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オオヨドシマドジョウ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
オオヨドシマドジョウ
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか
絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい (EN)環境省かんきょうしょうレッドリスト
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Anmalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
上目うわめ : ほね鰾上 Ostariophysi
: コイ Cypriniformes
うえ : ドジョウうえ Cobitoidea
: ドジョウ Cobitidae
ぞく : シマドジョウぞく Cobitis
たね : オオヨドシマドジョウ Cobitis sakahoko
学名がくめい
Cobitis sakahokoNakajima&Suzawa,2015
和名わみょう
オオヨドシマドジョウ
英名えいめい
Oyodo spined loach

オオヨドシマドジョウCobitis sakahoko)は、大淀川おおよどがわ固有こゆうシマドジョウぞく一種いっしゅ近年きんねんまでヤマトシマドジョウ同一どういつされてきた。ほんしゅ異種いしゅあいだ交雑こうざつ由来ゆらいの4ばいからだせいしゅであるとかんがえられている[1]

分布ぶんぷ

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宮崎みやざきけん鹿児島かごしまけんながれる、大淀川おおよどがわ水系すいけいちゅう流域りゅういきながれのゆるやかなすなそこのみ[2]

形態けいたい

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全長ぜんちょう8-12cm。むねひれからはらひれにかけてのすじぶしすうおおくの場合ばあい14[2]くちひげは3ついで、このうちだいくちひげはみちよりながい。ヤマトシマドジョウ斑点はんてんをもつ。頭部とうぶたいする吻長のながさはオス個体こたいが 39.2%、メス個体こたいが 39.6%である。オスむねひれ基部きぶ骨質こっしつばんはヤマトシマドジョウ同様どうよう円形えんけいで、だい1ふんえだ軟条上片かみかたはばひろ先端せんたんほそ突出とっしゅつしている。尾鰭おびれには明瞭めいりょうな 2 黒点こくてんがあり、上部じょうぶのものは漆黒しっこく楕円だえんがたみちよりややおおきく、下部かぶはややうす半月はんつきじょうちいさい。背鰭せびれ尾鰭おびれには弧状こじょうよこたいが4~5ある[3]

生態せいたい

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抽水植物しょくぶつなどが植生しょくせいする清流せいりゅうこのみ、どろがほとんど堆積たいせきしていない川底かわぞこ生息せいそくする。生活せいかつ不明ふめいだが、ヤマトシマドジョウと同様どうように、きしさいにある伏流ふくりゅうすいなが植生しょくせいがあるようなそこ産卵さんらんすると推測すいそくされる。野外やがいでは2ねん以上いじょうき、飼育しいくでは3ねん以上いじょう生存せいぞんする[4]

研究けんきゅう推移すいい

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とく宮崎みやざきけん鹿児島かごしまけん流域りゅういきをもつ大淀川おおよどかわ水系すいけい分布ぶんぷするシマドジョウぞくについては,1951ねんみなもり大淀川おおよどかわシマドジョウ(Cobitis biwae)の特異とくい集団しゅうだん報告ほうこく[5]1971ねんには、原色げんしょく淡水魚たんすいぎょるい検索けんさく図鑑ずかんで、同様どうよう大淀川おおよどかわ水系すいけいにシマドジョウが分布ぶんぷするとしたものの[6]1995ねん赤崎あかさきはこれらにはれずにヤマトシマドジョウを記録きろくする[7]など、おおきく混乱こんらんしていた。2011ねん、2011ねん中島なかじまらにより大淀川おおよどかわ水系すいけいいち支流しりゅうから採集さいしゅうされたシマドジョウぞくがこれらのいずれのたねともことなることが形態けいたいてき遺伝いでんてきあきらかにされ、和名わみょうオオヨドシマドジョウが提唱ていしょうされた[8]2015ねん新種しんしゅ記載きさいされ、Cobitis sakahoko命名めいめいされた[9]。これらの経緯けいいから、大淀川おおよどかわ水系すいけいさんするシマドジョウぞくヤマトシマドジョウではなく、すべてオオヨドシマドジョウであると認識にんしきされるようになった[8]。その、2019ねん中島なかじまらによってヤマトシマドジョウしゅぐん鹿児島かごしま県内けんない大淀川おおよどかわ支流しりゅうから確認かくにんされている [10]ほんしゅ生息せいそくする地域ちいき火山かざん活動かつどうによる環境かんきょう改変かいへん長期ちょうきてき観点かんてんでみるといちじるしくはやく、このような環境かんきょう固有こゆう淡水魚たんすいぎょまれることは、生物せいぶつ地理ちりがくてき大変たいへんめずらしく、研究けんきゅうたれる[4]

名前なまえ

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たね小名しょうみょうのsakahokoは、霧島きりしま連山れんざん主峰しゅほう高千穂峰たかちほのみね山頂さんちょうつ「てんぎゃくほこ」に由来ゆらいする。骨質こっしつばんをこのほこ見立みたてたことにちなむ[4]

ほんしゅは、カワドジョウ、カンドジョウ、シマドジョウなどの名前なまえでもばれる[1]

保全ほぜんじょうきょう

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環境省かんきょうしょうレッドリストでは絶滅ぜつめつ危惧きぐⅠBるい指定していされている[11]

絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい (EN)環境省かんきょうしょうレッドリスト

レッドリスト[11]


関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b かわのさかな情報じょうほうかん https://ichthysinfo.web.fc2.com/ichthys/genus/shimadojo.html
  2. ^ a b 細谷ほそやかずうみ 『増補ぞうほ改訂かいてい 日本にっぽん淡水魚たんすいぎょやま渓谷社けいこくしゃ 2019ねん 185ぺーじ
  3. ^ https://www.jstage.jst.go.jp/article/jji/66/1/66_18-024/_pdf 鹿児島かごしまけん大淀川おおよどかわ水系すいけい支流しりゅうにおけるヤマトシマドジョウ(コイドジョウ)の記録きろく
  4. ^ a b c 中島なかじまあつし 『LOACHES OF JAPAN 日本にっぽんのドジョウ 形態けいたい生態せいたい文化ぶんか図鑑ずかん』 やま渓谷社けいこくしゃ 2017ねん 154~157ぺーじ ISBN 4635062872
  5. ^ みなもり寿ことぶき美夫よしお 『シマドジョウの交雑こうざつ分類ぶんるい』 魚類ぎょるいがく雑誌ざっし 1951ねん 1: 215–225ぺーじ
  6. ^ 中村なかむら守純もりずみ 『原色げんしょく淡水魚たんすいぎょるい検索けんさく図鑑ずかん』 きたたかしかん 1971ねん 260ぺーじ
  7. ^ 赤崎あかさき正人まさと 宮崎みやざきけんうみかわ魚介ぎょかいるい(9)-宮崎みやざきけん河川かせんさかな(5)-.みやざきの自然しぜん 1995 11: 78–88>
  8. ^ a b 中島なかじま あつし中村なかむらともしまさわ ゆずる 『宮城みやぎけん大淀川おおよどかわ水系すいけいからられた特異とくいなシマドジョウぞく』 魚類ぎょるいがく雑誌ざっし 2011ねん 58: 153–160
  9. ^ Nakajima, Jun; Suzawa, Yuzuru (2016-01). “Cobitis sakahoko, a new species of spined loach (Cypriniformes: Cobitidae) from southern Kyushu Island, Japan” (英語えいご). Ichthyological Research 63 (1): 68–78. doi:10.1007/s10228-015-0476-5. ISSN 1341-8998. http://link.springer.com/10.1007/s10228-015-0476-5. 
  10. ^ 中島なかじま, あつし; 橋口はしぐち, 康之やすゆき; 杉尾すぎお, あきら; ひがし, 貴志たかし; こしさこ, 由香里ゆかり; 田口たぐち, 智也ともや (2019). 鹿児島かごしまけん大淀川おおよどかわ水系すいけい支流しりゅうにおける ヤマトシマドジョウ(コイドジョウ)の記録きろく. 魚類ぎょるいがく雑誌ざっし 66 (1): 93–100. doi:10.11369/jji.18-024. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jji/66/1/66_18-024/_article/-char/ja/. 
  11. ^ a b 環境省かんきょうしょうレッドリスト2020 https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf