エウドクソス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

クニドスのエウドクソスえい: Eudoxus of Cnidus, 古代こだいギリシア: Εいぷしろんὔδοξος ὁ Κνίδιος, Eúdoxos ho Knídios)は、紀元前きげんぜん4世紀せいき古代こだいギリシアクニドス出身しゅっしん数学すうがくしゃ天文学てんもんがくしゃエジプトながらし、のちアテネ移住いじゅうした。著作ちょさく現存げんそんせず、その仕事しごと後世こうせいほか学者がくしゃ引用いんようによって現在げんざいられる。

人物じんぶつ生涯しょうがい[編集へんしゅう]

かれ紀元前きげんぜん4世紀せいきごろに天動説てんどうせつとなえた。円錐えんすい体積たいせきは、おな半径はんけいおなたかさの円柱えんちゅう体積たいせきの3ぶんの1になることを証明しょうめいした。これらの成果せいかは、ユークリッド著書ちょしょユークリッド原論げんろん記載きさいされた。

天文学てんもんがくしゃとしては、地球ちきゅう球体きゅうたいせつ採用さいようし、また地球ちきゅう中心ちゅうしん天体てんたいがそのまわりをまわ天動説てんどうせつ立場たちばった。かれによると、ほし々は各々おのおの個別こべつ透明とうめいたまにはりついており、そのたま地球ちきゅう中心ちゅうしんはやさをかえることなく回転かいてんしつづける(同心どうしんだまモデル)。これによって、惑星わくせい逆行ぎゃっこう大雑把おおざっぱ説明せつめいすることに成功せいこうしたが、定量ていりょうてき予測よそくにはいたらなかった。かれ説明せつめいアリストテレス宇宙うちゅうろんれられる。

ヒッパルコスプトレマイオスおな天動説てんどうせつちながら、惑星わくせいつき太陽たいよう軌道きどう説明せつめいには、しゅうてんえんエカントもとづいたぜんべつ理論りろんもちい、数値すうちてき精度せいどのよい予測よそく成功せいこうした。しかし、これらのあたらしいモデルはアリストテレスの自然しぜんがく原理げんりかならずしも充実じゅうじつでなく、とくにエカントを実現じつげんする物理ぶつりてき仕組しくみはだれにも想像そうぞうがつかなかった。そのため、エウドクソスの同心どうしんだまモデルを改良かいりょうしてプトレマイオスの理論りろんえようとするうごきは、一度いちどならずあった。とくに、12世紀せいきにイスラムけんだったスペインでこった一連いちれん研究けんきゅうは、ヘブライラテン語らてんごにも翻訳ほんやくされ、プトレマイオス理論りろんからの脱却だっきゃく目指めざうごきのきっかけをあたえることになる。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]


外部がいぶリンク[編集へんしゅう]