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インドリ (学名 がくめい :Indri indri ) は、霊長 れいちょう 目 め インドリ科 か インドリ属 ぞく に分類 ぶんるい される霊長 れいちょう 類 るい 。本 ほん 種 しゅ のみでインドリ属 ぞく を構成 こうせい する(単 たん 型 がた )[3] 。
マダガスカル 北東 ほくとう 部 ぶ からマンゴロ川 がわ (Mangoro river)にかけて[4] [6]
古 こ 骨 ほね から以前 いぜん は北部 ほくぶ や西部 せいぶ にも分布 ぶんぷ していたと考 かんが えられている[6] 。
頭 あたま 胴 どう 長 ちょう (体長 たいちょう )57.5 - 69.5センチメートル[4] 。尾長 おなが 3 - 8センチメートル[4] 。体重 たいじゅう 6 - 7.5キログラム[6] 。現生 げんなま のキツネザル類 るい の中 なか では最大 さいだい 種 しゅ [4] [6] 。尾 お は短 みじか い[6] 。耳 みみ 介 かい は房 ぼう 状 じょう の体毛 たいもう で被 おお われる[6] 。
名前 なまえ および属 ぞく 名 めい Indri は原住民 げんじゅうみん が「ほら見 み ろ」「あそこに」(there he is)の意 い があるindriもしくはindri izyと叫 さけ んだのをピエール・ソヌラ が本 ほん 種 たね の呼称 こしょう と誤解 ごかい したことが由来 ゆらい とされるが[3] 、実在 じつざい するマダガスカル語 ご では「ほら見 み ろ」は iry であり、ソヌラが誤解 ごかい だけでなく聞 き き間違 まちが えた可能 かのう 性 せい も示唆 しさ されている[4] 。現地 げんち 名 めい の endrina に由来 ゆらい する可能 かのう 性 せい もある[3] 。
以下 いか 亜種 あしゅ の分類 ぶんるい は、Quinn & Wilson(2002)に従 したが う[4] 。
Indri indri indri (Gmelin, 1788)
Indri indri variegatus Gray, 1870
低地 ていち にある多 た 雨林 うりん に生息 せいそく する[6] 。昼 ひる 行 ぎょう 性 せい [6] 。2 - 6頭 とう のペアもしくは小規模 しょうきぼ な家族 かぞく 群 ぐん を形成 けいせい して生活 せいかつ する[1] [4] [6] 。8 - 30ヘクタール (平均 へいきん 18ヘクタール)の行動 こうどう 圏内 けんない で生活 せいかつ する[6] 。群 む れは1日 にち あたり300 - 700メートルを移動 いどう する[4] [6] 。メスの方 ほう が優位 ゆうい で採 と 食場 じきば 所 しょ や休憩 きゅうけい 場所 ばしょ からオスを追 お い払 はら うこともあるが、オスはメスを追 お い払 はら うことはない[5] 。性器 せいき を擦 こす りつける臭 くさ いつけ(ジェニタルマーキング)を行 おこな い、オスは頬 ほお にある臭 におい 腺 せん による臭 にお いつけ(セントマーキング)も行 おこな う[5] 。3キロメートルの距離 きょり が離 はな れていても聞 き くことができる鳴 な き声 ごえ を交 か わしあい群 む れの存在 そんざい を主張 しゅちょう するため、群 む れ同士 どうし が接触 せっしょく することはまずない[6] 。
植物 しょくぶつ の葉 は 、芽 め 、花 はな 、果実 かじつ を食 た べる[6] 。地表 ちひょう に降 お りて土 ど を食 た べることもある[6] 。
繁殖 はんしょく 様式 ようしき は胎生 たいせい 。1 - 3月に交尾 こうび を行 おこな う[6] 。妊娠 にんしん 期間 きかん は120 - 150日 にち [4] [6] 。5 - 6月 がつ に1回 かい に1頭 とう の幼 よう 獣 じゅう を産 う む[6] 。出産 しゅっさん 間隔 かんかく は2 - 3年 ねん [1] [4] [6] 。幼 よう 獣 じゅう は生後 せいご 4 - 5か月 げつ までは母親 ははおや の胸 むね 、生後 せいご 8か月 げつ までは母親 ははおや の背 せ に捕 つか まりながら移動 いどう し、生後 せいご 12か月 げつ で母親 ははおや から離 はな れて移動 いどう するようになる[6] 。生後 せいご 7 - 9年 ねん で性 せい 成熟 せいじゅく する[4] [6] 。
人間 にんげん との関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
生息 せいそく 地 ち では祖先 そせん の化身 けしん と考 かんが えられ、伝統 でんとう 的 てき に保護 ほご の対象 たいしょう とされ狩猟 しゅりょう することも禁止 きんし されていた[6] 。
農地 のうち 開発 かいはつ や焼畑 やきばた 農業 のうぎょう ・森林 しんりん 伐採 ばっさい ・薪 たきぎ の採取 さいしゅ などによる生息 せいそく 地 ち の破壊 はかい などにより生息 せいそく 数 すう は減少 げんしょう している[1] [6] 。上記 じょうき のように本 ほん 種 たね を狩猟 しゅりょう することは伝統 でんとう 的 てき にタブーとされていたが文化 ぶんか の変化 へんか や他 た の地域 ちいき からの移民 いみん により破 やぶ られ、食用 しょくよう や毛皮 けがわ 目的 もくてき で狩猟 しゅりょう されることもある[1] 。1975年 ねん のワシントン条約 じょうやく 発効 はっこう 時 じ からインドリ科 か 単位 たんい でワシントン条約 じょうやく 附属 ふぞく 書 しょ Iに掲載 けいさい されている[2] 。
頭部 とうぶ
骨格 こっかく 標本 ひょうほん (頭部 とうぶ )
^ a b c d e f King, T. et al ., 2020. Indri indri . The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T10826A115565566. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T10826A115565566.en . Downloaded on 01 August 2021.
^ a b UNEP (2021). Indri indri . The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net . [Accessed 01/08/2021]
^ a b c d e f g 岩本 いわもと 光雄 みつお 「サルの分類 ぶんるい 名 めい (その8:原猿 げんえん ) 」『霊長 れいちょう 類 るい 研究 けんきゅう 』第 だい 5巻 かん 2号 ごう 、日本 にっぽん 霊長 れいちょう 類 るい 学会 がっかい 、1989年 ねん 、129 - 141頁 ぺーじ 。
^ a b c d e f g h i j k l m n o Aleta Quinn & Don E. Wilson, "Indri indri ," Mammalian Species , No. 694, American Society of Mammalogists, 2002, Pages 1 - 5. doi :10.1644/0.694.1
^ a b c 小山 こやま 直樹 なおき 「木 き から木 き へと跳躍 ちょうやく 移動 いどう インドリ」『動物 どうぶつ たちの地球 ちきゅう 哺乳類 ほにゅうるい I 5 キツネザル・ロリスほか 第 だい 8巻 かん 41号 ごう 小山 こやま 直樹 なおき 編著 へんちょ 、朝日新聞社 あさひしんぶんしゃ 、1992年 ねん 、140 - 141頁 ぺーじ 。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 小山 こやま 直樹 なおき 「インドリ」『動物 どうぶつ 世界 せかい 遺産 いさん レッド・データ・アニマルズ8 太平洋 たいへいよう 、インド洋 いんどよう 』小原 おはら 秀雄 ひでお ・浦 うら 本 ほん 昌紀 まさき ・太田 おおた 英利 ひでとし ・松井 まつい 正文 まさふみ 編著 へんちょ 、講談社 こうだんしゃ 、2001年 ねん 、157頁 ぺーじ 。
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