(Translated by https://www.hiragana.jp/)
エピックメタル - Wikipedia コンテンツにスキップ

エピックメタル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

エピック・メタル (epic metal) は、ヘヴィメタルのサブジャンルのひとつ。おも叙事詩じょじしてきなヘヴィメタルの総称そうしょうとしてもちいられる。1980年代ねんだい初期しょき誕生たんじょうしたスタイルであり、タイトルの「エピック」という言葉ことば叙事詩じょじしてきファンタジー神話しんわ由来ゆらいする[1]音楽おんがくせいかんしては、おも正統せいとうメタル影響えいきょうつよく、大仰おおぎょうなドラマせいヒロイックなスピードを融合ゆうごうさせたサウンドが一般いっぱんてき。また、その壮大そうだいかつ勇壮ゆうそうなスタイルから、近年きんねんではシンフォニックメタルヴァイキングメタルとの関連かんれんせいつよくなっている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ロック歴史れきしにおいて、ストーリーせい強調きょうちょうしたコンセプチュアルな作品さくひん重要じゅうよう役割やくわりってきた。ハードロックでもマイケル・ムアコック影響えいきょうけたイギリスホークウィンド登場とうじょうし、1975ねんにアルバムWarrior On The Edge Of Time発表はっぴょう、その続々ぞくぞくとエピカルな方向ほうこうせいのバンドが登場とうじょうした。やがて、その叙事詩じょじしてきなスタイルがヘヴィメタルにまれると、マニラ・ロードマノウォーなどのしたヒロイックな世界せかいかん影響えいきょうけ、徐々じょじょにシーンに浸透しんとうしていった。

エピックメタルが登場とうじょうした初期しょきには、おも正統せいとうメタルをベースにした古典こてんてきなサウンドが特徴とくちょうてきだったが、時代じだい進歩しんぽするにつれてクラシックオペラなどの大仰おおぎょう要素ようそれるようになった。現在げんざいではサウンドトラック要素ようそ導入どうにゅうしているバンドもいる。なお、エピックメタルのコンセプチュアルな世界せかいかん複雑ふくざつなサウンドは、プログレッシブ・ロックプログレッシブ・メタルからの影響えいきょうつよい。

歴史れきし[編集へんしゅう]

エピックメタルの歴史れきしは1980年代ねんだいアメリカ、マニラ・ロードの1980ねんのアルバムInvasionからはじまったとされる。このアルバムのインタビューで、マーク・シェルトンが自身じしんのアルバムのスタイルを「EPIC METAL」形容けいようしたため、一般いっぱんてき認知にんちひろがった[2]。なお、ここではJ・R・R・トールキンやマイケル・ムアコックなどのファンタジー小説しょうせつ影響えいきょうけたキリス・ウンゴルの1981ねんのアルバムFrost & Fireも、エピックメタルの起源きげんとして同時どうじかたられている[3]

80年代ねんだい後半こうはんになると、アメリカのブローカス・ヘルムオーメン筆頭ひっとうに、ドイツからブラインド・ガーディアン、イタリアからアドラメレクなどが登場とうじょうしてエピックメタルのシーンががった。しかし、1990年代ねんだいはいるとヘヴィメタルのシーン低迷ていめい影響えいきょうけ、エピックメタルもアンダーグラウンドでの活動かつどう余儀よぎなくされる。

90年代ねんだい中頃なかごろちかづくと、ヴァージン・スティールが1994ねんにアルバムThe Marriage of Heaven & Hell発表はっぴょう。そのアルバムが続編ぞくへんThe Marriage of Heaven & Hell, Pt. IIともに1995ねんヨーロッパ圏内けんない決定的けっていてき成功せいこうおさめると、世界せかいてきにエピック・メタルは認知にんちされた。

その、90年代ねんだい後半こうはんには、イタリアラプソディー・オブ・ファイアの1997ねんのアルバムLegendary Talesがヒットし、エピックメタルバンドは大幅おおはば増加ぞうかする。同国どうこくからは、のちしん世代せだい勢力せいりょくとなるドミネドゥームソードマーティリアロジー・クルーシズザイ・マジェスティなどのバンドが次々つぎつぎ登場とうじょうした。

21世紀せいきはいると、エピックメタルは海外かいがいのアンダーグラウンドシーンで着実ちゃくじつ支持しじ獲得かくとくし、イタリアやギリシャ発端ほったんとしてムーブメント"New Wave of Mediterranean Epic Metal(NWOMEM)"こる。この地中海ちちゅうかいのエピックメタルのムーブメントによって、エピックメタルはしん時代じだいへと突入とつにゅうした。なお、ムーブメントからはセイクリッド・ブラッドバトルロアバトルラムアイシー・スティールホーリー・マーターなどの次世代じせだいバンドが登場とうじょうした[4]

現在げんざい、エピックメタルはヘヴィメタルのサブジャンルとしてヨーロッパを中心ちゅうしんおおきな人気にんきあつめている。しかし、これとはぎゃく日本にっぽんでの認知にんちひくいことも有名ゆうめいである。

世界せかいかん[編集へんしゅう]

エピックメタルの題材だいざいになるのは、おも古代こだい中世ちゅうせいきん未来みらいなどを舞台ぶたいにした実在じつざい史実しじつ架空かくうのファンタジーである。ここでは叙事詩じょじし中世ちゅうせい騎士きし物語ものがたりヒロイック・ファンタジーけん魔法まほう物語ものがたり)、戦士せんし勇気ゆうき名誉めいよ壮大そうだい戦争せんそうなどがえがかれている[3]。なお、一般いっぱんてきにエピックメタルの世界せかいおおきくふたつに区分くぶんされる。ひとつはアメリカに代表だいひょうされるヒロイック・ファンタジーけい作品さくひんと、もうひとつはヨーロッパに代表だいひょうされるハイ・ファンタジーけい作品さくひんである。それぞれ基盤きばんにあるのは、アメリカが作家さっかロバート・E・ハワード世界せかいかん、ヨーロッパがJ・R・R・トールキンの世界せかいかんである。具体ぐたいてきには『英雄えいゆうコナン』と『指輪ゆびわ物語ものがたり』の世界せかいがメイン・テーマになっている。また、なかにはこういった伝統でんとう題材だいざいからはなれ、オリジナルせいたかいストーリーを展開てんかいするバントもいる。

おもなバンド[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Beppe Riva, Enciclopedia Rock Hard & Heavy, Arcana Editore
  2. ^ マニラ・ロード公式こうしきホームページBiographyより
  3. ^ a b Alberto Bernard,EPIC METAL: Gli anni d'oro参照さんしょう
  4. ^ Epic metal,Declino e rinascita参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]