EANコード

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JANコードから転送てんそう
EANコードのれい

EANコード(イアンコード、European Article Number)は、商品しょうひん識別しきべつコードおよびバーコード規格きかく一種いっしゅである[1]日本にっぽんでは「JANコード」(Japanese Article Number) ともしょうされ、日本にっぽんもっと普及ふきゅうしている商品しょうひん識別しきべつコードである[2]

EANコードはサプライチェーンの国際こくさい標準ひょうじゅん団体だんたいであるGS1標準ひょうじゅんしているGTIN(Global Trade Item Number:商品しょうひん識別しきべつコード)の一種いっしゅである。国際こくさいてきには13けたのEANコードをGTIN-13、8けた短縮たんしゅくタイプのEANコードをEAN-8ともぶが、複数ふくすう呼称こしょうがあるだけで、すものやコード体系たいけい同一どういつである。(つまり、JANコード13けた=EANコード13けた=GTIN-13[3]

EANコードから生成せいせいされたバーコードシンボルは、市販しはんされるおおくの商品しょうひんにソースマーキングとして印刷いんさつまたは貼付ちょうふされ、POSシステム、在庫ざいこ管理かんり、サプライチェーン・マネジメントの受発注じゅはっちゅうシステムなどで価格かかく商品しょうひんめい検索けんさくするためのキーとして使つかわれる。

EANコードのまえに1~8の数字すうじ1けた(インジケータ)をし、チェックデジットさい計算けいさんした集合しゅうごう包装ほうそうよう商品しょうひんコード(ITF-14、GTIN-14ともばれる)は物流ぶつりゅう現場げんばもちいられることがおおく、ITFシンボルというバーコードで表現ひょうげんされる。(なお、先頭せんとうが0の商品しょうひん識別しきべつコードがITFシンボルに表示ひょうじされている場合ばあい、そのコード自体じたいはEANコード(GTIN-13)である。)

EANコードはたんなる「コード」であるため単体たんたいでは利用りようされず、商品しょうひんめい価格かかくなどの情報じょうほう蓄積ちくせきしたデータベースシステムに連動れんどうし、検索けんさくキー入力にゅうりょく作業さぎょう機械きかいする目的もくてき使用しようされる(EANコードは商品しょうひん識別しきべつする番号ばんごうとして使つかわれ、商品しょうひん番号ばんごう商品しょうひんめい価格かかくなどの情報じょうほうべつ台帳だいちょう管理かんりされる。EANコードの商品しょうひんコードと商品しょうひん番号ばんごう一致いっちしていることがおおいが必須ひっすではない。)。

JANシンボルの規格きかく構成こうせい[ソースを編集へんしゅう]

JANコードを表現ひょうげんするJANシンボルは、米国べいこく規格きかくされておも北米ほくべい使用しようされる「UPCコード英語えいごばん」と互換ごかんせいがある。「JIS B 9550 共通きょうつう商品しょうひんコードようバーコードシンボル」として1978ねん標準ひょうじゅんされ、1987ねんにX(情報処理じょうほうしょり部門ぶもん新設しんせつされてJIS X 0501となった。その、2004ねん3がつに2000ねんだい1ばんとして発行はっこうされたISO/IEC 15420:2000,Information technology−を翻訳ほんやくしたJIS X 0507が規格きかくされている。(2009ねんにJIS X 0501は廃止はいし)。

JANシンボルは13けたまたは8けた構成こうせいされ、日本にっぽんのPOSシステムはおおくがUPCを利用りよう可能かのうである。UPCは12けたまたは8けた構成こうせいされ、UPCのみに対応たいおうする北米ほくべいのPOSシステムではJANシンボルを利用りようできない。JANシンボル短縮たんしゅくタイプ(8けた)もUPCのみに対応たいおうするPOSシステムでは利用りようできない。

UPCは2005ねんからEAN/JANとおなじコード体系たいけい移行いこうし、くにコードの10 - 13を米国べいこくカナダてる。

※UPCの体系たいけい変更へんこうともない、従来じゅうらい“10”と“11”を使用しようしていた雑誌ざっしバーコードは、2004ねん6がつ1にち発売はつばいぶん雑誌ざっしから、“491”ではじまる13けたにアドオンコード5けた追加ついかした合計ごうけい18けた構成こうせいするJANコード体系たいけい沿った仕様しよう変更へんこうした。

JANコード体系たいけい[ソースを編集へんしゅう]

日本にっぽんは、"49”または“45”からはじまるの13けた標準ひょうじゅんタイプまたは8けた短縮たんしゅくタイプを使用しようしている。13けた

  • GS1事業じぎょうしゃコード(5けた、7けた、10けた
  • 商品しょうひんアイテムコード(GS1事業じぎょうしゃコードと合計ごうけいして12けたになるように設定せってい
  • チェックディジット(1けた

構成こうせいする。

表示ひょうじスペースがかぎられている商品しょうひん使用しようする短縮たんしゅくタイプ(8けた)はワンオフキーとしてGS1 Japanから発行はっこうされる。使用しようには別途べっと申請しんせい必要ひつようである。

日本にっぽんのGS1事業じぎょうしゃコードは「GS1 Japan(一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん流通りゅうつうシステム開発かいはつセンター)」が一元いちげん管理かんりし、かく企業きぎょう貸与たいよしている。商品しょうひんアイテムコードはかく企業きぎょう設定せってい管理かんりする必要ひつようがある。また、GS1 Japanが提供ていきょうするデータベースサービス「GS1 Japan Data Bank」を活用かつようすることも可能かのう

生鮮せいせん食品しょくひん会員かいいんしょうなど販売はんばいてんがバーコードラベルを作成さくせいして貼付ちょうふするインストアマーキングは、先頭せんとうくにコードにUPC互換ごかんの“02”“04”、または“20” - “29”を使用しようする[注釈ちゅうしゃく 1]先頭せんとうが02のコードは、データベースの売価ばいか参照さんしょうしないNON-PLU (non-price lookup) で、計量けいりょう商品しょうひんなどで使用しようする。

  • くにコード(2けた)02 ※UPCでは1けたで2
  • 商品しょうひんコード(5けた
  • 価格かかくチェックディジット(1けた
  • 価格かかく(4けた
  • チェックディジット(1けた

JANシンボルの仕様しよう[ソースを編集へんしゅう]

EANコード(JANコード)は、13けたまたは8けた数字すうじのみで構成こうせいする。これをはばことなるスペースとバーで表現ひょうげんし、商品しょうひんにマーキングする。バーコードは「しろ隙間すきまくろぼう」と表現ひょうげんされることがおおいが、投射とうしゃこうたいする反射はんしゃりつ差異さい規定きていたせば、色調しきちょう規定きていはない。

また、バーコードスキャナ読取よみとできない場合ばあい目視もくし確認かくにんするための数字すうじ(HRI、目視もくし可能かのう文字もじ)をバーコードの下部かぶ表示ひょうじする必要ひつようがある。OCRBフォントおおい。

バーとスペースを構成こうせいする最小さいしょう単位たんいを「モジュール」とび、かくモジュールはしろまたはくろ情報じょうほうをもつ(すなわちモジュールはバーあるいはスペースのさい小幅こはばであり、ここでいうしろまたはくろ情報じょうほうはそれぞれ最小さいしょうはばのスペースとバーをす)。このモジュールを複数ふくすうならべて、いろいろなはばのバーやスペースを表現ひょうげんする。EANコードは、バーおよびスペースのはばが4種類しゅるいある「4コード」で、1キャラクタ(1けた)は7モジュールで、2つのバーと2つのスペースで構成こうせいされる。

1キャラクタぶんの7モジュールをじゅんに「白黒しろくろくろくろくろ白黒しろくろ」とした場合ばあいは、「はばが1のスペース」「はばが4のバー」「はばが1のスペース」「はばが1のバー」となる。これで1キャラクタとなり、このようにして作成さくせいしたキャラクタを連続れんぞくして配置はいちする。さらに左右さゆうにマージンとガードバー、中央ちゅうおうにセンターバーを配置はいちし、合計ごうけい113モジュールで13けたのEANコード「標準ひょうじゅんバーコード」となる。

ひだりマージン(11)+ひだりガードバー(3)+データキャラクタ6けた(42)+センターバー(5)+データキャラクタ5けた(35)+チェックディジット1けた(7)+みぎガードバー(3)+みぎマージン(7)=113モジュール

8けた構成こうせいされる「短縮たんしゅくコード」の場合ばあいは、左右さゆうのマージンが7モジュールに短縮たんしゅくされることと、データキャラクタが4+3けたになるてんことなるだけで同様どうようとなり、全体ぜんたいでは81モジュールで構成こうせいされる。

ひだりマージン(7)+ひだりガードバー(3)+データキャラクタ4けた(28)+センターバー(5)+データキャラクタ3けた(21)+チェックディジット1けた(7)+みぎガードバー(3)+みぎマージン(7)=81モジュール

GS1こくコード一覧いちらん[ソースを編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[ソースを編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[ソースを編集へんしゅう]

  1. ^ 商店しょうてんによっては、ポイントカードの会員かいいん番号ばんごうに“04”(UPC 4)・“20”〜“29”ではない番号ばんごうからはじまるものがあり、重複じゅうふくするコードの商品しょうひんあつかえないという問題もんだいがある

出典しゅってん[ソースを編集へんしゅう]

  1. ^ EANコード一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん情報じょうほう経済けいざい社会しゃかい推進すいしん協会きょうかい.2023ねん12月5がつ閲覧えつらん
  2. ^ GTIN(JANコード)一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん情報じょうほう経済けいざい社会しゃかい推進すいしん協会きょうかい.2023ねん12月5がつ閲覧えつらん
  3. ^ GTIN(商品しょうひん識別しきべつコード)”. GS1 Japan 一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん流通りゅうつうシステム開発かいはつセンター. 2024ねん5がつ18にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[ソースを編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[ソースを編集へんしゅう]