議論ぎろんされるようになり1999ねんにBoeveはCBDと臨床りんしょう診断しんだんした13れい病理びょうり診断しんだんもCBDとなったのは7めいでありCBDをただしく診断しんだんするには病理びょうり診断しんだん必要ひつようとすると報告ほうこくした[2]。2001ねんにCordatoらが臨床りんしょう診断しんだんめいとしてはじめてcorticobasal syndrome(CBS)という名称めいしょう使用しようした[3]。2003ねんにBoeveらがCBSを臨床りんしょう診断しんだんめい、CBDを病理びょうり診断しんだんめいとして区別くべつして使用しよう現在げんざいいたっている[4]

CBSの臨床りんしょう診断しんだん

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複数ふくすうのCBSの臨床りんしょう診断しんだん基準きじゅん提唱ていしょうされている。代表だいひょうてきなものはトロント基準きじゅん、メイヨー基準きじゅん[4]、ケンブリッジ基準きじゅん[5]の3つがられている。ケンブリッジ基準きじゅんのち改定かいていされた[6]。これらに共通きょうつうする特徴とくちょうとしてはCBSを進行しんこうせい非対称ひたいしょうせいしつぎょうともなうakinetic rigidity syndromeとかんがえていること、それぞれの診断しんだん項目こうもくがどの時期じき出現しゅつげんするかについては言及げんきゅうがないこと、診断しんだん項目こうもく前向まえむきの自然しぜんれき研究けんきゅうもとづくものではなく専門せんもん経験けいけんもとづくものであることといった特徴とくちょうがあげられる。相違そういてん認知にんち機能きのう障害しょうがいおもけがかく基準きじゅんことなっている。CBSの診断しんだん基準きじゅんとしては改訂かいていケンブリッジ基準きじゅんがよくもちいられる[6]

その病理びょうりがくてきなCBDの表現ひょうげんがた非常ひじょう多彩たさいであることがあきらかになりCBS以外いがい表現ひょうげんけいふくむアームストロング基準きじゅん作成さくせいされた[7]。CBS以外いがい表現ひょうげんけいふく基準きじゅんというてんではアームストロング基準きじゅん画期的かっきてきであるが妥当だとうせい検証けんしょうでは感度かんど特異とくいともたかくなかった[8][9]。CBDとアルツハイマーびょう区別くべつ困難こんなんなことが原因げんいんひとつであった。

臨床りんしょう診断しんだんCBSの背景はいけい病理びょうり診断しんだん

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臨床りんしょう診断しんだんCBSにおける背景はいけい病理びょうり診断しんだん複数ふくすう報告ほうこくがある。CBDは半数はんすう未満みまんであり、PSPとアルツハイマーがた認知にんちしょうが20%程度ていどであった。LingらはCBSからCBDを除外じょがいする所見しょけんとしては2ねん以上いじょうにわたってL-DOPAが有効ゆうこうであること、罹患りかん年数ねんすうが10ねん異常いじょうであること、発症はっしょう2ねん以内いないかくうえせいすじ麻痺まひ出現しゅつげんすることをげている[10]。PSPを背景はいけい病理びょうりとするCBS (CBS-PSP) は全体ぜんたいの2わり程度ていど存在そんざいする。Tsuboiらの報告ほうこくではCBS-PSP5れい臨床りんしょうぞう検討けんとう[11]からはぜんれい症状しょうじょう非対称ひたいしょうせいみとめ、4れいしつぎょう他人たにん徴候ちょうこうていし、3れいめいりょく障害しょうがい、2れい失語しつご皮質ひしつせい感覚かんかく障害しょうがいみとめた。リチャードソン症候群しょうこうぐん特徴とくちょうてきえき転倒てんとうせいはなく、NINDS-SPSPのPSP診断しんだん基準きじゅんはみたさずPSPと臨床りんしょう診断しんだんおこなうのは困難こんなんであった。アルツハイマーがた認知にんちしょう背景はいけい病理びょうりとするCBS (CBS-AD) も2わり程度ていど存在そんざいする。ShelleyらはCBS-ADとCBS-CBDのかく6めい比較ひかくしてCBS-ADぜんれい非対称ひたいしょうせいきり体外たいがい徴候ちょうこうみとめ、やまい初期しょきのエピソード記憶きおく障害しょうがいはCBS-ADを示唆しさするやまい初期しょき流暢りゅうちょうせい言語げんご障害しょうがいくちしつぎょうしょう道具どうぐ使用しよう行為こうい視覚しかくてきまたは触覚しょっかくてき提示ていじされた道具どうぐ無意識むいしき使用しようしてしまうという症状しょうじょう)はCBS-CBDを示唆しさすると報告ほうこくしている[5]。Dayらの検討けんとう[12]によるとやまい初期しょき非対称ひたいしょうせい運動うんどう感覚かんかく徴候ちょうこう病歴びょうれきけん反射はんしゃ亢進こうしんパーキンソン症候群しょうこうぐんジストニアの3つがみとめられるときはCBDが示唆しさされる。進行しんこう転倒てんとう尿にょう失禁しっきんそとすじ障害しょうがいの3つがみとめられるときはCBDが示唆しさされる。

CBDの病理びょうり診断しんだん

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2002ねんにCBDの病理びょうり診断しんだん基準きじゅんつぎのように提案ていあんされた[13]神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらくとグリオーシスは大脳皮質だいのうひしつくろしつあわあおだまみとめられる。神経しんけい細胞さいぼう風船ふうせんじょう腫脹しゅちょう(ballooned neuron)やアクロマジア(風船ふうせんじょう腫脹しゅちょうした細胞さいぼうがニッスル小体こていうしなった状態じょうたい)は大脳皮質だいのうひしつみとめられる。大脳皮質だいのうひしつにおけるballooned neuronは出現しゅつげんしていることに意味いみがあり、そのかずわない。ガリアスプラーク染色せんしょく陽性ようせいまたは4リピートタウ陽性ようせい神経しんけい細胞さいぼうない封入ふうにゅうたい(プレタングルや神経しんけいげん線維せんい変化へんか)が大脳皮質だいのうひしつ大脳だいのう基底きていかくマイネルト基底きていかく視床ししょう視床ししょうかくくろしつあおむらかくみとめられる。ニューロピルスレッドやオリゴデンドログリア細胞さいぼうのコイル小体こていはくただしはいしろしつみとめられる。アストロサイトまだら(astricytic plaque)はCBDに特異とくいてき所見しょけんであり大脳皮質だいのうひしつ大脳だいのう基底きていかくみとめられる。この診断しんだん基準きじゅんによってCBDの病理びょうり診断しんだん可能かのうとなった。CBDは神経しんけい細胞さいぼうグリア細胞さいぼう双方そうほうにおよぶタウオパチーであり大脳皮質だいのうひしつにおけるグリア病変びょうへん (astrocytic plaque) は診断しんだんてき価値かちゆうする構造こうぞうぶつ明記めいきしたことが特徴とくちょうである。病理びょうり診断しんだんとはべつにCBDには多数たすう病理びょうりがくてき特徴とくちょうられている。

大脳皮質だいのうひしつ限局げんきょくせい萎縮いしゅく
CBDの大脳皮質だいのうひしつ萎縮いしゅくのパターンはおおきく3つがられている。CBDの典型てんけいれい、すなわち臨床りんしょうてきにパーキンソン症候群しょうこうぐんしめし、しつぎょう他人たにん徴候ちょうこうしめれいでは中心ちゅうしんみぞ周囲しゅうい主体しゅたいとする前頭まえがしら頭頂とうちょう領域りょういき萎縮いしゅくみとめられ、しばしば左右さゆうていする。神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらく中心ちゅうしん前回ぜんかいみとめられるがむしろその前方ぜんぽうのpremotor cortexやそのかたである中心ちゅうしんかいつよい。認知にんちしょうおも症状しょうじょうとするれいでは前頭葉ぜんとうよう前方ぜんぽうに、失語症しつごしょうていするれいはではシルビウスみぞ周囲しゅうい萎縮いしゅく中心ちゅうしんみとめる。
皮質ひしつ神経しんけいかく変性へんせい
のうわりめんではあわあおだま萎縮いしゅくくろしつ色素しきそだつしつ特徴とくちょうてきである。組織そしきがくてき線条せんじょうたい視床ししょうかく視床ししょうちゅうのう水道すいどう周囲しゅういはいしろしつあおむらかく小脳しょうのうじょうかくにも種々しゅじゅ程度ていど神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらくとグリオーシスがみとめられる。
Ballooned neuronの出現しゅつげん
Rebizらneuronal achromasiaと呼称こしょうした変化へんかはニッスル顆粒かりゅう融解ゆうかいと胞体のしゅだいしめ神経しんけい細胞さいぼうであり現在げんざいではballooned neuronとばれている。CBDでは萎縮いしゅくていする大脳皮質だいのうひしつだい3そうおよびだい5そうだい6そうにballooned neuronがみとめられる。大脳だいのう上面うわつらにballooned neuronがみとめられることが重要じゅうようである。アルツハイマーがた認知にんちしょうでもあたりえんけい少数しょうすうのballooned neuronがみとめられることはまれではなく、ballooned neuronがあたりえんけい目立めだ場合ばあいはむしろ嗜銀顆粒かりゅうせい認知にんちしょう合併がっぺいうたがわれる。
広範こうはんなタウ蛋白たんぱく蓄積ちくせき
大脳皮質だいのうひしつ大脳だいのう基底きていかく小脳しょうのうくろしつをはじめとする脳幹のうかん脊髄せきずい広範こうはん神経しんけい細胞さいぼうのみならずグリア細胞さいぼうにもタウ蛋白たんぱく蓄積ちくせきみとめられる。とくにastrocytic plaqueはCBDに特異とくいてき変化へんかである。

CBDとPSPの鑑別かんべつ

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病理びょうり診断しんだんにおいてCBDとの鑑別かんべつ問題もんだいとなる最大さいだい疾患しっかんはPSPである。ともに4リピートタウ蛋白たんぱく蓄積ちくせきする疾患しっかんであるが、サルコシル不溶性ふようせいのう抽出ちゅうしゅつぶつのイムノブロットではてい分子ぶんしりょうのタウ蛋白たんぱくぶんちがいがみとめられている、PSPでは33kDaのバンド主体しゅたいであるがCBDでは37kDaに2ほんのバンドがみとめられ両者りょうしゃ生化学せいかがくてきことなっている。

神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらく分布ぶんぷ
CBDとPSPの皮質ひしつ病変びょうへん症例しょうれいあいだによるがすくなく鑑別かんべつ診断しんだんにおいて重要じゅうようである。PSP-RSではあわあおだま視床ししょうかくくろしつ神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらくは必発であり、これに小脳しょうのうじょうかく神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらく脳幹のうかんぶた萎縮いしゅくくわわる、一方いっぽう、CBDではあわあおだまくろしつ病変びょうへん高度こうどであり線条せんじょうたい中等ちゅうとう視床ししょうかく小脳しょうのうじょうかく変化へんか軽度けいどである。大脳皮質だいのうひしつ病変びょうへんはCBD、PSPともいくつかのタイプがられている。
グリア病変びょうへん
PSPではtufted astrocyteが中心ちゅうしん前回ぜんかい主体しゅたい前頭葉ぜんとうよう頭頂とうちょう分布ぶんぷするほか大脳だいのう基底きていかく脳幹のうかんにもみとめられる。CBDではastrocytic plaqueが前頭葉ぜんとうよう上面うわつらはた正中せいちゅう領域りょういき(ブロードマンだい6、8、9)やじょうかくおおみとめられる。astrocytic plaqueはCBDに特異とくいてきであり、極少きょくしょうすう例外れいがいをのぞいてastrocytic plaqueとtufted astrocyteが1れいなか共存きょうぞんすることはない。つまりPSPとCBDをもっと明確めいかくけるのはグリア病変びょうへんである。

脊髄せきずい病理びょうり

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しょうすうれいであるが大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょう脊髄せきずい病理びょうり報告ほうこくがある。Iwasakiらの報告ほうこく[14]報告ほうこくでははくただしはいしろしつにニューロピルスレッドがみとめられた。Tsuchiyaら[15]中心ちゅうしん前回ぜんかい神経しんけい細胞さいぼう脱落だつらくきりからだ変性へんせい報告ほうこくしているが脊髄せきずい病理びょうりかんしては記載きさいしていない。

病理びょうり診断しんだんCBDの臨床りんしょう診断しんだん

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病理びょうり診断しんだんでCBDと診断しんだんされたれい生前せいぜん臨床りんしょうぞう多彩たさいである。Lingらは病理びょうり診断しんだんされたCBD19めい臨床りんしょうぞう検討けんとうし、CBS-CBDは5れい (26.3%) しかいないと報告ほうこくした[10]。この5れいすべてにあてはまる臨床りんしょう症状しょうじょうとしては左右さゆう非対称ひたいしょう四肢しししつぎょう、ミオクローヌス、clumsy useless limbの4つ、4れいてはまる症状しょうじょう皮質ひしつせい感覚かんかく障害しょうがい四肢しし局所きょくしょせいジストニアの2つでありCBDの中核ちゅうかく症状しょうじょうかんがえた。一方いっぽう19れいちゅう8れいかくうえせいすじ麻痺まひ、7れい発症はっしょう2ねん以内いないえき転倒てんとうせいがみられ8れい (42%) がPSPさま臨床りんしょうぞうていした。

CBSの画像がぞう所見しょけん

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頭部とうぶMRI
CBSでは臨床りんしょう症状しょうじょう優位ゆういであるがわ反対はんたいがわいちじるしい前頭まえがしら頭頂とうちょう皮質ひしつにい萎縮いしゅくみとめられることが特徴とくちょうとされている。SAS(surface anatomy scan)やMPRAGEによるVSRADなどでわかりやすい。
SPECT
のうりゅうシンチグラフィーでは臨床りんしょう症状しょうじょう優位ゆういがわ反対はんたいがわいちじるしい前頭まえがしら頭頂とうちょう皮質ひしつりゅう低下ていかみとめられる。ドパミントランスポーターではDATの左右さゆうおおきく、症状しょうじょう優位ゆういがわ反対はんたいがわでよりおおきく低下ていかしており、じょうかくから同様どうよう低下ていかする。MIBGシンチグラフィーではH/M低下ていかみとめられないことがおおい。
PET
FDG-PETでは臨床りんしょう症状しょうじょう優位ゆういがわ反対はんたいがわいちじるしい前頭まえがしら頭頂とうちょう皮質ひしつとう代謝たいしゃ低下ていかみとめられる。

治療ちりょう

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根本こんぽんてき治療ちりょうほう存在そんざいしない。

トピックス

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特発とくはつせい正常せいじょうあつすいあたましょう合併がっぺい

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進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく症候群しょうこうぐん患者かんじゃ特発とくはつせい正常せいじょうあつすいあたましょう特徴とくちょうてきなDESH所見しょけんていすることがある[16][17]。このようなれいではシャントじゅつ歩行ほこう障害しょうがい一時いちじてき改善かいぜんすることもある[18][19]

神経しんけい変性へんせい疾患しっかんとの合併がっぺい

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神経しんけい病理びょうり学的がくてきには合併がっぺいとはそれぞれの神経しんけい病理びょうり診断しんだんたすことをいう。パーキンソンびょう[20]アルツハイマーびょう[21]進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ[22][23][24][25]にはそれぞれ病理びょうり診断しんだん基準きじゅんられている。進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ大脳皮質だいのうひしつ基底きていかく変性へんせいしょうアルツハイマーびょうレビー小体こていびょう合併がっぺいすることはまれでありおなじ4リピートタウが蓄積ちくせきする嗜銀顆粒かりゅうせい認知にんちしょう合併がっぺい頻度ひんどたかいとわれている[26]富山大学とやまだいがく吉田よしだ西田にしだらの検討けんとうでも進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひでは嗜銀顆粒かりゅうせい認知にんちしょう合併がっぺいおお[27]病理びょうりがくてきにレビー小体こていみとめる進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひ少数しょうすうだが報告ほうこくされている[28]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Arch Neurol. 1968 Jan;18(1):20-33. PMID 5634369
  2. ^ Neurology. 1999 Sep 11;53(4):795-800. PMID 10489043
  3. ^ Mov Disord. 2001 Jul;16(4):656-67. PMID 11481689
  4. ^ a b Ann Neurol. 2003;54 Suppl 5:S15-9. PMID 12833363
  5. ^ a b Mov Disord. 2009 Aug 15;24(11):1593-9. PMID 19533751
  6. ^ a b J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2012 Apr;83(4):405-10. PMID 22019546
  7. ^ Neurology. 2013 Jan 29; 80(5): 496–503. PMID 23359374
  8. ^ Mov Disord. 2014 Feb;29(2):238-44. PMID 24259271
  9. ^ J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2014 Aug;85(8):925-9. PMID 24521567
  10. ^ a b Brain. 2010 Jul;133(Pt 7):2045-57 PMID 20584946
  11. ^ Mov Disord. 2005 Aug;20(8):982-8. PMID 15834857
  12. ^ Neurology. 2017 Mar 28;88(13):1273-1281. PMID 28235814
  13. ^ J Neuropathol Exp Neurol. 2002 Nov;61(11):935-46. PMID 12430710
  14. ^ Acta Neuropathol. 2005 Jun;109(6):632-8. PMID 15920662
  15. ^ Acta Neuropathol. 2005 Apr;109(4):353-66. PMID 15735950
  16. ^ J Neurol. 2013 Apr;260(4):1009-13. PMID 23180179
  17. ^ J Clin Mov Disord. 2014 Oct 29;1:2. PMID 26788328
  18. ^ Mov Disord. 2007 Apr 30;22(6):902-3. PMID 17357140
  19. ^ Neurology. 1979 Nov;29(11):1544-6. PMID 574213
  20. ^ Neurobiol Aging. 2003 Mar-Apr;24(2):197-211. PMID 12498954
  21. ^ Neurology. 1991 Apr;41(4):479-86. PMID 2011243
  22. ^ Neurology. 1994 Nov;44(11):2015-9. PMID 7969952
  23. ^ Neurology. 1996 Apr;46(4):922-30. PMID 8780065
  24. ^ Greenfield's Neuropathology, Ninth Edition p740-798 ISBN 9781498721288
  25. ^ Parkinsonism Relat Disord. 2020 Apr:73:105-116. PMID 32487421
  26. ^ 臨床りんしょうからまな神経しんけい病理びょうりp90-p91 ISBN 9784498328945
  27. ^ Acta Neuropathol. 2017 May;133(5):809-823. PMID 28064358
  28. ^ Acta Neuropathol. 2002 Sep;104(3):273-8. PMID 12172913

外部がいぶリンク

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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