インドの映画えいが

南みなみインド、タミル映画えいがの最初さいしょのトーキー『カリダス』（1931年ねん）

インド映画えいが（インドえいが）は、インド国内こくないで制作せいさくされる映画えいがのこと。

概要がいよう[編集へんしゅう]

インドは、年間ねんかん映画えいが制作せいさく本数ほんすうも映画えいが館かん観客かんきゃく総数そうすうも世界一せかいいち多おおい映画えいが大国たいこくである（2003年ねんには877本ほんの長編ちょうへんと1177本ほんの短編たんぺんが公開こうかいされた）^[1]。その主おもな理由りゆうとしては、インドは現在げんざいもテレビの普及ふきゅう率りつが低ひくく、国民こくみんの多おおくが日常にちじょう的てきに映画えいが館かんを訪おとずれている社会しゃかい事情じじょうが挙あげられる。また、インドは世界せかい的てきな多言たげん語ご国家こっかであるため、それぞれの言語げんごの需要じゅように合あわせて必然ひつぜん的てきに映画えいがの制作せいさく本数ほんすうが多おおくなっている事情じじょうもある。インド映画えいがは、娯楽ごらくとしての質しちや出演しゅつえん女優じょゆうの人気にんきなどのため、インド国外こくがいでもインド系けい住民じゅうみんを中心ちゅうしんに人気にんきがあり、特とくに東南とうなんアジア、南みなみアジア、西にしアジア、アフリカ諸国しょこくで高たかい人気にんきを博はくしている。北きたインドを中心ちゅうしんにインド全土ぜんどで上映じょうえいされているヒンディー語ごの娯楽ごらく映画えいがは、その制作せいさくの中心地ちゅうしんちムンバイーの旧名きゅうめいボンベイとアメリカのハリウッドをもじって、『ボリウッドフィルム』と呼よばれている。20世紀せいき後半こうはんボリウッドが長ながらく南みなみアジア最大さいだいの映画えいが製作せいさく拠点きょてんとなり、興行こうぎょう収入しゅうにゅうでは及およばないものの製作せいさく本数ほんすうでは後のちにはハリウッドを抜ぬいて世界せかい最多さいたの製作せいさく拠点きょてんとなった。北きたインドのヒンディー語ごのボリウッドが年間ねんかんで約やく400本ほん制作せいさくし、南みなみインドのテルグ語ごのトリウッド、タミル語ごのコリウッド、マラヤーラム語ごのモリウッド、カンナダ語ごのサンダルウッドがそれぞれ約やく200本ほんほど制作せいさくしているとされる^[2]。興行こうぎょう収入しゅうにゅうは、従来じゅうらいヒンディー語ご映画えいがが44%、テルグ語ごとタミル語ごの映画えいがが各かく13%、マラヤーラム語ごとカンナダ語ごの映画えいがが各かく5%程度ていどとされる（2020-2021年ねんの累積るいせき興行こうぎょう収入しゅうにゅうは、コロナによる映画えいが館かん閉鎖へいさが地域ちいきにより違ちがいがあったこともあって、トリウッドがボリウッドを上回うわまわっている^[3]。）。

特色とくしょく[編集へんしゅう]

多おおくは3時じ間あいだ前後ぜんこうの大作たいさくで、わかりやすいストーリーの娯楽ごらく作さくとなっている。ストーリーの途中とちゅうで場面ばめんががらりと変かわり、原色げんしょくの豪華ごうかな衣装いしょう、大だい人数にんずうのダンサーによるミュージカルシーンなどが含ふくまれている。インドの娯楽ごらく映画えいがはアクション・メロドラマ・コメディ・歌うた・ダンスなど娯楽ごらく作品さくひんとしての要素ようそを雑多ざったに含ふくんでおり、これらは日本にっぽんで「マサラムービー」と呼よばれていたことがある。

インド映画えいがの人気にんきスター[編集へんしゅう]

州しゅうによって言語げんごの異ことなるインドでは、各かく言語げんご圏けん毎ごとに映画えいがが制作せいさくされ、それぞれスターを輩出はいしゅつしている。スターによっては複数ふくすうの言語げんごを操あやつったり、別べつの人物じんぶつによるセリフ吹ふき替かえをしたりなどして他た言語げんごの映画えいがに出演しゅつえんする俳優はいゆうもいる。また、例たとえばタミル映画えいがでヒットした作品さくひんを同おなじ脚本きゃくほんのまま出演しゅつえん者しゃだけをヒンディー映画えいが界かいの俳優はいゆうに変かえ、リメイク作品さくひんとして公開こうかいされることもある。

ヒンディー語ご映画えいが[編集へんしゅう]

男優だんゆう[編集へんしゅう]

アミターブ・バッチャン
リティック・ローシャン
サルマーン・カーン
アーミル・カーン
ジャッキー・シュロフとタイガー・シュロフ
ヴァルン・ダワン

女優じょゆう[編集へんしゅう]

ジュヒー・チャウラー
アイシュワリヤー・ラーイ
カジョール
プリヤンカー・チョープラー

タミル語ご映画えいが[編集へんしゅう]

男優だんゆう[編集へんしゅう]

ヴィジェイ
ヴィクラム

女優じょゆう[編集へんしゅう]

アシン・トーットゥンカル

テルグ語ご映画えいが[編集へんしゅう]

男優だんゆう[編集へんしゅう]

チランジーヴィ
プラバース

女優じょゆう[編集へんしゅう]

ミーナ
シムラン
ロージャ
ランバー
ラムヤクリシュナ
ナグマー
ジョーティカ
ボーミカ
イリアナ・デクルーズ

イリアナ・デクルーズ

カンナダ語ご映画えいが[編集へんしゅう]

男優だんゆう[編集へんしゅう]

ウペンドラ（「ウペンドラ」）
シヴァ・ラージクマール
プニート・ラージクマール
ラージ・クマール
アナンタ・ナグ
ラメーシュ・クマール
スディープ

プニート・ラージクマール
スディープ

女優じょゆう[編集へんしゅう]

プレマ
ダーミニ
ジョーティカ

マラヤラム語ご映画えいが[編集へんしゅう]

男優だんゆう[編集へんしゅう]

モハンラル
マンマート
ムケシュ
ディリープ
サリム・クマール

モハンラル
マンマート

女優じょゆう[編集へんしゅう]

日本にっぽんを舞台ぶたいにしたインド映画えいが[編集へんしゅう]

ラブ・イン・トーキョー（1966年ねん）
Japanil Kalyanaraman（1985年ねん）
ボンベイtoナゴヤ（1993年ねん）
Love in Japan（2006年ねん）
SAKURA（2006年ねん）
Work like fire Kumaru（2013年ねん）【炎ほのおの男おとこクマルのように働はたらけ】（スンドラ・シー監督かんとく）＝海外かいがい映画えいがの富山とやま県けん内うちロケは初はつ。ラブコメディーの舞台ぶたいとして立山たてやま黒部くろべアルペンルートや世界せかい文化ぶんか遺産いさんの五箇山ごかさん合掌がっしょう造づくり集落しゅうらく、瑞龍寺ずいりゅうじ、高岡たかおか大仏だいぶつ、雨晴あまはらし海岸かいがんなどが出でてくる。主演しゅえん男優だんゆうのシッダルタ・スリナラヤン、人気にんき女優じょゆうのハンシカ・モトワニら27人にんが来らい県けんして撮影さつえいしていった。前年ぜんねん9月がつ、富山とやまインド協会きょうかいの招まねきで来き県けんしたディーパ・ゴパラン・ワドワ駐ちゅう日にちインド大使たいしが石井いしい知事ちじに提案ていあんして実現じつげんしたもの。