アントン・パンネクーク

アントン・パンネクーク（Anton Pannekoek 、1873年ねん1月がつ2日にち – 1960年ねん4月がつ28日にち）は、オランダの天文学てんもんがく者しゃ・マルクス主義まるくすしゅぎ理論りろん家か。

日本語にほんごのカタカナでは、姓せいをパンネクックと表記ひょうきすることもある。

生涯しょうがい

パンネクークはライデン大学だいがくで数学すうがくと科学かがくを学まなび、ライデン天文台てんもんだいで研究けんきゅうを始はじめた。

アメリカの作家さっかエドワード・ベラミーの著作ちょさく Equalityを読よんでから、熱心ねっしんな社会しゃかい主義しゅぎ者しゃとなりカール・マルクスの理論りろんを研究けんきゅうし、すぐにオランダやドイツの雑誌ざっしに寄稿きこうする著名ちょめいなマルクス主義まるくすしゅぎ著述ちょじゅつ家かとなった。オランダでの仕事しごとへの不満ふまんからベルリンに移うつり、ドイツの社会しゃかい主義しゅぎ政党せいとうが設立せつりつした学校がっこうの教師きょうしとなったが、過激かげきな主張しゅちょうは政府せいふや組合くみあいとしばしばトラブルを起おこした。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんが始はじまるとオランダに戻もどり化学かがくと科学かがくの教師きょうしとなった。ライデン天文台てんもんだいは復帰ふっきを望のぞんだが政府せいふの反対はんたいで復帰ふっきできなかった。1925年ねんにアムステルダム市しがアムステルダム大学だいがくの助教授じょきょうじゅの職しょくを認みとめ、1932年ねんに教授きょうじゅとなった。

天文学てんもんがくの分野ぶんやでは、銀河ぎんがの星ほしの分布ぶんぷ、銀河ぎんがの構造こうぞうの研究けんきゅうを行おこなった。後のちに星ほしの誕生たんじょうについても研究けんきゅうし、オランダにおける天文てんもん物理ぶつり学がくの創始そうし者しゃとされる。

理論りろん的てきな研究けんきゅうのほかに、日食にっしょくの観測かんそくや恒星こうせいのスペクトル観測かんそくのために外国がいこくでの観測かんそくを行おこなった。1926年ねんジャワ島じゃわとうで南半球みなみはんきゅうの天体てんたいの観測かんそくした。天文学てんもんがくの歴史れきしにも興味きょうみをもち著書ちょしょ『天文学てんもんがく史し』はオランダ語ご、英語えいごで出版しゅっぱんされた。

1936年ねんにハーバード大学だいがくから名誉めいよ学位がくいを贈おくられ、1951年ねん王立おうりつ天文てんもん学会がっかいゴールドメダルを受賞じゅしょうした。月つきのクレーターと小惑星しょうわくせい（2378）Pannekoekに彼かれの名前なまえが付つけられた。

左翼さよく活動かつどう家かとして

1902年ねんに社会民主労働党しゃかいみんしゅろうどうとう (オランダ)へ入党にゅうとうし、カール・カウツキーと密接みっせつな関係かんけいのもと、正統せいとう派はマルクス主義まるくすしゅぎの理論りろん家かとしてアナーキズム、修正しゅうせい主義しゅぎへの批判ひはんを行おこなう。1903年ねんのオランダにおける鉄道てつどうストライキ以降いこうは上層じょうそう部ぶの改良かいりょう主義しゅぎと急進きゅうしん派はとの対立たいりつによって党とうは分裂ぶんれつし、パンネクークは社会しゃかい民主党みんしゅとう (オランダ)の結党けっとうに加くわわる。1910年ねんの大衆たいしゅうストライキを機きにカール・カウツキー批判ひはんに転てんじ、カウツキーの理論りろんを「行動こうどうなき待機たいきの理論りろん」と断だんずるようになった。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうはツィンマーヴァルト運動うんどう左派さはに与くみし、ロシア革命かくめいではボリシェヴィキを支持しじし、プロレタリア独裁どくさいとソビエト制度せいどを自みずからの原点げんてんとした。ドイツ革命かくめいにおいてはパンネクークの属ぞくする社会しゃかい民主党みんしゅとう左翼さよく急進きゅうしん派ははスパルタクス団だんと合同ごうどうでドイツ共産党きょうさんとうを創立そうりつしたが、ドイツ共産党きょうさんとう第だい二に回かい党とう大会たいかいで社会しゃかい民主党みんしゅとう左翼さよく急進きゅうしん派はが排除はいじょされると、1920年ねんにドイツ共産きょうさん主義しゅぎ労働ろうどう者しゃ党とうを結成けっせいする。この分裂ぶんれつからパンネクークらとコミンテルンはヨーロッパにおける革命かくめいの方針ほうしんの違ちがいから対立たいりつを深ふかめてゆく。

関連かんれん項目こうもく

• 19世紀せいき生うまれの天文学てんもんがく者しゃ

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