ウォロディミル・ゼレンスキー

ウォロディミル・ゼレンスキー Володимир Олександрович Зеленський Владимир Александрович Зеленский
大統領だいとうりょう選せんの討論とうろん会かいで演説えんぜつするゼレンスキー（2019年ねん3月がつ19日にち撮影さつえい）
ウクライナ 第だい6代だい 大統領だいとうりょう
任期にんき	2019年ねん5月がつ20日はつか –
出生しゅっしょう	(1978-01-25) 1978年ねん1月がつ25日にち（46歳さい） ソビエト連邦れんぽう ウクライナ・ソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくクルィヴィーイ・リーフ (現在げんざいはドニプロペトローウシク州しゅう)
政党せいとう	無所属むしょぞく 国民こくみんの僕ぼく(2018 - )
出身しゅっしん校こう	キエフ国立こくりつ経済けいざい大学だいがく
現職げんしょく	コメディアン、俳優はいゆう
署名しょめい

ウォロディミル・オレクサンドロヴィチ・ゼレンスキー（ウクライナ語ご: Володимир Олександрович Зеленський、ロシア語ご: Владимир Александрович Зеленский、1978年ねん1月がつ25日にち - ）は、ウクライナのコメディアン、俳優はいゆう、政治せいじ家か。ロシア語ご読よみはヴラジーミル・アレクサンドロヴィチ・ゼレンスキー。名なはヴォロディーミルやウラジーミルなどとも書かかれる。

2015年ねんにテレビドラマ『国民こくみんのしもべ』（ロシア語ご: Слуга народа、『国民こくみんの公僕こうぼく』とも）で平凡へいぼんな高校こうこう教師きょうしから大統領だいとうりょうとなり、政治せいじの腐敗ふはいと戦たたかった人物じんぶつを演えんじ、人気にんきを博はくした。2019年ねんウクライナ大統領だいとうりょう選挙せんきょには無所属むしょぞく候補こうほで出馬しゅつば、作品さくひんと同おなじ名前なまえを冠かんした政党せいとう「国民こくみんの僕ぼく」の支援しえんを受うけ、圧倒的あっとうてきな得票とくひょう率りつで大統領だいとうりょうに当選とうせんした。

来歴らいれき

生おい立たち

1978年ねん1月がつ25日にち、ソヴィエト連邦れんぽう構成こうせい国こくの一ひとつであるウクライナ・ソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくのクルィヴィーイ・リーフ市しにユダヤ系けいウクライナ人じんとして生うまれた。父ちちオレクサンドル・ゼレンスキーはドネツク・ソヴィエト貿易ぼうえき研究所けんきゅうじょ（現げん・ドネツク国立こくりつ経済けいざい貿易ぼうえき大学だいがく）のクルィヴィーイ・リーフ校こうに勤務きんむする研究けんきゅう者しゃで、母はははエンジニアであった。後のちに同校どうこうはキエフ国立こくりつ経済けいざい大学だいがくの管轄かんかつに移動いどうされ、2011年ねんにクルィヴィーイ・リーフ市立しりつ大学だいがく付属ふぞく経済けいざい学がく研究所けんきゅうじょとして独立どくりつ機関きかんとなった。父ちちの仕事しごとの都合つごうで幼少ようしょう期きはモンゴル人民じんみん共和きょうわ国こくのエルデネトに住すんでいた時期じきもあるという。

家系かけい的てきには前述ぜんじゅつの通とおりユダヤ系けいとなる。ウクライナの公用こうよう語ごであるウクライナ語ごとロシア語ごの２か国こく語ごを話はなせるが、ウクライナ語ごは苦手にがてで、俳優はいゆう業ぎょうやメディアではこれまでロシア語ごを使用しようしてきた。ウクライナ語ごは話はなせても流暢りゅうちょうとは言いい難がたい。

1991年ねん、ソ連それん崩壊ほうかいに伴ともない新生しんせいウクライナが成立せいりつするとクルィヴィーイ・リーフ市しはドニプロペトローウシク州しゅうの自治体じちたいとなった。子供こども時代じだいからゼレンスキーは話芸わげいの才能さいのうを示しめし、旧きゅうソ連それん時代じだいからの伝統でんとうを持もつロシアのバラエティー番組ばんぐみ「KVN」（Клуб весёлых и находчивых、面白おもしろい奴やつらのクラブ）にウクライナ代表だいひょうのアマチュア芸人げいにんとして出演しゅつえんしている。学業がくぎょう面めんではキエフ国立こくりつ経済けいざい大学だいがくのクルィヴィーイ・リーフ校こうで法学ほうがくを専攻せんこうしているが、大学だいがく卒業そつぎょう後ごも法曹ほうそうではなくコメディアンへの道みちを選えらんだ。

芸能げいのう活動かつどう

「第だい95街まち区く」および「国民こくみんの僕ぼく」も参照さんしょう

1997年ねん、番組ばんぐみ内ないでコメディ劇団げきだん「第だい95街まち区く」（Студія Квартал-95）を結成けっせい、台本だいほんの制作せいさくも手掛てがけるなど若わかくして番組ばんぐみの看板かんばん芸人げいにんに上のぼり詰つめた。2003年ねん、「第だい95街まち区く」をコメディ映画えいが・番組ばんぐみ・舞台ぶたいの制作せいさく会社かいしゃへと再編さいへんして、より幅広はばひろい活躍かつやくを見みせるようになった。KVN視し聴者ちょうしゃが広ひろがるCIS諸国しょこくでの巡業じゅんぎょうやコメディ映画えいがの制作せいさく・上映じょうえいなどを手掛てがけ、ウクライナの大手おおてテレビ局てれびきょく「Інтер」「1+1」などに番組ばんぐみを提供ていきょうした。2006年ねん、イギリスのダンス番組ばんぐみ「ストリクトリー・カム・ダンシング」のウクライナ版ばんで本格ほんかく的てきなブレイクを果はたし、ゼレンスキー出演しゅつえん回かいは最大さいだい瞬間しゅんかん視聴しちょう率りつ87.57%という記録きろく的てきな数字すうじを達成たっせいしている。2008年ねんにはロシアのコメディ映画えいが「Любовь в большом городе」に出演しゅつえん。2012年ねん、ジャン＝クロード・ヴァン・ダムが友情ゆうじょう出演しゅつえんした事ことで話題わだいになったウクライナ映画えいが「ルジェフスキー対たいナポレオン」でナポレオン役やくを演えんじている。

順調じゅんちょうにキャリアを重かさねる一方いっぽう、不安定ふあんていな状態じょうたいが続つづくウクライナ社会しゃかいへの問題もんだい提起ていきも行おこなっている事ことで知しられている。ゼレンスキーはオレンジ革命かくめい、マイダン革命かくめいなどの自由じゆう主義しゅぎ革命かくめいに肯定こうてい的てきで、ロシア軍ぐんの軍事ぐんじ介入かいにゅう後ごは知名度ちめいどを持もつロシア語ご圏けんでの反発はんぱつを恐おそれず、ウクライナ軍ぐんに多額たがくの寄付きふを行おこなって支援しえんした。一方いっぽうでウクライナ政府せいふが推進すいしんするロシア語ご文化ぶんかの弾圧だんあつには強つよく反対はんたいし、文化ぶんか大臣だいじんの辞任じにんを求もとめている。ロシア民族みんぞく主義しゅぎとウクライナ民族みんぞく主義しゅぎのどちらにも賛同さんどうしない中立ちゅうりつ派はとして行動こうどうし、オリガルヒを筆頭ひっとうに社会しゃかいで蔓延まんえんする汚職おしょくや富とみの集中しゅうちゅうも強つよく批判ひはんしている。これは、これまでゼレンスキーがウクライナ東部とうぶのロシア語ご圏けんで育そだち、2014年ねんまでは主おもにウクライナの他ほかにロシアを舞台ぶたいに活躍かつやくし数々かずかずの作品さくひんに出演しゅつえんしてきたことが大おおきい。それらの数々かずかずの出演しゅつえん作品さくひんはロシア文化ぶんかの排除はいじょという名目めいもくでウクライナではポロシェンコ政権せいけんによって放映ほうえいや販売はんばいが禁止きんしされている。

「国民こくみんの僕ぼく」

2015年ねん、ウクライナの国営こくえい放送ほうそう「1+1」でゼレンスキーが主演しゅえんする政治せいじ風刺ふうしドラマ「国民こくみんの僕ぼく」（Слуга народа）が全ぜん24話わで放映ほうえいされた。一介いっかいの歴史れきし教師きょうしがふとした事ことから素人しろうと政治せいじ家かとして大統領だいとうりょうに当選とうせんし、権謀術数けんぼうじゅっすうが渦巻うずまく政界せいかいと対決たいけつする姿すがたをユーモアを交まじえながら描えがいた同どう作さくはウクライナで大だい流行りゅうこうした。物語ものがたりは選挙せんきょで授業じゅぎょうを妨害ぼうがいされた主人公しゅじんこうが怒いかりに任まかせて政府せいふ批判ひはんを行おこなう様子ようすが隠かくし撮とりした映像えいぞうが投稿とうこうされ、インターネットでバズ化かした事ことが導入どうにゅう部ぶになっている。現実げんじつ世界せかいでも放送ほうそう後ごにインターネット上じょうでエピソードの無料むりょう公開こうかいが行おこなわれ、Youtubeに投稿とうこうされた第だい1話わの再生さいせい数すうは1200万まんに達たっしている。

第だい1シーズンでは主人公しゅじんこうを取とり込こもうとするベテラン政治せいじ家かの手てから徐々じょじょに離はなれ、閣僚かくりょうを刷新さっしんして政権せいけんを確立かくりつするまでの3か月げつ間あいだを描えがいている。作品さくひん中ちゅうで政治せいじをゲームとして扱あつかうオリガルヒ、オリガルヒの駒こまとして動うごく政治せいじ家か、蔓延まんえんする縁故えんこ主義しゅぎ、浪費ろうひされる税金ぜいきん、放置ほうちされたインフラ、脱税だつぜいに奔走ほんそうする資産しさん家かなどウクライナ社会しゃかいの腐敗ふはいと現状げんじょうに怒いかりを覚おぼえる国民こくみんを描えがき出だしている。また歴史れきし教師きょうしである主人公しゅじんこうにリンカーン、チェ・ゲバラ、ユリウス・カエサル、イヴァン雷かみなり帝みかどなどの人物じんぶつが啓示けいじを与あたえる存在そんざいとして登場とうじょうする。

2016年ねん、映画えいが版ばんとして「国民こくみんの僕ぼく 第だい2部ぶ」（Слуга народа 2）が放送ほうそうされ、ウクライナ映画えいが賞しょう（金きむ独楽こま賞しょう）に主演しゅえん男優だんゆう賞しょうでノミネートされている。2017年ねん、テレビシリーズの第だい2シーズン全ぜん24話わが放映ほうえいされた。IMFによる支援しえんを受うける程ほどに悪化あっかしたウクライナ経済けいざいを立たて直なおすべく、汚職おしょくの一掃いっそうを目指めざす姿すがたが物語ものがたりの中心ちゅうしんになっている。2019年ねん、政敵せいてきの仕掛しかけた冤罪えんざいで政権せいけんを追おわれた主人公しゅじんこうが大統領だいとうりょうに復帰ふっきするまでを描えがいた第だい3シーズンの放送ほうそうが開始かいしされた。

政治せいじ活動かつどう

現実げんじつの政治せいじへ

国民こくみんの僕ぼく Слуга народу Слуга народа
党首とうしゅ	イワン・バカノフ
創立そうりつ者しゃ	イワン・バカノフ
創立そうりつ	31 March 2018
前身ぜんしん政党せいとう	「決定的けっていてきな変化へんか」（ Партія рішучих змін）
本部ほんぶ所在地しょざいち	キエフ
政治せいじ的てき思想しそう	反はん汚職おしょく ポピュリズム 直接ちょくせつ民主みんしゅ主義しゅぎ 親おやヨーロッパ 親おやロシア
政治せいじ的てき立場たちば	中道ちゅうどう 包括ほうかつ政党せいとう
最高さいこう議会ぎかい	0 / 450
地方ちほうの首長しゅちょう	0 / 158,399
公式こうしきサイト
ze2019.com
ウクライナの政治せいじ ウクライナの政党せいとう一覧いちらん ウクライナの選挙せんきょ

「国民こくみんの僕ぼく」の流行りゅうこうによって、国民こくみんの間あいだではドラマで描えがかれた主人公しゅじんこうとゼレンスキーを重かさね合あわせ、現実げんじつの大統領だいとうりょう選挙せんきょへの出馬しゅつばを期待きたいする動うごきが起おきた。2018年ねん、ゼレンスキーは期待きたいに応こたえて来年らいねんの大統領だいとうりょう選せん出馬しゅつばを声明せいめいした。

2019年ねんの大統領だいとうりょう選せんには過去かこ最大さいだいとなる44名めいもの候補者こうほしゃが乱立らんりつしており、有力ゆうりょく候補こうほはオリガルヒ出身しゅっしんのペトロ・ポロシェンコ現げん大統領だいとうりょうとユーリヤ・ティモシェンコ元もと首相しゅしょうという現在げんざいのウクライナ政界せいかいの混沌こんとんを現あらわした状態じょうたいとなった。そうした中なか、ゼレンスキーは「第だい95街まち区く」のメンバーらとドラマのタイトルを冠かんした政党せいとう「国民こくみんの僕ぼく」を立たち上あげ、「作品さくひんの続つづき」をイメージした宣伝せんでんを開始かいしした。選挙せんきょ活動かつどう面めんでは政治せいじ集会しゅうかいや討論とうろん会かいなどは挑いどまず、原作げんさくの展開てんかいと同おなじくインターネット上じょうでの呼よびかけを集中しゅうちゅう的てきに行いっている。主人公しゅじんこうが作中さくちゅうで国民こくみんに呼よびかける際さいに口くちにする「親愛しんあいなるウクライナ国民こくみんへ」も多用たようされている。

ゼレンスキーの政治せいじ運動うんどうは全体ぜんたいとして公正こうせいで自由じゆう主義しゅぎ的てきな社会しゃかいを目指めざす事ことにあるといえる。内政ないせい面めんでは何なによりもまず「反はん汚職おしょく」を掲かかげ、税金ぜいきんの浪費ろうひを止とめる事ことを公約こうやくしている。具体ぐたい的てきには議員ぎいんの免責めんせき特権とっけん廃止はいし、選挙せんきょ制度せいどや裁判さいばん制度せいどの改革かいかく、国民こくみん投票とうひょうによる直接ちょくせつ民主みんしゅ主義しゅぎの導入どうにゅうなどを掲かかげている。経済けいざい政策せいさくでも企業きぎょうの脱税だつぜいや賄賂わいろを取とり締しまり、社会しゃかい正義せいぎを回復かいふくさせる事ことが経済けいざい成長せいちょうや国外こくがいからの投資とうしに繋つながると主張しゅちょうしている。税制ぜいせい面めんではフラット・タックスの導入どうにゅうを検討けんとうしている。軍ぐんに関かんしては給与きゅうよ体系たいけいをNATOに準じゅんじた金額きんがくに改定かいていする意向いこうを示しめしている。

外交がいこう面めんでは東部とうぶ分離ぶんり主義しゅぎ勢力せいりょく（ドネツク人民じんみん共和きょうわ国こく、ルガンスク人民じんみん共和きょうわ国こく）との戦闘せんとうについて、軍事ぐんじ力りょくでの解決かいけつは非ひ現実げんじつ的てきであり、国内こくないを疲弊ひへいさせているとしている。既すでに占領せんりょうされたクリミア問題もんだいについては「現実げんじつ的てきに考かんがえればロシア側がわでの政権せいけん交代こうたいなどを待まつしかない」としている。こうした観点かんてんから分離ぶんり主義しゅぎ勢力せいりょくを支援しえんするロシア連邦れんぽうとの協議きょうぎし、戦争せんそうを終結しゅうけつさせたいとしている。同時どうじに欧州おうしゅうを席巻せっけんするポピュリズム運動うんどうが選択せんたくする欧州おうしゅう懐疑かいぎ主義しゅぎの立場たちばには立たたず、マイダン革命かくめい以降いこうの親おや欧米おうべい派はとしてEUやNATOとの交流こうりゅうを深ふかめる親おや欧米おうべい外交がいこうを志向しこうしている。

オリガルヒの専横せんおうに関かんしては自身じしんが出演しゅつえんするテレビ局てれびきょくを保有ほゆうするオリガルヒのイーホル・コロモイスキーとの関係かんけいをBBCに問とわれた際さい、「自分じぶんは誰だれかの傀儡かいらいではない」とした上うえで「貴方あなたは4000万まん名めいのウクライナ人じんが全すべて信念しんねんが無ないと言いいたいのですか？」と答こたえている。

細こまかい政策せいさく論争ろんそうを挑いどまず、理念りねん的てきな行動こうどうを取とる事ことに批判ひはんの声こえもあるが、腐敗ふはいと閉塞へいそくした状況じょうきょうが続つづくウクライナ社会しゃかいに強つよい不満ふまんを持もつ青年せいねん層そうや労働ろうどう者しゃ層そうを中心ちゅうしんに絶大ぜつだいな支持しじを集あつめている。

大統領だいとうりょう選せん

ウクライナ大統領だいとうりょう選挙せんきょの決選けっせん投票とうひょうの勢力せいりょく図ず、緑みどりがゼレンスキー勝利しょうり地域ちいき、赤あかがポロシェンコ勝利しょうり地域ちいき　東部とうぶと南部なんぶで得票とくひょう率りつが高たかい

詳細しょうさいは「2019年ねんウクライナ大統領だいとうりょう選挙せんきょ」を参照さんしょう

2018年ねんの年末ねんまつに行おこなわれた調査ちょうさではティモシェンコに次つぐ第だい2位い候補こうほとして9%の支持しじを獲得かくとくして現職げんしょくのポロシェンコを上回うわまわった。選挙せんきょ戦せん本番ほんばんでポロシェンコが巻まき返かえしを図はかったが、それを上回うわまわる勢いきおいで草くさの根ねでの支持しじが広ひろがって最さい有力ゆうりょく候補こうほに躍おどり出でた。2019年ねん4月がつ1日にち、第だい一いち回かい投票とうひょうでポロシェンコ（17.8%）、ティモシェンコ（14.2%）の両りょう名なを大おおきく引ひき離はなしてゼレンスキーが30.4%の得票とくひょうを得えた。単独たんどく過半数かはんすうには届とどかなかった事ことから、決選けっせん投票とうひょうで2位いのポロシェンコと争あらそう形かたちとなる（ティモシェンコは不正ふせい選挙せんきょを主張しゅちょうしつつも敗北はいぼく宣言せんげん）。

決選けっせん投票とうひょうでは「国民こくみんの僕ぼく 第だい三さん部ぶ」（Слуга народу３）と題だいして、支持しじ者しゃに投票とうひょうを呼よび掛かけるキャンペーンを行おこなっている。決選けっせん投票とうひょうを前まえにしてもゼレンスキー支持しじの勢いきおいは留とまらず、むしろ勢いきおいを増まして日ひを追おうごとに現職げんしょくのポロシェンコとの差さを付つけ、世論せろん調査ちょうさでの支持しじ率りつは50%以上いじょうに達たっすると見みられている。4月16日にち、焦あせりを深ふかめるポロシェンコがゼレンスキーが拒否きょひしてきた討論とうろん会かいを挑いどむと、スタジオや会議かいぎ場じょうではなく興行こうぎょう用ようのスタジアムでの開催かいさいという挑発ちょうはつ的てきな条件じょうけんを突つき付つけている。

4月がつ20日はつか、投票とうひょう日び前日ぜんじつにスタジアムでの討論とうろん会かいが行おこなわれた。ゼレンスキーは政治せいじ経験けいけんの不足ふそくを批判ひはんするポロシェンコの政治せいじ経歴けいれきを「失敗しっぱい」と切きり捨すて、ポロシェンコが愛国心あいこくしんをアピールすると紛争ふんそうで戦死せんしした兵士へいし達たちに祈いのりを捧ささげる仕草しぐさを見みせた。堅実けんじつな政策せいさく論ろんで支持しじを取とり戻もどそうとするポロシェンコを得意とくいのパフォーマンス合戦かっせんや口論こうろんに持もち込こむ事ことで終始しゅうし翻弄ほんろうし、ペースを握にぎり続つづけた。

4月がつ21日にち、出口いでぐち調査ちょうさの段階だんかいでゼレンスキーが決選けっせん投票とうひょうで70%以上いじょうを得票とくひょうし、圧倒的あっとうてきな大差たいさを付つけて大統領だいとうりょうに選出せんしゅつされる事ことが確実かくじつとなり、現職げんしょくポロシェンコが敗北はいぼくを宣言せんげんした。ガリツィア地方ちほうの中心ちゅうしんであるリヴィウ州しゅうのみでポロシェンコ氏しに敗北はいぼくした以外いがいのすべての州しゅうで勝利しょうり。特とくにロシア語ご圏けんである東部とうぶや南部なんぶでは得票とくひょう率りつが8割わりを超こえる圧倒的あっとうてきな勝利しょうりであったことは、特とくにポロシェンコ政権せいけんによって国民こくみんの間あいだで利用りよう率りつの高たかかったロシアのSNSの禁止きんし、映画えいがやドラマ等とうのロシア文化ぶんかの排除はいじょや両国りょうこく間あいだの直行ちょっこう便びんの就航しゅうこうの停止ていし等とうの政策せいさくが行おこなわれる中なか、双方そうほうに親族しんぞくも多おおくいる等とう関係かんけいの深ふかい隣国りんごくロシアとの関係かんけいの正常せいじょう化かに対たいする期待きたいの大おおきさをうかがわせる。

関連かんれん項目こうもく

• タレント政治せいじ家か

公職こうしょく
先代せんだい ペトロ・ポロシェンコ	ウクライナ 大統領だいとうりょう 第だい6代だい：2019 -	現職げんしょく