(Translated by https://www.hiragana.jp/)
オックスフォード現代英英辞典 - Wikipedia コンテンツにスキップ

オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
だい2はん
だい3はん(1982年版ねんばん

オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん』(オックスフォードげんだいえいえいじてん、えい: Oxford Advanced Learner's Dictionary略称りゃくしょうOALD)は、学習がくしゅうしゃえいえい辞典じてん[1]である。イギリスじん英語えいご学者がくしゃA・S・ホーンビーらが英語えいご母語ぼごとしない外国がいこくじん学習がくしゅうしゃのために編集へんしゅうして日本にっぽん出版しゅっぱんした辞書じしょもとになって編纂へんさん発行はっこうされており、「ホーンビーの辞書じしょ」としてしたしまれている[2]現在げんざい発行はっこうもとオックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょくであるが、日本にっぽん国内こくないでは旺文社おうぶんしゃ版権はんけん所有しょゆうしており、日本にっぽん市場いちばけの装丁そうてい発売はつばいしている。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

この辞書じしょ特徴とくちょうは、名詞めいし可算かさん可算かさんしめす[C,U]表示ひょうじ動詞どうし活用かつようがた具体ぐたいてきあらわすことにより、英語えいご母語ぼご話者わしゃ以外いがい学習がくしゅうしゃにもかりやすい配慮はいりょをしたてんにある。これらの特徴とくちょうは、その登場とうじょうしたおおくの英和えいわ辞典じてんおよび学習がくしゅうようえいえい辞典じてんつよ影響えいきょうあたえた。

歴史れきし[編集へんしゅう]

日本にっぽん高等こうとう教育きょういく機関きかん英語えいごがくおしえていたアルバート・シドニー・ホーンビー自身じしん英語えいご教師きょうしとしての経験けいけんもとにしての2めい共同きょうどう編集へんしゅうした、最初さいしょ本格ほんかくてき学習がくしゅうしゃえいえい辞典じてん Idiomatic and Syntactic English Dictionary (略称りゃくしょうISED) [ちゅう 1]を、1942ねん昭和しょうわ17ねん)に日本にっぽん開拓かいたくしゃからおくしたのがはじまりである。戦時せんじちゅう非常ひじょう危険きけんたびて、当時とうじ日本にっぽん敵国てきこくであった英国えいこくにホーンビーがかえったどう辞典じてん原稿げんこうは、権威けんいあるオックスフォード英語えいご辞典じてん完璧かんぺきたい辞典じてんになるであろうとんだオックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょく版権はんけん獲得かくとくし、1948ねんA Learner's Dictionary of Current English として英国えいこく初版しょはん刊行かんこうされた。その、この辞典じてんOxford Advanced Learner's Dictionary of Current English改題かいだいされ、だい4はんからは表題ひょうだいOxford Advanced Learner's Dictionary になった。

初版しょはん発行はっこういたるまで[編集へんしゅう]

1923ねん大正たいしょう12ねん)に英国えいこくから招聘しょうへいされ、大正たいしょう末期まっきから昭和しょうわ初期しょきにかけて日本にっぽん英語えいご教育きょういくたずさわり、大分おおいた英語えいごおしえていたホーンビーは、自身じしん英語えいご教師きょうしとしての授業じゅぎょう経験けいけんから、語学ごがくおしえるさい確実かくじつ原則げんそく必要ひつようせいかんじていた。当時とうじ東京とうきょうにあった英語えいご教授きょうじゅ研究所けんきゅうじょ所長しょちょうハロルド・E・パーマーは、1931ねん昭和しょうわ6ねん)にホーンビーを東京とうきょうまねき、どう研究所けんきゅうじょ語彙ごい発達はったつ英語えいごばんかんする研究けんきゅう従事じゅうじさせた。この成果せいかにより、1942ねん昭和しょうわ17ねん)4がつ開拓かいたくしゃから Idiomatic and Syntactic Dictionary (いわば慣用かんよう句法くほう文章ぶんしょう構成こうせい法的ほうてきえいえい辞典じてん[3])が出版しゅっぱんされた。出版しゅっぱん前年ぜんねん、ホーンビーはなにとかしてこの新刊しんかん製本せいほん予定よてい原稿げんこうブリティッシュ・カウンシルB・アイファー・エヴァンズ英語えいごばんおくり、戦争せんそうちゅうにもくっすることなく勇気ゆうきある手柄てがらてた。アイファー・エヴァンズはホーンビーに仕事しごとあたえ、1942ねんにホーンビーは英国えいこく帰国きこくしてカウンシルにくわわり、イラン配属はいぞくされた。

辞書じしょ予定よてい稿こうハンフリー・S・ミルフォード英語えいごばん当時とうじオックスフォおっくすふぉド大学どだいがく専属せんぞく出版しゅっぱんしゃで、実質じっしつてきオックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょく業務ぎょうむ執行しっこう取締役とりしまりやくだった人物じんぶつ)のもとにとどけられた。その辞書じしょは、英語えいご話者わしゃのために編集へんしゅうされ、実際じっさい海外かいがい英語えいごおしえたホーンビーの確固かっこたる経験けいけんもとづいていたので、ミルフォードは即座そくざに、この辞書じしょには大学だいがく出版しゅっぱんきょく書籍しょせき目録もくろくのやっかいな隙間すきまめられる可能かのうせいがあることを見抜みぬいた。たとえば、つづ文法ぶんぽう音声おんせいがく用法ようほうについては、まれながらにして英語えいごはなひとけの辞書じしょよりもはるかに広範囲こうはんいにわたって説明せつめいしてあった。販売はんばい促進そくしんのために辞書じしょ大学だいがく出版しゅっぱんきょく証印しょういんされたことで、より威厳いげんのあるオックスフォード英語えいご辞典じてん (OED) におどされるか当惑とうわくするかもしれない読者どくしゃそうたいして「オックスフォード辞典じてん」ブランドをることができた。

しかし、だい世界せかい大戦たいせん指令しれい経済けいざい体制たいせいかれた英国えいこくのすべての出版しゅっぱんしゃでは当時とうじ経営けいえいじょう問題もんだいしょうじていた。あらゆるもの供給きょうきゅう不足ふそくで、ミルフォードはどうにかかみぬの入手にゅうしゅしようとしてブリティッシュ・カウンシルにたすけをもとめた[4]。ミルフォードは大学だいがく出版しゅっぱんきょく海外かいがい事業じぎょう手掛てがけていたE・C・パーンウェルにそのけん付託ふたくした。1904ねん以後いごずっとそうであったように、相当そうとう援助えんじょなしに出版しゅっぱんきょく経営けいえいすることは、そのころのミルフォードにとってあまりに具合ぐあいわるいことであった[4]

ホーンビーは日本にっぽん中国ちゅうごくのぞぜん世界せかいにおけるこの辞典じてんたいする権利けんりたずさえてやってきた。当時とうじ出版しゅっぱんきょく事務じむ局長きょくちょうであったケネス・シサムフランス語ふらんすごばんは、この辞典じてんかんして事務じむきょく好意こういてき報告ほうこくをした。ミルフォードもその当時とうじ交戦こうせん状態じょうたいにあった日本にっぽんとの関係かんけい巧妙こうみょう利用りようして、ブリティッシュ・カウンシルにたいし、助成じょせいきん交付こうふせまった[ちゅう 2]

1,500ページ以上いじょうかぞえ、どうはん発行はっこう部数ぶすうが10,000およぶこの辞典じてん製作せいさくには、やく10トンのかみ必要ひつようとされた。ミルフォードは「イギリスの文化ぶんかおよび海外かいがいとの貿易ぼうえき直接ちょくせつ利害りがい関係かんけいにあるところ、とりわけポンドけんにおいて」このかみ入手にゅうしゅするために特別とくべつ公表こうひょう申請しんせいした。ミルフォードは初版しょはんはじめるために十分じゅうぶんかみ在庫ざいこ保有ほゆうしていたが、これはすべて「必要ひつよう不可欠ふかけつさいすりようてられた用紙ようしで、まんいち乱丁らんちょう落丁らくちょうほんがあった場合ばあい新品しんぴんえられることを保証ほしょうするための措置そちであった[5]。ミルフォードのめい、エレノア・M・ブッカーが当時とうじインドしょう勤務きんむしていたため、かれめいつうじてかみ供給きょうきゅうはたらきかけた。

最終さいしゅうてきに1943ねんから1948ねんにかけて初版しょはん出来上できあがり、出版しゅっぱんされると、たちまち成功せいこうおさめた。今日きょうでは、世界中せかいじゅう英語えいごまな人々ひとびとあいだもっともよく使つかわれるえいえい辞典じてんひとつになった。

はんれき[編集へんしゅう]

オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん1948ねん初版しょはん発行はっこうされた。最新さいしんばんだい10はんである。

初版しょはんからだい3はんまで[編集へんしゅう]

Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English:

だい4はん以降いこう[編集へんしゅう]

だい4はんからは Oxford Advanced Learner's Dictionary表題ひょうだい発行はっこうされている[6]。ただし、だい6はんまではきゅう表題ひょうだい外国がいこくばん引用いんようされていた。

  • 1995ねん - だい5はん発行はっこうけい65さつ
    • CD-ROMばん(1997ねん5がつ1にち発行はっこうISBN 0-19-431469-3/ISBN 978-0-194-31469-5):63,000の引用いんよう、90,000の用例ようれい、65,000の語義ごぎ、11,600のイディオム動詞どうし、1,700のイラスト単語たんご、2000の新語しんご語義ごぎ
    • 初版しょはんからこのはんまで開拓かいたくしゃ日本にっぽん国内こくない版権はんけん所有しょゆう
  • 2005ねん - だい7はん発行はっこう収録しゅうろく語数ごすう18まん3500、85,000の用例ようれい、2000新語しんご語義ごぎ、5000の百科ひゃっか事典じてんてき語彙ごい、Oxford 3000(よく使用しようされる単語たんご3000のリスト)、7000類義語るいぎごおよび対義語たいぎご、2000てんのイラスト、32ぺーじのカラーイラスト、96ぺーじ特集とくしゅうトピックス。
    • CD-ROMづけペーパーバック(2005ねん2がつ24にち発行はっこうISBN 0-19-431649-1/ISBN 978-0-194-31649-1
    • 商務しょうむしるししょかんばん牛津うしづだか阶英语词てん だい7はん』 (ISBN 978-7-100-05498-0) :1改訂かいていばんと1さつ
      • はつすり(2007ねん8がつ発行はっこう
      • 改訂かいていばんはつすり(2013ねん3がつ発行はっこう
      • このはんから旺文社おうぶんしゃ日本にっぽん国内こくない版権はんけん所有しょゆう
  • 2010ねん - だい8はん発行はっこう:5年間ねんかんかけて製作せいさくされ、編集へんしゅうには30,000時間じかん以上いじょうついやされた[7]
    • ISBN 0-19-479904-2/ISBN 978-0-194-79904-1(Oxford iWriterづけ
    • 英国えいこく Mac OS Xばん(Oxford University Press ELTより発行はっこう
    • 日本にっぽん Androidばん(『オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん 公式こうしきアプリ 日本にっぽんばん』BIGLOBEしゃより発行はっこう
    • 日本にっぽん iOSばん(『オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん 公式こうしきアプリ 日本にっぽんばん』BIGLOBEしゃより発行はっこう
    • 商務しょうむしるししょかんばん牛津うしづだか阶英语词てん だい8はん』 (ISBN 978-7-100-08744-5) :3改訂かいていばんと8さつ
      • はつすり(2012ねん6がつ発行はっこう
      • 改訂かいてい3はんだい8さつ(2012ねん12月発行はっこう
  • 2015ねん - だい9はん発行はっこう収録しゅうろく項目こうもくすう18まん5000および700あまりの新語しんご語義ごぎ様々さまざま特典とくてんコンテンツを収録しゅうろくしたDVD-ROMづけ
    • オックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょくばん (Oxford Advanced Learner's Dictionary NEW 9th Edition/Oxford Advanced Learner's Dictionary Ninth Edition)
      • ペーパーバック+Oxford iSpeaker/Oxford iWriter DVD+プレミアムオンラインアクセスコード (ISBN 978-0-19-479879-2)
      • ハードバック+Oxford iSpeaker/Oxford iWriter DVD+プレミアムオンラインアクセスコード (ISBN 978-0-19-479878-5)
      • 1年間ねんかんのプレミアムオンライン購読こうどく (ISBN 978-0-19-479888-4)
      • iOSばん (ISBN 978-0-19-479889-1)
      • CD-ROMばん (ISBN 0-19-479900-X)
      • Androidばん (オックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょくELT部門ぶもんより発行はっこう。)
      • Androidコードばんオックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょくELT部門ぶもんより発行はっこう教育きょういく機関きかん利用りようしゃけ。)
      • iOSばんオックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょくELT部門ぶもんより発行はっこうパラゴンソフトウェア開発かいはつ[8]。)
    • Oxford Fajar Sdn. Bhd.はん (Oxford Advanced Learner's Dictionary NEW 9th Edition/Oxford Advanced Learner's Dictionary Ninth Edition ISBN 978-0-19-479880-8)
    • 旺文社おうぶんしゃはん(『Oxford Advanced Learner's Dictionary New 9th Edition/オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん だい9はん』2015ねん9がつ25にち発行はっこう。DVD-ROMづけISBN 978-4-010-75299-9):収録しゅうろく項目こうもくすう18,5000(旧版きゅうばんより700項目こうもく増加ぞうか
    • 商務しょうむしるししょかんはん(『牛津うしづだか阶英语词てん だい9はんISBN 978-7-100-12356-3):4改訂かいていばんと8さつ
      • 改訂かいてい4はんだい8さつ(2016ねん9がつ発行はっこう
    • 外国がいこく研修けんしゅうしゃはん(『Oxford Advanced Learner's Dictionary New 9th Edition/옥스포드 영영사전 9th Edition』ISBN 978-0-19-479879-2 DVD-ROMづけ
  • 2020ねん - だい10はん発行はっこう:228,000以上いじょう見出みだ派生はせい成句せいくとう収録しゅうろくしている[9]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 山田やまだしげる (2015ねん9がつ28にち). “OALD9 活用かつようガイド 辞書じしょへん” (PDF). 旺文社おうぶんしゃ. p. 2. 2018ねん11月24にち閲覧えつらん
  2. ^ 会社かいしゃ案内あんない開拓かいたくしゃのあゆみ”. 開拓かいたくしゃ (2007ねん). 2018ねん11月25にち閲覧えつらん
  3. ^ 澤村さわむら寅二とらじろう 1943, p. 205
  4. ^ a b OUP Archives held at the OUP headquarters, Great Clarendon Street, Oxford, UK, Milford's Letterbooks Vol. 165 fol. 493, Milford to Ifor Evans, 4 July 1941.
  5. ^ OUP Archives, Milford's Letterbooks, Vol. 165 fol. 632B, Milford to Ifor Evans, 8 August; fol. 757, 19 September 1941
  6. ^ Oxford Advanced Learner's Dictionary”. オックスフォおっくすふぉド大学どだいがく出版しゅっぱんきょく. 2018ねん11月25にち閲覧えつらん
  7. ^ Paddy Phillips (2010ねん3がつ10日とおか). “Introducing the new 8th edition of the Oxford Advanced Learner's Dictionary”. Oxford University Press ELT. 2018ねん11月25にち閲覧えつらん
  8. ^ Introducing the Oxford Advanced Learner's Dictionary App”. Oxford University Press ELT (2012ねん1がつ3にち). 2018ねん11月25にち閲覧えつらん
  9. ^ オックスフォード現代げんだいえいえい辞典じてん だい10はん”. www.obunsha.co.jp. 旺文社おうぶんしゃ. 2020ねん7がつ3にち閲覧えつらん

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ この辞書じしょ初版しょはん発行はっこうからはん世紀せいき以上いじょう現在げんざいも『しんえいえいだい辞典じてん』 (ISBN 978-4-7589-0005-8) として開拓かいたくしゃから出版しゅっぱんされつづけている。
  2. ^ ただし、実際じっさいにミルフォードがくちにしたのは「日本人にっぽんじんはかなり安上やすあがりな生産せいさんしゃだ」という言葉ことばだけで、日本にっぽん市場いちば獲得かくとくできる見込みこみがあることをいたものであった。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 英語えいご ホーンビーとOALDの歴史れきしようFlash Player)
  • 澤村さわむらとら二郎じろう批評ひひょう紹介しょうかい しんえいえいだい辞典じてん」『えい文学ぶんがく研究けんきゅう』、日本にっぽん英文えいぶん学会がっかい、1943ねん、205-207ぺーじdoi:10.20759/elsjp.23.2_205ISSN 0039-3649NAID 110008150767 
  • ホーンビー先生せんせい大分おおいただかしょうでの英語えいご教育きょういく

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]