処しょ格かく

処しょ格かく（しょかく、ラテン語らてんご casus locativus, 英語えいご: locative case）とは、名詞めいし・形容詞けいようしの格かくの一ひとつで、場所ばしょを示しめす。 所ところ格かく、地ち格かく、位い格かく、依よ格かく、於格などともいう。

サンスクリットにおいては独立どくりつの格かく形がたを保たもっているが、古典こてんギリシア語ごでは与格よかくに、ラテン語らてんごではごく一部いちぶの名詞めいしを除のぞいて奪だつ格かくに吸収きゅうしゅうされた。ラテン語らてんごで書かかれた書物しょもつの扉とびらにおいて、出版しゅっぱん地ちは処しょ格かく形がたで示しめされている。また、スラヴ語ごでは常つねに前置詞ぜんちしを伴ともなうため、前ぜん置おけ格かく（露ろ：предложный падеж）という。ただし、チェコ語ごでは6格かくと呼よぶ場合ばあいもある。

ウラル語族ごぞくの一部いちぶ（ハンガリー語ご、フィンランド語ご等ひとし）では、処しょ格かくに相当そうとうするものとして複数ふくすうの格かく（内うち格かく、出格しゅっかく、入にゅう格かく、接せっ格かく、向むかい格かく等ひとし） が独立どくりつに存在そんざいする。

日本語にほんご

日本語にほんごでは格かく変化へんかを持もたない。その代かわりに処しょ格かくに対応たいおうする以下いかの格かく助詞じょしを付加ふかする。

• 存在そんざい・移動いどうに関かんする動詞どうし（ある、いる、住すむ、座すわる、行いく、着つく、置おく、移うつる、移うつす、など：処しょ格かくを必須ひっすの項こうとして取とるものが多おおい）に対たいしては「に/へ」（英語えいご前置詞ぜんちしの「to」に相当そうとう）
• それ以外いがいの動詞どうしに対たいしては「で（にて）」（英語えいご前置詞ぜんちしの「at」に相当そうとう）と使つかい分わける。

朝鮮ちょうせん語ごでも類似るいじの使つかい分わけ（「에」と「에서」）がある。

関連かんれん項目こうもく

• 格かく